.hack//OverLord:Another Side   作:ヨツバ

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今回の話は.hack//OverLordの時系列でいうとVol.3 大侵食の 新たな幕開けの話の追加されるような形です。


ハ本指:密輸部門

ラナーは紅茶を口に含む。八本指の対策会議はクライムが加わってまだまだ続く。対策として、どこか援軍になる存在はいないかというのが出てくる。

 

「黄昏の旅団?」

「ええ、アークランド評議国の冒険者チーム。アダマンタイト級よ」

 

アダマンタイト級だがあまり聞かない冒険者チームだ。最もアークランド評議国のことをよく知らないラナーにとっては仕方がないかもしれないが。

 

「メンバー数は不明だけど私が出会ったのは3人ほど。男性に女性、リザードマン。男性のほうがリーダー」

「男性が人間で女性は亜人?」

「どっちも人間だったわ」

 

アークランド評議国の冒険者チームなら亜人の話が聞けると思ったがハズレてしまった。どちらも人間。そして人間がリーダーを勤めている。本当に珍しいのだ。

 

「まるで十三英雄みたいなチームね」

 

十三英雄は人間に亜人など複数の種族で構成されていたらしい。だとすると黄昏の旅団は十三英雄を真似ているのだろうか。

 

「真似ているかわからないけど、確かにそれっぽいわね」

「リザードマンはトブの大森林に集落があると聞いたことがあるわ。そこの出身かしら?」

「そこまでは分からないわ」

「名前とか聞いたの?」

「リザードマンは確かザリュース。女性がミドリ。リーダーが…オーヴァン」

 

人間2人にリザードマン。不思議な組み合わせである。戦っていないが実力は分かってしまった。

リザードマンは戦えば勝てるだろう。しかし、オーヴァンとミドリという人間には勝てるイメージが湧かなかったのだ。

ミドリという女性は副業で『殴られ屋』をやっており、1発でもヒットすれば賞金が貰える。試しにガガーランが挑戦してみたがカスリもしなかったのだ。

 

「あのガガーランの拳が届きませんか」

「ガガーラン悔しがってたわね。次に会ったらリベンジするって」

「余程強いのでしょうね。ならリーダーのオーヴァンとやらは更に強そうです」

「実際に強いと思うわ…ところで話が変わるけどオズワルドのヤツはなにか尻尾を出した?」

 

オズワルド。その人物は六大貴族に加わるかもしれない男で、八本指の幹部かもしれないのだ。

 

「今のところは尻尾は出してないわ。彼はよく六大貴族に贈り物をしているわね。私にも贈り物を寄越すわ」

「その贈り物に変なの入ってなかった?」

「ほとんどが金品だったわ。でも1だけ変わった品があったわね」

「それは?」

「黒い気泡のようなものが入った水晶よ」

「何それ怪しい」

 

ティナのいう通りだと同意するようにラキュースとクライムは頷く。八本指の幹部かもしれない贈り物なんて怪しすぎるものだが。

 

「なので捨てました」

「それが一番よ」

 

変な物や怪しい物は捨てるのが一番だ。

 

「オズワルドは密輸部門の幹部だっていう噂もあるわ」

「密輸部門か。見つけたアジトの中で密輸部門のアジトがあったわね」

「襲撃するかリーダー?」

「それはまだよ」

 

いずれは八本指のアジトに襲撃するだろう。だがそのいずれは近いうちになる。今のリ・エスティーゼ王国は様々な陰謀が渦巻いているのだ。そんかことをまだラキュースたちは気付かない。

 

(…クライム)

 

このとき、ラナーの片目が一瞬だけ黒く滲んだのを誰も見ることはなかった。

 

 

side変更

 

 

ハセヲは揺光たちがヘレン・ゲートキーパーと同じ容姿をしているというオズワルド・アナ・ヴィクトーリアンがいるリ・エスティーゼ王国まで訪れていた。

もし同一人物だというのならばとっちめてAIDAの情報を聞き出せばならないだろう。

ここは異世界だ。なのにThe Worldで戦ったAIDAがいる。この部分がおかしいのだ。

 

(ったく仲間を探しにきたのに何でAIDAと鉢合うんだか)

 

情報を知っている蒼の薔薇をまず探さなければならない。揺光たちは酒場で会ったが、何も蒼の薔薇は酒場がホームではない。

王国は広いから蒼の薔薇を探すのは難しい。でも有名なのだから手分けして探せば見つかるだろう。

ハセヲと志乃、揺光。天狼に太白。パイに望。という3チームで王国を探索している。

蒼の薔薇は本当に有名だ。王国の民に聞けば必ず蒼の薔薇の話は出てくる。これならばすぐに見つかりそうだ。

そして最初に見つけたのはパイたちだ。揺光たちから教えられた姿と合っている。

 

「もし、あなた方が蒼の薔薇でよろしい?」

「ん、誰だお前ら?」

(ふおおおおおおお)

 

何故かティアはパイを見つめてプルプルと静かに興奮していた。

 

「私はパイ。こっちは望よ」

「よ、よろしくです」

「うーん、まだガキか。ならオレの範囲外だな?」

「ん、範囲外?」

「いや、何でもねえ」

 

ガガーランが頭を掻く。さて、パイたちが何でガガーランたちを探しているかを聞くために真剣な顔をする。

ここ最近はいろんな奴に出会うなと思うガガーランであった。

 

「実は前に私の仲間が貴方たち出会ったそうで」

「あんたらの仲間?」

「あの、その、揺光さんたちのことです」

 

望がおずおずと言う。何故か可愛いと思ってしまう。

 

「ああー、そういえば前に会ったな。んで、何か用か?」

「オズワルド・アナ・ヴィクトーリアンとヘレン・ゲートキーパーという奴について聞きたいわ」

「あん?」

 

ガガーランとティア、イビルアイの纏う空気が変わる。

 

「オズワルドの名前はいいとして…ヘレンの名前までどうして知ってんだ?」

「私の仲間がヘレン・ゲートキーパーと名乗る男と戦闘になったのよ」

「マジか。で、大丈夫なのか?」

「ええ、仲間は無事よ。でもヘレンという男が気になる事を言っていたの。それを詳しく聞くために探してるのよ」

「気になる事?」

「こっちの事情よ」

 

流石にAIDAのことは話せない。話したとしても信じてくれるかどうか分からない。

説明したとしてもどう説明するべきか。AIDAをこの異世界であてはめるとしたらどんな存在だろうか。そのまんま寄生生物となるのだろうか。

 

「ヘレンねえ…その名前は八本指密輸部門の幹部の名前だ」

「八本指?」

 

八本指は王国の裏を牛耳る犯罪シンジゲートである。その名前の通り8つの部門に分かれている。

ヘレン・ゲートキーパーはその1部門である密輸部門の幹部らしい。そしてオズワルド・アナ・ヴィクトーリアンとの関連性は同一人物かもしれないということだ。

2つの顔を持つ男。もしかしたら2つの名前も偽名かもしれない。

 

「なるほどね」

 

これは大きな情報だろう。同一人物なら好都合だ。結局捕まえるのは1人のだから。

 

「そのヘレンでもオズワルドでもいいわ。その人物の居場所を知っているかしら?」

「…知っているが危険だぜ?」

「構わないわ。危険を伴うのは仕方ないことよ。それでもそのヘレンという奴は見過ごすことが出来ないの」

「なるほどな。まあオレらもヘレンもとい八本指のことに関しては調べてるんだ。その1つであるヘレンをお前たちがどうにかするならこっちとしても儲けもんだからな」

「おいガガーラン。こいつらに教えるのか?」

「ああ。こいつらはどうしても知りたいようだしな。だけど教えるだけだぜ。こっちにもいろいろとあるんでね。危険だが自己責任だぜ」

「構わないわ」

 

パイたちが店を出ていくのを見送ったガガーランたち。その後ろ姿を見送ったガガーランは消えたパイたちに対して口を開く。

 

「良い女じゃねえか。それに強いな」

「うん強い。……それに凄く良い」

 

ティアの顔は真顔だが心の中では凄く興奮していた。ティア実はレズビアン。だからこそパイを一目見ただけで惚れたのだ。

一応説明しとくがティナはショタコン。この場に彼女がいたら望に惚れてちょっかいをかけていたかもしれない。

 

「しかし密輸部門のヘレンの情報を探しているとはな」

「あいつらも八本指に恨みのある奴らなのかもな」

 

イビルアイがふうとため息を吐く。彼女たちは強いが八本指は強大だ。無駄死にしなければよいと思う。

そんな時に暑苦しい笑い声が聞こえてきてイビルアイは「うげえ」とつい口を零した。

 

「ハーハッハッハッハッハッハ!!」

「ぴろしぃ…」

「あ、どうも」

 

パイたちと入れ替わりにぴろし3となつめがガガーランたちのもとに訪れたのだ。

 

「むむ、さっきまで誰か居たのか?」

 

どうでもよいことだがぴろし3の顔を見てティアはパイの顔を忘れそうになったらしい。それほどまでぴろし3は強烈である。

 

 

side変更

 

 

ハセヲたちはガガーランの情報からヘレンという人物が八本指の密輸部門の幹部だと聞いてアジトに向かうことを決意する。

何故AIDAを知っているのか問わねばならないだろう。

 

(必ず決着をつける!!)

 

これからハセヲ密輸部門のアジトに向けて歩き出すと人とぶつかってしまう。

 

「あ痛!?」

「っと、悪い」

 

人だかりが多いのだからぶつかるのはしょうがない。

 

「大丈夫ですかカイトさん」

「って、お前は!?」

 

ハセヲは驚いてしまった。なんせ、ぶつかった相手はあの葬炎の騎士に瓜二つなのだから。

 

「カイトさんの知り合いですか?」

「いや、ボクは知らないかなモモンさん」

(…え!?)

 

あの葬炎の騎士はしゃべることはできない。だが目の前にいるそっくりさんはしゃべった。まさか本当にただのそっくりさんなのだろうか。

 

「あ、悪いな人違いだ。あんたにそっくりな知り合いがいるもんでな」

「そうなんですか」

「悪いな」

「いや、気にしてないよ」

 

ハセヲにカイト、アインズが顔を合わせたのは本当にただの偶然に過ぎなかった。




読んでくれてありがとうございました。

さて、今回の物語でまたいろいろと設定が加わりましたね。
実は隠し設定としてザリュースは元黄昏の旅団メンバーだったんです。その話を書こうとしてましたが結果的にできませんでした。なので設定だけで掘り下げることはありません。

そしてラナーは・・・!?

んでもってハセヲはカイトたちと接触してました。でもお互いの正体は知らないので単純にぶつかってしまっただけです。


ティア「パイ」
ティナ「ボウってショタはどこ!?」
パイ「なんか悪寒が」
望「ふええ…」
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