Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者 作:ロイヤルかに玉
リアルでのトラブルにより、PC含め色々とお釈迦様になってしまい投稿どころではありませんでした。
書き直しをして、当初の物語進行予定とは大幅に異なり、早めに完結を迎える事に致しました。
完結までの土台は出来上がっているので、それに書き足しを加えて投稿と言う形になります。
1人としていないかもしれませんが、楽しみにして頂けた方にお詫び申し上げます。
そして実際に声を上げて発現したい言葉があるのですが、それを言うと周りから狂人だと思われるので此処で、これだけは言わせてください。
皆さまもご一緒に……せーのっ!
「Fu〇king earthquake death!」
「相変わらず、アラガミの気配はしないな」
榊博士から頼まれているある島の調査。アラガミはこの島に滅多に近寄らないと言う事が分かってただけで、それ以上は何も分からない。何故近寄らないのかすら分からない。考えられるとすればこの島そのものが偏食因子で構成され、対アラガミ装甲壁と同じ様な原理であるからと言う考察しかできない。
「しかし、相変わらず硫黄臭いな」
悪態を突きつつ、土を少し瓶に詰めてポケットにしまう。この島が偏食因子で構成されているなら地質を調べた時に検出に引っかかるだろうと安易な考えだ。実際に調べるのは榊博士だが。
「もうしばらく調査を続けるか、山の方にでも行くか」
山の麓に洞窟を発見した。この島には洞窟がいくつもあったのだが、殆んどが崩れて塞がれている。更なる調査には洞窟の中にも入らないといけないが、この洞窟が他の出口に繋がっている可能性も低いし、いつ崩れても不思議ではない。それに洞窟の中は高温だ。地下街で仕事した後に入りたいとは思わない。
洞窟に入って崩落を起こしたら1人じゃ対処は難しい。少なくても2人で調査をするべきだろう。
「なんかアレだな。疲れたから帰るか」
通信機を取り出しヘリを呼び、ヘリが着陸するポイントへ向かって歩き出した。
*
「分かった。時間を見つけて検査してみよう」
「お願いしますわ」
榊博士に土を詰めた瓶を渡し、研究室を後にする。
エントランスに戻ろうとエレベーター向かう途中、病室のドアが開く音がしたが気にも留めずに歩く。
「あ、ユウ。お疲れ様」
この声はユウナか。病室から出て来たって事は任務中に負傷でもしたのか。
「ああ、お疲れさん。怪我でもしたのか?」
「あ、ちょっとね」
手首に巻いた包帯が見せながら言う。そういや、ユウナってもう実戦に出てるんだよな。まだ1か月も経ってないよな? 持てる奴は持ってるんだな……。確か博士も神機との適合率が凄まじいとか言ってたか。
「ねえユウ。この後私の部屋寄ってかない? 前に良いコーヒー豆貰ってさ」
コーヒーか……まあブラックじゃなければ飲めるし、いいか。
「そうか、んじゃご馳走になろうかな。コウタ辺りも誘うか?」
「コウタは任務で留守にしてるよ? 誘ったら誘ったでバガラリーを長時間見せられるともうけど」
ユウナが苦笑いしながら言う。ああ、犠牲になったか。俺もあいつの家に遊びに言った時夜通しで見せられたよ。それなりには面白かったが。
「それもそうか」
*
「ちょっと待っててね」
「ああ」
元・俺の部屋に入るのも久しぶりだな。最後に入ったのはユウナを部屋に運んだ時か。あの時結局俺の秘蔵コレクションを回収できずに終わったな。いや、まあ今回収しようと部屋を物色するのは色々とまずいのでしないが。あれはもう諦めるしかないだろう。悲しいなぁ……ボンキュッボン!なグラマラス体型のお姉ちゃんがたくさん映っていたんだが……。
「ユウ、砂糖入れる?」
「悪いが多めで頼む。前にブラック飲んで悶絶したんだ」
「ふふっ。了解」
マジでブラックコーヒーはアカンわ。あんなん飲めたもんじゃない。いや、冷やしカレードリンクとどっち取るって言われたら苦渋の選択でブラックを選ぶが。前に警備してる時に同僚がブラックを御馳走してくれたが、嬉しいが嬉しくないと言う気持ちを味わった。
あ、甘くてもロング缶はNGな。無駄に甘すぎて量も多いから糖尿病不可避だわ。
ちなみにブラック派が多い整備班の間じゃ甘いロング缶は嫌がらせコーヒーと呼ばれている。
「はい、お待たせ」
「ああ、ご馳走さん。頂きます」
まず1口。口の中にちょっとした苦味と甘さが広がるが、見事にマッチしている。
「ああ、いいな。丁度良い加減だ」
「そっか。良かった」
ユウナもコーヒーを口にし、良い感じと言いながら頷く。
「ブラックは平気なのか?」
「うん。甘いのも好きだけど、その日の気分で変わるかな?」
ブラック飲めるって大人だな。俺はお子様だが。まあ、心は子供だからお子様で当たり前だろう。
「ここでの生活は慣れたか?」
「うん、おかげさまで。そう言えば、前に部屋に住んでた人って誰だろ? ちょっと忘れ物があってさ」
「あん? 忘れ物?」
忘れ物なんてしたか? 秘蔵コレクション以外は確かに持って行った。まあ、私物なんて無いから、服の1着でも忘れたんだろう。
「うん。ちょっと言いにくいんだけど、その……ちょっとえっちな本でさ」
ファッ!? ウッソだろお前! やべえよやべえよ……。
「ああ、それ俺の知り合いだわ。お前さんが入隊する前に他の支部に転属したんだ」
咄嗟の嘘である。
嘘突きは泥棒の始まりである。だが、泥棒と軽蔑されても知られたくない事が沢山あるんだ。ふしだらな男と笑うがいい。
「そっか……転属か……。人の物だし捨てる訳にもいかないし……」
「あー、じゃあ俺が明日にでも社内便で送っとくわ」
「それなら、お願いできるかな?」
「ああ、任せてくれ」
ユウナから秘蔵コレクションを受け取った。気を使ってくれたのか紙袋も用意してくれたのでこれで安心だ。よーし、今日は猿になるぞー。
あ、待てよ? でも俺部屋が無いから何処で猿になれば……。流石に紙袋を持ち歩くのもアレだし……。仕方ねえ、俺の住まいが決まるまでロッカーに封印しておくか。
この後ちょっとした世間話をして、丁度良い時間になったのを確認する。
「んじゃ、長居するとアレだし失礼するぜ。ご馳走さん」
「うん、またね?」
「ああ」
そう言ってユウナの部屋から退室し、俺は速攻で更衣室の自分のロッカーに急ぐ。
ロッカーの戸を開け、もう1着の制服を押し退け、紙袋を奥へ突っ込んで戸を閉める。
「よし」
しばらくエロ本はお預けだ。
はぁ……金溜めて外部居住区で部屋を借りるか……。しかしなぁ……。
財布を取り出し、ひっくり返すと缶ジュースを数本買えるぐらいのfcしか出てこない。
ヤベェな……金欠だな。騙されたと思ってカレルの儲け話にヤケクソで乗るしかないか……。いや、偵察任務を受けてコツコツ稼ごう……。
*
「そんな訳でヒバリちゃん、偵察任務ないか? 何でもいいぜ?」
「検索してみますね。少々お待ちください」
あーあ、俺も神機が健在ならな……。よりにもよってなんでスサノオが出てきたんだが……。ホント最近の偵察班って手抜き仕事ばかりだよな。まあ、連中を攻めたところで無駄なのでいつまでも愚痴るわけにも行かないか。
「申し訳ありませんが偵察任務は入っていないですね」
「マジか……。じゃあなんでもいいから俺でもできる任務ってないか?」
「それでしたら第3部隊の物資補給をして頂けないでしょうか? エイジス周辺で防衛線を張っているのですが、連日に渡って戦闘を繰り返している状況でして……。先程、支援要請を受けて補給の手配を進めているんです」
「よし来た! 俺に任せてくれ! こういう時こそ足の速い俺の出番だ」
*
そんな訳で、物資をバッグ一杯に詰めてエイジスへの直行ルートを全力疾走中だ。
とりあえず、物資はジーナに渡しておくか。偏見だが、シュンに渡すとなんかアレだしカレルに渡したら横領されそうで信用ならない。あの癖が強い連中の中で一番まともなのがジーナだから仕方ない。いや、ジーナもジーナでちょいとイカれている所があるが……。
「ヒバリちゃん、ジーナって何処にいるか分かる?」
『ジーナさんは……D-5地点ですね。詳細を端末に送りますね』
「そりゃありがてぇな。ありがとよ」
端末にマップとジーナの現在地が送られてきた。
後はこのマークの場所まで走ればいいわけだな。さっさと終わらせて報酬金をゲットだ!
しばらく走っていると、スナイパーを手に歩く女性が見えた。ジーナだ。
「あら、あなたが来たのね」
「ああ、物資もこの通りだ。一応要請された物は持って来たが、足りそうか?」
バッグを降ろし、ジーナに中身を確認して貰う。
「……大丈夫そうね。もし足りなくてもまた要請すれば、最速で来てくれるんでしょ?」
「まあな。 ん? そういやシュンと金の亡者はどうした?」
「今は個別で哨戒中。状況もそれなりに落ち着いてきたの。支援要請をしたのも今のうちにと思ってね」
「あー成程。あと数日でアナグラに戻って来るのか?」
「恐らくはね。でも、最近はちょっと異常ね。よりにもよって強力なアラガミばかり出現するなんて。まるで……何かに引き寄せられているみたい」
最近の異変にジーナも気付いているんだろう。今までと何かが違うと言う事が。
「――ッ!」
急に大きな気配がやってきたな……。
この気配、明らかにこちら側に敵意を向けている。
咄嗟にジーナを抱き上げて、その場から跳び退く。
紫色の光線が俺とジーナが立っていた場所を焼き払った。
「あの攻撃は……サリエルか」
「早速来たようね」
この戦闘凶め、目を輝かせやがって。
ジーナを降ろし、対アラガミ用ナイフを構える。
空から猛スピードで紫色の塊が接近してきた。よりにもよって堕天種か……!
「ジーナ、どうする?」
「決まっているわ。死合いましょ?」
神機を構えて、笑みを浮かべた。
俺は小さく溜息を吐いて、対アラガミ用ナイフを取り出す。
「んじゃ、踊って来るわ。頼むぜ」
「ええ、楽しんで来て」
俺は高く跳躍し、空中ステップでサリエル堕天に接近する。俺の横をいくつものレーザーが通り過ぎ、サリエルへ向かう。サリエルはレーザーを避け、こちらへ接近してくる。ナイフをサリエルの顔目掛けて投擲するとサリエルはナイフを弾いて防ぐ。
再び俺の横をレーザーが通り、サリエルに直撃する。
地面に降り立ち、挑発フェロモンを使ってから弾かれて落下したナイフを回収しに向かう。サリエルは俺に向かって無数のレーザーを放って来た。綺麗な曲線を描きながら追尾してくるレーザー。一発ずつ確実に回避してやり過ごす。
バーカ、そうやって俺しか見てねえから……。
サリエルが俺に気を取られている内に、ジーナの銃弾がサリエルの頭に着弾した。着弾した弾からいくつものレーザーが放たれ、サリエルの体を貫いた。
おいおい、えげつねえバレットだな。あんな物撃たれたら内臓破壊待ったなしだ。あんなん思いつくとかどうかしてるぜ!
絶対食らいたくないな。少なくても誤射姫には絶対にあんなバレット使わせちゃならねえ。
おっとナイフを回収しないとな。とりあえず、前に出て奴の気をこちらに向けさせるしかねえか。今はジーナが要だ。
ナイフを回収し、サリエルへ向かって跳躍する。
しかし何かに頭を踏まれて、地上へ落下した。
「ナイスだぜ、ユウ!」
「シュン! この野郎覚えとけよ!」
俺を踏み台に高く跳んだシュンはサリエルの頭に神機を振り降ろした。しかし、狙いが僅かに狂ったのかサリエルの頭の一部を斬り落としただけだった。
サリエルはシュンを叩き落とそうと腕を振る。
「クソっ!」
シュンはシールドを展開して打撃を防ぎ、すぐに捕食形態に切り替えてサリエルの足に喰らいついた。
あの野郎、やるなら1発で決めてこいや! 世話が焼ける!
俺は再び跳び、今度こそサリエルに張り付こうとした。
「気が利くな」
「カレル、お前もか!」
今度はカレルに踏み台にされて再び地上へ落ちる。
「なッ!? 引っ込んでろカレル!」
カレルに怒鳴るシュンだが、怒鳴られたカレル本人も煩わしそうな顔をして口を開く。
「黙ってろ」
カレルはサリエルに張り付き、銃口を直接当ててゼロ距離で連射した。
サリエルは血を吹き出して悲鳴を上げる。だが決定打にはなっていないようだな……。
よし、ここいらで連携としゃれ込もうか。丁度火力要因も居る事だしな。
サリエルにぶら下がっているシュンを見ながらどんな連携で行くか考えて跳ぶ。
シュンは捕食を諦めてサリエルから離れる。
「シュン、そのまま落ちてこい! 上まで飛ばすぞ。今度こそ決めろや!」
「へっ、しょうがねえな。しっかり飛ばせよな!」
シュンの片足を両手で受け止め、思い切り腕を振り上げてサリエルが滞空する位置よりも高く投げ飛ばす。
「退けカレル! おりゃあああぁ!」
シュンはサリエルの頭に神機を突き刺し、そこから神機振り抜いてサリエルの体を断ち切った。
しかし最後の足掻きか、サリエルの頭の目玉が開いてシュンを睨みつける。
次の瞬間、レーザーが目玉を貫いて爆発した。
下を見れば、ジーナが神機を構えて立っていた。
*
「ちっ、余計な事を……」
「あら、険しい顔をしていたからピンチだと思ったけどお節介だったかしら? それにしてもあなた達、仲が良いのね」
ジーナは俺達3人を見ながら笑う。
「な、こんなガキと金の亡者と仲が良いって冗談じゃねえよ!」
シュンが顔を真っ赤にして否定する。
「そうだぞジーナ、俺が人様を踏み台にするような金の亡者と斬るしか能のないバカと仲が良い訳ねえだろ」
俺も否定する。
「お前ら、金の亡者とは言い草だな。だが同意見だ。俺をコイツらと一緒にするな」
カレルも否定する。
「ほら、仲が良いじゃない。ふふ」
ジーナは笑う。
結局男3人であーだのこーだの言いながらの論争がしばらく続いた。
神薙 ユウナ(17)
2071年フェンリル極東支部入隊
出生2054年12月31日 身長167cm 体重5――丁度穴があけられて見えない。
誕生日すげえな。
新型神機を操る期待の新人だ。
ソーマと同じくただならぬモノを感じる。
元々は狼鳳軍事高校に通っていたが適性のある神機が見つかり入隊したとの事。
言える事はただ1つ、良く分からん!
容姿は銀髪赤眼。
誰でもいい。銀髪と白髪の区別方法を教えてくれ。正直見分けがつかん。