Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者   作:ロイヤルかに玉

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不定期と言いつつ週一の更新になってきている……。
よし、今週の内にもう1話頑張って出して不定期更新を守ろう。


阿保くせぇボケがァ!真っ向から叩き潰してやらァ!

 

 

 夜中も休まずに走り続け、東から日が顔を出し始める。

 徐々に明るく照らされていく大地を駆け、進路上のアラガミは斬り伏せ、身体能力にものを言わせて常人では超えられない地形を一足飛びに駆け抜ける。

 

 

 

『KIIIIIIッ!』

 

 横から耳をつんざくような雄たけびが聞こえて振り返ると先日討伐した両手に針を持つ鳥のアラガミが追ってくる。

 

 アラガミが針を構えて一気に距離を詰めてくるのに対し、一時的に歩を止める。

 目の前には突き出された針が迫る。

 

 体を捻りつつ受け流すと共に、片足で針を踏み地面へたたきつけ、深く地面に突き刺して針の上に乗る。

 

 思いもよらない反撃に驚いたのか動きを止めた。その隙をつき、首を一閃。

 最後に神機で捕喰して胴体を噛み千切る。

 

「邪魔だっての」

 

 

 無残なアラガミの死体を蹴飛ばして先へ急ぐ。

 

 

 

 

 

「あれは…………」

 

 

 遥か遠くに建物らしきものが動いているのが見えた。

 エレナから聞いたな。あれが灰域踏破船ってやつか。

 よく見れば、その船にはペニーウォートの連中が来ていた制服と同じマークが描かれている。

 

 

 見つけたぞ……! エレナ、もう少しの辛抱だ。

 

 

 駆けだして船を追うが、徐々に距離は離れていき、このままでは見失ってしまう。

 だが、そうはさせない。必ず追いつく!

 

しかし邪魔するように小型・中型が地面から湧きだしてきた。

 

「ちっ、邪魔だ!」

 

 跳んで神機を構えながらアラガミ達に斬り込み、駆けながら迫るアラガミを次々と切り伏せてひたすら船を目指す。

 しかし、アラガミは続々と地面から湧いて出てくる。

 どうしてこう、俺が急いでいる時にはこうなんだろうな……!

 

 これ以上は相手にしてられん!

 

 攻撃を中断して群れから離脱するが、走る俺の前に先ほど討伐した両手に針を持つアラガミが再び立ちふさがる。

 しかし、そのアラガミは先ほどの個体と違って青い体色をしていた。

 

 

 アラガミが針を交差させて振り抜くと氷の斬撃が飛んできた。

 

 スライディングで斬撃の真下を潜り抜け、そのまま斬りかかるがアラガミは片方の針でこちらの斬撃を防ぎ、もう片方の針で反撃してきた。

 

 咄嗟に刀身を盾にして弾き、即座に反撃を返すが刃が捉えるよりも早く奴は跳びあがって空中から急襲を仕掛けてきた。

 

 後ろへ飛んで回避するが、アラガミは再び跳びあがって急降下攻撃。

 ギリギリで避けて、切りかかろうとするとアラガミの足元に冷気の塊が作られており、危険を感じて咄嗟に跳び退くと同時に冷気が弾けた。

 

 

「後隙潰しか。この世界のアラガミは随分頭の回転が速いようだな……!」

 

 着地の隙を狩るように両腕の針で刺突を何度も繰り出してきた。

 

 刀身で防ぎつつ後ろへ下がるが、奴も前進して逃がさんと言わんばかりに猛攻を仕掛けてきた。

 

 攻撃を防いで次の刺突が当たるよりも早く跳び、捕喰形態に切り替えて真上から喰らい付こうとするが、アラガミは両腕の針で神機の牙を受け止められた。

 

「マジかよ」

 

『KIIIII!』

 

 アラガミにそのまま放り投げられ、受け身を取って立ち上がるが既に奴は背後の翼を広げて青い羽根を冷気の嵐と共に飛ばしてきた。

 

 

 神機を捕食形態へ切り替えて、近くの建造物へ伸ばし噛みつかせる。

 

 そのまま神機に引っ張られてその場から離脱する。

 

 建造物を食い千切り、瓦礫を咥えさせてアラガミへ投げつけると瓦礫は粉砕されて砂埃が舞う。

 

 一気に距離を詰めて砂埃を突っ切り、アラガミに不意打ちを叩き込む。

 更に跳躍して神機を振り下ろすがアラガミも針を交差させて神機を防ぎ、逆にこちらが弾き返された。

 

 空中でそのまま突き攻撃が向かってくるが、刀身を盾にして被弾を防ぐも吹き飛ばされる。

 

「ッ!」

 

 即座に神機を捕食形態へ切り替えて、アラガミの腕へ伸ばして喰らい付かせる。

 

『KIIIIIIっ⁉』

 

「千切れろ!」

 

 腕を食い千切り、そのまま噛み千切った腕を引き寄せて左手に持つ。

 そしてバースト状態に移行して2つの得物を手に接近する。

 

『KIIIッ!』

 

 

 アラガミの攻撃を神機で弾き、奪い取った針で肩を刺して怯んだ隙を突いて斬撃を入れる。

 

 反撃を振ってくるもスライディングで股下を潜り抜けて方向転換と共に足を切り払い、怯んだアラガミの首へ針で突き攻撃を仕掛けるがアラガミが針に噛みつき、凌がれた。

 

「なら――翔鷹!」

 

 針から手を離し、瞬時に捕喰形態へ変えつつ翼状の捕喰器官を広げて前方へ跳び上り、同時にアラガミの脇腹を食い千切る。

 

空中でアラガミの方へ向き直り、捕喰口を展開する。

 

「ついでだ」

 

 直滑降して次はアラガミの片翼を食い千切った。

 

『KIIIIII!!』

 

 ものの数秒で体を二か所も食い千切られてアラガミは悲鳴を上げた。

 しかし、人間が悲鳴を上げてもアラガミは喰うのをやめない。ならばこちらも奴らが泣き叫んだとしても喰らうのはやめない。

 

 一気に距離を詰めて食い千切った脇腹へ斬撃を叩き込んで胴体を切り落とした。

 念のため、頭部へ神機を喰らい付かせて噛み砕く。

 失った残りの遺骸は蒸散を始めた。

 

 

時間をくったか……。

 

 

 船を見れば、先程よりも遥か遠くへ移動していた。

 漂う灰も濃くなり、視界が悪くほぼ見失う直前だ。

 

 

 すぐに駆けだして船を追う。

 

 

「ちっ、流石に間に合わねえか……。だが、指咥えて見失うのも癪だ……!」

 

 

 神機を背負うと、触手が伸びて腰にしっかり巻き付いた。

 

「相棒、飛ばすぞ!」

 

 それだけ叫び、走る速度をさらに上げて全力で船を追う。

 

 途中、湧いてきたアラガミはすべて跳び越すか素通りする。

 または台の代わりに使ってジャンプして船を追うことに専念する。

 

 横やりや背後からの遠距離攻撃などを警戒して周囲に気を配りつつ、次々と立ちふさがるアラガミを通り抜けて進む。

 

 荒れ果て荒廃した市街地に入り、空中を浮遊するザイゴートの群れ発見した。

 

「手段を選んでいる暇はないか」

 

 意を決してザイゴートの群れに飛び込み、次々と踏み台にして空高く駆けあがってそこから空中ステップで何度も空気を蹴りつつ飛ぶ。

 

 走るよりも飛ぶ方が早いが、それでも船はまだ遠い。

 

 神機に手を掛けると腰に巻き付いた触手は神機のCNSへ戻り、捕食形態を展開すると同時に滑空する。

 『滑空穿孔式・穿顎』は神機自体から発せられる推進力を利用して滑空する。

 

 この高度でやれば大分距離を稼げるはずだ。

 

 空中で空気を裂きながら船を追う。

 

 

 地面へ着地するとすぐさま駆けだして船を追う。

 

 

「…………くッ……灰が……」

 

 流石に、これ程の濃さじゃきついか……。体が妙に苦しい。

 ただの人間なら10分も持たずに息絶えるのが灰域と呼ばれる場所だ。エレナに聞いた話では、普通の神機使いでも調整した偏食因子を接種すればある程度は行動できるらしい。だが俺はただ戦友たちに守られているだけだ。

 この加護ともいえる護りが何時までもつのかは分からない。

 

 こちらに気づいて吠えているオウガテイルを跳び越し、そのまま通り抜けると今度はグボロがが背中をこちらに向けてノロノロと歩く。

 背びれへ跳び、そのままジャンプ台替わりに使って大きく跳ぶ。

 

『GOOAAAAA!』

 

 グボロの雄たけびが聞こえ、確認のために振り向けばこちらに水塊を撃ち、途中で弾けて拡散する。建造物の壁に着地してすぐに跳び、また壁へ足を付き、更に跳ぶ。

 

 

 

 

 着地して走りだそうとしたとき、空から幾つもの光の玉が降り注いだ。

 

「なにッ」

 

 降りかかる光の玉を躱しつつ駆け抜ける。轟音が響く中、砂埃を突っ切る。

 

 後方に居たグボロや小型アラガミは無残な姿となり、上空から光が差すのを感じて上を見上げれば、見たことのないアラガミがゆっくりと降下してきた。

 

 

大きな顔と小さな頭部、そして頭部の上に光の輪……正に異形のアラガミともいえる見た目だ。ぶっちゃけどう表現すればいいんだ……こいつ。

 

 

「ちっ、こちとら急いでるてのに……」

 

 こんな奴に時間を掛けている暇はない。だが、アレほどの遠距離攻撃を持っている奴を野放しにしてエレナを追いかけるのは得策でなはい。ふざけた見た目をしているくせに厄介とは腹が立つな。

 流石に先ほど仕掛けてきた攻撃の雨を掻い潜りながらペニーウォートの船を追うなんて自殺行為だ。

 

 

 全身が硬そうな装甲に覆われており、見るからに相手取るのが面倒くさそうな奴だ。

 遠距離攻撃が主な攻撃手段だろうが、あの巨体だ。不用意に近づけば体当たりで轢き殺されるかもしれんな。

 

 神機を構えると、奴の大きな顔が口を開く。

 

 口の中が光り、そのまま光線をこちらへ向けて放つ。

 

「うおっと」

 

 体を軽く捻って光線をギリギリで躱し、神機を構えて斬りかかる。

 

 

『COOOOOOOッ!』

 

 刀身が奴を捉える直前で雄たけびを上げた瞬間、装甲がオラクルを纏って更に拡大させてバリアが出現して弾き飛ばされた。

 

「小癪な……!」

 

 地面に手をついて受け身を取り、態勢を整える。

 

 奴の口から光線が再び発射される。横へ跳んで避けようとすると光線が曲線を描いて追尾してきた。

 

 マジで面倒くさいなこの野郎……こっちは時間が無いんだよ……!

 

 迫る光線をギリギリまで引き付けて回避してすぐにアラガミへ近づいて神機を振るが、バリアで防がれる。

 

 しかし、バリアに傷が入った。

 連撃を叩き込んでやれば破壊できそうだな。

 

 背後へ回り込んで何度も神機を振って一点集中でバリアを攻撃すると、バリアに大きな亀裂が入った。亀裂のど真ん中に神機を差し入れるとバリア全体に亀裂が走って粉々になった。

 

 アラガミにしがみついて何度も神機を突き刺し、最後に思いっきり突き刺した後に神機を振り抜く。

 

『GOOOOOOOOッ!』

 

 アラガミが悲鳴を上げ、血が噴き出した。血に濡れるのはごめんなのですぐに跳び退いて距離を取る。

 

 奴が上昇し光輪が光った直後、大量の光線や光弾が四方八方に放たれた。

 

 跳び退いて攻撃を回避し、近くの壁を駆け上って奴へ跳ぶ。

 

『GOOOOOOッ!!!』

 

 数本の光線がこちらへ向かってくる。

 

 神機の上に乗り、光線をレール代わりに滑りつつ接近する。光線・光弾の嵐が襲い掛かるが、神機を乗りこなして光線から光線へと乗り移って回避しつつ距離を詰める。

 

 しかし、奴はすぐにバリアを張り直した。

 

「ッ……。阿保くせぇボケがァ! 真っ向から叩き潰してやらァ!」

 

 光線のレールから跳び、神機を両手に持って空へ掲げて上段の構えを取る。

 

「カアァーッ!」

 

 掛け声と共に振り下ろした神機はバリアを一撃で叩き割った。

 

 バリアの破片が散らばる中、着地した直後に突きの構えを取り、跳躍してアラガミに突撃して大きな顔に神機を突き刺す。

 

『COOOOO! COOOOOッ!』

 

 悶絶するアラガミに構うことなく踏み台にして跳びあがり、降下回転しつつ神機を振り下ろして、装甲を切り落とす。

 

 アラガミは地面へ落ち、その隙を逃がさずに頭部に捕喰形態で喰らい付かせて噛み千切る。

 神機開放状態に移行して、奴の上に乗って大きな顔に神機の切っ先を向けて口へ突き入れる。

 

 そのまま神機で口諸共顔を切り裂いて藻掻いていたアラガミは息絶えて蒸散した。

 

 

 船が走っていった方向を向けば、灰で覆われていた向こう側は晴れており、遥か遠くに巨大な建造物を発見した。

 

 そして、神機から伸びた触手はその場所を指し示していた。

 

 

「なんだ、案外近くにあるじゃねえか……。エレナ、今行くからな」

 

 

 目的の場所へ早く到着するため、地面を蹴って駆けた。

 




グウゾウ面倒くさくて反吐が出る。でもレイガンってあんまり使う気になれない。
でも考えればそもそも銃自体使わないスタイルだから結局BAでごり押ししている自分が居る。
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