シスコン一誠くん   作:超人類DX

16 / 18
やった移行が終わった!


内容はシリアスのつもりだったんだけどなー……


白音からの遺産

 イッセーにとって最高の友の一人であった方のゼノヴィアの奥義を発動し、敵という敵の殆どを一発で壊滅へと追い込んだ。

 

 が、その敵の中でも一番厄介なコカビエルは全身が傷だらけになってはいるものの健在であり、寧ろ自分に手傷を負わせた相手であるイッセーを褒めていた。

 

 

「くっくっくっ! はははははっ!! 今のは痛かったぞ小僧!!

バルパーは消し去り、聖剣も跡形もなく粉々だ! ふはははは!」

 

「な、何よアイツ……。やられた癖に笑ってる」

 

 

 皮膚が所々裂け、血が吹き出してるにも関わらず狂った様に嗤うコカビエルにドン引く面々。

 

 

「戦争を起こす前にとんだ馳走にありつけるとは俺もまだ捨てたものじゃないな!」

 

「……」

 

「貴様が何者か等どうでも良い! さぁ俺はまだ生きてるぞ!? 戦え!!」

 

 

 戦争狂に裏打ちされた戦闘狂の面をこれでもかと出しながらイッセーに戦えと嗤うコカビエル。

 戦争を引き起こす駒が破壊されたというのにも関わらず、目の前の予想を越えた戦闘力を持つ強者を前にすればそれすらどうでも良いといったその姿は、破滅的性格が嫌でも感じ取れる。

 

 

「離れてろレン、アーシアを守れ」

 

「すんすん……きゅふふ……お兄ちゃぁん……」

 

「おいレン……。ちっ、ダメだこりゃ。戦わせると何時も酔っ払いやがる。アーシア、レンを頼む」

 

「はい。ほら、レンさん? イッセーさんからちょっとだけで良いから離れましょ?」

 

「うへへへへ」

 

 

 闘うから酔うのでは無く、イッセーに引っ付いたせいで酔っ払った様にトリップしてるだけだったりするレンをアーシアが宥めつつイッセーの背中から引き剥がす。

 

 

「レン先輩も大概かもしれない……」

 

 

 そんな様子を見ていたリアス達に混じり、小猫が小さな声でイッセーに対するレンのアレっぷりに感想っぽい一言を発すると、確かにと全員が頷く。

 

 

「単なる兄への敬愛とは思えませんわね」

 

「チッ、やはり義兄貴ことイッセーが最難関だな」

 

「良いなぁ、兵藤くん位置に代わりたい……」

 

「祐斗、アナタ最早隠す気もないわね……」

 

 

 文字通り指をくわえながら羨ましがる祐斗にリアスは何度目になるかも分からないため息を吐きながら、強大な力をオーラの様に解放するコカビエルを見上げる。

 

 

「……。コカビエルが本気になってるけど、何でしょうねこの緩い空気」

 

「もっと理不尽な存在が目の前にいるからじゃありませんか?」

 

「それは否定できないわね朱乃。

毒を以て毒を制す……とは少し違うかもしれないけど」

 

 

 本当なら死を覚悟すべき状況なのに感じてしまう安心感をリアス達は感じている。

 その理由はやはり、強大な殺意を前にしても一歩も退かずに自分達の前へと立ち、その背を晒す悪魔嫌いの奇人変人な少年のせいだろう。

 

 

「お、おい……この際言ってられんから私のデュランダルを正式に貸しても――」

 

「必要ない」

 

「こ、この状況で今度は必要ないだと!? 私をバカにしてるのかお前!」

 

 

 地味なアーシアの活躍により、然り気無くリアス達の傷も癒え、何気に共闘していてコカビエルに軽く捻られていたライザーの眷属達もまた意識を取り戻し、この状況に困惑している中、ゼノヴィアの提案をバッサリ切り捨てた一誠。

 

 

「おい、その小娘からデュランダルを取れ小僧。

あれを使いこなす貴様を殺さんと俺の腹の虫は収まらんぞ!」

 

「…………と、言ってるけど私も彼女からデュランダルを借りた方が良いと思うよーな……」

 

「コカビエルの事を知らないアナタにはわからないかもしれませんが、アレはかなり強力な堕天使なんです。だから――」

 

「その意見をテメー等に言われたらますます従いたくなくなったな」

 

 

 何とかしてデュランダルを取らせ、あの物凄い技で今度こそコカビエルを倒して欲しいと願うリアスと朱乃の説得も虚しく、いや寧ろ二人からの説得だからこそ一誠は生ゴミを見るような目で二人を一瞥し、ゼノヴィア以上に罵倒じみた言葉で切り捨てた。

 

 

「大体、手に余る相手に無謀に突っ込んで勝手に全滅寸前だってのに、テメー等の親玉共は何をしてるんだ?」

 

「親玉というと、魔王様の事か? あぁ、それなら一応応援を頼んだんだけど、魔王様も忙しいからあと数十分しないと来れないみたいな事を言われたらしいぞ? なぁそうだろリアス?」

 

「え? え、えぇ……まぁ……」

 

「クズ共が、偉そうに人間様の土地を管理とほざいてその親玉もろともこのザマか……。マジで滅べやクソカスが」

 

「おぅ……なんかスマン」

 

 

 魔王の到着に時間が掛かるというライザーの話に、一誠は嫌悪にまみれた表情を隠さず、最早不敬確定な罵倒をするのに対し、対応が遅れてるのが事実とレンとの出会いのせいか妙に話のわかる男になったライザーはかなり申し訳なさそうに、それもリアス達に代わって頭を下げた。

 

 

「元々俺達で迎撃出来れば良い話だったんだ。だから魔王様の事は責めないで欲しい……………と言っても悪魔が嫌いなお前じゃ無理なのはわかるから、責めるなら俺だけにしてくれ。

リアス達に意気揚々と加勢してこのザマだからな……」

 

「だろうな……チッ、もう良い。

もう全部終わらせてやる」

 

 

 ライザーの殊勝な態度に若干顔を歪めた一誠は舌打ちをし、堕天使の生成する槍を投げ付けてきたコカビエルを見上げ、終わらせてやると宣告する。

 

 

「白ガキ、ムカつくがテメーは確かに信じられない進化をしやがった。

だからその力……俺に寄越せ」

 

 

 コカビエルの投げつけた光を放つ槍が分裂し、二本、四本とどんどんと増える内にやがて数百という、降り注げばまずこの学園は施設ごと消し飛ぶだろう攻撃力を誇るものへとなる。

 

 

「うっ!? よ、予想に反して殺す気だわコカビエルは!」

 

「あ、あんな数が降り注いだらこの場所は……」

 

「大丈夫ですよ。お兄ちゃんが居ますから」

 

「絶対に何とかしてくれます」

 

 

 当然慌てるリアス達だったが、レンやアーシアには何の不安も無く、それでも一誠を見つめている。

 

 

「白ガキって私の事……かな。でも先輩は私を見て言ってない……」

 

「イッセー様がよく小猫さんを……というより小猫さんを誰かに重ねて見てる誰かさんの事じゃないかしら……」

 

「なるほど、余計な事してくれてとばっちりをくれた誰かさんの事か……。白いんだその人……」

 

 

 手を合わせ、目を数瞬閉じて再び開いた時、イッセーの目の周りには小猫やレイヴェルにとっては見慣れた力を示す隈取りが浮かび上がる。

 

 

「こ、この力……まさか小猫が前に殴られた時に感じたと言ってた仙術……!?」

 

「ほ、本当にイッセー君が仙術を……!」

 

「は!? 仙術まで使えるのかよ!? かなりレアだっつーのになんつー義兄貴だ!」

 

「あ、お兄ちゃんが本気になった時の模様だ……」

 

「仙術と皆さん仰ってますが……?」

 

「デュ、デュランダルのことといい、何なんだコイツは……」

 

 

 初見の面々は本当に仙術の力を練り上げたイッセーに驚くが、今回はそれだけでは無かった。

 

 練り上げた仙術は更にイッセーの中でより凶悪に練り上げられ、この星の力そのものをその身に宿しているとすら錯覚する程に強大で、そして只の仙術とは思えぬ何かへと、その姿と共に変質していく。

 

 

「む……!」

 

 

 その変化は誰が見てもわかる程の変化であり、業を煮やして攻撃を開始したコカビエルは目を見開き、そして後ろから見えていたリアス達にもその変化と内包する強大な力に身体を硬直してしまう。

 

 

「これがあの時散々手を焼かされた白ガキの進化の力か……」

 

 

 かつて小猫の名から白音へと戻った少女か至った進化の極致。

 深めの茶髪だった髪は白音……そしてこの時代を生きる小猫と同じ白へ、只の制服だった衣服は僧侶を思わせる白い羽衣と変化しており、その羽衣の背には波紋状の円と九つの勾玉が描かれ、更には九つの黒い球が浮かび上がっている。

 

 

「全解放してみたが、ふざけた力だな。

あれだけ良いようにやられてたのも納得がいくし、やっぱりムカつくぜ」

 

 

 その異質さは神々しさと、手に持つ黒い錫杖のせいか厳格さを感じさせる姿だった。

 現にリアス達は……そしてレンやアーシアまでもが予想外すぎる予想外なイッセーの姿に唖然としてしまっており、コカビエルもまたその戦闘狂からくる興奮を忘れて、羽虫を払うかの様に手を軽く振っただけで己の攻撃を『消滅』させた事にもリアクションが取れなかった。

 

 

「えっと、お兄ちゃん?」

 

「ん、何だよレン? 眠くなったのか?」

 

「あ、良かった。お兄ちゃんのままだ」

 

「はぁ?」

 

「いや、なんかさ……修行僧さんみたいな姿になっちゃったから一瞬お兄ちゃんじゃないのかと……ね、アーシアちゃん?」

 

「は、はい……イッセーさんですよね?」

 

「そうだが……あぁ、全解放すると格好まで変わるからか……」

 

 

 レンとアーシアにイッセーかと尋ねられて首を傾げたイッセーの額には、この前イリナとゼノヴィアを追い払った際に開いた輪廻の眼が開眼しており、額からは鬼を思わせる二本の角まで生えているせいでぶっちゃけ人外さが半端無い。

 

 現にブラコン以上の情念を半分拗らせてるレンやら、偶然とはいえ命を救われたという感謝以上の想いを抱くアーシアは然程その変化に驚きはしたものの怖いとは思わなかったが、その他のメンツは槍投げした体勢で固まってるコカビエルを含めてただただ唖然と、そして只立ってるだけなのに感じる凶悪な力に戦慄しているのが見えた。

 

 

「せ、先輩……それって、せ、仙術と呼べるんですか? もうまるっきり私の知ってるタイプの仙術じゃないのですが……」

 

「あ? 何言ってやがるクソガキ、そもそもこれは――――あぁ、お前じゃなかったな」

 

 

 一瞬白音と間違えそうになったイッセーが途中で言うのを止めて舌打ちをすると、小猫はヒクヒクと頬を痙攣させながらまさかという気持ちと共に口を開く。

 

 

「お前じゃなかったなって、また私のそっくりさんが関係してるとか言いませんよね……?」

 

 こんな仙人宜しくな姿になる仙術なんて聞いた事もないし使える訳もないのに、度々出てくる恐らくは自分に似てるその誰かはどんな奴だったんだよと、訳もわからず自分の中での難易度が爆上がりしていくのを感じながら小猫は質問する。

 

 そっくりも何も、平行世界の自分自身だったりすることは知らない方が幸せかもしれない。

 知ればショックで逆に拗らせてしまう可能性も高いのだから。

 

 

「目標がまた一つ獲られた気はするけど、あんなの反則です……」

 

「イッセー様にますます謎が深まって、また一段と魅力的に見えてしまうので私は別に気にしませんわ」

 

「……。おめでたい頭してるよねレイヴェルは」

 

 

 姿そのものが変化したイッセーにより、この後は最早単なる苛めじゃなかろうかというレベルでコカビエルはズタズタに……それこそ只手に持った錫杖でひっぱたいただけで、ガードした筈のコカビエルの手足がちぎれてしまったりという凄惨な状況だった訳だが、小猫はその間もずっと高すぎてムリゲーに近い目標にぶつくさ言いつつもイッセーから目を離すことは無く、治療である程度回復した身体で何度も仙術を練って留め続けられる訓練を行っており、その都度その身体が成長したり縮んだりするのがシュールだった。

 

 

「わ、私達ってもし本気で殺しに来られたらまず間違いなく死ぬしか無いわよね……」

 

「こ、コカビエルがあんなぼろ雑巾みたいに痛め付けられてますし、まず間違いなくそうなるかと……。

悪魔ってだけで狂暴化する様な人ですし……」

 

「イッセーより強くならないとレンが嫁にならないって言ってたが、騎士小僧……お前、あのイッセーに傷一つ負わせられる自信は?」

 

「………………。あのコカビエルみたいに手足を壊されて頭を踏み潰される光景しか浮かびません。

しかし、逆を考えたらレンさんが僕に惚れて、レンさんが兵藤くんに頼めば流石の彼も無下にしないんじゃないかと!」

 

「…………。お前それ、男らしくないだろ。引くわ……なぁお前ら?」

 

「「だっさーい!」」

 

「う、うるさいな! そもそもアナタには女性だけで構成した眷属の人達がいるじゃないか! その上レンさんまで口説くなんて、アナタこそ男らしくない!」

 

 

 ある者は恐怖を、ある者は高すぎる壁に対して寧ろ死亡フラグを立て、ある者は……。

 

 

「ちょ、待って小猫ちゃん!? さっきから大きくなったり小さくなったりしてるのはなに!?」

 

「えっと、先輩とは違うのですが、私って仙術がある程度扱えてて……練ると身体が成長するんです」

 

「それはわかったけど、何このおっぱい!? わ、私より大きいんだけど!? ズルい! これでお兄ちゃんをパフパフする気なの!?」

 

「い、いやそんな事は――にゃっ!? な、なにするんですかレンせんぱ……ふぁっ!?」

 

「お、大きいし柔らかさも感度も一級品……!? うぅ、こんなのズルいよ……お兄ちゃんって胸の大きな子が好みなのに、これじゃ勝てないよぉ……」

 

「れ、レン先輩だって大きいじゃないですか!? しかもナチュラルに! 大体その大きさで小さいなんて言ってる時点で私に対する嫌味です! ほら、こんなに大きいし柔らかい!」

 

「ひゃん!? そ、そこは敏感な所なのに……! えいっ!」

 

「あっ……んんっ……! わ、私だって、負けませんよ……!」

 

「はぅぅ……! うー……こ、小猫ちゃんめ……! 負けないもん!」

 

 

 将来性が実はあった事に憤慨して鷲掴み、背丈が変わらないのに大きいのを常に妬んでた事を爆発させてお返しに鷲掴みをし合ってる内に、互いに頬を上気させながら、文字通りの『揉み合い』で戦いはじめてた。

 

 

「れ、レンさんやめた方が……きゃ!?」

 

「あ、アーシアちゃんも大きい……同罪だー!」

 

「や、やめてください! わ、私なんて別に――あっ!?」

 

「……。ちょっと用事を思い出したので後は小猫さんにお任せして――」

 

「………。逃がすと思うレイヴェル? 前々からその胸が恨めしかった」

 

「あ、あら小猫さん、嫉妬は見苦しくってよ――――ひゃあ!?」

 

 

 それぞれの友達を巻き込み、それはそれは凄い揉み合いに発展しちゃった…………夜の学園の校庭で。

 

 

「け、携帯で……」

 

「待てお前! 流石にそれはやるな! レイヴェルも巻き込まれてるのに盗撮なんざさせるかばか野郎!」

 

「は、離してくれ! レンさんだけ、レンさんだけだから!」

 

「尚更許すか! イッセーに速攻バレて死ぬだけだ!」

 

 終わり。




補足

ライザーさんが常識人になってる気がするようでしてない。

まあ、揉み揉み対決開始してビクンビクンしてるレンちゃまをまた前屈みになって携帯動画に保存してやろうとする少年よりマシなのかもしれんけど。

その2
元ネタは、某六道仙人で、覚醒させたのはネオ白音たん。

得た経緯も夢の中で安心院なじみに仕込まれたイッセーみたいに、夢の中に出てきたプカプカ浮いてるおじいちゃんから……みたいな。

当時イッセーはこの力に何度も苦汁を舐めさせられました…………その、物理な意味でも舐めさせられましたという意味で。


その3

負けた場合、ネオ白音たんにお持ち帰りされ、縛られ、脱ぎ脱ぎさせられ、ペロペロされてたらしいのですが、この時代の小猫たんとの違いは所謂白音モードやら六道白音モードになっても…………ロリロリな姿だったらしい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。