.hack//OverLord:Another Side   作:ヨツバ

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今回はハセヲたちの出番はありません。
また違うキャラたちの出番です!!


強者たち

バタンっと倒れるリグリット。息は切らしていないが表情は悔しそうな顔をしていた。悔しい顔をしているのには理由がある。

それは勝負に負けたからからだ。誰だって勝負に負ければ悔しいだろう。ただ、あの十三英雄の1人であるリグリットを負かす相手がいるというのはこの世界の人からしてみれば驚きだろう。

 

「1発も拳があたらん!!」

「私の勝ち。おひねりを貰うわ」

「持っていくがいい泥棒め」

 

おひねりをぽいっと目の前の女性に渡す。目の前にいる女性は碧と言って黄昏の旅団のメンバーだ。

 

「今回も私の勝ちねリグリット」

「当たらなすぎじゃろ」

「でないと殴られ屋は務まらないわ」

 

碧は副業で『殴られ屋』をやっている。どんなものかというと碧に1発でも当てられたら賞金が貰える。逆に碧が制限時間に全て避けられたら金を取られるというものだ。

 

「今回も負けたか。やっぱ強いのう」

「リグリットもね。まだ本気だしてないでしょ?」

「そりゃお互いさまじゃ」

 

実は碧とリグリットは仲が良い。

 

「ふふふ。君たちの勝負は見ていて楽しいね」

「ツアー」

「黄昏の旅団も賑やかになったものだ。悪くない」

 

ツアーは昔を思い出しているのかしみじみとしている。昔とは十三英雄時代のことで黄昏の旅団に負けないくらいの個性的なメンバーがいたのだ。

 

「メンバー集めはまだままやるんじゃよな?」

「ああ。今はできる限り強い仲間が欲しいんだ」

 

ツアーが強い仲間を欲している理由は世界に仇名す者と戦うためだ。

この世界にはウィルスバグという災厄とAIDAと呼ばれる異常寄生生命体が存在する。この2つの脅威を教えてくれたのが黄昏の旅団の団長だ。

団長に出会わなかったら黄昏の旅団は結成しなかっただろう。

 

「団長…オーヴァン。そういえば新しいメンバーがいるんだっけ? 顔が見たい」

「蘇生させたばかりだから目覚めているか分からないぞ?」

「そろそろ起きているんじゃないかしら。私が見てくる」

 

そういうと碧はスタスタと新たな2人とやらの様子を見に行く。

 

「あの2人ねえ」

「どうしたんだいリグリット?」

「いやなに、元ズーラーノーンの幹部だからな」

「何かあったら俺が対処するさ」

「そうだね。オーヴァンに任せるよ」

 

新たな2人は一癖も二癖もあるらしい。

 

「んー、ザリュースが抜けたのは惜しかったのかもしれん」

「彼か。彼は世帯を持ったらしい」

「あいつ結婚したのか。こりゃめでたいのう!!」

「そういえば他にトブの大森林に候補がいたんだよね」

「森の賢人とか気になったがモモンという冒険者が捕獲したらしい」

 

他にも候補としてブレイン・アングラウスもいたが彼はいつの間にかリ・エスティーセ王国に所属していたため無しになった。

 

「連れてきたわ」

 

気がついたら碧が戻っていた。後ろには新たなメンバーがいる。

 

「な、ドラゴンだと!?」

「………」

 

ツアーを見て驚いたのは不気味な老人。一瞬ツアーを見て驚いたがすぐに無口なのは軽装備にレイピアを装備した女。

 

「ここはどこなんだ。ワシに一体何が起きたのだ!?」

「いろいろと混乱しているようだね」

「仕方ないじゃろ。おい落ち着かんかい、何も取って食おうなんてしてないからな」

 

落ち着かせたいがなかなか難しいものだ。

 

「あんたら何者?」

 

ここで無口だった女はやっと口を開く。

 

「俺たちは黄昏の旅団というチームだ」

「黄昏の旅団…冒険者チーム?」

「そうだ。俺たちは君たちを仲間として勧誘したい」

 

オーヴァンは団長として勧誘の話を進める。

 

「アタシたちを仲間に?」

「ああ。強い仲間がほしくてね」

 

ここでツアーも説明をする。彼は副団長なのだから。

 

「何のために?」

「それは世界を脅かす敵を倒すためにさ」

「敵ってもしかして黒いローブを着たリッチ?」

「いや、違うが…だがもしかしたら敵となってしまった場合戦うだろうな」

「ハッ、ならアタシたちは全滅ね」

 

いきなり全滅発言とはなかなか言ってくれる。何を思って全滅なのか。

彼女の言う黒いローブを着たリッチとやらが相当ヤバイのだろうか。

 

「そこのドラゴンはもしかしたら戦えるかもだけど、他は勝てないだろうね」

「そんなにそのリッチは強いのか?」

「ババアなんざ首折られて終わりよ」

「口が悪い小娘じゃのう」

 

そろそろ2人の名前を知りたいところだ。リグリットが名を尋ねるが女は口悪くこう返した。

 

「まず人の名前を聞くときは自分からだろババア」

「ったく本当に口が悪いのう。ワシはリグリットじゃ」

「…碧」

「私は副団長のツアーだ」

「団長のオーヴァン」

 

まずは黄昏の旅団メンバーの名前から。

次は2人の番。

 

「ワ、ワシはカジット…って、リグリット?」

「クレマンティーヌ」

「おいリグリットってあのリグリットか。十三英雄の?」

 

不気味な男もといカジットはどうやらリグリットを知っていたようだ。やはり有名人。

クレマンティーヌもまさか相手が十三英雄とは思わなかっただろう。

 

「ま、まさか他の奴もか!?」

「私はそうだが残りの2人は違うよ」

 

ドラゴンが十三英雄なんて聞いたこともない。だけどリグリットが認めているのだから真実なのだ。

 

「それでもアイツには敵わないでしょうね。こんな泥船は嫌」

 

クレマンティーヌはもしかしたら十三英雄ならあのアインズとやらを殺せるかもしれないと思っている。でもアインズの次元の超えた力を知ってしまったがゆえに冷静に評価してしまった。

リグリットもツアーも強いだろう。アインズとまともに戦えるかもしれない。でも決め手となる圧倒的な何かが足りない気がするのだ。

もっともリグリットとツアーの実力をしらないクレマンティーヌは現段階では勝てないと思っているだけだ。

そのリッチとやらは私なら良い勝負になるのかもしれないんだね」

 

「たぶんね」

「じゃあ団長なら勝てるね。団長は私より強いから」

「過大評価のし過ぎだよツアー」

「そんなことないさ」

 

ツアーはオーヴァンのことを自分より強いと言った。正直クレマンティーヌはオーヴァンがツアーより強そうには見えない。

 

「ハア?」

「そこのミドリも強いぞ。つーかここにいる全員はおぬしらより強いな。カッカッカッカ!!」

 

カジットはともかくクレマンティーヌの強さは英雄級だ。本物の十三英雄のリグリットとツアーはともかくオーヴァンと碧とやらに負けるつもりはない。

 

(そういえば蘇生したのにレベルダウンはしていない?)

「そういえば誰がワシらを蘇生させたのだ?」

「それはうちの団長じゃよ。団長の蘇生方法は特別でな、レベルダウンしとらんじゃろう」

「な、なんと…どんな蘇生魔法なのだ!?」

 

カジットがどうやら食いついたようだ。彼の本当の目的としてはオーヴァンの蘇生魔法は気になるだろう。

オーヴァンの蘇生の力。正確には転生の力をうまく利用しているのだ。それは彼だけが持つ『再誕』の力だ。これを知る者は黄昏の旅団にはいない。

ツアーやリグリットはオーヴァンの持つレアなタレント能力だと思っているのだ。

 

「ワシにその特別な蘇生魔法を教えてくれないか!?」

「…仲間になるなら団長が教えてやる」

「リグリット」

「いいじゃないか団長」

「まったく…」

 

オーヴァンはヤレヤレと言った顔をしている。どうせ『再誕』の力は教えられない。

 

「本当にそこの団長が強いの?」

「強いとも」

 

特別な蘇生魔法に関しては驚いたが、それでも強さが分からない。本当にあのアインズと戦うことになったら絶対に殺されるだろう。

でも今ここは黄昏の旅団にメンバーに入らないとどうなるか分からない。カジットは特別な蘇生魔法という餌で食いついたがクレマンティーヌは黄昏の旅団に入るメリットは無い。

蘇生させてくれたことはありがたいが、もしあのアインズと戦うとなるとすぐにでも脱退するつもりだ。

 

「…アタシも入るわ。それしか無さそうだしね」

「ふふふ、黄昏の旅団にようこそ。クレマンティーヌにカジット」

「でもその前に」

 

ここでクレマンティーヌがレイピアを抜く。

 

「団長とやらの実力は教えてもらおうかしら?」

「おいクレマンティーヌ」

「カジっちゃんは黙ってて」

 

特別な蘇生魔法で釣れたカジットは無視。

 

「やれやれ…好戦的な奴だな」

「お、やるのか団長。久しぶりに団長が戦うのを見るのう」

「オレが戦っているのは見ているじゃないか。ウィルスバグやAIDAとで」

「なに、対人戦は久しぶりじゃと思って。そうじゃツアーどっちが勝つか賭けをせんか?」

「賭けにならないだろうリグリット」

 

オーヴァン対クレマンティーヌ。その勝負だがリグリットたちの雰囲気から確実にオーヴァンが勝つと思っている。

その雰囲気はものすごく気にくわない。確かに十三英雄たちに比べれば勝てるか分からない。でも全く知らない男であるオーヴァンに勝てないと分かりやすく言われると彼女の性格上イラつくのは当然である。

 

「身体のどこかに風穴空いても恨まないでよね」

「構わない」

「言ったね」

 

クレマンティーヌは武技を発動していつでも最速で攻撃できる準備完了。逆にオーヴァンはスチームガンを装備したまま立っているだけ。

彼女はオーヴァンの余裕さによりイラつきを感じる。流石に殺すことはできないが本当に身体のどこかに風穴を空けるつもりだ。

 

(死ね)

 

一瞬で間合いを詰めてオーヴァンの腹部めがけてレイピアを突き刺した。そう思っていたクレマンティーヌだが現実は違っており、彼女はまだ動いていない。

頭ではもうオーヴァンの腹部にレイピアを突き刺した気でいたが、身体は動いていない。なんせ件のオーヴァンがクレマンティーヌの背後にいつの間にか移動していたのだから。

 

「い、いつの間に…!?」

「なに、ただ早く動いただけだよ」

 

カチャリと片手剣を彼女の首筋に置いた。

これで勝負は一瞬で決まった。ツアーの言う通り賭けにもならない。

クレマンティーヌは何が起きたか分からなかった。自分は何もできずに負けたのだ。アインは圧倒的な力を持っていたから負けた。

でもオーヴァンに関しては何も分からないまま負けたのが逆に不気味すぎる。『圧倒的な力』というのは理解できるが『何も分からない』という方が怖いのだ。

 

「あ、あんた何者よ?」

「黄昏の旅団の団長だ」

「さて、勝負が終わったところで私たちの目的を話そうか」

 

黄昏の旅団の目的をツアーは細かく説明するのであった。

閑話休題。

 

 

 

「そういえばツアー。君は『ファントム』というのを知っているか?」

 

『ファントム』という言葉を聞いてツアーは目を見開く。彼は全く驚いた姿は見せたことは無いが、目を見開くという動作だけでも珍しいものだ。

 

「団長…それをどこで聞いたんだ?」

「知性を持ったAIDAから聞いた。どうやら特別な存在であるようなのは確かだが」

「そうか、奴らも知っているのか…ファントムを」

 

ツアーの感じからすると余程特別な存在なのかもしれない。

 

「ファントム…何それ?」

「ワシも知らんのう」

 

クレマンティーヌは聞いたこともないと呟くし、長生きするリグリットですら知らない。

 

「まあ、せっかくだ。話しても良いかもしれないな。ファントムについてと八欲王についてもね」

「八欲王って…」

「八欲王についてどこまで知っているかな?」

「…仲間割れして自滅した最悪の存在たちでしょ」

「そうだね。クレマンティーヌの言う通りだ。でもそれは表向きの嘘で出来た真実だ」

「はあ?」

 

八欲王の歴史には嘘が組み込まれている。それが八欲王の死について。

歴史ではお互いの欲が強すぎて争いまで発達し、自滅したというのが語られているが実際のところは違う。本当は何者かたちに殺されているのだ。

 

「仲間割れじゃない?」

「ああ。八欲王はファントムたちに殺されたのさ」

「おいおい本当かツアー?」

「本当だよ。何せこの目で見たのだからね」

 

ツアーはまさしく目撃者だ。八欲王がファントムに殺されたのを直で見たドラゴンなのだ。

 

「ファントムについては謎なところが多いが…彼らは守護者だ」

「守護者?」

「ああ。この世界の守護者であり、罪竜を守る存在」

 

罪竜と聞いてクレマンティーヌは一瞬だけ動揺した。その動揺をツアーは見逃さない。

 

「クレマンティーヌは罪竜を知っているのかな?」

「…法国が躍起になって探してるよ」

「そうか。やっぱり探しているか…それは止めといた方がいいね。罪竜に近づきすぎると八欲王と同じ末路を辿るよ」

「今じゃ法国なんてどうでもいい。って八欲王と同じ末路ってまさか!?」

「うん。八欲王は罪竜の存在に気付いて打ち取ろうとしていたんだ。それがタブー…罪竜を守るファントムが動いて八欲王との全面戦争が起きた」

 

最初の始まりはドラゴン対八欲王だった。ドラゴンたちは善戦していたが徐々に八欲王に滅ぼされ始めたのだ。そんな時、ファントムの1人が現れてドラゴン側に組みしてくれたのである。

そのファントムは1人で八欲王を全員と戦った。ドラゴンたちが全面戦争しても苦戦していたのに、そのファントムはたった1人で八欲王と戦い、善戦したのだ。しかも八欲王の1人を完全に殺した。

でも、やはり多勢に無勢で残りの八欲王にそのファントムにやられたのだ。でも殺されてはいない。重症の状態のさなか、新たなファントムが回収しに来たのだ。

 

「たった1人で八欲王と戦ったねえ」

「私はそのファントムを翠のファントムと呼んでいる。彼には助けられた」

「敵ではないのか?」

「…敵では無いけど仲間でも無いかな」

 

その後はまたドラゴン対八欲王の戦いになったがすぐにファントムが合流してきた。今度のファントムは4人。

赤いファントムに黒いファントム、黒薔薇のファントムに猫のファントム。翠のファントムがたった1人で八欲王全員と戦っていたのに今度は4人も現れたとなると戦局は一気に変化する。

今まで八欲王が圧倒的に戦争をしていたが4人のファントムのおかげで彼らの戦争が狂ったのだ。八欲王は4人のファントムに押され始め、最終的に全員殺された。

 

「特に黒いファントムは圧倒的だったよ。あれはもう暴力を超えた暴力…ただの破壊だったね」

「黒いファントムと?」

「うん。あれは破壊の死神…1人で八欲王を圧倒していたよ。今思い出しても恐怖しかない」

「お主が恐怖を抱くなんて余程じゃのう…種族は?」

「人間なのか亜人なのか分からない」

 

ツアーが恐怖を抱くほどの存在。八欲王を滅ぼした存在。圧倒的強者。

 

「それがファントムか」

「ああ、でも昔の話だよ」

「あの知性を持ったAIDAの口ぶりからするとまだ生きている風だったが」

「そうか…彼らが生きているのか。もし彼らが仲間になってくれるのなら心強いのだがね…」

 

 

side変更

 

 

この異世界に来てからよく分からないことばかりだ。だから日記をつけようと思う。

まず始まりはThe WorldのRe.1時代のアカウントを復元できたところからだ。もう引退したけどCC社からご厚意で送られてきた時はどうしようかと思ってしまったよ。

でもせっかくだから勿体ないと思っていたら友人からメールが来たんだ。

また久しぶりにThe Worldをやってみないかと。昔の仲間も集まって今のThe Worldをやってみないかと。

その提案は悪くないと思って私は…ボクはThe Worldにログインしたんだ。

The Worldでのボクの名前は司。古い仲間は昴にミミル、銀漢、ベア、BT、クリム。

久しぶりに再会したボクらはあの場所に向かったんだ。グリーマ・レーヴ大聖堂。

だけどまさかそこで異世界に転移するとは思いもよらなかった。

 

 

最初は流石に驚いたよ。この現象はてっきりまたThe Worldに閉じこまれたと思った。なんせあの時とよく似ていたのだから。

しかも今回はボクだけじゃなくて昴たちまでも。今のThe Worldでも何かしら事件でも起きているのかもしれない。

ボクらはこの段階ではまだここがthe Worldではなくて異世界に転移しているとは思わなかった。

PCキャラと一体化してしまったがすこぶる調子は良い。ベアなんてリアルの年齢と思えないくらいハキハキしている。

クリムも銀漢も元気だ。

とにかくどこかのタウンに目指さないといけない。近くにゲートが無いから自分の足で動くしかないようだ。

 

 

タウンを探していたらこんな時にがぎってモンスターとエンカウントしてしまう。のはここがThe Worldのダンジョンエリアの1つだからだろう。

ボクは久しぶりだけど、他のみんなは初めての感覚だろう。ゲームだっていうのに感触が、痛覚があるのだから。

初めての戦いに最初はみんな戸惑っていたけど、はっきり言ってモンスターはザコだった。まさか何の苦戦もすることなくモンスターに勝てたよ。

どうやらモンスターレベルの低いエリアで助かったかもしれない。なんだかんだしていると夜になってしまった。

 

 

PCキャラとはいえ空腹の感覚があるみたいだ。野営の準備をしていると近くで戦闘をしている音が聞こえてきた。

やっと誰かに会えると思って向かってみると、数人の人たちが不気味なモンスターと戦っていた。

そもそも戦いというか何というか妙に生々しい。モンスターと戦ったボクらでも分かるように本当にリアルのような感覚。

今のThe Worldはここまでリアルなのかな。

 

 

どうやら手こずっているようで、手助けすることが決定。そのかわりタウンなどのことを教えてもらおう。

不気味なモンスターだけど道中で遭遇したモンスターより強い。援護しているけど強くてしぶといんだ。クリムたちでも冷や汗をかくくらい。

そしてもともと戦っていた人たちが切り札を出す準備ができた時に事件が起きた。切り札を発動したと同時に敵からの攻撃を受けて相打ちになったんだ。

 

 

補足だけどあの敵はヴァンパイアとのこと。正直ヴァンパイアにはみえないし、むしろヤツメウナギのモンスターの方がしっくりくる。

さらに補足だけどクリムいわくヤツメウナギは美味しいらしい。本当にどうでもいい。

 

 

ヴァンパイアとの戦いから撤退しているうちに日付が変わった。

あのヴァンパイアに精神操作がかかったため、追いかけてくることはないけどこちらの術者も負傷してしまったからどうしようもできない。それに仲間が2名やられたみたいだ。

仲間の遺体を回収してより遠くまで撤退したところでやっと休憩することができたのだ。

 

 

さて、ここで相手の仲間を蘇生させて傷を治癒したら何故か驚かれた。まるであり得ないものを見たように。

彼らの話を聞いているうちに違和感を感じる。彼らはThe Worldを知らない。

ボクらの話の食い違いがあるんだ。いろいろと話を聞いているとある仮設が出てくる。

それはここがThe Worldではなくて異世界ということだ。

そんなバカな世界があるようなことは信じられないが、まさにボクたちが証拠になっている。

 

 

仲間を蘇生してくれたお礼ということでボクらは『隊長』の案内で法国と呼ばれる国を訪れた。はっきり言ってここがThe Worldでないという状況で足を休める拠点が欲しかったところ。

『隊長』のご厚意に甘えることにした。

 

 

法国を拠点にして、この世界の様々なことを知った。

もうここがThe Worldでないことは確認済み。何でThe Worldからこんな異世界に来てしまったのか分からない。でも目的は決まっている。

必ず元の世界に帰ること。

 

 

何故か分からないけど『隊長』から呼ばれて法国のお偉いさんに顔を合わすはめになった。

話の内容は法国に力を貸してほしいとのこと。正直嫌だけどクリムは賛成らしい。

それは法国を拠点に…衣食住を提供してもらう代わりに力を貸すということだ。確かに衣食住は必要だ。異世界なら尚更。

クリムやベアが交渉してくれたおかげでボクたちは法国で特別な部隊になった。

その名前は『紅衣聖典』。ほとんど法国に縛られない独立部隊だけど。

ちなみに『隊長』は漆黒聖典のリーダーみたい。

 

 

今日は…

 

 

「ツカサ。失礼しますよ」

「漆黒聖典の隊長がこんなところに何の用なの?」

「頼まれごとです」

「どんな…ってそういうのはクリムかベアに言って」

 

基本的に依頼の話はクリムやベアが担当している。

 

「クリムは他のメンバーと修練しています。ベアはどうやら不在なようなので」

 

だから隊長は司のところにきたのだ。

 

「どんな内容?」

「カッツェ平野に行ってほしいのです」

 




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。

さてさて、今回はあのオーヴァンたちと司たちの話でした。
本編ではちょこっとしか登場してなかったのでこちらで補足で足していきます。
本編でリタイアしていたクレマンティーヌたちも再度登場です!!

ここでさらに補足。
オーヴァンが異世界に来ていたのはみんなが予測してると思いますがベースはクビア戦後の影響です。そして碧はまた後日説明します。
司たちに関してはハセヲたちが異世界に転移したすぐ後にあの聖堂に来てしまったため、巻き込まれただけです。


司「巻き込まれただけ?」
ハセヲ「やっぱ巻き込んでじゃねーかゼフィ!!」
ゼフィ「それは単純にタイミングが悪いだけ」
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