.hack//OverLord:Another Side 作:ヨツバ
まず早速ハセヲたちが早速異世界を旅をしているくだりから始まります。
最初は異世界に転移して、感覚が~ 感触が~ ここは異世界!? なんてくだりを書いていたんですが気が付いたら…コレはカイトたちと似たような場面を書いてね?っとなりました。
なのでその場面は飛ばして早速物語を巻きで進めました。補足の物語なので。
そしてゼフィの力によって『知識の蛇』というホームを異世界の空間に繋げています。
簡単に言うとカイトたちのタルタルガのような拠点だと思ってください。
では始まります。
.hack//OverLordの時系列でいうとクレマンティーヌとスケィス戦の後くらいです。
ハセヲたちは八咫とエンデュランスの行方を探す為に旅をし、エ・ランテルという城塞都市に到着した。
情報収集には特に適した場所だろう。旅をしている途中では人と会わなかった。やっと文化がある場所に到着してホッと息をつく。
「ハセヲさんハセヲさん。凄いですね。大きな都市に着きましたよ!!」
「見りゃ分かる」
アトリは異世界の都市を見て大興奮だ。ハセヲも顔には出していないが実は少しだけワクワクしている。エ・ランテルに入るとまさに中世な雰囲気に戦士という冒険者が歩いていた。
もうここがTHE WORLDではないことが再度理解させられる。
このエ・ランテルで八咫とエンデュランスの行方が分かればと思う。
「まず、情報収集にはこういう場所だと酒場になるのか。ゲームみたいに」
「そうとも限らないけど、この際そこでも良いわ。取り敢えず情報を得ましょう」
パイはエ・ランテルの道を堂々と歩いていく。その歩いていく最中、多くの視線を集めていた。主に男性から。その理由は彼女の格好だろう。露出が派手すぎるからだ。今は慣れたが最初の頃は驚いたものだ。
(目立ってんな)
ハセヲの格好も白を基調とした特殊なものだが自分のことは棚においておく。
さて、こういう場面だとフラグ的にいくつかある出来事が発生する。それはゲーム等のイベントみたいに発生するのだ。
なんだかありきたり過ぎて逆に珍しいのではなかろうか。
「よお、綺麗なおねーさん」
「へへっ。俺らと良いことしようぜ」
「そっちの子もいいじゃん。良い声を鳴かせたいぜ」
ハセヲは心のなかで「うわっ、絵に描いたようなチンピラ風な冒険者だ」と思うのであった。こうもフラグ的に起こるとは逆に珍しくて笑える。だがそろそろ助け船を出さないといけない。
「悪いけどアナタたちに構ってる暇は無いの。退いてちょうだい」
「ああん?おいおい、無視すんなよ」
チンピラがパイの肩を手で掴むが払いのける。その行為がチンピラの勘に触ったのか、彼らはパイを囲む。
「ちょっと痛い目にあってもらおうか」
「そのあとは気持ちいい治療をしてやるよ」
「そっちの子は待っててな」
「野郎は痛い目に会いたくなかったら消えな」
こんな街中で堂々と荒事をしでかすなんてエ・ランテルの治安はどうなっているのだろうか。やはりハセヲたちが余所者だからかもしれない。
周りの人は見てみぬふり。荒事に関わる奴はそうそういない。いるのは馬鹿か正義感の強い奴だけだ。
だが、ここは異世界で冒険者なんていう職業をこなす人物がいる。だからこそ絵のような正義感を持つ人もいるのだ。
「ちょっと待った!!」
ある好青年が待ったをかける。異世界だろうが現実世界だろうが良い人はいるのかもしれない。
その好青年はペテル・モーク。『漆黒の剣』という冒険者チームのリーダー。その後ろには仲間たちがいる。
「お前ら止め……ろ?」
ここで『漆黒の剣』の彼らが颯爽と助ければカッコいいのだろうが現実は斜め上をゆく。
「見逃してあげるからさっさと失せなさい」
パイが1人でチンピラ風な冒険者たちを軽くボコボコにしていた。
これにはペテルたちも呆然。ハセヲは「あーあ」と心の中で呟く。見せ場を失ったペテルは何を言えばよいか迷っているので仕方ないとハセヲが助け船を出すしかなかった。
「あー、その。助けようとしてくれてありがとな」
「あ、はい。その、お強いですね」
「まあな」
会話終了。話が続かないのに空気が悪くなる。
(どーすんだよこの空気!! いや、どっちも悪くないけどさ!?)
「あ、あのエ・ランテルでは見ない顔ですがもしかしてエ・ランテルは初めてですか?」
ペテルはなんとか会話の糸口を探そうとしてくれる。本当に彼は優しい人なんだろう。その優しさに助かるものだ。
「ああ。初めて立ち寄ったんだ。ちょっと行方不明の仲間を探しているんだよ」
「そうなんですか。それは大変ですね」
「なあ、この町で情報を聞けるような場所はあるか?」
「それなら冒険者組合が良いですね!!」
冒険者組合。多くの冒険者が集まる場所。ならば様々な情報が集まる場所ではないだろうか。これは情報収集には打ってつけだ。
「頼む」
「案内しますよ。ボクはペテル・モークです」
「ハセヲだ。よろしく頼む」
ハセヲたちが『漆黒の剣』に出会えたことはとても運が良いだろう。彼らほど良い人たちはいないのだから。
冒険者組合に向かうがてらお互いに自己紹介を簡単に済ませる。ペテルの仲間はルクルットにニニャ、ダイン。全員とも人が良さそうだ。
「アトリちゃん可愛いなあ。パイさんなんか、おおおお!!」
ルクルットはいつの間にか興奮している。彼の性格を知るものならアトリとパイを見れば当然の反応かもしれない。
特にパイには釘付けになっている。それはルクルットだけでなくペテルやダインもつい目を集中させてしまうのだが。
「ハセヲさん…パイさんはその、凄い格好ですね」
「ん、ああ。オレが出会ったときからあの格好だしな」
「そ、そうなんですか」
「パイは拳闘士だから動きやすい格好が良いんだとよ」
「け、拳闘士なんですか!?」
「ああ。実際、チンピラをボコってたろ」
「た、確かに」
動きやすいどうこうはハセヲを勝手な設定だ。この異世界に転移したら自キャラになっていたのだから自分の格好に文句なんて言えない。そもそも自分で考えたキャラなんだから文句なんてないだろう。ハセヲの姿に関してはいろいろと改造されているが。
「アトリちゃんにパイさん。俺はどっちを選べばいいんだー!?」
「ルクルット。何を訳の分からないことをいってるんですか。止めてください」
ニニャがルクルットを白い目で見る。
「いやだってよ。これだけの上物がいれば口説くだろ普通!!」
「何が普通ですか」
「あははは…」
「はあ」
ルクルットの調子にアトリは苦笑い。パイはため息だ。彼が悪い人ではないこと分かるが軟派すぎるのだろう。
「前はブラックローズさんとナーベさんに迷惑をかけたばかりじゃないですか」
「迷惑はかけていない!!」
「かけたである」
「ダインまで!?」
(ブラックローズにナーベ?)
知らない名前が出たが関係ないと聞き流す。まずは彼らに情報収集だ。行方不明のエンデュランスと八咫について聞く。
「エンデュランスさんにヤタさん?」
「ええ。何か少しでも知っていれば教えて欲しいわ」
「うーん、パイさんの役に立ちたいけど俺は知らないなあ」
「どんな人ですか?」
「八咫は褐色肌の修行僧みたいな奴で、エンデュランスはまさに美青年の剣士だな」
八咫はともかくエンデュランスは絶対に目立つだろう。斬撃の時に薔薇のエフェクトを出すくらいだから。そもそもあのエフェクトはどういったものか今も分からない。
「そんな人がエ・ランテルに来てれば嫌でも目立ちます」
「だよな」
「目立つと言えばモモンさんたちとカイトさんたちですね」
「であるな」
「モモンにカイト?」
ニニャが目立つと言えばと、ある人物たちの名前を言う。
カイト、ブラックローズ、ミストラル。
モモン、ナーベ。
彼はつい最近エ・ランテルにスケルトンなどのモンスター襲撃事件に最も活躍した冒険者たちだと言うのだ。
「へえ、そんなやつらがいんのか」
「そうなんですよ。彼らの実力はアダマンタイト級なほどなんです!」
「アダマンタイト?」
アトリが可愛く首を傾けるとルクルットが懇切丁寧に説明してくれた。簡単に言うと冒険者でいうところの最高ランクだそうだ。補足だが『漆黒の剣』はシルバー級。冒険者の実力で言うと中の下あたり。
(カイトにモモンか…)
「冒険者組合に着きましたよ。ここには色々な場所に旅をしている人もいますから何か情報があるかもしれません」
「おう。案内ありがとな」
冒険者組合に入ろうとしたとき、ハセヲは急に後ろを向いた。
「どうしたのハセヲ?」
「い、いや。何でもない」
「そう?」
(ただの見間違いか…)
ハセヲが見間違いをしたのはトライエッジ。葬炎のカイトだ。だがそれはあり得ない。だから見間違いだと思ったのだ。
それにいつものツギハギの姿ではなくて赤い外套を纏った姿だったような気もした。
読んでくれてありがとうございました。
さっそくエ・ランテルにハセヲが訪れた物語になりました。
異世界に転移したばかりの話は気が向けば追加するかもしれません。
そして各1話ごとに二部へとつなぐカギを書いていこうと思ってます。
ハセヲ「今のは…?」
赤い外套「…?」