Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者   作:ロイヤルかに玉

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今回はR17.9ですよ。やったぜ。滾ってきたわァ!
よくよく考えれば初めて主人公以外の視点だった。


幕間 ~私だけの――~

『俺はユウ。君は?』

 

 

 

『そうか、良い名前だな」

 

 

 運命的な出会いだった。 

 

 今、私の手を引いて前を歩いてる人。

 いつでも助けに来てくれる私だけのヒーロー。

 

 アラガミからも、私達を酷く扱う大人たちからも守ってくれるとっても強くて優しい人。

 

 

 初めて会ったときは、怖くて私はユウに酷い事をしてしまったのに、ユウは優しく私を撫でながら許してくれた。

 

 

 神機使いは皆、酷い人ばかりだと思っていた私の考えは間違っていた。

 

 

 私に着せてくれた青い制服。ペニーウォートに居た頃何度か見たことがあるマーク。他のAGEが羽織っていた継接ぎで作ったマントとよく似たマークが背中に入っている。

 

 とっても暖かくて、これを着ていればこの人の温もりが感じられる気がする。

 それが嬉しい。

 

 

 この人は神機使いになってまだ半年と言っているけど、とてもそうは思えない。両腕の痛々しい傷に、バランで戦った時に体中を斬られて破けたシャツからも古い傷が見える。

 

 でも、一番不思議なのは……後ろ姿がとても寂しい事。

 1人だけ置いて行かれたみたいにも見えるし、たった1人で何処か遠い所へ行こうとしているようにも見える。

 

 

 私がオラクルで作った剣をまるで自分の体のように使いこなして、今じゃ私の中のアラガミも、この人には心を許している。それどころか、戦うときは生き生きしている。

 

 

『お前の事は、必ず俺が守り抜く。誇りに懸けてな』

 

 

 嬉しかった。正直、攫われてバランに連れてこられた時にはもう、ユウに会えないんだと思った。

 あの言葉を紡いだユウは……格好良くて、そしていつもと違う感じがした。

 

 ユウは戦えば戦うほど、ユウから感じられる気配が強くなっていき、私も中に居るアラガミも見惚れていた。

 

 

 

 いつの間にか、私はこの人の事が大好きになっていた。

 もっとこの人の事が知りたい。もっとこの人と一緒に居たい。

 

 手を繋いでほしい。 

 

 腕を組んでほしい。

 

 頭を撫でてほしい。

 

 頬を撫でて欲しい。

 

 抱きしめて欲しい。

 

 私だけ見て欲しい。

 

 黙って遠くを見通しながら歩くユウには、まだこの気持ちは届いていない。

 でも、絶対に届かせようと……私は決意を固めた。

 

 

 

 

 *

 

 

 でも、ユウが見たことないアラガミと戦った時だ。ユウが追い詰められてアラガミがユウに止めを刺そうとした時だ。

 

 私はユウを助けたいと思って力の限り叫んだ。すると温かい光が私とユウを繋いで、ユウがアラガミを吹き飛ばした。

 

 その時、見えてしまった。

 

 

 

 暗い雲に覆われて、轟音に人の雄たけびや悲鳴が入り混じる中、沢山の銃を持った人たちがユウを囲んでいた。

 

 

 ユウは血まみれで、息を荒くして折れた剣を手に銃を持った人たちを睨みつけていた。

 

 左腕は力なく垂れ、血が伝っていた。

 

 

『What can you do with such a body⁉』

 

『ハァ……ああ?何言ってやがる。グゥ……大方……腕の事か、腕一本潰したぐらいで……良い気になるなよ……!」

 

『Shoot! Shoot!」

 

「…………っ⁉」

 

 ユウは銃で撃たれ、倒れ掛かるも踏ん張って「行くぞォ!」と叫んで折れた剣を片手に銃を持った人たちに立ち向かっていく。

 

 

 

 必死に呼び止めた。

 

 

「嫌だ、ユウ! 置いてかないでぇ!」

 

 私の叫び声は走り去っていくあの人には届かなかった。

 

 そんな光景が終わる頃には、ユウはアラガミを倒していて一息ついていた。

 

 安心できず、駆けだして抱き着いた。 

 

 怖い。とっても怖い。この人後ろ姿を見て感じた通りだ。ユウが何処か遠いところに行ってしまいそうで、怖い。

 この人は、1人で誰も手の届かない程遠い場所へ行ってしまうような気がする。誰にも気が付かれる事無く、あの記憶のようにたった1人で走り去ってしまう。

 

 

 嫌 だ

                        欲 しい

         ずっ と   一緒 が良い

 

        逃がすな        怖い

              

              欲しいなら 手に入れろ。    

 

        自分だけのモノ     にしろ。   

 

   誰にも渡すな。

                 自分だけのモノだ

 

 

ぁ……何、これ。

 

 

ユウが、欲しい……? だめ、ユウは私の……!  

 

 

 なんだか怖くなってユウをもっと強く抱きしめると、胸が早く脈打つ。

 

 頭の中に何かが流れ込んでくると、会ったこともない人がこちらへ剣や銃を向け、違う光景が見えるとアラガミが雄たけびを上げて襲い掛かろうとてくるのが見えた。

 

 

 嫌ぁ……見せないで……もうやめて……。

 ユウを取らないで……酷いことしないで……。

 

 

 

『どうか、あの子を……』

 

 女の人の声だ。

 

 認識すると、私と同じ髪の毛と瞳の色をした女性がアラガミになる光景が見えた。

 

 ああ、この人は……私の……お母さんだ。

 

 そしてアラガミになったお母さんが倒れると、蒸散が始まった。

 蒸散が終わるとそこには、赤ちゃんの頃の自分が泣き声を上げていた。

 

 そっか、ユウは見たんだ。私は、アラガミから生まれた……。

 だから、私だけ他の人と違うんだ。

 

 

 

        そうだ。   だから奪え、自分だけのものだ。

 

 

 ダメ、ユウは誰のものでもない……!

 

 

 やだ、やめて。ユウへの気持ちを、黒く染めないで。

 

 

               私のモノだ。 

 

 早く独占しろ。

 

            他の雌に奪われる。

 

 

 奪われる……ユウが、奪われる……? だめ、それだけは絶対に嫌!

 

 他の雌になんか絶対に渡さない。私以外には指一本触れさせない。寄り添っていいのは私だけだ。

 

 ユウと離れるなんて絶対に嫌だ。暮らせる場所なんて要らない。

 ユウが居れば私はそれでいい。

 

 そうだ、繋ぎ止めなきゃ。私から離れられないようにずっと。誰かに奪われるなんて絶対に嫌。それなら私だけのモノにする。私が居ないと生きて行けないようにすれば良い。

 

 

 ああ、私ってすごくオカシイ。正気の沙汰じゃない。好意や愛なんてとても呼べたものじゃない。でも、欲しい。彼の全部が欲しい。

 

 

 なら、無理やりにでも。

 

 

 悪い事を言っているのは自分自身であることを理解すると共に、黒い気持ちが芽生えた。

 

 

 

 *

 

 

 荒廃した集落に入り、屋内入ってユウが座り込むと、私も一緒に座って左手を抱き寄せる。

 

 

 どうしたんだろ……。

 

 

 体、熱い。どうして……?

 

 

 

 ふと視界に割れた鏡が映り、鏡に映っている私はこちらを見つめて、口を開けた。

 

 

 

             早く、繋ぎ止めろ。           

 

 

 

 口の動きはそう語っていた。

 

 

 私はユウの左手を離し、胡坐で座っているユウに跨ってシャツを強く掴んだ。

 

「ねえユウ、どうしても欲しいものがあって、それが誰かに取られそうになったらどうする?」

 

 ユウは悩んでいる。この人に欲しいモノなんて、きっとない。

 

 

 でもね、私は……ユウが欲しいの。

 

 

「私は……取られる前に自分のモノにする」

 

 

 そう言って両肩に手を回して強く掴んで体を寄せる。

 ユウ、今ユウの目の前に居るのはあなたの事が大好きで、独占したいって思ってるアラガミだよ? ただの女の子じゃないよ?

 

 

「え、エレナ……?」

 

 

「だから、ごめんね。ユウ」

 

 

 

 そして私はユウに一言謝り、首筋に噛みついた。

 

 

 牙となった歯を軽く立てて首筋に傷をつけて、そこから出てきた血を啜る。

 

 ユウが私を押し戻そうと肩に触れてくるが、とても優しくゆっくりと押してくる。

 やっぱり、ユウは優しい。でもその優しさも全部、私だけに向けて欲しい。

 両手首を掴んで壁に押さえつけて行為を続け、オラクルを唾液に混ぜて舌で傷口に塗り込む。

 

 

「……ッ!」

 

 

 ユウの手から力が抜けて、そのまま顔を俯かせた。

 

 首から口を離し、ユウの頬に触れる。

 

 私が連れていかれてから、ずっと休まないで助けに来てくれたのだろう。バランで他の人間とも戦い、ついさっきはあのアラガミと戦って怪我も多く普通なら倒れておかしくない。本当に疲れていたのだろう。記憶の中のユウもすごく疲れているのにそれでも戦っていた。少しぐらい休んでも良いのに。

 

 でも、休んでいるのに顔は険しい表情をしている。

 きっとまだ誰かや何かと戦う夢を見ているんだろう。いつもこの人は戦っているんだ。

 

 ユウの頭に手を置いて、彼がしてくれるように優しく撫でてみる。

 気のせいか分からないけど、ユウの表情が緩んだ。

 嬉しい。私が触れたらユウは反応してくれた。彼の中には私がちゃんと存在している。自意識過剰と言われると耳は痛いけど、ユウは私の事を意識してくれている。その事実が嬉しい。

 

 でも、女の子として意識されているか分からないから、複雑な気持ちも混ざる。

 

 ならば、『無理やりにでもそうさせてしまえ』

 

 

 

 分かっているよ。

 

 

「ユウ、ごめんね。でも、ユウが欲しい……」

 

 『欲しい』なんて初めて思った。今まで何も欲しいモノなんてなかった。

 いや、欲しいと言う考えがそもそも無かった。孤児院で院長や皆と一緒にいたから、何も欲なんてなかった。ただこの生活がずっと続くだろうから特に欲しがるものなんてないと思っていた。

 

 でも、欲しいモノが出来てしまった。ただ、この人が欲しい。

 

 眠っているユウのシャツをはだけさせて、胸に手を触れると心臓の鼓動が伝わってくる。

 

「…………早い、生き急いでる……?」

 

 ドクン、ドクンと自分の心臓の音と比べれば、ユウの心臓はドクッドクッと早く脈打つ。

 

 どうして焦っているの? なんで生き急いでいるの? 

 

「駄目だよ、ユウ。そんなの絶対にダメ。ユウはもう何処にも行かせない」

 

 左胸を触れて言い聞かせる。

 

 改めて見ていれば、ユウの体には痛々しい傷が沢山ある。私も色々な傷があるけど、ユウにはもっと酷い傷跡がある。

 撃たれた傷、刺された傷、斬られた傷、殴られた傷。

 

 私と同じように顔に刻まれた横一文字の傷……。

 

 頬に口を近づけて軽く傷跡を舐める。

 

「ッ……」

 

 私とお揃いだと、笑いながら言っていた。もし、私があいつらに連れていかれなかったら、この傷を負うことは無かっただろう。でも、この傷は私とユウを繋いでくれる証の1つかもしれない。

 

 でも1つだけじゃ全く足りない。

 

 

 左胸――心臓のあたりにに口をつけ、軽く歯を立てる。

 

「んッ……」

 

 口の外から液体が入って来るのを感じた。苦いけど、ユウのモノだと思えば何ともない。

 ユウの身体に、私を受け入れる場所が出来た。唇を強く噛んで自身の血を口に含む。

 血と唾液の中にオラクルを混ぜ合わせて、傷つけた箇所に舌で塗り込む。

 

 私がユウの中に入って行った。外側からも、内側からも私のモノとして染め上げてやろう。

 

 

「ハァ……ッ! ハァ……ユウ……」

 

 体が熱い。

 熱さで一瞬頭がクラっとしたその時。

 忌々しい記憶が頭を過った。

 

 ペニーウォートで看守に甚振られ、牢屋へ戻されている時だ。

 通路の牢屋から女の人の苦しむような声が聞こえて、私は牢屋を見た。

 

 看守が壁に女性のAGEを押さえつけていた。彼女は引き裂かれた衣服を着て、涙を流しながら看守の暴行を受け入れていた。

 

 

「…………ッ」

 

 あいつらの事なんてどうでもいい。ユウが居ればそれだけでいい。

 

 気が付けば呼吸が荒くなり、お腹の下が熱くなってきて熱さは全身に巡ってくる。

 

 ユウの手に自分の手を重ねて握ると、優しく握り返してくれた。

 胸がさっきよりもドキドキする。今度は耳に口づけする。

 

「ハァ……ユウの匂い、良い……。ぁ……」

 

鼻をくすぐる香りでもっと体が熱くなって息が荒くなる。ずっとユウを見つめていたら、ふとユウの髪の毛が数本だけ自分と同じ灰色に染まるのが視界に入った。

 

 

 早速、中で私がユウを染めているようだ。このまま染め続ければ、ユウの体は私と合うように作り変えられる。

 傷だけじゃない、全部お揃いだよ、ユウ。

 

 黒い髪は私と同じ灰色に。

 瞳も私と同じ黄金色に。

 

 

 こんなに早く変化が起きるなんて……。ユウ、受け入れてくれたんだ……。

 

 全部染まり切れば、ユウは本当に私のものになる。全部染まれば、私はユウと家族になる。

 互いに愛し合う関係になる。私はユウしか愛せないし、ユウも私しか愛せなくなる。体が変化を受け入れたということは、ユウが心の底で私を愛してくれている証だ。

 もし、何も変化がなければそれはそれでショックだが、それならもっと私をユウの中に刻み込めばいい。私がユウを一方的に縛り付けて愛することになるけど、他の雌に取られるよりはまだマシだ。

 

 首輪も手錠も足枷も全部つけて、私と繋げよう。そしたらずっと一緒になる。

 ユウ、ずっと一緒だよ。例えアラガミになってもずっと、ずっと……。

 

 この人と添い遂げ、命を育んでいきたい。それが私の願いだ。

 

 

「お母さん、産んでくれてありがとう。大好きな人に出会えたよ。大好きな人を、自分だけのものにできるよ」

 

 

 

「ユウ……大好き。ずっと、一緒」

 

 愛する人の唇に己の唇をつけ、舌を強引に割り込ませた。

 

「ん……。んん……ハァ、ゆう……もっと、もっと欲しい……」

 

 ユウから着せてもらった上着を脱ぎ、床に敷いてその上にユウを寝かせる。

 なんだか私がユウを押し倒したみたいだ。

 

「ぅ…………」

 

 まだ険しい顔をしているユウを見て、私はもう1度唾液にオラクルを混ぜてユウの口に移す。

 するとユウの体が少し震え始める。突然体内に普通は入らないであろうものが入ってきて驚いたようだ。

 

「ぐ……ぅ……」

 

「ユウ、大丈夫だよ。ゆっくり休んでね」

 

 身じろぐユウの耳を甘噛みして抱きしめると、徐々にユウの体は震えが無くなり、落ち着きを取り戻した。

 

 ユウから寝息が聞こえ、久しぶりにぐっすり眠ったのだろう。先程まで表情が硬かったが、今は穏やかな顔をしている。とてもミナトにたった1人で攻め入る人間には見えない。

 

 頬に手を当て、いつもユウがやってくれるように優しく撫でる。

 

 またユウの髪の毛が数本だけ灰色になった。

 ああ、どんどん染まっていく。もっと私に染まって、ユウ。

 

 ダメ、もう……抑えられない。

 

 

「はぁ……お腹、熱い…………。ゆう、もっと……!」

 

 口づけをして舌を絡ませて唾液を舐めとり、舌で転がしてから飲み込む。もう1度口づけをして舌同士を絡ませる。

 

 口を放すと互いの口から唾液が糸を引いていた。もう1度口を付けて唾液も全部絡めとって飲み込む。

 

 もうダメ、体が熱い。熱いのに……下腹部が凄く熱くて、下着が濡れている。

 そっか……私、ユウの赤ちゃんが欲しいんだ。

 

 体を最低限隠しているボロボロの布切れを脱ぎ捨て、下着も邪魔で破き捨てた。

 

 肌同士が触れ合うと体の火照りは強くなる。

 

「ユウ、もっと……しよ……?」

 

 一糸纏わぬ姿でユウの上に跨り、夜が更けるまで私はユウを愛し続けた。

 

 

 




昏睡レ〇プ! 野獣と化したAGE

話は変わるけどブーストハンマー強すぎィ!
やっぱ破砕は強いってはっきりわかんだね(確信)
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