西暦1999年、突如地球に飛来してきた謎の宇宙船は、人類の想像を遙かに越えたテクノロジーを持っていた。
統合戦争と言う長く苦しい道のりを乗り越えて人類は、この船をSDF-1マクロスと命名し修復する。
その10年後の2009年。
大規模な異星人の攻撃により地球は焦土と化した。
マクロスと異星人の戦いが熾烈を極める中、一人の少女が戦況を変える事となる。
リン・ミンメイ
少女の歌声は異星人達に文化を教え、人類との共存への道を作り出す。
少女の歌声に感化して人類と共存の道を作り出す事で、やがて戦争は終結を迎える。
戦争が集結した人類は種族繁栄の為、新たな植民地を見つけるべく銀河系へと旅立って行く。
そして、時は流れて戦争終結の2010年から38年後の西暦2048年。
二人の少年パイロットの物語が始まろうとする。
タクヤ・バーズラッド・・・18歳
統合軍航空士官学校卒業
学力ランクE- 技術ランクE-
エスター・ワードナ・・・18歳
統合軍航空士官学校卒業
学力ランクA+ 技術ランクA-
狭い部屋で男は机の上に座り、タバコをふかしつつ書類に目を通している。
男の風貌は少し厳つい顔立ちと人を寄せ付けないような雰囲気を持ち、書類に目を通す度に厳つい表情が更に険しくなる。
時々、吸い終えたタバコを灰皿に押し付けた後に再びポケットからタバコを取り出してライターで火を点けて咥える。
その動作が3、4回程行われる。
「ふぅ……」
書類に目を通し終えた男は、咥えていた7本目のタバコを灰皿に押し付けて深い溜息を吐く。
そして、首を横に振った後に目頭の辺りを右親指と人差し指で強く押さえる仕草をする。
「どうしました? 隊長。そんなに深い溜息を吐いて」
先程から男の傍に立っていた女性が男に問い掛ける。
女性の風貌は赤く長いストレートヘアを緩く結い、少しキツめの瞳。
そして、一番わかりやすい特徴として巨人族の特徴である尖った耳を持つ。
彼女は、女性ばかりの巨人族メルトランディである。
「まあ、見てみろ」
男は、先程見ていた書類を女性に渡す。
書類に目を通す女性も書類に目を通す度に表情が段々と険しくなる。
「……確かに隊長の言うとおり、士官学校も偏った人材をこちらに寄越してきましたね」
男から受け取った書類を一通り見た女性も書類を見終わった後に男と同様に険しい表情をしたまま深い溜息を吐く。
「どうだ、今度来るヒヨっ子達は?」
「そうですね……書類を見ただけでは酷いとしか言えませんが、もしかしたら化ける可能性があるかも知れません」
「そうか。まあ……来たら来たで俺がたっぷりとかわいがってやるさ」
男は不敵な笑みを浮かべつつ、再びポケットから本日8本目のタバコを取り出して口に咥えてライターで火を点ける。
「ウチの部隊では、初めての士官学校からの配属ですからね。ココに来て早々、すぐに逃げ出したりしなければ良いですけど……」
男に釣られて女性も少しだけ笑みを浮かべる。
「そうだな」
男は、タバコの煙を一旦鼻から吐き出して、そのまま窓のブラインドの隙間から空を見上げる。
紫色に濁った空を見上げると、ちょうど偵察から戻ってきたバルキリーが滑走路へと向かっていく姿が見えた。
「少しは楽しませてくれよ、新人さん」
男は、そう呟きニヤつく。