.hack//OverLord:Another Side   作:ヨツバ

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今回からハセヲたちの目的もやっと明確になってきました。
AIDAとの戦いが徐々に始まります。今回は戦いではありませんが前ふりみたいなもんです。
本編の時系列的には大墳墓の挑戦者の前の出来事にあたります。


AIDA討伐作戦開始

AIDAカズミの情報からだとこの異世界にAIDAが残り3体。カズミを含めれば4体だ。

ハセヲたちは完全にAIDAたちから敵対勢力として認識されている。ならばハセヲたちもAIDAを倒すために動くしかない。一応手掛かりはゼロではない。

だが情報が無いので今すぐには討伐はできない。こればかりは後手に回るしかない。先手を打つにはこちらから探さないといけないだろう。

前にトブの大森林にてカズミと遭遇したことがある。今思うと何で彼がトブの大森林にいたかと考えるとあの森にAIDAがいるのかもしれない。

彼は熱心にAIDAの研究レポートをまとめていた。ならば大いに可能性はあるだろう。

 

次に王国での出来事。まさかハセヲたちが王国を出た後にとんでもない事件が発生したなんて信じられない。

それがウィルスバグにおる王国大侵食事件だ。その事件を『カオスゲヘナ』というらしい。その前に悪魔ヤルダバオトによる『ゲヘナ』なんて悪魔襲撃事件もあったようだが。

その事件を解決したのがある人物たち。ドットハッカーズと漆黒、蒼の薔薇、ある王国の戦士たちらしい。

ここで気になったのがドットハッカーズという名前だ。ハセヲはどこかで聞いたことがある名前だったから気になったのだ。

 

ドットハッカーズのメンバーについて聞くとカイト、ブラックローズ、バルムンク、オルカ、寺島良子、ガルデニア、ミストラル、なつめ、ぴろし3だと聞いた。

この中ですぐにピンときたのが『なつめ』と『ぴろし3』だ。この2人は知り合いの名前だ。まさかあの2人までもがこの異世界にきているのだろうか。

ならばドットハッカーズというのはThe Worldのプレイヤーかもしれない。だがそうなるとどうやってこの異世界に来たかが疑問だ。

 

だけどその疑問もすぐに予想できたのだ。それは王国に女神が降臨したという。奇跡の音を聞いた後、白き女神がウィルスバグを浄化させたらしい。

可能性としては女神アウラかもしれないのだ。ならば女神アウラがドットハッカーズをこの異世界に呼んだのかもしれない。理由はまさにウィルスバグの駆逐だろう。

これは是が非でもドットハッカーズに、.hackersに会わないといけないだろう。

どうやらエ・ランテルを拠点にしているらしくすぐさま向かう準備をしないといけない。どうやってウィルスバグを倒したのか、女神アウラとはどういう関係なのか。聞かないといけないことはたくさんある。

 

次に帝国。帝国から来た旅人から聞いた話だと闘技場に『薔薇剣舞』の二つ名を持つチャンピオンがいるらしい。その名前はエンデュランス。

ついに、ついに仲間の情報を手に入れた。本来の目的である行方不明の仲間を探すための第一歩を踏み込めたのだ。

ハセヲたちは現段階で3つの目的に分けた。

1つ目がトブの大森林にいる可能性があるAIDAの探索と討伐。

2つ目が同じThe Worldから来たかもしれない.hackersの接触。

3つ目が帝国にいるエンデュランスの合流。

この3つの目的を達成しなければならない。やっと異世界にて自分たちの進む道ができた感じだ。

最初は仲間を探すためにがむしゃらに動いて、AIDAと遭遇してしまい戦うことになるってわけの分からない状況だった。本当になんだろうか。

やることは決まった。ならばさっそく動かないといけないだろう。チームを分けることにした。

 

 

side変更

 

 

エ・ランテルには欅と松、楓が訪れていた。.hackersの接触は彼らが動く。こういうのは欅に任せた方が良いだろう。彼は基本的に何でもできるし、ギルド『月の樹』のギルド長までしていたのだから。

話し合いには良いかもしれない。だから彼らに任せたのだ。

 

「それにしても.hackersかあ」

「欅様は.hackersをご存じなのですか?」

「はい。有名なんですよ」

「そうなのですか。私は申し訳ありませんが知りません」

「俺も知らねえな」

「ははは、松と楓が知らないのは当然かもしれないですね。だって.hackersはThe WorldのRe1時代に活躍した人たちですからね」

 

Re2のプレイヤーが.hackersのことを知っているのは数少ない。もし知っているとすればRe1時代のプレイヤーがRe2も続けてプレイしている人だけだろう。

今ではもう噂は消えたが当時は凄い噂されて.hackersはThe Worldの中でも伝説のギルドなんて言われているのだ。

 

「そんな人たちなのですね。知りませんでした」

「強い…って聞くまでもないか。伝説なんて言われてたら強いよな」

「とっても強いですよ。なんせ、当時ではThe Worldの最後の謎を解いた唯一のギルドなんて言われてますし」

「本当に凄いギルドですね」

「ま、でも.hackersは実はギルドじゃないんですけどね。最後の謎を解いたグループをどこかの誰かが.hackersって勝手に名付けて広まっただけなんですよ」

 

公式のギルドではなく非公式のギルドなのだ。噂だと.hackersに所属したいなんてプレイヤーも何人もいたらしい。

だけど非公式だし、ギルドとして成り立っていないので所属は不可能だ。それに本人たちは当時ギルドなんて思ってもいない。

気が付いたら多くの仲間が集まったのが.hackersなのである。

 

「メンバーは知ってるんですか欅様?」

「リーダーがカイト。副リーダーがブラックローズって言うんです」

「ほうほう」

「他にもバルムンクやオルカ、ヘルバにワイズマンなんて人もいたかな」

「構成人数はいっぱいるんすか?」

「そんなにいなかったみたいですよ。メンバーは十人いるかどうからしいです」

 

.hackersのメンバーは全員が明かされていない。未だに分からないメンバーだっているのだ。

 

「女神アウラの守護騎士がいますよね。実はあの3人は.hackersにいる3人をモデルにしてるんですよ」

 

女神アウラが最も頼りにしている3人を模して創り出したのが三葬騎士の正体だ。

 

「んで、その.hackersはエ・ランテルを拠点にしているらしいが見つかんねえな」

「広いですからね。こういう時は冒険者組合に行くのが一番ですよ。だって冒険者組合に登録してるらしいですし」

 

エ・ランテルはなんだかんだで広い。ならば、まずは情報が多く集まるであろう冒険者組合に行くのが一番だろう。

補足だが欅はエ・ランテルに来てから帽子を被っている。角を隠すためだ。亜人だなんだで問題が起きても困るからだ。

そのままずんずんと冒険者組合に向かうと黒髪の綺麗な女性を発見する。

 

「お、綺麗どころ」

「楓と同じで黒髪美人ですね。どうやら彼女の進行方向から考えると冒険者組合に行くみたいですね。ちょっと聞いてみましょう」

 

欅は予想だが彼女があの『漆黒』の美姫ナーベではないかと思っている。漆黒は.hackersと組んで王国の災厄を退けたチームだ。

 

「あのすいません。もしかして漆黒のナーベさんですか?」

 

欅は問いかけるが黒髪美人はそのまま進む。これには聞こえなかったのか首を傾けるが、はっきりと聞こえる声の大きさで問いかけたつもりだ。

でも彼女はまるで聞こえてないように進んでいく。

 

「まさか無視されましたかね?」

「…如何に王国を救った英雄の1人でも無視はよくありませんね」

「んじゃ、俺が行ってやる」

「松も待ちなさい。貴方はガラが悪いので私が行きます」

「ちょ、ガラが悪いって…」

 

確かに松はガラが悪いだろう。でも彼は漢だ。正直に言って彼に付いていきたくなる兄貴的な存在である。

ハセヲも昔は犬猿の仲であったが基本的には反りが合うタイプだ。今では仲が良い悪友になっている。

 

「そこの方。少々よろしいですか?」

 

楓が話しかけるがまた無視される。なので楓は彼女の前に出る。流石に前に出られれば止まる。

 

「…何ですか?」

「声を掛けたんですから無視はしないでください。何か理由があるのならこちらが謝ります」

「…要件は?」

「貴女が漆黒のナーベ様でよろしいですか?」

「そうだが何だ?」

 

欅の予想通り正解であった。

そもそもナーベが無視したのはいくつか理由がある。もちろん人間と話すつもりはないという心情もあるが、彼女の美貌によりうっとうしい男どもからナンパされることは多々あったのだ。

だから基本的に男性たちの言葉は無視しているのだ。

 

「実は私たちは.hackersという冒険者チームを探しているんですがどこにいるか知りませんか?」

「ドットハッカーズを?」

「はい。噂を聞くと貴女たち漆黒は.hackersと一緒だったことがあると聞いたので」

「……確かに知っていますが今はエ・ランテルにはいません」

「そうなのですか?」

「ええ。今は冒険者組合の依頼をこなすためにエ・ランテルを出ていますよ」

 

まさかちょうどエ・ランテルを出ているとは運が無かった。これは待つしかないかもしれない。

 

「情報ありがとうございます。これをどうぞ」

 

ナーベはチップを貰ってそのまま歩いて行った。

 

「まさかこの都市にいませんか。ははは、運が無いですね僕」

 

こういうのは仕方ないだろう。これは待つしかない。

 

「んー、ならさっきのナーベさんとモモンさんと話でも聞きますかね」

「もうナーベって女は消えちまったが」

「歩くの早いですねー」

 

 

SIDE変更

 

 

冒険者組合長のアインザックとラケシルはある部屋でちょっとした会議をしていた。その会議とはモモンに任せた特別な仕事についてと、ある目的についてだ。

モモンに任せた特別な仕事とはトブの大森林に自生している万能薬になるという薬草の採取だ。

とても難しい依頼であり、前回その依頼を受けたアダマンタイトチームはさらにミスリルチームを2つ加えてこなしたらしい。

万能薬になる薬草の採取だからこそ難しい。その場所に行くまでも大変でモンスター討伐よりも珍しいのだ。そもそも冒険者組合の仕事でもレアな依頼だ。

 

「そんな依頼をモモンくんは即答で請け負ってくれるとはな。凄いと思わないかラシケル?」

「そうだな。まったくモモン殿にはいつも驚かされてばっかりだ。もう来世の分まで驚かされたぞ」

「それは驚きすぎるだろ」

「いや、彼の活躍は正直言って目を見張る…目玉が飛び出すくらいだぞアインザック」

「まあ、そうだが」

「この依頼に関しては長期で進めても構わないと言ったが彼なら短期で達成しそうだぞ。明日には薬草を持ってくるんじゃないか?」

「それは流石に無いだろう」

 

流石にモモンもそこまで何でもできることはできない。それはラシケルの言い過ぎだ。

 

「でもカイト殿は来なかったか」

「モモンくんが言うには他の依頼をこなしているそうだ。実際に組合で調べてみると確かに依頼を受けてる最中だったな」

 

モモンにカイト。この2人はアインザックが特に注目している冒険者だ。エ・ランテルで最速でアダマンタイト級冒険者になった異例で最高な冒険者なのだ。

しかも彼らの凄さは留まらない。王国で起きた災厄事件。その災厄を解決したのが彼らなのだ。

たった2人で解決したわけではないが2人の尽力が大きい。最早カイトとモモンは英雄なのだ。そんな2人が今でもエ・ランテルで拠点にしてくれるのは嬉しいものだ。

彼らの価値を誰よりもアインザックが理解している。

 

「英雄が我が冒険者組合にいるのはとても大きい。はっきり言ってずっと居てもらいたい」

「そのために色々と画策してるんだろう?」

「ああ。今度彼らの歓迎会もとい慰労会でもしようと思っている。なんせ彼らはエ・ランテルにいるみんなが特別と思っているからな。この件に関しては全員が納得するだろう」

「その歓迎会だか慰労会で手配したあの店のトップたちが頑張るわけか」

「モモンくんとカイトくんにも頑張ってもらいたいがね」

 

あの店とは高級娼館。エ・ランテルに在店する3つの高級娼館の上位3人の美女たちを手配している。

 

「どうにか彼らをこのエ・ランテルに留まらせる楔をつくりたいのだ」

「女で留まらせることができるのか?」

「男を留まらせるのはやっぱり女だ。それ1人で足りないのなら何人でも構わない」

 

あながち間違いではないだろう。男だからこそ、というのがあるのだ。だがモモンとカイトにソレが効くかは分からないが。

 

「どうにかして2人には彼女たちと寝てもらう」

「酒を飲ませて美女たちが迫れば男は断らないだろうな」

「それに彼女たちには数日前には普段とは逆の薬を飲んでもらう」

「…逆って、まさか女に子供を産ませるつまりか?」

「ああ、彼らを繋ぎ止めるにはな。もし子供を捨てたとしてもその子が彼らの才能を受け継いでくれれば万々歳だ」

「複雑だな」

「仕方ないさ。それほど彼らの価値は凄いのだから」

 

確かにカイトとモモンの才能を受け継ぐ子供が生まれれば間違いなく将来は安泰だろう。きっと素晴らしい戦士になるはずだ。

この歓迎会を成功させるためにアインザックは慎重に事を進める。

 

「モモン殿は真面目だが…言うことは言うからな。責任を取るか分からん。しかしカイト殿は好青年だ…責任は取りそうだ」

 

ラシケルはモモンとカイトを比べたとして好感が持てるのはカイトだ。もちろんモモンだって素晴らしい人物だ。だけど比べてしまうとカイトなのだ。

モモンはいつも兜を被って顔を伺えないし、近寄りがたい雰囲気を少なからず感じるのだ。しかしカイトに関してはどこからどう見ても好青年。

話しやすいし、安心できる。2人のどちらかを応援するとしたらカイトになる。逆にアインザックはモモン派だ。モモンの仕事人という雰囲気が好きなのだ。

 

「まあカイトくんは私も責任は取ってくれると思うな。モモンくんは難しいかもな」

「そういえば女性の方は乗り気か。頼まれごととはいえ、子を産むなんて流石に覚悟がいるだろう。仕事で男と寝るとは違うのだからな」

「女性の方は乗り気だよ。なんせ相手は英雄だからな。それにカイトくんの方が人気だ。どうやら町中で前に会ったことがあるらしい」

「ほう、そうなのか」

「その時に親切されたとかなんとかで、既にカイトくんに惚れてる。だからこの依頼に関しては快く引き受けてくれたよ」

「おお。流石カイト殿だ。モモン殿にはそういうのは無いのか?」

「モモンくんを好いている女性はもちろんいるさ」

 

カイト。知らないところでフラグを立ててるのは流石と言うしかないだろう。もっともカイト自身は狙ってるわけではないので、そこがまた恐ろしい。

だがこのことがブラックローズたちに知れればカイトは不条理な目に合うのは確かだ。善意でやっていることが裏目になるなんて最悪だ。しかもカイトの善意は間違いなく迷惑をかけるようなものではない。

なんとも人生というかなんというか。世の中には不条理なことがあるものだ。

 

「そういえばアインザック。最近気になる冒険者がいると聞くが誰だそれ?」

「ああ、彼のことかな。残念だが彼は冒険者じゃないよ。私が一目見てビビっときただけに過ぎない」

「ビビっと来たってなんだよ」

「モモンくんやカイトくんのような才能を感じたのさ」

「お、そんな奴がいるのか!!」

「今度また会ったら話してみたいし、力を見てみたいものだ。名前は確か…仲間が口にしていたな。ハセオだか…ハセヲだったかな?」

 

 

SIDE変更

 

 

依頼書を見るカイトとアインズ。

 

「万能薬になる薬草か」

「そうなんですよ。一緒にやりませんかカイトさん?」

「採取のクエストか。ほとんどモンスター討伐が多い冒険者組合の依頼の中でも珍しいね。良いよ一緒に行こうかアインズさん」

「よし、早速準備して行きましょうか!!」

 

カイトとアインズがトブの大森林に行くことが決定した。

 




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。

さてさて、ハセヲたちの目的が明確化しました、というかやっと本格的に進みそうです。次回からはドラマCDの物語を書いていくつもりです。分かる人には分かりますね。クロス作品なのでオリジナル要素マシマシなので注意ですよ。


カイト「やっと出番が回ってくるかな」
アインズ「こないと困る!!」
ハセヲ「ちょっとだけじゃね?」
2人「「その可能性があるからなあ…」」
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