Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者   作:ロイヤルかに玉

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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

話は変わりますがいつの間にかUAが3900突破してて驚きました。
今年最初の驚きでもあります。



うそ……俺のIQ、低すぎ……? 

 アナグラに戻ると、俺を待ってくれている人がいた。

 

 その人は封印された腕輪を右手首に嵌め、実に見事で豊満な果実を2つ胸につけている人だった。そう、誰もが恐れる雨宮ツバキ教官だ。

 

「私の言いたいことは分かるか?」

 

 ええ、分かります。分かりますとも。でも俺はそれを受け入れる訳にはいかないのです。ですからそれなりの抵抗としてあえて教官の言いたい事は当てません。

 しかし、この勝負はパスできない。ならば……有意義な情報で話を逸らすまでだ……‼

 

 受けてみろ、結婚できなさそうな20代ランキング第1位の雨宮ツバキ……‼

 

「新種アラガミについてですね。顔は堅いですが、胴体なら斬撃が通りますよ。あと氷柱撃ってきたり、冷凍ビームも吐いてきま――『違う馬鹿者』

 

「私は以前、次違反をしたら問答無用で懲罰房に放り込むと言ったな? そして私は一言も『雨宮少尉の捜索に向かえ』とは言っていない。勝手に判断した上での身勝手な行動、これは違反と呼べるのではないか?」

 

 あ、めっちゃ怒っているぞこの人。こうなってしまっては俺が取るべき行動は1つ、土下座と共に謝罪をして罰を受け入れる事だ。

 知ってるか? 自首すれば刑罰が軽くなることがあるんだぜ……? 常に最善の道を探すことを怠るなって世話になった人にも何度も言われた。

 

「誠に申し訳ございません。どうぞ思うが儘に……」

 

 両膝を突き、額を床に擦り当てて誠心誠意の態度を示す。

 

 そして俺は懲罰房にぶち込まれた。南無。

 

 

 

 

 昨日、俺は懲罰房に入れられ冷たいベッドの上で一晩を過ごし色々あって今は机に向かい、反省文を書いている所だ。

 無駄に枚数を指定されてやる気をなくした俺は心にもない事を書き並べていた。

 

 果たして刑罰は軽くなったんですかね……? そもそも俺の昨日の行動は自首ではなく自認なのでは……?

 うそ……俺のIQ、低すぎ……? 

 

 先程、人面猫に関しての情報を聞かせろとの事で拘束されたまま雨宮教官に別室へ連れて行かれた。傍から見れば尋問紛いの事になりながらも、俺は奴らの攻撃手段などについて詳しく説明した。ちなみに先日人面猫と交戦したユウナ、コウタ、ソーマからも情報を聞き、俺の情報とも照らし合わせて解析していくとの事。

 

 そして、俺は勝手に心の中でここまで有意義な情報を持ち帰った恩賞に懲罰房から出してもらえるだろうと錯覚していたが、退出際に雨宮教官からB4サイズの紙を5枚手渡され、俺は絶望のどん底に落ちた。

 

 

 反省文を書き上げ、休憩しようとリラックスをしていたら遠くから足音が響き、俺は慌てて机に向かう。徐々に足音は近くなり、気配が俺の牢の前で止まった。すぐに誰だかわかった。この強すぎる気配を放っているのは2人、そして2人のうち1人は絶対にこんな所に足を運ばないと俺は分かっている。

 

「ユウナか。おはようさん」

 

「うん、どっちかと言うと……こんにちはの時間だけどね。ユウ」

 

 そういや牢の中に時計なんてねえから時間なんて分からねえな。起きてしばらく残った眠気と死闘を繰り広げていたら雨宮教官に連れ出された故。

 

「はい、差し入れ。皆には内緒ね?」

 

 ユウナが袋に入れたプリンを手渡してくれた。

 

「ああ、助かるぜ。実は何も食ってなくてな」

 

 早速蓋を剥がして、スプーンを突っ込んだら根元からプラスチックのスプーンは折れた。

 

「あッ……」

 

「マ?」

 

 ユウナは呆気にとられ、俺はマジかよ思いつつ無残なスプーンを見つめた。

 そしてユウナが、換えのを持ってくると言い出したが、それを制止して護身用ナイフで掬って器用に食べる。

 

「器用だね……。ちょっと行儀悪いけど……」

 

「男ってのはそんなもんさ。ごちそうさん」

 

 食べ終わると、ユウナが容器を捨ててくれるとの事なので渡した。

 

 

「リンドウさんの行方に関しては、今正規の捜索隊が出てるから報告を待てって指示が出てるよ」

 

「そうか……雨宮教官も辛いだろうな。たった1人の肉親なんだ。一番飛び出して探しに行きたいのはきっと教官だ」

 

「うん……」

 

「そう言えば、サクヤさんとアリサは?」

 

 リンドウさんの次にあの2人が気がかりだ。

 ましてや、サクヤさんはずっとリンドウさんの事を愛していた筈だ。もしリンドウさんが命を落としたら、後を追いかねない。

 

 そしてアリサだ。あの怯え様というか……何と言えばいいか……。ただただ、異常だ。

 このご時世だ。両親をアラガミに喰われたなんて珍しい話じゃない。だが、謝罪の言葉を呟いていたあたり、自分の責任だと感じているのだろう。そして錯乱している間にリンドウさんを孤立状態にしてしまった。彼女は落ち着つけるだろうか……。

 

 ソーマは……また強がっているのだろうか……。

 

 しかし、ユウナとコウタもここが踏ん張りどころか。今まで自分たちの道を示していた隊長が居なくなり、部隊はバラバラ。

 そもそもな話、アラガミとの終わりなき戦い。これはとても不公平で不利な戦いだ。

 

 考えてみれば、この時代の戦士はあまりにも若すぎる。ユウナとコウタも自分がしっかりしなければと思っているだろうが、本来なら戦場なんて知ってはならない年なのだ。友達と学び、競い、笑い合う年頃の筈だ。赤い紙がばら撒かれていた時代じゃあるまいし。

 

 誰も死なせたくないから他者を遠ざけるソーマ。『死ぬのは自分一人で十分』なんて考えができるのは大したものだ。1人の人間として尊敬できる。

 だが、そんな考えができてしまうのも悲しい事だ。

 

 アリサも可愛そうだな。幼い頃に両親を失った子どもは何時の時代にもザラにいるが、只でさえその傷を抱えて生きなければいけないのだ。そこにアラガミとの生存競争。まるで出来レースとも言わんばかりに仕組まれている。

 

 俺には愛する人なんていなかったから何とも言えが、辛いのは確かだろう。世界で1人しか居ない唯一の肉親。世界で1人しか居ない唯一の想い人。

 手を伸ばしても救えない悔しさに後悔。俺には一生理解できないかもしれん。

 

 

 ああ、戦友たちよ。俺達がそれぞれの信念を持って戦い、その結果得られたもの……否、せめて残す事が出来たモノは……こんな悲しい世界しかなかっただろうか?

 結果論かも知れんが……あの時、俺達があの結果を変えていたら……もしかしたらアラガミは出現せずに平和な世界になっただろうか? ただ何処かで歯車を狂わせれば何もかもが変わっただろうか?

 

 こんな世界にあの戦いの敗北者が1人取り残されて何になる? 

 俺が苦労するだけだ。疲れるだけだ。

 

 正直、叫びたいところだ。置いて逝くなと、何故俺が此処に居るのだと。

 

 だが、それは俺にとっても彼らにしても……弱さだ。

 俺達は強く在らないといけない。愛を捨てて戦いに生きる道を選んだのだから。

 化け物に囲まれようが、満身創痍で動く事も出来ない絶望的状況に陥っていようが決して弱さを晒してはならない。否、弱さなどあってはならない。

 

 生き残らないといけないんだ。

 

 名誉ある戦死を遂げても、それは俺からすれば敗北だ。どんなに無様に地に倒れようが、尻尾巻いて逃げ出そうが生きているなら勝利だ。リンドウさんだって言っていた。生きてれば万事どうにかなる。

 まだこの国が日本と呼ばれていた頃は遠い昔じゃない。あの戦いの後も生き残った連中がどうにかしてくれたんだろ。

 ほら、生き残る事の重要性が証明された。

 

 

 

「ユウ? どうしたの、難しい顔……って言うより怖い顔だけど」

 

「いや、気にするな。ちょいと考え事さ……」

 

 

 よりにもよってリンドウさんのような人が居なくなり、新種のアラガミが出てくるとは俺の意識が過剰かもしれんが、仕組まれているとしか思えない。

 いいだろう。何処の誰だか分からんが、上等じゃないか。

 人間だろうが神様だろうが、真っ先に煽り倒してやる。裏で小細工ばかりして自力じゃ何もできない臆病者だとな。

 

 そうこう考えている間に、もう1人の気配が近づいてくる。何度も俺の様な問題児を絶望のどん底に落としてきた主の足音だ。俺には分かる。

 

「神薙、ソイツの牢の前でなにをしている?」

 

「あ、雨宮教官……えーとっ」

 

「神機も無いのに無茶するなと優秀な後輩からありがたいお言葉を頂戴していたんですよ」

 

 ユウナに対してちょっとしたフォローだ。プリンの礼もあるしな。

 

「まあ良い。ユウ、出ろ」

 

 ただそれだけ言って牢を開けた。

 

「もう釈放ですか? 流石に早いのでは……」

 

「現場は常に人で不足だ。いいからさっさと出ろ」

 

 了解と言って牢から出る。軽くストレッチをして伸びをする。ずっと反省文と格闘していたせいで体が鈍ったようだ。まあ、まだ鈍るだとかそんな年じゃねえけどさ。

 

「14:00に執務室へ来い。頼みたい仕事がある。ついでに反省文はその時に提出しろ」

 

「了解しました」

 

 敬礼を返すと雨宮教官は去っていく。俺もユウナと共に独房エリアを出てエントランスへ出る。

 

「それじゃ、私もこの後任務があるから」

 

「ああ、差し入れありがとよ。気を付けてな」

 

 ユウナとも別れ、俺は時間になるまで例の島について榊博士と話をしようと思ってラボラトリへ向かった。

 

 

 

「それで今のところは特に問題は無いと言う事かい?」

 

「ええ。これ以上調べるなら……洞穴の中に入っていかないといけないですわ」

 

 榊博士が顎に手を当てながら唸っているの向かいで俺は茶を飲みながら溜息を吐く。

 

 正直、あの島を調べている場合じゃなくなったよ。今は極東のエースが消息不明、そして追い討ちを掛けるように新種が出現。それに禁忌種も以前より更に見かけるようになっている。

 

「状況が状況。それに雨宮教官から仕事が入る予定なので、しばらくはあの島については保留が最適じゃないですかね」

 

「ああ、確かにね。しかし、参ったね。君に頼みたいことがあったんだが、先日ツバキ君と打ち合わせをした時、既に先約を入れていると聞いていたから代わりに誰に頼んだものか……」

 

 この人からの頼まれごとは中々に厄介だ。今回ばかりは雨宮教官に感謝だな。

 まあ、まだどんな仕事か聞かされていないので、もしかしたら雨宮教官からの方が厄介かもしれん。まあ雨宮教官から頼まれた時点で拒否権なんて無いだろうがな。

 

「とりあえず、時間も近いので行きますわ。まあ、ほんの力添えぐらいなら俺にもできるかもしれないので一応聞いてください」

 

「ああ、その時はよろしく頼むよ」

 

 

 ラボラトリを後にして役員区画へ向かい、雨宮教官の執務室へ向かう。

 

 

 




今年の大晦日は驚いたぜ……GE3でフレの認定手伝っていたらアメン・ラーの捕喰攻撃が飛んできて上手く回避して誰も喰らわなかった筈なのにあいつは次の瞬間バーストしやがったんだ……。俺が何を言っているのか分からねえと思うが俺も何が起こったのか分からないぜ……。
その時はフレはスカイプ越しにこう言葉を紡いだ。

「はえ~補喰攻撃が成功したと思い込んでバーストしたんすね~」

こんなバグに遭遇したら困惑不可避なんだよなぁ……。
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