GS横島‼-煩悩なしで生き残れ-   作:こたろー

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#4

 

一週間はあっという間だった。

 

弟子入りしてから、先生にみっちりとコントロールを教わった俺は最終日には15分という記録を更新した。

 

次に体に留まるようにするという目的を達成する為、先生監視のもと、試しにミサンガをはずしてやってみた。

 

意外にも、やってみれば体の霊力を感じとり、綺麗に纏めあげて留めると言うことも自然と出来るようにもなっていた。

 

本当に感動で泣けるんだなと思ったよ、先生をみて。

令子さんはそんな先生をみて呆れているようだったが、笑っていた。

 

しかしながらこの一週間で、出来たのはここまでだ。

 

寝ている間はミサンガが補助してくれているが、また前とあまり変わらない状況になっているので、相も変わらず修行は継続することになっている。

 

意識の無いときに集中。

無意識で行う_______しばらく難しそうだな。

ミサンガには頼りきりになりそうだが、頑張ったかいあって、差し迫った危険は無くなった俺も令子さんと同じく住み込みではなく、通い弟子になった。

 

日常生活をしつつ体に霊力を留める修行を行い、放課後3日に1度は教会に立ち寄り水晶修行を行うことになった。

 

何で毎日じゃないかというと、敵は霊だけではないと力説する両親の強い薦めで護身術教室にも通い始めた為だ。

 

最近は皆が皆、過保護に感じる。

 

原作からすれば尚更だ。

まぁ、俺が今は子供だってこともあるんだろうけど。

なんだかな…。

 

 

「よっ、と」

鞄をおろした俺は自室にいた。

 

子供らしいミニ四駆が飾られた棚や勉強机、ポスターの貼られた部屋だ。

しかしながら似つかわしくないものがそこにはあった。

 

壁の四隅に貼られた札だ。

この札を各部屋に張ることで家の中全てに強力な結界が張られている。

 

「この札一枚いくらだろう…」

確か破魔札が300万と言っていたような________……しっかりと稼げるようにならないとな。

 

考え続けるのが怖くて、その考えを振り払うようにGSを目指すことを改めて決意した。

ある程度稼いだらオカルトGメンに入っても良さそうだ。

 

とにかく親孝行はしっかりしないと。

 

「ただ!ちょっと手伝ってくれる?」

「うん!今行く!」

 

母さんに呼ばれて俺はリビングに向かった。

 

「うわー、いい匂い」

キッチンからの誘惑に腹の虫が盛大に反応した。

 

「ふふふ、もうすぐ夕飯よ!今日はお客様も一緒だからね」

盛り付け手伝ってくれる?

そう言われて、すぐさま返事をした。

 

 

 

「ただいまー!」

「お帰りなさい」

「お帰り、父さん今日早いね」

珍しい。

母さんも夕飯の支度中、ずっと鼻歌まじりにご機嫌だったし。

 

「ははは、何だお前自分の誕生日も忘れてたのか?」

「へ?あっ!」

 

ほらこれがプレゼントだと俺が両手で持てるサイズの箱を渡された。

緑色のリボンがかけられて、綺麗に包装されている。

 

「うふふ、サプライズ成功ね!」

 

「驚いていないで開けてみろよ、もっと驚くぞ」

そっと包装紙をはずして、箱をあける。

手が震えた。

 

「へぁ!!!!!いいの!!!???」

「当たり前でしょ、あなたの誕生日プレゼントなんだから!」

ずっと欲しかったミニ四駆のパーツと機材が揃っていた。

 

「ありがとう!」

「う"!!?」

父さんにタックルするようになったが抱きつく。

大好きだー!

前世の記憶があっても俺自身は子供だ。うん、気にしない。

「母さんもありがとう!」

 

その瞬間だった。

全身の身の毛がよだつような悪寒がした。

 

「?ん、地震か?」

カタカタと家が揺れる。

揺れる。

揺れる。

 

そして、プツリと俺の腕のミサンガが二つともほぼ同時に切れた。

貼られた札が真っ二つに切れ、床に落ちた。

 

「えっ」

 

次の瞬間だった。

窓を割って入ってきたたくさんの真っ白な姿の霊。

その一体一体は俺を見据えていて、ニタリと笑った―――――――ように見えた。

徐々に近寄ってくる。

 

我に返った母さんに抱き込まれ、庇われた。

父さんはそんな俺達を守るように前へ。

 

「ッ!!?駄目だ!父さん危ないッ!!」

今までに出したことのないほどの大声で叫んだ。

 

「うちの子の誕生日に……おんどれや、何してくれとんねんッ!!」

空を切る、風切り音が聞こえた。

 

「すげー」

初めて見たけど、マジで霊って殴れるんだ。

殴られた霊たちは結構あっさりと父さんの手によって倒された。

 

文字通り素手で、だ。

まるで形作られた蒸気が掻き消えたようだった。

 

「あ、いけない!お鍋火に掛けっぱなし!!

あなたそこの片付けお願い!ただは、お料理テーブルに運んで!」

 

お客様来ちゃうわ!とわざと大袈裟に捲し立て、キッチンに向かった母さんを見て、父さんと顔を見合わせた。

 

「「ぷっ」」

 

俺も父さんも、たぶん一生かけても母さんには勝てないんだろうな。

 

優しい。

優し過ぎる家族が大好きだ。

 

 

 

 

 

 

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