.hack//OverLord:Another Side   作:ヨツバ

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今回でついにハセヲSIDEの敵側が登場します。
その正体も分かりますね!!

.hack//OverLordの時系列で言うとリザードマンとの戦いとフィドヘルとの戦いが終わった後くらいです。


遭遇

ハセヲたちはトブの大森林へ調査に訪れていた。実は欅から有りえない情報を得たのだ。

それはまさかのウィルスバグの反応と八相の反応だ。この異世界にウィルスバグの反応は有りえない。

欅としては確定することは出来なかったので、もしかしたらウィルスバグに似たような存在がこの異世界にいるかもしれないというのが見解だ。これは気をつけながら調査をしないといけないだろう。

そして八相の反応。これはすぐさま八咫とエンデュランスではないかとすぐに思った。だが欅はイニスの反応だと言うのだ。八咫はフィドヘルで、エンデュランスはマハ。

イニスはアトリの持つ八相の力だ。彼女は欅が調査した場所には訪れていないのだからおかしい。何故イニスの反応があったのか分からなすぎる。

行方不明の仲間を探すために異世界に来たら予想外の情報を手に入れてしまったのだ。ウィルスバグに近い存在と、八相の反応。

本来の目的から厄介そうなものを見つけてしまったのだ。こればかりは無視できない。

それにもしかしたら八咫はこの2つの反応を調査をしているかもしれないのだ。ならばこちらも同じように調査すれば八咫たちと鉢合うかもしれないのだ。

 

「で、今度はこの森でウィルスバグと八相の反応があったと」

「そうですよ。しかも今度のモルガナ因子はフィドヘルでした」

「八咫か!!」

 

ついに大きな情報を手に入れられるかもしれない。ハセヲたちはトブの大森林を突き進んでいく。

今回のメンバーはハセヲの他に欅に大火、タビーだ。

 

「うにゃー。緑に草木がいっぱいだねハセヲ。これもうジャングルじゃない?」

「かっかっかっか。森ん中で飲む酒はまた別格だな!!」

「酒飲んでんじゃねえよ大火」

「良いじゃねえか。この姿になってから全然酔わねえんだ。こりゃいくらでも飲めるぜい!!」

 

その酒はどこから調達してきたのかとツッコミをしたいものだ。だが何だかんだで大火は頼りになる男だ。なんせハセヲが認めた師匠なのだから。

 

「おや、何か生物反応がありますね」

 

欅が生物反応があると言ってすぐさま身構える。魔物だろう。しかし油断はできないクーンからの報告だとトブの大森林には強い魔物がいるとのことだから。

ガサリと茂みの奥から出てきたのはリザードマンであった。

 

「お前たちは…亜人が2人に人間1人、獣人1人」

 

リザードマンは警戒している。手には氷の剣を持っていた。まさか知性のある魔物に遭遇するとは思わなかった。

これなら会話が成り立つだろう。すぐさまハセヲは口を開く。

 

「待ってくれ。俺らに敵意はない」

「…むう」

「そうだぜい。ワシらに敵意はねえ。どうだ一緒に酒を飲まねえか!!」

 

大火は堂々と笑いながらリザードマンに酒を持って近づく。彼の雰囲気にリザードマンは少しだけ毒気を抜けられる。

 

「あんま警戒すんなよ…って言ったって無理だわな。そりゃあ知らねえ奴がぞろぞろと森にいりゃあ警戒するもんだ。だが酒を片手に近づくのは友好の証だ」

(酒持って近づくのは友好の証か?)

(さあね)

 

大火の言葉にリザードマンは考え、氷の剣を降ろした。

 

「ワシは大火だ!!」

「ザリュースだ。その酒を貰おう」

「おうともよ!!」

 

大火の懐の深さというべきか、豪快な性格のせいなのか分からないがおかげでリザードマンもといザリュースと友好的にはなりそうだ。

 

「俺はハセヲだ」

「私タビー。よろしくにゃ」

「僕は欅です」

「…本当に珍しいな人間に亜人、獣人が一緒にいるとは」

「そうか?」

「ああ。もしかしてアークランドの者か?」

「アークランド?」

「違うようだな」

 

聞いたことも無い言葉だが、聞くところアークランド評議国は人間や亜人が住む国らしい。

それを聞けばハセヲたちをアークランドの者だと勘違いするだろう。

 

「お前たちはどうしてこの森に?」

「行方不明の仲間を探してるんだ。それとこの森で謎の反応があったから調査しに来たんだ」

「謎の反応…まさかアレか?」

「何か知ってるのか!?」

 

ザリュースは何かを知っている素振りを見せる。

 

「聞いた話だがこの森で黒い煙のようなものが発生したんだ。そして魔物なのか生物なのかよく分からない奴も出現したらしい」

「黒い煙に生物かどうかも分からない奴?」

「ああ。そいつらには何も攻撃が通じなかったと仲間が言っていたんだ」

 

攻撃が通じない。まるで仕様外の存在ではないだろうか。

だがそんな奴らをどうしたのか。彼からの雰囲気だと危機は去ったかのような感じである。

 

「そいつらはどうしたんだ?」

「我らの神が退けてくれたのだ」

「神?」

「うむ。我が神と神の眷属6人が黒い煙を消滅させた。生物なのかよくわからない奴に関しては彼方から眩い閃光によって消滅したのだ」

「神様に6人の眷属か…」

 

神ときても驚きはしない。実感が湧かないが異世界なのだから神がいてもおかしくはないだろう。

だが神とはどんな存在なのだろう。神なんてよく分からない。

 

「実は俺はこれでも死んだ身なのだ。だが神が俺を甦らせてくれたのだ」

「にゃ、死んで蘇った?」

「ああ。まあいろいろあったんだ。だが今は運気が良くなっている。結婚することもできたしな」

「えー結婚。おめでとうにゃ!!」

 

タビーがザリュースの結婚を祝う。これには彼もつい照れてしまう。

リザードマンも結婚する世界のようだ。何故か大火から「お前も早く決めろや」と言われたがハセヲは分からない。

 

「ザリュースさん。その場所まで案内…これは!?」

「どうした欅?」

「AIDA反応です!!」

「何だって!?」

 

AIDA。ハセヲたちにとって忘れられない存在だ。AIDAが存在したからこそハセヲはThe Worldを駆け巡ったのだ。

 

「嘘だろ欅。何でAIDAがこの世界にいるんだよ!?」

「分かりません…近いですよ」

 

タビーの耳がピクっと反応する。

 

「ハセヲ。向こうから誰か来るよ」

 

タビーが指さした方向を見る。誰も出てこないがザリュースも何か得体の知れない奴がいると呟いた。

ならば確実に誰かいるのだろう。ならばとハセヲは立ち上がり、森の奥に向けて叫ぶ。

 

「出てこい。居ることは分かってるんだよ!!」

 

ハセヲが叫ぶと森の奥からある人物が出てくる。

その人物は緑色の髪に、耳にはヘッドホンのような耳当てを装着している。服は黒く、マントも装着している。どこかの貴族と言っても信じられそうだ。

 

「人間に亜人、獣人、リザードマンですか」

 

ハセヲたちは武器を構える。

 

「これはこれは好戦的ですね。やはり亜人や獣人は野蛮だ…何故か人間もいますがね」

「何者だよ」

「私の名前はヘレン・ゲートキーパー。よろしく…そして、さようなら」

 

ヘレンと名乗った男は指の先端からレーザーを放出した。一直線に放出されるレーザーはハセヲの心臓を狙っていたが大剣で切断した。

 

「なんと!?」

「てめえもいきなりじゃねえか」

「まさか私のアルゴルレーザーを防ぐとは…貴方たちこそ何者ですか?」

「ただの冒険者だよ」

「冒険者のくせにプレートがありませんね」

 

ヘレンはもう一度指に光を集中させる。またレーザーを打ち込むつもりなのだ。

 

「あいつAIDA感染者か!?」

「そうですね。AIDA反応があります…でも何か」

 

AIDAとヘレンが聞いた瞬間に目を見開く。光の収束も消える。

それに彼の身体も震えているのを見て動揺しているのが分かった。急にどうしたというのだろうか。AIDAという言葉に反応したようだ。

 

「貴様ら何故AIDAを知っている!?」

 

ヘレンは急に声を荒げた。まるでAIDAを知っているのが絶対にあり得ないという感じだろう。

そもそも有りえないと思っているのはハセヲたちの方もだ。何故、異世界にAIDAが存在するのか。

 

「あ、有りえない。AIDAを私以外が知る者なんていないはずだ。例外があるとすれば…いや、それも有りえないはずだ。奴らからAIDAの情報が出るのは無い」

「おい。お前もAIDAを知っているのか!!」

「私に出会ったことに対して口封じをしようと思ったが止めです。貴様らにはいろいろと聞かせてもらいます…アナ!!」

 

ヘレンの身体を纏うように透き通った紫色の膜が出てくる。そしてミジンコのような微生物の形となる。

 

「あの姿は!?」

 

ヘレンが纏った姿はハセヲが忘れるわけもない姿だ。間違いない。ハセヲが初めて戦ったAIDAである。

 

「コボルブリッド!!」

 

複数の光球を放たれた。

 

「タビーは後ろに。大火行くぜ!!」

「おおともよ!!」

 

ハセヲは大鎌に持ち替え、大火が刀を持つ。2人は複数の光球を全て切り裂いた。

 

「また私の攻撃を!?」

「どうしたよ。まるで攻撃を防がれたのが有りえないように見えるぜ」

「この!?」

「くらえ。蒼天大車輪!!」

「私の身体に傷を!?」

 

大鎌でヘレンの纏っているAIDA部分を切り裂く。

 

「何故だ。何故私に傷を与えられる!?」

「完全に倒すにはやっぱデータドレインしかねえな」

「本当に貴様ら一体に何者だ!?」

「さっきも言ったろ。冒険者だよ」

「ヴィクトーリアン!!」

 

ハセヲがデータドレインを放とうした時、ヘレンの背中から黄色い羽が生えた。あの羽はどこかで見たことがあるような気がする。

 

「ロイヤルブリッド!!」

 

おびただしい量の光球が放たれた。これではデータドレインが放てる状態ではない。

ハセヲと大火がまた光球を切り裂くが追いつかない。だからタビーと欅にザリュースも光球を切り裂く。

 

「大丈夫か!?」

「大丈夫だよハセヲ」

「ワシもだ!!」

「平気です!!」

「同じく平気だ。何だったんだあの人間は…いや、人間なのかあいつは?」

 

ヘレンと名乗った男は消えていた。まさかのAIDA反応を発する者が現れた。

ウィルスバグに八相、そしてAIDA。この異世界はどうやら何か異変が起きているのかもしれない。だが何でAIDAがいるのか分からないのだ。AIDAは再誕によって消滅したはずなのだ。

なぜThe Worldの仕様外が異世界に存在しているのか。もう訳か分からずに頭がパンクしそうだ。

だが、AIDAがこの異世界に存在するならハセヲたちはすることは決まっている。

碑文使いはAIDAを引き寄せる。今度は異世界でAIDAとの戦いになるかもしれない。

 

 

side変更

 

 

何故あいつらはAIDAを知っていたのだろうか。それは本当に有りえないことだ。

AIDAの存在を知る者は私だけだ。誰も知らないはずだ。

そしてあいつらの攻撃が私に通じた。それも有りえない。私に攻撃が通じる奴なんてこの世界に存在しない。

 

私に攻撃が通じる相手が存在したとして考えてみると、恐らく竜王の奴らや十三英雄だろう。だが奴らはこの世界の知る人ぞ知る強者ではなかった。

これは調べる必要があるだろう。そういえば…AIDAを知る存在は私以外に一応いる。ウィルスバグのあの双子だ。だが彼等がAIDAの情報を流すメリットは無い。

 

まさかこの世界の創造神が…?

それも無いだろう。あの創造神はよっぽどのことが無い限りあの空間から出てこない。

本当に調べることはたくさんありそうだ。だがその前に王国で双子の奴が何かしでかそうとしている。それに合わせて私も動かなければならないだろう。

 




読んでくれてありがとうございました。
次回もゆっくりとお待ちください。

ついにハセヲSIDEの敵が現れました!!
その敵側はやはりAIDAです!!
なんで異世界にAIDAがいるのか。ヘレン・ゲートキーパーとは誰なのか。
それについては物語を進めていくと分かります。ということで頑張れ私。

ハセヲ「何でAIDAがいるんだー!?」
ヘレン?「なんでAIDAを知ってるんだー!?」
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