シスコン一誠くん   作:超人類DX

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ツインズの別ルート……的な話


従兄妹ちゃまとイッセーくん

 ブラコンと呼ばれる様になったのは、お兄ちゃんに引っ付いてるからだ。

 

 従兄妹という関係であって本当の兄妹では無いにしても、叔父さんと叔母さんが死んで独りぼっちになったお兄ちゃんをお父さんとお母さんが引き取り、一緒に住むようになってからずっと一緒。

 何をするにしても一緒……いや、どっちかと言えば私がお兄ちゃんに引っ付いてるだけな気もしないでもない。

 

 けど、お兄ちゃんは無口で無表情で一見怖そうな雰囲気を何時も出してるけど、私が引っ付いてる事に何も言わずに居てくれる。

 

 そして私が危ない事に巻き込まれても……。

 

 

「悪魔……だと?」

 

「うん……何か私の中に変な力があって、そのせいで堕天使ってのに襲われたから、保護を条件にだってさ。どうしたら良いかな?」

 

「……。やめろ、悪魔だけはダメだ。奴等はクズの寄せ集めだ」

 

 

 お兄ちゃんは何処からでも直ぐ来て助けてくれる。だから――

 

 

「何か知ってそうな口振りだね……。でもわかった、お兄ちゃんがそう言うなら明日断ってくる」

 

「…………」

 

 

 お兄ちゃんの言うことだけを最優先にするのは、当たり前だと思わない? 私はそう思う。

 

 

 

 肉親という概念は元々無いと思ってたクチであったので、自分が何者である事を思い出したその次の日に事故って死んでしまいましたという笑えるオチになっても、悲しいという感情は無かった。

 まあ、この世界でも俺を化け物と罵って半分虐待めいた真似をあの親という概念をしたボケ二匹はやってきた――ていう理由もあるんだが。

 

 そんな訳で、何故かまたやり直しをするに辺り、俺の中に宿った相棒が居ないという事以外は基本的にあんまり変わらないもんだなとか思いつつ、昔と同じくホームレス園児にでもなろうかと、勝手に同情してる大人共の視線を受け流しながら適当に考えてたのだが……。

 

 

「あのバカ……自分の子供にこんな事をしてたのか……!」

 

「痛かったでしょう……? 辛かったでしょう……? もう大丈夫だからね?」

 

「はぁ」

 

 

 一つだけ違うことがあった。

 俺が俺として生きていた頃に、さっさと俺を捨てて行方を消した両親がこの世界では違くて、何と死んだ両親の父方の兄夫婦として存在しているのだ。

 つまり俺は顔や姿は前の時と変わらないのだが、家系図というか何というか……生まれのルーツが絶妙に違うのだ。

 

 とっととくたばった情も感じない両親からの虐待跡である身体中の青アザを見て憐れんでる夫婦を見て思い出す辺り、相当どうでも良く思っていたと改めて笑える。

 

 

「ウチに来なさい。今日から私達が一誠くんの親になるわ」

 

「遠慮はいらない。寧ろ我慢していた分、今日から我慢はしなくて良いんだぞ?」

「え、いや……」

 

 

 しかし困った事に、この世界では叔父夫婦という形になってる二人は、俺を見て憐れに思って義心にでも勝手に触れたのか、俺を引き取るだなどと言い出した。

 弟が――つまり俺の父親のした事に憤慨しつつ、俺に生温い視線を向け、育てますと宣言する。

 

 正直かなりありがた迷惑というか、元々俺は精神的にはこの二人より遥かに年齢が行ってしまってるんだ。

 今更ガキみたいな振る舞いをしながら生きるなんてやりたいとは思わない。

 

 けど、断るにしても今は普通に餓鬼な見た目な為に断れる訳も無く……。

 

 

「今日から一誠は私達の家族よ。ほらレン、歳は同じだけどイッセーの方がお兄ちゃんだからちゃんと挨拶しなさい」

 

「こ、こんにちは……」

 

「…………………」

 

 

 あれよあれよと引っ張られ、そして知らない餓鬼を紹介された挙げ句妹だなんだと言われて俺は訳がわからなかった。

 

 薄い茶髪で、人見知りでもするのか俺を見てオドオドと母親の後ろに隠れてる餓鬼……。

 それは俺の記憶に全く存在しない子供……。

 

 

「お、おにいちゃん……」

 

「………う」

 

「ん、どうしたイッセー?」

 

「い、いや……何かゾワゾワしたんで……」

 

 

 そして気付く、もしかしてコイツは前の世界でいう所の俺自身で、それが何を間違えたのか女バージョンで、更に言えばスキルを持たずに両親から大切にされてるという感じなんだと。

 

 

「あら、人見知りの激しいレンがイッセーに懐くなんて……」

 

「レンと同い年なのに、イッセーは大人びてるからなぁ……」

 

「おにいちゃん……!」

 

「…………………」

 

 

 なるほど、俺は単純にタイムスリップした訳じゃないんだな……。

 目覚める前の力がレンというガキの中にあるのを感じた俺は、このガキの行く末に少しだけ興味を持ち始め、そのまま住み着く決心をした。

 

 俺とは違って捨てられず、寧ろ大事にされて育つコイツが果たして相棒の力を覚醒させるのか……。それともさせずにそのまま死ぬのか……。

 それをただ見定める為だけに……。

 

 その結果――

 

 

 

 

「ごめんなさい、グレモリー先輩の申し出は折角ですけど断らせて貰います」

 

「…………。一応聞くけど、どうしてかしら?」

 

「いやぁ……考えてみたら保護して頂かなくてもある程度の護身術とか習ってましたから……お兄ちゃん印の」

 

 

 コイツは俺と同じ道を歩ませる訳にゃあいかない……そう思うようになっていた。

 そしてその為に邪魔なものは出来るだけぶち壊し、先んじてコイツが外敵に対して抵抗できる様に鍛えてやった。

 

 その過程でほだされ、甘っちょろい性格になってしまってる自分が居るが、それも悪くないと思うようになりつつある俺は、余程影響されやすい性格なんだと気付かされた……数万年生きててだ。

 

 

 

 

 調査の結果、兵藤レンには神器が宿っている事を知っていた。

 そしてその神器を理由に町へと侵入してきた堕天使に命を狙われていた事も知っていた。

 

 だからこそ、自分達悪魔の提示した保護という話に乗って眷属に出来ると思っていたのに……。

 

 

「悪魔さん……でしたっけ? 皆さんのお手を煩わせる必要はありません、自分の身は自分で守ります」

 

 

 断られた。

 ぺこりんと童顔気味の少女に頭を下げられた悪魔……リアス・グレモリーとその仲間達は、先程からそんな少女の傍らで石像みたいに無表情の少年……レンの兄である兵藤一誠を見る。

 

 

「それに、オカルト研究部の皆さんは人気者ですし、その中に凡人の私が入っても……ねぇ?」

 

 

 レンが襲われた際、自分達悪魔より速く現場に向かい、襲ってきた堕天使をズタズタにして撃退した。

 ただの人間でレンとは違って神器すら持たない人間の少年がだ。

 

 直後に現場に到着したリアスが見た時、既にレンを襲ってきた堕天使は一誠により半殺しにされており、原型すら解らなくなる程に痛め付けられており、更に驚くべきは、その所業に対して本人は『一切恐怖も躊躇いも無く、まるで歴戦の殺し屋を思わせる冷静さを常に維持していた』という一点だ。

 

 悪魔である自分達ならある程度のスプラッターは慣れているものの、普通の家庭で育った筈の人間の少年がそんなオーラを醸し出してる時点でまず普通じゃない。

 

 

「私も見たけど、随分場馴れしているみたいだけど?」

 

「……」

 

「言いたくないのかしら?」

 

「………」

 

 

 そんな普通じゃない少年の妹もまた何処か外れているのか、兄が殺人行動手前の真似をしても慕っており、自分達の質問の悉くを無視するイッセーにレンが食い気味に割って入る。

 

 

「お兄ちゃんじゃなくて私に用があるんじゃないんですか?」

 

「そうだけど、こうして来て貰ったなら聞いてみたいじゃない? それともアナタが答えてくれるのかしら?」

 

「答えなら決まってますよグレモリー先輩。お兄ちゃんは『凄い』というのが理由です」

 

 

 そして自分達がイッセーに話し掛けると、妙にレンは不機嫌になる。

 兄妹のクラスメート相手の調査によると、レンという少女はどうもブラコンらしく、そのせいか浮いた話が兄共々一切無くて、更にいえばこの無愛想の極みであるイッセーに対して好意を持とうとする女子全員に対して異様に牽制するとか……。

 

 

「凄いと言われても、それじゃあ昨日アナタを襲った堕天使を力の弱い人間である筈の彼が一方的にズタズタにした理由にならないわ。

ひょっとして答えにくい理由でも?」

 

「………」

 

「寧ろ答えなきゃならない義務でもあるんですか? お兄ちゃんがその堕天使って人より強いからだけじゃ駄目なんですか? というか、お兄ちゃんの事を知ってどうするつもりなんですか?」

 

「いや、別にどうもしないけど……」

 

 

 ちょっと目が怖いレンにリアスは圧されてしまうレベルには、レンはブラコンであった。

 

 

 

 昔から私はお兄ちゃんを追い掛けるのが好きだ。

 そして、そのお兄ちゃんに対して横から割り込んでくる輩は嫌いだ。

 

 そりゃあお兄ちゃんだってそんな年頃だし、恋愛のひとつでもするんだろうなとは思うけど、知らない女の人がお兄ちゃんの横に居るなんて、想像するだけで震えが止まらない。

 

 

「ねぇ、オカルト研究部の人達に好みのタイプとか居たの?」

 

「あ?」

 

 

 だから余計に、私なんか消し飛ぶレベルでスタイルも顔も良い人気者のオカルト研究部の部長さんがお兄ちゃんに絡んでるだけで不安でしかない。

 

 

「いや、皆美人か可愛いし、あのグレモリー先輩と姫島先輩はおっぱいバイーンだし……」

 

「あぁ……別に、寧ろ嫌いなツラだ」

 

「ふーん……」

 

 

 お兄ちゃん本人は、逆に嫌いだと言ってるから一先ず安心だけど、悪魔なんて架空の存在だと思ってたのが現実に存在し、更に言えばその悪魔に変な意味で目を付けられてしまった今、油断してはいけない。

 もしもまかり間違ってあの人達の中の誰かがお兄ちゃんに惚れましたなんてなったら……勝ち目がほぼ無い。

 

 顔は勿論のこと……。

 

 

「何であんなにおっぱいあるんだろ……世の中って理不尽」

 

 

 体型にしても、あの小猫って子には勝てるにしても部長さんと副部長さんには勝てない。

 というか、あんな美人なのにおっぱいも特盛なんて世の中は実に不平等だ……。

 なんて、自分の一応存在はする胸に触れながら、ちょっと不貞腐れてしまう。

 

 

「背も小さいし……成長期って何時来るんだろ」

 

 

 言葉には出さないけど、お兄ちゃんって胸の大きな女の人が好みなのはとっくに見抜いてる。

 目で追ったりしてるのだって千回は見た。

 

 だから昔から胸を育てようと頑張ったのに、小六で一瞬成長したと思ったらそこから背と共に全然成長しなくなったなんてどういう事なのか……。

 神様が居るのだとしたら、小一時間くらい問い詰めてやりたい。

 

 

「勝手に小猫ちゃんみたいな扱いされるし……酷いと思わない? 私、流石に小猫ちゃんより大きいでしょ?」

 

「中学生くらいには見えるかな……入学したての」

 

「うが!? イ、イッセーお兄ちゃんもそうおもってるなんて絶望したよ」

 

「そうでも無いだろ。

つーかお前、割りと一部から人気あるのに気づいてないのか? 男女バランス良さげに」

 

「え、そうなの? でもイッセーお兄ちゃんの受けにならないなら意味無いからなぁ」

 

「俺基準で考えるなよ……」

 

 

 イッセーお兄ちゃんドストライクの体型に何故させないんだと。

 

 

 兵藤レン

 

 身長145㎝(但し自称。本来は139㎝)

 スリーサイズ・B76・W54・H82

 

 備考・兵藤一誠の可能性としての存在。つまり女イッセーであり、コンプレックス的な意味で胸に対して執着があるのだが、とある小猫にしてみれば嫌味でしかない。半合法ロリ巨乳……?

 

 気質・義理の兄であるイッセーの基準で物事を判断するレベルのブラコン。

 

 

兵藤イッセー

 

備考・死ぬことを何処ぞの誰かに許してもらえずにやり直しをさせられてる人間進化の体現者。

 女版の自分でもあるレンに対して当初は単純にどう生きるのか観察するだけの対象だったのだが、自分には無いものを持つレンにほだされすぎて逆に堂々としたシスコンと化している。

 

それが高じてレンに『護身術』を覚えさせたが、明らかに護身術の範疇を越えてる。

 

例・拾った小枝で何でもかんでもぶった切らせる。

 

終わり

 




補足

ツインズ・イッセーとの違いは、悪魔嫌いは変わらずなのですが、一番は堕天使ともフラグが一切立たないという状況なのと、この世界に再会する相手は一切存在しないという所か……。

つまり完全二人三脚チームで全勢力に必要なら対抗する感じにならんでもない。

現時点での女版イッセーの実力の程は、一誠による英才教育により、ぶっちゃけ今回の話にある『襲ってきた堕天使』を軽くぶちのめせる程度であり……半合法ロリ。
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