.hack//OverLord:Another Side   作:ヨツバ

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さっそくドラマCDの物語を元に物語が展開していきます。
そしてやっとこさカイトとアインズが登場です!!
クロス作品なのにアインズの登場が遅すぎだよ…

本編での時系列は前回と同じく大墳墓の挑戦者の前の出来事になります。


蠢く樹木

トブの大森林にいるであろうAIDAを探索及び討伐チームが結成された。

クーンをリーダーとしたチームで構成メンバーは天狼に太白、大火である。はっきり言って超プロ級のメンバーだ。

これほど安心できるというか背中を任せられる豪華なチームはないだろう。だがクーンは1つだけ不満があった。

 

「野郎ばっかじゃねーか!!」

 

このチームには華が無いということだ。これはクーンが口にしないと気が済まない状況である。せめて誰か1人でも華がいれば良かったのだが、その華たちは全てハセヲに持ってかれたのだ。

もちろんハセヲの独断ではないが、それでもクーンはハセヲを恨むしかない。これがモテる男とモテない男の差なのだろう。しかしおかしいものだ。クーンだって良い男なのに。

 

「ガハハハ、そう嘆くなって。こっちはこっちで楽しくやろーや」

「野郎と楽しくできるか!!」

「ほれ酒」

「これからAIDAの探索するんだよ!!」

 

クーンと大火のボケとツッコミ合戦。その様子を無視する天狼と太白。これがクーンが華が無いと嘆く要因の1つだろう。

無視を決め込んでいる天狼と太白は着々とトブの大森林でAIDA探索をしている。流石に広すぎるので1日では発見できないのでキャンプする覚悟だ。

討伐はできなくとも探索で発見だけはしたい。それが無理ならば情報だけでも手に入れたいものだ。

 

「野郎とキャンプなんて嫌だなあ」

 

凄く情けない声で呟くクーンだが大火は気にせずに肩をバンバン叩いて励ます。今夜は酒盛りだと元気に言いながらハイテンションだ。

どこに隠し持っているのか知らないが酒はいくらでも持っているらしい。そもそもどこで仕入れているのかすら分からない。

 

「飯はどーする。そこらの獣でも捕まえて焼くか?」

「まだ飯の時間じゃねえだろ…」

「何言ってんだ。サバイバルには早めに食材を手に入れないといけねえだろ」

「まあ、そうかもだけどよ…」

 

何故かもう森の中でキャンプする事が確定した瞬間であった。

 

「それにしても見つからないな」

「そう簡単には見つからないということだろう。こんな大森林の中で何かを探すのは骨が折れるということだ。ましてやAIDAだ」

「どいつに寄生しているかも分からないからな。だけど聞く話だと寄生されて酷い状態だと見た目ですぐ分かるらしいが」

 

天狼の言う通りでAIDAに寄生されて酷く浸食されると肉体に変化がある。実際に見たことはある。それはギルド月の樹の2番隊隊長の榊だ。彼はAIDAを自ら寄生させて肉体が変化していた。

トブの大森林には様々な種族がいるだろう。そういえばリザードマンがこの森に生息していたから彼らも調べてみるのも良いかもしれない。

 

「ま、こういう時は欅が開発したAIDAレーダーでも使うか」

 

欅とパイが共同開発したAIDAを発見するレーダーだ。名前はそのまんまAIDAレーダー。

カチリとスイッチを入れた瞬間にAIDAレーダーが即反応した。それはもう警報が鳴りっぱなしで緊急事態並み。

 

「反応したぞ!!」

「もう発見か!?」

 

まさかすぐさまAIDAレーダーに反応するとは思わなかった。どこから反応しているか天狼が確認しようとした瞬間に驚愕した顔になる。

こんな馬鹿なことがあるのかと言わんばかりの顔をしているのだ。

 

「どうした天狼!?」

「ありえん…AIDAがこの森全体から反応しているぞ!?」

「マジでか!?」

 

トブの大森林からAIDA反応がしている。彼らのいる周囲からAIDAがもういることになるのだ。

全員が武器を構えて襲撃に備えるが何も起こらない。でもレーダー画面にはもう満面なくAIDA反応がしている。

画面を広範囲にするとさらに驚きが加わる。AIDA反応がまだまだ森全体に広がっており、広げれば広げるとAIDAばかりだ。

これではクーンたちは森に入った瞬間にAIDAの胃の中にいるような状況である。これはどういうことなのか分からない。

 

「おいおい俺たちゃもうAIDAに先手を取られてるんじゃねーか?」

「そのようだな」

 

そのまま構えたままだがやはり何も起きない。

 

「…何も起きない?」

「何も起きないな」

「そのレーダー壊れてんじゃねーか?」

「欅とパイの共同開発品だ。不良品なんて渡さないだろう」

 

そうなるとやはりトブの大森林全体からAIDAが反応していることになる。でもだからと言ってすぐさまこちらに何か仕出かしてくる様子はなさそうだ。

 

「なあ天狼。そのレーダーで一番反応の強い所は分かるか?」

「待て、調べてみる…あったぞ」

「じゃあ気を付けながら行くぞ」

 

クーンはトブの大森林にいるAIDAが広範囲にかけて寄生していると予想していた。しかしどうやって森全体に寄生しているかが分からない。

AIDAが森に寄生することはありえない。ならば寄生している宿主を通して森に寄生していると考えるのが妥当だろう。

森へと寄生できる手助けができる宿主とは一体どんなやつなのか。

 

 

side変更

 

 

カイトとアインズは冒険者組合から特別に依頼されたクエストをこなすためにトブの大森林に訪れていた。

今回のメンバーはカイトにアインズ。それにアウラ、ブラックローズ、ハムスケだ。アウラとハムスケが今回選ばれたのはトブの大森林について知っているからだ。

アウラとハムスケがいるおかげでトブの大森林での探索はとても頼もしい。アウラの主導でハムスケの背中に乗って進む。

薬草の採取クエストなのでハムスケの背中に乗ってゆうゆうと進んでいるのだ。モンスター討伐依頼とは全く違う。ここまで余裕があるのは久しぶりな依頼である。

 

「はー…超暇ね」

「まあ、薬草採取だけだからね」

 

ブラックローズは背伸びして体をストレッチする。カイトも同じく軽めのストレッチ。

 

「こういう依頼もたまには良いものですよブラックローズさん」

「こんな依頼がアダマンタイト級とミスリル級2つが必要なのアインズさん?」

「それはまあ…確かに」

 

万能薬になるとはいえ、薬草を採取するだけのクエストでそこまで仰々しく人材が必要なのか気になるところだ。

そんなに採取する場所が危険なのだろうか。例えばモンスターが大量にいるとか。

 

「大量にモンスターがいるんなら分かるんだけどね」

「そうかもしれないですよ。だからアインザックさんがミスリル級の冒険者チームをいくつか手配してたようですし」

「ふーん。ま、現場に行けば分かるでしょ。ダメだっら仲間を増やしてまた来れば良いし」

 

ブラックローズの言う通りで仲間が必要だったらまた来れば良い。他にガルデニアやオルカだって付いてきてくれるだろう。

アインズの方にだってナーベラルやマーレだって心強い部下がいる。

 

「任せてくださいアインズ様。森のモンスターなんてアタシ1人で十分ですよ!!」

「ははは、頼りにしてるぞアウラ」

 

ハムスケの背中に乗りながら順調に進むが教えられた目的地までまだまだ先だ。このままだと夜になることは確定である。

ならば野営の準備をしないといけないだろう。

 

「どこで野営するアインズさん?」

「そうですね。もうちょっと開けたところまで行きましょうかカイトさん」

 

のっしのっしと進んでやっと野営地に最適な場所まで到達した。アウラからで一旦ナザリックに戻るかと提案してきたが、やっぱり冒険を楽しみたいのでキャンプすることが決定。

実は野営キャンプは憧れていたアインズであった。それにカイトたちと野営ができるなんてワクワクしている。そしてカイトもだ。

なんていうか、仲間と野営キャンプでワクワクしないだろうか。

 

「それにしても想像以上に開けているな」

「こんなものじゃないかな?」

「うーん。こんなものか」

 

早速コテージでも準備するかと思ってアインズはアイテムボックスからグリーンシークレットハウスを出した。

これにはハムスケが超驚いていたがとりあえず無視した。

 

「やっぱユグドラシルにはいろんなアイテムがあるんだ」

「ユグドラシルには本当に凄いアイテムからなんじゃこりゃってアイテムがありますからね」

 

本当にユグドラシルには色々なアイテムがある。何でこんなアイテムがあるかすら分からないし、何を思って作成したのか読めないほどだ。

運営の頭は狂っているのかもしれない。いや、その評価はユグドラシルプレイヤーから既になっている。

 

「The Worldにはなんか面白いアイテムとか無いんですか?」

「そうだね…そういえば装備すると様々な状態異常になるアイテムがあった気がする」

「ユグドラシルとあんま変わりませんね」

 

そういえば昔ぴろし3がそのアイテムを欲しがって一緒に手に入れた記憶がある。

 

「あと『色男になる薬』もあったなあ」

「え、何それイケメンになるの?」

「ただ身体にオレンジとかの色で染まるだけ」

「…ああ、そういう。って本当にそのままか」

「それにぴろし3から『ぴろしの自伝』なんてアイテムも貰ったなあ」

「本当に何それ!?」

 

一応アイテム効力を説明すると『魔法攻撃力が永久的にマイナス』になるらしい。はっきり言って使いどころが無い。

これはただのコレクションアイテムとして見るべきだろう。そもそも自分の名前が付くアイテムってまんま自分で作成したアイテムだ。しかもマイナスになる。

 

「それただの呪いのアイテム!!」

 

アインズが絶対に装備したくないアイテムだ。なんでこう、ぴろし3は人の斜め上を飛んでいくようなモノや武勇伝を持っているのだろうか。

何故か分からないが彼と戦ったとしても色んな意味で勝てない気がする。たぶんカイトでも勝てないかもしれない。

 

「アタシもぴろし3は苦手です…」

 

階層守護者のアウラまでも苦手としているらしい。

 

(おおアウラまで…彼女の苦手な存在ってそうそうないぞ)

 

ここにいなくても何か残す男。それがぴろし3。

何故か空にぴろし3の顔がキラーンと映った気がしないでもない。

 

「さて、食事は…」

「アインズ様。近くで生物反応を感知しました」

「なに?」

 

さっそく食事の用意でもしようかと思った矢先にアウラから謎の生物反応を感知したとの報告が来る。

どうやらいきなり生物がアウラの張った感知範囲内に現れたらしい。いきなり出現したからテレポートの類で誰かが転移してきた可能性があるだろう。

敵か味方か分からない。できれば敵で無い方がいい。

 

「カイトさん。まずはオレが魔法で目を飛ばします」

 

アインズが魔法で視覚を飛ばし、生物が現れた場所を確認する。するとドライアドという植物系の種族がいた。

周囲を確認してみるがどうやら、そのドライアド1体だけしかいないようだ。

 

「現れたのはどうやらドライアドのようです」

「ドライアドって確か植物系?」

「そうです。そのドライアドですよカイトさん」

 

個体としては子供くらいの大きさだ。だけど容姿と年齢がそぐわないなんていくらでもある。それが異世界なら尚更である。

まずはそのドライアドだが、どうやら何かするとというわけではなさそうである。観察してみるとただひょっこりと現れた感じである。

ひょっこりと現れたドライアドはその場に留まっている。そのまま無視してても大丈夫かもしれないが、もし何かあってからでは遅い。なので接触してみることに決定する。

 

「行ってみますか」

「そうだね」

「拙者も同行するでござる!!」

「ハムスケ。お前は待機」

「了解でごじゃる…」

 

ハムスケお留守番決定。

アインズたちはドライアドに敵意が無いことを言いながら近づいていく。

 

「おーいそこのドライアドくん。私たちに敵意は無い。良ければこの付近で野営をさせてくれないだろうか」

「ん、人間3人にダークエルフが1人?」

 

どうやら言葉が話せるようで助かる。これなら話もできる。

 

「もしかして前に来た人たちかと思ったけど…違うみたいだね」

「ローファンのことか?」

「誰それ?」

「む、違うのか。冒険者組合で聞いた者たちじゃないのか」

「えっと約束をしてて、若い人間が3人に大きい人が1人で年寄りの人間が1人、羽根の生えた1人、ドワーフが1人で7人組だよ」

 

冒険者組合で聞いていた前のアダマンタイトチームではないようだ。どうやら全く違う冒険者かもしれない。

それにしても様々な種族の混成されたチームであるようだ。

 

「その約束したとは?」

「ええと、そうだな。その約束ってのは魔樹を倒してくれるって約束」

「まじゅ…魔樹?」

 

話を聞くと魔樹とは世界を滅ぼすほどの植物系のモンスターらしい。その名前はザイトルクワエ。

この世界の大昔に天空が割れ、数多の化け物が降ってきて竜王たちと戦争を繰り広げたらしい。その生き残りだか、封印されたのがザイトルクワエで歪んだトレントとも言う。

 

「世界を滅ぼす魔樹か」

「なんか薬草採取のために来ただけなのにとんでもない話を聞きましたね」

「はあ…なんでこう、面倒ごとが来るんですかねー」

 

ブラックローズがため息を吐くしかないだろう。だって世界を滅ぼす魔樹なんて物騒でしかない。でもウィルスバグと戦っている身としては世界を滅ぼす魔樹なんて増えたところで変わらないのでドライアドが思っているほど危機感はない。

何故ならウィルスバグがこの異世界に存在している時点で危機感はマックスなのだから。ウィルスバグも世界を滅ぼす魔樹も変わらない。

 

「その魔樹とやらはそんなに強いのか?」

「強いなんてもんじゃないよ。竜王たちと互角に戦ったんだよ!!」

(竜王か…そういえばまだこの異世界でドラゴンは確認していないな)

 

アインズもカイトも異世界でドラゴンは見ていない。でもドライアドの口ぶりからすると確実に存在はしているだろう。

 

「でも空が割れて世界を滅ぼすモンスターが降ってきたって何よ」

「そんなの知らないよ。でも昔そんなことがあったのは確かだよ。現にこの森にザイトルクワエが眠っているんだから!!」

 

この異世界の空が割れて大量のモンスターが降ってきた。そんな天変地異は嫌なものだ。

 

「魔王が攻めてきたとかだったりしてね」

「あ、それ有りそう」

「魔王って何さ?」

「あ、こっちの話」

 

ファンタジーな世界だが魔王は実在するのだろうか。もしいなかったらアインズが魔王かもしれない。だって似合っているから。

 

「その時はドラゴンたちだけで戦ったのか?」

「えーと…嘘か本当か知らないけど6人の人間も戦ったなんてのもあったよ」

「6人の人間?」

「うん。でも本当に人間か分かんないけど…亜人かもしれない。だって竜王たちと互角に戦えてたらしい」

 

もしかしてアインズのようにユグドラシルプレイヤーかと考える。この異世界にはユグドラシルプレイヤーの存在が微かに存在するのだ。

例えば六大神や法国に八欲王。それに十三英雄もどこかユグドラシルプレイヤーのような存在を示す何かがあったりする。

 

「6人か…どんな奴か知らないが流石に生きているかどうか」

 

竜王たちが活躍していた時代は八欲王が跋扈していた時代でもある。もしかしたら元凶は八欲王の可能性だってあるかもしれない。

八欲王の時代は数百年前の話だ。ならば人間だったら生きていないだろう。もっとも全て仮定の話だからアインズの予想は外れているかもしれない。

 

「その6人は竜王たちからなんて呼ばれてたかな……ずっと昔に聞いたことがあったんだよなあ」

「6人の呼び名を思い出せるか?」

「えーっとなんだっけな。確か『漆黒の恐怖』とか『赤衣の狩人』とか…」

「それは名前じゃなくて二つ名っぽいな」

「じゃなくて、それよりザイトルクワエだよ!?」

 

ザイトルクワエは着々と復活が近づいているらしい。なんでも他の草木に浸食して全ての栄養を吸収している。ザイトルクワエの根は今まさにトブの大森林に広まっているのだ。

 

「今はまだこの森全てに根が広まっていないけど時間の問題なんだよ。そのうちこの森の外にまで根付くつもりに決まってるさ!!」

 

ウィルスバグほどではないがザイトルクワエも浸食していく力があるようだ。正確には浸食というよりも世界に根付くだろう。

ザイトルクワエは世界から全ての栄養でも吸い尽くす気なのかもしれない。

 

「どうしますカイトさん?」

「うーん。ここまで聞いたら無視できないよね」

「じゃあ倒すしかありませんか」

「何言ってんの!?」

「何って倒そうかと。ね、カイトさん」

「相手は世界を滅ぼす魔樹だよ!?」

 

しれっと言っているカイトとアインズだが、それには理由がある。

 

「「世界を滅ぼす相手ならもう戦ってる」」




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。

さてさて、やっとカイトとアインズの活躍だぜ!!
いやあ遅すぎました。クロス作品なのにねえ…でもここからちょくちょく活躍させます!
そしてドラマCDを聞いたことがある人は分かると思いますがこの作品では展開はオリジナルになりますので注意です。

アインズ「出番きたー!!」
カイト「ボクはいいとしても流石にアインズさんは出番がないとダメだよね」
クーン「オーバーロードのクロスだしな」
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