やはり俺は彼女としか本物は得られない   作:Suffer trouble

1 / 8
初投稿となります
誤字脱字など多くあるかもしれませんが、暖かい目で見守って頂けたらと思います


プロローグ

 

その日、俺の中で何かが壊れた

 

頭の中で反復して聞こえてくるのは

 

『あなたのやり方嫌いだわ』

 

『もっと人の気持ち考えてよ』

 

 

ああ、今まで俺のしてきたことは全く意味を持たなかった。

そう思いたくなくとも、その言葉が真実を告げている。

 

確かに他のやり方もあったかも知れない。

由比ヶ浜の気持ちに薄々気付いていながら、この方法をとったのも間違いだったかもしれない。

 

だが『俺』という人間が、あの状況のなか『本物』を守るためにはああするしかなかった。

俺がずっと追い求めてきたモノのためなら、辛くとも苦しくとも堪えられた

 

過去の告白でのトラウマを理性で抑える。

誰かの告白を横から邪魔することで、周りから批難されることなんてわかりきっていた。

元々文化祭での出来事もあったからな。

マイナスがさらにマイナスになっただけ、そう思いながら実行した。

 

依頼を解決できなければ、奉仕部は、あの場所がなくなってしまうかもしれなかった。

何とか依頼は達成したが、結局俺の追い求めていた場所はなくなってしまった。

 

俺は今まで、濁りきったこの目で何を見てきた。

人間なんてそんなものじゃないか。わかっていたじゃないか。そこから目を反らし、期待して裏切られたと思う方が馬鹿なのだ。

 

もう期待するのも、目を背けるのも、誰かを想うのも、恐れるのもやめよう。

皆の、誰かの中に俺が存在することはない。

俺の中に俺がいるだけだ。

 

だから、信じるのは俺自身。誰かのために自分を犠牲にするのも今日限りだ。

もしその誓いを破る日が来るのなら…

いや、こんなことを考えるだけ無駄だ。今さっきそう決めたじゃないか。

どこまでも学習しない馬鹿だと、口から乾いた声が漏れた。

 

いまだに宿泊施設に戻ることなく、林の中に立っている。

時々吹く風が心地よかった。

やっと、自由になれた気がしていた。

ありもしない本物という幻想に囚われ続けていた日々から。

そんなものに期待していた過去の自分から。

 

ポケットに手を入れたとき携帯があることに気がついた

「もう、全部終わったんだよな」

そう一人呟いて、連絡先を開く

そこには両親、妹、由比ヶ浜の名前があった

それを1つずつ消していく

放任する親、ごみ扱いする妹、自らの過ちを気付かせてくれた人

もう、一人になった俺には関係のない人たちだった

 

 

 

少し身軽になった心を携えて青年は歩く

果たしてその選択は正しいのか否か

それがわかるのは予想外に早かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから葉山が申し訳なさそうな目でこちらを見てきたり、戸塚が心配して声をかけて来たが、何ともないと一言返事をしただけで、あとは誰とも関わることなく修学旅行は終了した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。