GS横島‼-煩悩なしで生き残れ-   作:こたろー

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私からみて、横島君は最初から唯の子供ではなかった。

 

 

上級霊を前に逃げ切り、助けを求め、その退治にも一役かったあの冷静さ。

そして、人の身には多すぎるほどの霊力。

 

 

突然目覚めてしまったそんな力に対して、絶望するでもなく淡々とコントロールの為に修行をし続けた。

 

 

友達と遊びたいだろうにそんなそぶりは一切見せなかった。

 

 

正直なところ、私は子供が嫌いだ。

 

泣けば何でも許されると思っているところとか、とにかくうるさいところとか、あげればキリがない。

 

だけど、その点横島君は例外だった。

変な日本語だけど、子供だけど、あの子は大人だった。

 

これは、生まれた時から霊や化け物の類いに狙われ続けている私だから言えることだろう。

 

 

 

 

 

 

 

あの子の姉弟子になり、

護衛として、送り迎えにいくことになり、

様子を見に行くことになり、

 

私は、私以外と過ごす時間が少しずつ増えていった。

 

そんな時、何気なく百合子ママが言っていた。

 

「忠夫は、貴女達と出会う前は、本当に元気が取り柄な子供だったわ。子供らしく遊んで泣いて忙しかったわ」

 

子供の成長は急よね。

突然大人びちゃうんだもの。

 

 

少し寂しそうに笑ったその顔が、自分の母とダブって見えた。

 

「特に好きな女の子が出来ると、男の子は大人ぶりたくなるのかしらね」

 

続けて茶化すように笑ったその顔を、私は何故か見ていられなかった。

 

 

あの子は我慢強い。

諦めない。

泣かない。

 

ああ、

そっか。

 

─────────似ているんだ。

 

自分でその結論に思い当たり腑に落ちた。

 

 

 

 

子供は嫌いだ。

だけど、私は横島君個人は認め、尚且つ気に入っているんだ、と。

 

体を洗い終わり、タプンと浴槽で暖まり、人心地ついた。

 

何だかスッキリした。

 

悲しいことは悲しいのに、これが心の整理がついたってことなのかも。

 

ふー、とため息をついた。

そして思い当たった。

 

「あっ……………琥珀がいるから、もうお役御免になったんだった…………」

 

 

今日一番の赤っ恥に気づいて私はそのまま浴槽に沈んだ。

 

───────何で私、人の家でお風呂までもらってるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅するとすでに令子さんが来ていた。

 

琥珀が一緒にいるようになってくれてから、時たま夕食を一緒にすることがあっても、何かと理由をつけて、あまり長居をしなかった令子さんが。

 

 

「お、お邪魔しています」

気まずそうに、そして何だかぎこちない。

 

リビングで母さんに髪を乾かされていた。

 

「おかえりー!パパが帰ってきたらご飯よ!先にお風呂入っちゃいなさい!」

「あぁ、うん。…令子さん髪切ったんだね」

 

物珍しく思わずじっと見つめてしまった。

 

サイドの前髪はそのままに、後ろの髪だけ項がしっかり見えるほどに短く切っている。

前下がりのボブだ。

 

「!……そう、イメチェン。……変…かな?」

 

あまりにもまじまじと見てしまい不快にさせてしまったようで、居心地悪そうにそう問われた。

 

「良く似合ってますよ!俺好きですよ」

 

ショートボブとか。

可愛くて。

 

しかも少し照れて赤くなったその顔とか、美少女2割り増しって感じだ。

 

「!!!?」

 

何か言葉を返そうとして、誉められ慣れていないのか照れ過ぎて、パクパク金魚のように口を開いたり閉じたり繰り返す。

終いには黙ってしまった。

 

「?…じゃあ令子さん俺も風呂いってきます。その服も似合ってますよー」

 

何か俺不味いこといったかな?

すんごい顔してたけど。

 

いつの間にやら離れていた母さんがキッチンで、親指を立ててこちらを笑顔で見ていたから大丈夫だと思うんだけど。

 

 

 

確か原作開始時の美神令子は二十歳だった。

今は令子さんが14歳、俺が11歳。

そうなると今は6年くらい前か。

 

…そういえばナイトメアの話では令子さんの深層心理に潜り込んでいたな。

 

確か幼稚園、小学生、中学生、高校生、といった過去の令子さんと対面していた。

 

その一人がセーラー服にバイク、そしてさっきみたいなショートだったな…。

 

今がちょうどそのときか……、──────あ″あっ!!

 

バシャン。

湯船からあわてて立ち上がってしまい、琥珀にシャーっと文句を言われた。

お湯を頭からかけてしまった。

 

 

……令子さんのお母さんが亡くなったことになったのも、確かそのくらいだったよな。

 

と言うことは─────

……無神経すぎた。

 

知っていたのに、───いや、知らないことにはなってはたけどさ。

 

過去プラスな精神年齢なのに気が回らなくてホントすみません。

 

項垂れる俺の頭に小さな前足がポンとのった。

 

 

 

 

 

 

 

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