やはり俺は彼女としか本物は得られない 作:Suffer trouble
しばらく(どのくらいかは未定)は八幡視点で話を進めたいと思います
シャワーから上がり心も体もさっぱりした。
いやー、清々しい気分だ。
あとはここに例のあれです。千葉のソウルドリンク、MAXコーヒー
頭も乾かさず脱衣場から出るとリビングの電気は消えていた。
とりあえず冷蔵庫へ向かい、キンキンに冷えた缶を手に取る。
少し振り、プルタブを開けるとカシュッと音がなり、MAXコーヒー独特の香りが漂う。
ごくごくと半分ほど飲み缶から口を離す。
最高だ。脳に響く暴力的な甘さと、火照った体を冷ましてくれる。このために生きていると言っても過言ではない!
おっと、至福の一時過ぎてテンションが上がってしまった。
残りのMAXコーヒーをちびちび飲みながら今後のことを考える。
とりあえず奉仕部は辞める。平塚先生はいろいろと言ってくるだろうが、何とかなる。
あいつらも俺を否定したんだ。今さら引き留めることもないだろう。
厄介なのは雪ノ下さんだな。今まで振り回してきた張本人で、今回の件にも必ず関わってくるはずだ。
めんどくせぇ。
だが、これからのボッチ生活を確保するためにはやらなきゃいけないことだ。
やることの多さに少し頭を抱えたくなるが、今は気分がいいからな。
空になった缶をゴミ箱へ捨て、自室へと戻った。
基本的にこれから将来的にも一人で生きていくんだ。
いくら放任主義の親と言っても、大学の学費くらいは出してくれるだろう。もしダメでも特待生入学か奨学金がある。
妹溺愛の親のことだ、今回のことをあいつが言えば学費を出さないと言われかねない。
なら、そうなることを前提に物事を進めておいた方がいいな。
文系は大丈夫だとしても、数学つまりは理系の科目が危ない。受験までは1年近くある。必死で復習すれば何とかなるだろう。というかする。
とりあえず、中学で使っていた数学の参考書を手に取り、勉強を始めた。
修学旅行明けの登校日
あいつとは顔を会わせるものの、一言も交わすことなく家を出る。
自転車を漕ぎながら、これから起こるであろう厄介ごとに気分が下がる。
頭を悩ませているといつの間にか校門についていた。
自転車を止め、昇降口へ歩いているといつもより視線を感じる。
修学旅行の出来事がもう伝わってるのか?
あいつらの情報網やばすぎだろ
八幡はそう思っているが、さすがにそこまで早く伝わることはない。
この視線の多さは、八幡の目が変わったことによるものだ。
もともと目以外のパーツは優れており、身長も猫背を直せば高さがある。
筋肉質と言うわけではないが、運動はそこそこできる。
それはあのテニスで証明済みだ。
つまりはそこそこいい体格の細身のイケメンである。
その事に本人が気付くことはないが…
いつもより多い視線を体に感じながら教室へ向かう。
扉を開けると、ざわついていた教室内がシンと静まりこちらを向いている。
さすがにあの事件の関係者と同じクラスならこうもなるか。
だが、そんなことを気にも掛けずに自らの席へ向かい、イヤホンをつけ読書を始める。
しばらくするとこちらに視線を向けて来るやつも減ったが、いまだに向けて来るやつもいる。
葉山に由比ヶ浜、戸塚、あとは川崎。
戸部と海老名さんはどうでもいい。
上の四人は少なからず関わりがあるし、他の二人より面倒だから、早いとこ蹴りをつけよう。
由比ヶ浜は雪ノ下と一緒のときの方が楽だからな。
とりあえず残りの三人だ。
HRが終わり三人のもとへ"こちらから話しかけた"
俺に用があるなら昼休みに屋上に来てくれ
三人には同じように告げ再び自分の席へ戻った。
昼休みになり、さすがに誰も来なくとも誘った自分が一番遅いというのもマナー的に悪いだろう。
一番早く教室を出て屋上で待つことにした。
数分後三人揃って屋上へ現れた。
「朝は突然悪かったな。とりあえずお前らも俺に用があるだろうが、俺もお前らに言いたいことがあって、今回に至る」
黙る三人を前にその一言を告げた
「これ以上俺と関わるな」
「えっ」
「なにいって!」
「っ!?」
戸塚、川崎、葉山と三者三様の反応だった。
「まず何でこの三人かは今から説明する」
ふぅと一息つき話を始めた。
「朝の時間、最初はほとんどのやつらが俺を見ていたが、徐々にその数も減っていった。だがお前らはずっとチラチラと見てただろ。視線には敏感でな。お前ら一人一人に何かしら思うことがあって、今回ここに来てくれたと思うから、一人ずつ話してくれ」
そう言うと戸塚が口を開いた。
「僕ね、修学旅行の日八幡に何があったか聞きたかったたんだ。噂では知ってるけど、本当のこと知りたくて。そしてできるなら、八幡の力になりたくて!」
「そうか。だが、この三人のなかに詳しく知ってるやつがいるだろ、なぁ葉山?」
びくりと葉山の肩が揺れる
「どういうこと葉山くん?」
「そ、それは…」
その様子を見てククッと笑いをもらしながら八幡が口を開いた。
「言えないよなぁ。だってお前らのグループで起こったことを奉仕部に、厳密に言えば俺に押し付けたんだからな。まぁ詳しくは葉山に聞いてくれ」
「そして戸塚に関わるな、まぁ正確に言えば関わりたくない理由だがな、やりたいことやって努力するような人間と俺じゃすむ世界が違うからだ。別種の人間な訳だよ」
戸塚は口を開かない、否開けない。
言われたことが唐突で、何より八幡の雰囲気がそうさせない
「次に川崎。単純に言って家族から愛されてるようなやつと関わりたくないんだよ。俺には家族から愛された経験なんてないからな。お前みたいなやつを見てるとヘドが出る。むしろ依頼のときは糞みたいな家族ごっこ見せられて気分が悪くなったわ」
川崎は絶句していて、それ以上に内容がうまく飲み込めてないように感じる。
「最後に葉山。お前は常にみんな仲良くをポリシーにしているようだな。千葉村しかり文化祭、修学旅行。だがな、お前じゃそれは無理だ。常に上にたつ人間に下の気持ちは理解できない。尚且つ、お前、みんなのなかに俺を含めてないだろ?」
自嘲気味に笑う八幡に対し、葉山の顔は真っ青だ。
「俺はお前らとは何もかもがちがう。誰からも必要とされることもなければ、何かを努力することすらできない。常にあるとすれば悪意さらされるだけだ。戸塚にも言ったがすむ世界が違う。お前らのような人間に俺を理解しようと考えられることでさえ、気分が悪い」
「なにも言わず無視しててもよかったんだが、お前らしつこそうだからな。これは俺からの善意だ。それじゃあな」
返事を待つことなく屋上を出ていく八幡。
誰一人として動けないどころか、言葉を発することもできない。
「あ、戸塚の用件は聞いたが川崎と葉山のは聞かなかったな。まぁあれだけ言われれば関わってくることもないだろう」
「あとは五人か」
今回の八幡の話に疑問や強引さを感じた方も多いと思いますが、今後の話で明らかになるのでそれまで待っていただけたらと思います
またオリジナルヒロインではございません!