.hack//OverLord:Another Side   作:ヨツバ

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はい。タイトルで分かるようにザイトルクワエとの戦いです。
そしてクーンたちはAIDAと戦っています。
今回の話は現場は同じだけと別々に戦っています!!
本編の時系列でいうとまたまた大墳墓の挑戦者の前の話になります。


ザイトルクワエ

AIDAレーダーより反応が一番高い場所まで到達したクーンたち。現場の周囲は異様にひらけている。

状況から察すると周囲の緑が無いので枯れているようだ。何故枯れているかと言われれば原因はAIDAかもしれない。

 

「反応が一番ここが高い。発信源は真下だ!!」

 

天狼が地面に向けて拳を叩きだした。地面は砕かれ、その下が露わになった。

 

「おいおい…こういうことかよ」

 

地面の下からはまるで血管のようなグロテスクな樹の根が出てきた。その樹の根はまるでAIDA感染者が酷く進行した一部に酷似している。

グネグネと蠢いていてまるで生物のようだ。この樹の根はただの樹の根ではないだろう。おそらく予想として植物系のモンスターの根かもしれない。

それならばこの森に広範囲にAIDA反応がある理由が分かる。

 

「なるほどな。この根がトブの大森林に広まってるのか」

「AIDAの根ってところだな。これはまた新たなAIDAと言ってもいいかもしれない」

 

AIDAカズミがトブの大森林を訪れていた理由がこのAIDAの根だろう。確かにコレもAIDAの新たな進化の1つ。

反応が1番高い場所を指さす天狼。その指の先にはAIDAの核のような物から樹の根に感染しているものがある。胎動しており、あの核から何かが産まれてくる感じで不気味だ。

 

「んじゃあ早速討伐と行くか」

 

このままにしていたら恐らくトブの大森林がAIDAの大森林になるかもしれない。実際にAIDAの根が他の樹木の根に絡みついて徐々に同じように感染しているのだ。

だが根だけで本体である宿主が見当たらない。もっとも植物にとって根の部分は生命線のような部分なので根が本体かもしれないが。

 

「さて…って何だ!?」

 

いきなり地響きが発生したかと思えばクーンたちとは真逆の方向の場所で巨大すぎる樹木が生えだした。バキバキと周りの草木を潰して天へと高く伸びていく。

まるで空を割る勢いで成長しているのか、もともとあれくらいの大きさなのか。

 

「もしやあれがAIDAの宿主かもしれないな」

 

宿主とAIDAの距離が相当離れているが根の大きさからしてあれくらいが妥当だろう。それに先ほども考えた植物にとって根の部分が生命線なのだから根さえ無事ならいくらでも時間をかけて成長し直す。

あれほどの大きさの植物モンスターの根ならばトブの大森林にかけて広げることは可能だろう。このAIDAもまたとんでもないモンスターに寄生したものだ。

 

「AIDA自体が寄生したわけじゃない。カズミって奴が無理やり寄生させたんだったな」

 

AIDAの特性上、知性のある生物に寄生する。だが本能のみの植物系モンスターに寄生がするとは考えにくい。ならばカズミが実験的に寄生させたはずだ。

その結果がこの進化なのだろう。独自に進化して森に浸食しているのだからカズミの実験は成功している。

 

「覚悟決めるか。雷光閃弾!!」

 

樹の根で絡まっているAIDAの核に撃つ。クーンは樹の根の守りの甘い部分に狙いを定めた後、二発ほど銃を発射して破壊すした。

しかし樹の根はいくらでもある。すぐさまAIDAの核を守るように樹の根が絡みつく。

 

「まずは樹の根をどうにかしないといけないな」

「周囲の樹の根を潰すぞ!!」

 

クーンの号令で全員がアーツ技を発動する。

 

「金剛発破掌!!」

「塵球至錬弾!!」

「刺突散弾!!」

「夜叉車!!」

 

全員のアーツ攻撃が硬い樹の根を破壊していく。だが向こうもただ攻撃されるだけではない。樹の根が触手のように蠢きながら襲ってくる。

全方位からの触手攻撃は避ける暇はない。ならば全ての攻撃を叩き潰すしかないのだ。

 

「がははは森林破壊してるみたいで心が痛むぜ」

「安心しろ大火。これは森林破壊ではなく害虫駆除だ」

「こんなので心を痛めていたら死んでしまいますよ」

 

AIDAに感染した樹の根を切断し、撃ち砕くのは流石はイコロのチームだ。多量に蠢く樹の根の触手を全て破壊していく。

これにはクーンもヒュウっと口笛を吹く。大火はイコロを脱退しているが強さは本物だ。この異世界では肉体がまるで現実のようになっているので凄さがより身に染みるくらい分かってしまう。

 

(ま、ハセヲの師匠を名乗るだけはあるな)

 

ハセヲ曰く勝手に師匠を名乗ってるだけだがいつの間にかハセヲ自身も師匠と認めてしまっている。なんというかバカ親父と悪ガキのような関係性にも見える。

 

「ちと時間はかかるが根っこの除去作業だ…うごあっ!?」

 

クーンが根っこの一掃しようと散弾攻撃のアーツ技である『烈球操弾』を撃とうとエネルギーを溜めてたらいきなり何かがぶつかってきた。

そのままクーンは一緒に転げまわる。その何かは小さくて褐色であった。

 

「痛ってえ…何だ何だ!?」

「痛ったあい、あのデカイだけの枯れ木め。よくもアタシを吹っ飛ばしてくれたなー!!」

 

クーンの懐に飛び込んできたのはダークエルフの子供であった。

 

「え、なんだって小さな可愛い子ちゃんが飛んできたんだ!?」

「え、何で人間なんかがこんな所にいんのさ?」

「いや、こっちのセリフなんだが」

 

どこから飛んできたのか分からない。しかし今こんな所にいたら危険なのは確かだ。最悪な場合AIDAの犠牲になってしまう。

 

「ここか危険だから早く逃げるんだ」

「はあ、人間がアタシに命令すんな!!」

 

ここでダークエルフの子供はヒソヒソなにか呟きだした。まるで誰かと交信しているような感じだ。

 

「あ、アインズ様アタシは大丈夫です。でもちょっと人間と接触してしまいまして…」

 

まるでメッセージの伝える魔法でも使っているのだろうか。相手は同じようにダークエルフなのだろうか。でも様付けをしていたからダークエルフでも上の存在かもしれない。

 

「どうしますか。消しておきますか?」

 

一瞬だけ不穏な言葉が聞こえた気がしたが気のせいだと思いなおした。可愛い顔して怖いことを言うはずがないだろう。

 

「え、それは無視して良いんですか。分かりました」

 

何か決まったようで彼女は交信を終えたようだ。

 

「おい人間運が良かったな。死にたくなかったらさっさとここら消えることだね」

「いや、こっちはこっちでやることがあるんだが」

「そういえば何か木の根っこと戦ってるけど…そんなの無視して消えなよ」

「いや、それはできないことなんだが」

「いいから消えろ。じゃなきゃ死んじゃうからね!!」

 

そのまま言いたいことだけ言って走り出していったダークエルフであった。

 

「何だったんだ?」

 

 

side変更

 

 

カイトたちはドライアドもといピニスン・ポール・ペルリアによりザイトルクワエが封印されている場所まで案内される。

何故、案内されているかと言われればザイトルクワエの討伐のためだ。世界を滅ぼす魔樹であるザイトルクワエが復活するかもしれないと聞いてしまえば無視なんてできない。

 

ならば遅かれ早かれ倒すしかないだろう。そもそも世界を滅ぼすウィルスバグが存在するのだから世界を滅ぼす魔樹が1本追加されたところで変わりはしない。

ピニスンは「本気でザイトルクワエを倒す気!?」なんてパニックになりながら聞いてくるがカイトもアインズも声を揃えて「倒す」と即答。即答することができたのは力があるからだ。

力がなければ戦うなんて無謀なことはできない。それにしても万能薬になる薬草を採取しに来ただけなのに、こんな規模の話になるとは思わなかった。これでは薬草採取クエストは失敗かと思った矢先。

ピニスンよりその薬草はなんでもザイトルクワエのどこかに生えているとのこと。これまた嫌な展開である。なんでよりにもよってそんなところに自生しているのか。

でもちょうどよいと考えるべきだろう。薬草を採取してザイトルクワエを倒せばよい。

 

「ここだよ」

 

ピニスンより案内された場所は無駄に開けており、周囲には枯れた木々があるくらいだ。この枯れた木々はザイトルクワエによって栄養を全て吸収された木の成れの果てだろう。

枯れた木の枝に触れた瞬間に地震がおこる。

 

「おっと」

「揺れが大きいよ」

「うわわわわわわわわ!?」

 

地震の正体はザイトルクワエの目覚め。ピニスンの予想としてはザイトルクワエの復活はまもなくとは思っていたが、まさか今日だとは思わなかったらしい。ザイトルクワエは天へと目指しているのか知らないが高く高く伸びている。

 

「うそっ、ザイトルクワエが復活したああああ!?」

「大きい…」

「ちょ、想像したのよりデカイんだけど」

「ガルガンチュアより大きいな」

「復活しちゃいましたねアインズ様」

「でっかいでござるなあ」

 

ピニスンはパニック状態だがアインズたちは冷静。はっきり言って普通はピニスンの反応が正解だ。

アインズたちの冷静さが異常なのだ。なんでこんなに冷静か分からない。でも冷静なのは悪いことではない。

 

「どうやって倒しましょうか」

「これはボクの双剣でもキツイかも」

 

カイトの双剣が効かない。いや、ダメージは与えられるかもしれないがチマチマし過ぎで意味が無いかもしれないのだ。単純に質量と体積の問題だろう。

一匹の蟻が大きなゾウに噛みついたレベルの話にすると分かりやすい。

 

「オレも生半可な魔法じゃ有効だにならないな」

「え、アインズ様の魔法が効かないんですか!?」

「うむ。魔法も選ばないと効かないだろう。燃え盛る炎に少量の水を掛けたところでは意味はないだろう?」

「そ、そうですね」

 

ここでアウラには自分が万能説というのを改めてもらいたい。なんというか階層守護者のみんなはどこかアインズを万能の人だと思われている。

それが正直プレッシャーなのだ。期待を裏切りたくないがプレッシャーがキツイ。

 

(まったく…階層守護者と言わずナザリックのみんなはオレに超期待しているというか忠誠を誓いまくっているというか…重いなあ。オレにだって弱点はあるんですよ!!)

 

ザイトルクワエをアインズが倒すしたら上位の魔法だけだろう。しかも巨木である大きさに見合うだけの魔法だけ。

 

「アタシの場合だとアルティメットスキルを使えばどてっぱらに風穴は空けれそうね」

「う~ん。アタシはあれだけデカイと決定打になるスキルはあまりないかも」

 

ブラックローズのアルティメットスキル『メテオストライク』なら決定的なダメージを与えられるだろう。しかし、そのためにはザイトルクワエの6本の大きな枝を潰さないといけない。

あの大きな触手のような枝で防がれてしなったら威力は半減だろう。

 

「やはり植物系モンスターだからカイトさんとオレの炎系の魔法で燃やしますか?」

「そうだね。それが一番確実かもしれない」

 

植物系モンスターなら炎が有効。それはどこも変わらない認識のようだ。

カイトたちは冷静にザイトルクワエをどうやって倒そうと考えているがピニスンはそれどころじゃなかった。

 

「ちょちょちょ、何でそんなに冷静なのさ。魔樹が復活したんだよ!?」

「落ち着くでござるよピニスン殿」

「こんなの落ち着いていられないよ!?」

「慌てていても意味はないでござる。ならば冷静になっている方が活路を見いだせるでござらんか?」

「いや、そうかもだけどさ!?」

「殿たちを信じるでござるよ」

 

ハムスケはアインズたちに出会ってなければここまで冷静にはなれなかっただろう。何故彼女がここまで冷静なのはザイトルクワエよりもアインズたちの方が規格外だからだ。

だから冷静でいられる。ある種、アインズたちがいるからこそ大丈夫だと思っているのだ。

 

「じゃあ作戦開始!!」

「ブラックローズさんは周りの枯れ木を伐採。アウラはスキルでザイトルクワエの動きをできるだけ足止めしろ。私とカイトさんは炎系の魔法で攻める!!」

 

アインズの指示で全員が同時に動く。

まずはブラックローズは周囲の枯れ木を伐採していく。これはカイトとアインズの炎魔法の余波で枯れ木が燃え上がり、さらにトブの大森林に広がらないように配慮したものである。

アウラはザイトルクワエの動きを止める役割。カイトとアインズが魔法を撃てるようにサポートに徹する。そして隙を見て万能薬になる薬草を手に入れる。

カイトはエクシードを発動。蒼炎を身体に纏い、ザイトルクワエの枝に乗り移る。そして蒼炎を纏った双剣を突き刺して、アプドゥを発動。アプドゥは移動速度が一時的にアップさせる補助魔法だ。

そのままカイトは縦横無尽にザイトルクワエの枝を走り回る。枝に切り込みを入れて内側から燃やそうという魂胆だ。双剣に蒼炎が纏っているため、切り込みを入れた瞬間に枝の中に蒼炎が流れ込んでいく。

最後にアインズはカイトの入れた切り込みに魔法を放って、切り込みが広がって燃えて崩れる。みるみるうちにザイトルクワエの6本のうち1本の枝が破壊された。

 

「ほえ?」

「おおー流石でござるな!!」

「いやいや、え!?」

「どうしたでござるかピニスン殿?」

「だってあの魔樹の枝を一本を簡単に破壊したんだよ!?」

「流石でござる!!」

「その言葉で済まさないでよ!?」

 

ピニスンがまだパニック状態のようだ。そのうちにカイトたちは2本目の枝に乗り移る。

 

「あらよっと、牙烈火!!」

 

ブラックローズもザイトルクワエの枝に乗り移って炎系の剣技を繰り出す。

 

「ブラックローズ。もう枯れ木伐採は終わったの?」

「あんなの一瞬よ。アタシもこっちを手伝うわ」

 

カイトとブラックローズの2人でザイトルクワエの枝を切りつけながら縦横無尽に走り回る。ザイトルクワエもバカではないので危機を察知して2人を潰そうとするがアウラの影縫いの矢で動きを止める。

更にはアインズのエクスプロードマインを枝の周辺に設置して、少しでも枝が動けば爆撃地雷に引っかかって爆発。ザイトルクワエを自由に身動きさせない。

 

「アインズさん。切り込み完了です。一緒に魔法を放つよ!!」

「了解ですよカイトさん!!」

「ファバククルズ!!」

「エクスプロード!!」

 

2本目も破壊完了。

 

「もう二本目なの!?」

「凄いでござるな~」

「ははは、これって夢かな?」

「現実でござるよ」

 

3本目に突入。

アウラの『レインアロー』とアインズの『エクスプロードマイン』の二重攻撃によりザイトルクワエは完全に動きを封じらてている。

その隙にカイトとブラックローズは剣で枝に切り込みを入れていく。そしてアインズとカイトの炎系の魔法で破壊する。

これでもうザイトルクワエの半分の枝を破壊している。

時間はかかるがこれならザイトルクワエを倒すことは可能だろう。

 

「あっ、発見!!」

「どうしたのよ?」

「薬草を発見したのよ。アインズ様。発見しましたよ!!」

「でかしたぞアウラよ」

 

アウラはすぐさまザイトルクワエに生えている薬草を取りに行く。薬草を採取することはできた。

しかし、アウラの『レインアロー』を一旦止めたことで一瞬だけ枝の動きが自由になってしまい、アウラに直撃する。

 

「いでっ!?」

 

アウラはそのまま薬草を握ったまま彼方へと飛ばされた。

 

「アウラ!?」

「あちゃー、遠くに吹き飛ばされちゃったわよ!!」

「無事かアウラ!!」

『はい。大丈夫です!!』

 

どうやら無事のようだ。ホッと息を吐く。息なんて出ないが。

 

『あ、アインズ様アタシは大丈夫です。でもちょっと人間と接触してしまいまして…』

「人間か。無視して構わない。早く戻ってこい」

『え、それは無視して良いんですか。分かりました』

 

アウラが吹き飛ばされた方向に人間がいたようだが無視して構わない。今は人間よりもザイトルクワエだ。

それにしても何で人間がいるのだろうかと思ったがトブの大森林に冒険者がいてもおかしくないだろう。だけどちょうど良い。ザイトルクワエのことなら向こうでも見えているだろう。

これをモモンが倒したという噂の信憑性を上げるに使える。

 

「戻ってきましたアインズ様!!」

「おお、意外に早いな」

「アインズ様の元になら光の速さで戻ります!!」

「そ、そうか」

「薬草も無事です!!」

 

万能薬になる薬草採取は完了。あとはザイトルクワエを倒すだけ。

 

「ならば総攻撃をかけるぞ。アウラが戻っている間に枝は片づけたからな」

「そうなのですか。流石ですアインズ様!!」

「いやいや待ちなさい。アタシたちも頑張ったんだけど」

 

何故か枝を破壊したのがアインズ全てのおかげになっている。違うから、と心の中でアインズはアウラにツッコミを入れた。

今のザイトルクワエは枝が全て破壊されてり、巨木の部分に無数の切れ込みが入っている。しかも切れ込みから蒼炎がにじみ出ている。

 

「アウラよ。レインアローでザイトルクワエの切り込み部分をさらに広げろ」

「はい!!」

「ブラックローズさんは大きめの一撃をくらわしてより亀裂を広げてください!!」

「はいはい」

「カイトさんはオレと同時に高威力の炎魔法を放ちましょう!!」

「了解!!」

 

アウラが『レインアロー』を発動して亀裂に刺さり、より広がる。そこにダメ押しのようにブラックローズが力の限り大剣を振るった。

斬るというよりも砕く勢いで振ったのでヒットした個所からビシビシと亀裂が走る。

 

「合わせてくださいカイトさん!!」

「任せて!!」

「ナパーム!!」

「ファバククルズ!!」

 

カイトとアインズの炎系魔法でザイトルクワエは爆発し、一気に燃え上がった。

完全にザイトルクワエは燃えていき、どんどんと灰になっていく。

 

「嫌なキャンプファイヤーだな」

 

アインズは締めの言葉を言うがここでブラックローズがあること思う。

 

「そういえば万能薬になる薬草ってザイトルクワエに生えていたのよね」

「そうですが…どうしましたブラックローズさん?」

「ザイトルクワエが燃えたらもう薬草採取できないんじゃないの?」

「あ…」

 

ノーコメントで。

 

 

side変更

 

 

急に樹の根の動きが鈍くなった。そういえばこちら側より反対側の方にある大きな樹が大爆発して炎上している。

これはどう見ても向こうで何かあったのだ。あのダークエルフの子供が何かしたのかもしれない。彼女は大きな樹の方から飛んできては、また戻った。

まさかあの子供があのでかすぎる樹を燃やしたのだろうか。だけど今はチャンスである。

樹の根の動きが鈍くなっているのなら今のうちに畳みかける。

 

「全員全開で行くぞ!!」

 

クーンの掛け声とともに太白たちが全力で樹の根に寄生しているAIDAに集中砲火。樹の根に守られたAIDAは丸裸だ。

最後のトドメを刺そうとクーンは紋様を浮かび上がらせてAIDAに走る。

 

「来い。俺のメイガス!!」

 

アバター空間にAIDAを隔離し、決着をつける。向こうのAIDAも決着をつけることを理解したのか本体の姿を現す。

樹の根。正確にはザイトルクワエの根に寄生していたAIDAの正体はAnna(アナ)。ミジンコのような微生物の見た目で透き通った紫色の身体と、その中心に濃色の核が配置されている。

だけど前と少しだけ違った。クーンの目の前にいるアナは身体から根のような触手が生えている。やはり進化したAIDAのようだ。

 

「進化してようがオレは勝つ!!」

 

ハセヲだって今頃頑張っている。ならば兄貴分としてはここで勝利を刻まないと格好がつかないだろう。

憑神モードであるメイガスになり本体のアナに突撃する。

 

「おおおおおおおおおおおおお!!」

 

アナを掴んでそのままグルグルと回転させて投げつけて、そして勢いがついたらそのまま突撃してAIDAのプロテクトを完全に破壊した。

そしてすぐさまデータドレインを展開する。メイガスの腕から色鮮やかなの紋様が展開されて、照準をAIDAアナにセット。

 

「くらえデータドレイン!!」

 

全てを改竄する閃光がAIDAアナに突き刺さり、データを吸収していく。アナはデータドレインから抜け出そうと触手を伸ばしてクーンに絡みつくが既に遅い。

アナの身体はもうボロボロになっており、触手は崩れていく。

 

「終わりだぜAIDA」

 

クーンのデータドレインによってAIDAは消滅した。ザイトルクワエの根に寄生していたAIDAは消えたのでトブの大森林に広がっていた根は急速に枯れていく。

これならザイトルクワエが吸収した栄養はすぐにでもトブの大森林に還元されるだろう。

 

「やったなクーン」

「まあな。これでもハセヲの兄貴分だぜ」

 

ニカっと笑うクーン。ハセヲが頑張っているのに負けてられない。兄貴分としては先に成果を出したかったのだ。

 

「次はハセヲの番だぜ」

 

ところで向こう側。ザイトルクワエの方。

樹木部分であるザイトルクワエが燃えていたが何があったのかが気になるのだ。ザイトルクワエが燃えたおかげでAIDAに攻撃するチャンスができた。

ならば何で燃えた理由は何か。気になるのがダークエルフの子供だ。

 

(あの子が何かしたのか?)

 

クーンは『視覚』を司どるメイガスの力を使って遠くの方向を視る。するとザイトルクワエが燃えている下に何人かがいた。

赤い外套を着た双剣士と褐色肌の女の大剣士。それに子供のダークエルフと黒く高級そうなローブを着たエルダーリッチが見えたのだ。

 

(誰だあいつら?)

 

赤い外套を着た双剣士と褐色肌の女の大剣士を見たら頭に靄のようなものがかかったが、特に思うことはしなかった。




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。

さてさて、今回はクーン視点とアインズ視点での物語でした。
ザイトルクワエの巨木部分をアインズたちが、
ザイトルクワエの根(AIDA)の部分をクーンたちが、

実は協力してザイトルクワエを討伐していたのです!!
アインズたちが巨木部分にダメージを与えたからクーンはAIDAを倒すことができたし、クーンたちがAIDAを倒したからアインズはAIDAの力を食らわずに済みました。

そして最後にクーンはカイトたちを見て頭に靄のようなものがかかったと評しましたがそれはちゃんと訳があります。
知っている人は分かるかもしれませんが、実はクーンってRe:1をプレイしていたんですよね。その時の名前は『ジーク』です。

彼は無印版では未帰還者になっており、最終決戦ではコルベニクのシールドを破壊するために応援に来てくれた1人です。なのでカイトたちを見た事実はありますが、未帰還者の後遺症で記憶障害になっているため、覚えていないのです。
(実際のところ公式では記憶障害になったかどうか発表されていませんがGUでは葬炎の騎士カイトやバルクンクにオルカを見てもなんも反応もなかったので記憶障害が濃厚だと私は思っています)


クーン「なんか他人じゃ無い気がするんだよなあ?」
バルムンク「ん?」
カイト「それならハセヲも…どこかで会ったような気がするんだよね」
ハセヲ「ああん?」
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