TSした男のアイドル生活?   作:ディアドコイ

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毎日投稿をきらしてしまい、すみませんでした。
一人一人の個性を把握するためにアニメとデレステのコミュを永遠とみていました。
皆良い子達ばっかりだ……。


悩み

つい先日にも赤城さんや莉嘉さんが入ったし当たり前のことだが、シンデレラプロジェクトはメンバーが増えていくのだ。

つまり、メンバー内でダンスや歌の練習時間に差が出てくる。

赤城さんは元々養成所に通っていたらしくダンスも歌も上手いが、莉嘉さんは全て初心者である。

なので最近は個人の上手さに合わせてレッスン、という流れになっている。

前まで、私はボイストレーニングを見学させてもらっていた。

だが、ダンスの上達が早いとのことで見学の時間も個別でダンスレッスンをすることになった。

……まあ、本当のところは嘘だろう。

このまま私がボイストレーニングを見学し続けても意味がない、という判断だと思う。

わざわざ嘘をつくなんて、トレーナーさんも優しい人だと感じる。

このまま、ここに居たくなってしまう。

 

そんな甘い思いが出るほどに、私の職業探しは上手くいっていなかった。

 

求人誌に一通り目を通したが、会話をせずに済んで資格が必要ない仕事はほとんど見つからなかった。

しかし最近、求人誌の中にはない職業が私に向いているのではないか、と思いはじめた。

――モデルという職業である。

 

アイドルと違い声を出す必要もなく、ただ服を着てポーズを決めて写真を撮る。

体が動きにくいのも、ポーズをとって立っているだけなら問題はないだろう。

モデルは服が映えることが第一なので、私のようなあまり凹凸のない体型でも受けていれてくれるはずだ。

アイドルにスカウトされたということは普通程度に顔は良いと思うし、無表情というマイナスな面もクールな人として売れるかもしれない。

実際にモデルをしたことがないので分からないことは多いが、アイドルに比べると必要な技術も少なく感じる。

346プロの中にモデル部門が存在していることもあり、そのまま寮に残してくれる可能性もある。

もしかしたら武内さんが手引きしてくれるかもしれない。

 

私はアイドルをしたいわけではない。

そんな私がシンデレラプロジェクトの席を一つ取っているのは間違っていると思う。

脱退するならオーディションが終わる前に脱退しないと、プロジェクトの進行に支障をきたすだろう。

モデルならば人数は多いし、アイドルよりもかかる迷惑も減るはずだ。

ただ、優しくしてくれているシンデレラプロジェクトの皆に恩返しもしないまま抜けるのはよくない、とも思う。

 

……346プロにいるアイドルにも、モデルから転向した人がいたはずだ。

どうしてモデルをやめて、アイドルになろうと考えたのだろう。

話は聞いてみるべきだと思う。

まあ、声が出るかどうかはわからないが……。

 

 

 

「は~い、……えっと、志穂ちゃんですよね?まゆに用ですか?」

 

ちょうど寮にもモデルからアイドルへ転向した人がいた。

佐久間さんである。

同じ寮住みで顔馴染みであり、こちらが声の問題も知ってくれているので相談しやすい。

佐久間さんのプロデューサーの話をすると地雷を踏むことになるらしいが、私は会ったこともないので問題はない。

 

佐久間さんはこちらが話を言い出しやすいように、静かに待っていてくれている。

本当にここのアイドルは気配り上手だと思う。

そのお陰か、ほんの少しだけなら声が出そうだ。

 

「モデル……どう……?」

 

「……モデルをしていた頃の話ですか?えっと、まゆはもともと読モをしてたんです。でも、プロデューサーに出会って運命を感じて、事務所をやめたんです♪」

 

さっそく地雷と言われたプロデューサーの話に繋がってしまった。

だが、佐久間さんがプロデューサーについて語っているだけなので地雷と言うほどのものでもないと思う。

――たぶん、自分から佐久間さんのプロデューサーの話をするのがダメなんだろう。

まだプロデューサーの話は続いているが、ここまで一途に思われるというのも男として羨ましい。

……今は女だが。

 

「プロデューサーはまゆのものだからとっちゃダメですよ?それと、モデルの話でしたね♪アイドルになる前は、ただ見られるだけで終わってたんです。でも、それじゃダメなんだ、ってわかりましたよぉ。だからまゆは、アイドルになってよかったと思います♪」

 

大抵が佐久間さんのプロデューサーの話だったが、それも含めて貴重な話だったと思う。

少なくてもモデルを悪い職業と思っているようには感じなかった。

モデルはただ見られるだけと言われたが、アイドルだと何か違うんだろうか。

そのプロデューサーがいなかったならば、佐久間さんはアイドルの方が良かったと言うのだろうか。

……やはり他のモデルから転向した人にも早めに話を聞くべきだろう。

シンデレラプロジェクトの席に空きをつくるなら、早い方が武内さんも助かるはずだ。

 

話してくれたことに一礼して感謝を伝える。

噂だけだと単に重い子なのかと思っていたが、プロデューサーのことを真摯に考えているのが伝わってきた。

佐久間さんのプロデューサーにさえ関わらなければ、良い関係になれるかもしれない。

 

「急にモデルの話を聞きに来るなんて、どうしたんでしょう?まゆ、嫌な予感を感じます……」

 

 

さて、次に話を聞くべき人はギャル系モデルのトップと名高い城ヶ崎美嘉さんだ。

この日のためにギャル系ファッション誌を何冊か買っておいたので話についていけるだろう。

買うときに本屋の店員さんには随分と驚かれたが、その成果が発揮されると思う。

じゃないと恥をかいただけだ。

 

「あ、志穂ちゃんじゃん。どうしたのー?」

 

やっぱりトレーニングルームにいた。

美嘉さんはギャルなのにプロ意識が高く、一人でよく練習している姿を見る。

他のギャルもそういう人達ばかりなのだろうか。

それならば、私は勝手にギャルに対して偏見を抱いていたことになるので、気になるところだ。

さっきと違いなかなか声が出ない。

出るようになるまで美嘉さんのダンスを見させてもらう。

 

踊っているダンスは私と大して変わらないのに、圧倒的な差があるように感じる。

これが、客のいるステージに立った人の魅せるダンスなんだろうか。

……よし、声をかけれそうだ。

一曲踊り終えた美嘉さんに、佐久間さんにしたのと同じ質問をする。

 

「モデル……どう、ですか?」

 

「え!あ、モデルの話をしてほしいのね。まかせてー★」

 

やった、ちゃんと敬語も使えた。

そんなどうでもいいことを考えている間にも、美嘉さんは真面目にモデルの話をしてくれている。

着る服が小さくて胸が苦しかった話など、冗談を交えながら話してくれる。

元男としては反応しづらいものがあった。

 

「でもやっぱりアイドルは服じゃなくて自分を見てくれるからサイコーかな★なんか、アタシのそのままを受け入れてくれる感じがするじゃん!そのためにカッコいいアタシでいたいって思えるし!」

 

見た目と中身のギャップが大きいが、その期待に全力で応えたい、というのは素晴らしい考えだ。

カリスマギャルと呼ばれるまでになっても、頑張り続けるその姿はまさしくアイドルに相応しいと思う。

……私には無理だ。

 

トレーニングルームの扉が開く音がした。

きらびやかなドレスを着た人がこちらへとやってくるが、何の衣装だろうか。

 

「やっほー楓さんじゃん★そのドレスちょーカワイイけど、どうしたの?」

 

「美嘉ちゃん。このドレス、どーれすか?」

 

思い出した。

この人は346プロのアイドルの中でもトップの人気を誇り、無類のダジャレ好きで有名な高垣楓さんだ。

写真を見たときはミステリアスな雰囲気を纏っているので信じられなかったが、目の前で本当にダジャレを聞いたので信じざるを得ない。

……もしかしてこの一言を言うためにトレーニングルームまで来たのかもしれない。

美嘉さんも頭を抱えていらっしゃる。

 

「えっと、ちょー良いと思うよ?そういえば楓さんも元モデルだったよね!?ちょっと志穂ちゃんにモデルの話をしてあげてくんない?」

 

「モデルの頃の話ですか……。ファッション雑誌にでも、出るんですか?モデルだけに。ふふっ」

 

「……」

 

一々つっこんでいたら負けなのかもしれない。

常識人である美嘉さんは大変だろう。

にしても、346プロ一番人気といっても過言ではないような人がモデルから転向したとは知らなかった。

 

「私は、モデルをあまり楽しいと思いませんでした。我が儘ですけど、カメラ越しからファンに見てもらうのではなく等身大の私を見てほしかったんです」

 

ダジャレから急に真面目に変化したので驚きは大きいが、大切な話だと思う。

 

「雰囲気が良いから、と無表情な写真を撮られるよりも笑っている私を見てくれることの方が嬉しいんです。志穂ちゃんもモデルになったらそういう写真を撮られると思います。でも、アイドルはファンと一緒に歩いていける。それはきっと、素晴らしいことだと思います」

 

「……ファンと、一緒に……」

 

……私は無表情な顔しかできないんだが。

まるで夢のような話だと思うが、私がその道を歩いていけるとは思わない。

ただ、すごく興味深い話だった。

ステージに立つということへの心構えが違うのだ。

中途半端な私が立ち入る場所なんて、ない。

 

とにかく話してくれたことに感謝だ。

美嘉さんにも高垣さんにもしっかりとお辞儀をする。

どちらの話も、これからのためになる話だった。

……ギャル系ファッション誌を買った効果は全くなかった。

後日、実際にモデル部門の方まで足を運んでみようと思う。

最後にもう一度礼をして、トレーニングルームから退出した。

 

 

 

「志穂ちゃん……思い悩んでるみたいだけど大丈夫かな?トレーナーも志穂ちゃんがレッスンに集中してないって漏らしてたし……」

 

「歌えないことで自分がアイドルを続けて良いのか、悩んでいるのかもしれませんね。」

 

「それかもっ!このままじゃ志穂ちゃんアイドルやめちゃうかも!美波ちゃん達にはやく教えないとっ!」




デレステで同僚になってくれる方募集中です。
ちなみに音ゲーは苦手で、コミュ解放にも苦労しています。
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