楽しんでいただけたら幸いです。
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「…何してんの」
草の揺れる方へ声をかける。
「あーあ、またバレたか!」
にしし!と笑う彼の名前は笹山優騎(ささやま ゆうき)。
同じ学校のクラスメイトだ。彼もまた、1人暮しである。
「なぁ**…あのさ…」
ぐぅぅう
「はぁ…」
ため息をつき、室内へと誘導する。
笹山が玄関から居間へ移動しているあいだにさっき作ったチャーハンの残りを電子レンジに3分。お皿を彼の目の前においた。
「どうぞ。」
「いいのか!?いただきますっ!!」
よほどお腹が空いていたのだろう。
マンガで例えるとガッガッガッガッとかいう効果音がつきそうな勢いで食べている。
何しに来たの?と聞こうと思ったが、聞かないでおく。どうせ学校に来いと言われるだけだ。
笹山は元気よくごちそうさまでした!といい、丁寧に流しでお皿を洗ってくれた。
「あ、そうそう。お願いがあn「断る。」なんでだよー!!いいじゃねーかぁ!!」
言葉をさえぎってしまったことは申し訳ないが、行きたくないものは行きたくないのである。
「まず話聞けって。どうせ学校に来させようとしてるとでも思ってんだろ!あ、その顔当たりだな!お前ってやっぱりわかりやすいよなー。」
1人で盛り上がっているところ悪いが、思っていたことを当てられたことに驚きを隠しきれない。
「お願いって…何…?」
緊張の糸が張り詰める。
「あのな……勉強教えてくれ!!」
張り詰めた糸は、意図も簡単に切れてしまった。展開が早すぎてもはやついていくのも大変である。
「………は?」
こいつは何を言っているんだ。学校に来いならまだしも、学校に行っていないやつに勉強を教えろと頭まで下げている。
「次のテスト点落としたら演劇のやりたい役できねぇんだよ!なぁ、頼む!この通り!!」
笹山と私は演劇部である。部活の決まりで赤点以下の人は役決めの際に意見を出すことはできないという暗黙の了解が存在する。笹山は部内でもトップの演技力を持つため、ヒーローは彼でなくてはいけないのだ。
「いや、待ってよ。私学校行ってないんだけど。わかるわけないじゃない。」
「何言ってんだよ!お前成績トップだったろ!教科書見たら絶対わかるって!それにヒロイン役だったお前にしか相談出来ねぇんだよーみんな信じてくれないから!なぁ、頼むよ!この通り!!」
「…わかった…。」
「ぃよっしゃぁあ!!じゃあ、明日からよろしくな!お邪魔しましたー」
彼の勢いと視線に圧倒され思わず承諾してしまったことに後悔するのは、また先の話。
まだ続きます。
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