Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者   作:ロイヤルかに玉

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数年前だけど女性アバターでインフラしてたら年齢聞かれて引いた。
「ワイ男やで」って返したら速攻で消えて草不可避。やっぱそういう目的なんすね~怖すぎィ!


俺はロリコンじゃない。OK?

 

 

 

 

 ああ、朝か。

 

 自然と欠伸が出る。

 

 ん? 俺っていつの間にか横になって寝ていたのか。少し気が抜けたようだな。確かに激戦続きであったが……だからと言って気を抜いてよい理由にはなるまい。

 

 なんか腹が暖かいな。湯たんぽでも抱いて寝てたのか俺は。 

 

「あ~なんか怠いな……。はあ……あ?」

 

 

 視界にはとんでもない光景が映った。

 

「な…………何故…………?」

 

 なんで俺は服を着ていないエレナを抱いて寝ているんだ……?

 そして腹が暖かい理由はこれか。確かに人肌は温かいな。

 

 

 いや可笑しくね? 大体なんで俺は一糸纏わぬエレナを抱きしめて寝ていたんだ?

 そもそも何故俺のシャツのボタンが外れて開けてんの?

 

 周囲を見回すとボロボロの布切れが落ちていた。

 

 あれってエレナが羽織っていた布切れだよな? 俺が着せた上着は……。

 

 

 

 

 俺の下に上着が敷いてあった。

 

 ますますわからん。なんで俺はエレナに着せたはずの上着の上で寝ていた……?

 これもうわかんねえな……(思考放棄)

 

「ぅ……んん……」

 

 俺の腕の中で寝息を立てていたエレナが目を覚ます。

 

「あ……」

 

 やばい、すげぇ気まずい。

 

「へへ、ユウ。おはよう」

 

 恥ずかしがる様子もなく微笑みながらエレナは言葉を紡いだ。

 気のせいか、昨日よりもエレナが艶々している気が……まあ、気のせいか。

 

「エレナ、服はどうしたんだ?」

 

「肌、くっつけたら暖かくて……。もっとユウを感じたくて、邪魔だったから……」

 

 エレナが少し頬を染めて目を背けながら言う。途中で恥ずかしさが限界点に達したのか俺の胸に顔を埋める。

 

「そ、そうか。でも、男にあんまり体を見せるもんじゃないからな? お父さんとお母さんから貰った体だ。大事にしてあげなさい」

 

「うん。でもね、ユウなら良い」

 

 エレナの頭を撫でると嬉しそうに頬を胸に擦り付けてくる。

 

 エレナが起き上がろうとしたので目を逸らして壁の方を見る。

 布切れ一枚羽織るだけだからそう時間も掛からないと思ってしばらくしたら振り返ると、エレナは愛おしそうに自分の腹を撫でていた。

 

「腹の調子でも悪いのか?」

 

「ううん。お腹が暖かくて、なんだかホッとするの。ユウ、暖かいだもん」

 

「そうか」

 

 暖かいだけにホットか、誰が上手いこと言えと突っ込まれそうだが。

 

「………………」

 

 今更だけど、俺エレナに何もやましい事なんてしてないよな……?

 

 股間にぶら下がっているムスコには何の異常もない。だが、この妙な気怠さはどう結論付けようか……。

 そして、なぜエレナは妙に艶々しているんだ……?

 

 おい、おいおい、おいおいおい、俺大丈夫だよな? エレナはまだ10~12歳だぞ⁉

 まさかの肉体関係持ったとかアウトだぞ⁉

 

 冷汗が噴き出してきた。背中がゾクッとする。これは……恐怖……!

 俺は、恐れている……! 自分が犯したかもしれない大きな罪を……恐れている……!

 

 恐怖とは正に過去からやってくる。

 

 聞き覚えのある言葉だ。

 

 此処は当事者?に確認を取って白黒はっきりさせるしかないようなだ……!

 なあムスコよ、大丈夫だよな? お前の返答次第ではマジで事案だぞ? 俺の物語即終了するんだぞ⁉ 

 

ムスコ「大丈夫やで~。ちゃんと童貞守ってるで~」

 

 そうか、良かった。俺は罪なんて犯していなかったんだ……!

 

ムスコ「そうだよ。そもそも己の童貞も満足に守れない男に一体何が守れるんですかね?」

 

全くもってその通りだなムスコよ。HAHAHAHAHAHA!

  

 

 心の中でムスコに確認を取り、安堵して高笑いをした。そのまま心の中で高笑いを上げる。

 エレナが上着に袖を通し、俺が解けている包帯を巻きなおして上着が開けないように固定する。

 

 

 

心の中の俺「ふう、EDを発症させなければ即死だった。感謝しろよ主人格」

 

 いやどういう事やねん。なんだよEDを発症させないと即死する状況って。逆に見てみたいよ。てかEDってマジかよ! ぶっこく時どうするねん! 

 

 

 

 

 まあ遅かれ早かれ死ぬだろうから別にええか。

 いやーしかし昨日の剣を持ったアラガミとは激戦だった。

 全く、相手をスタン状態にして大技かますなんてつまらねえ真似しやがって。 そう言うのは非力な人間がやるべき事であって人間凌駕したあの化け物がやっちゃいかんだろう。

 

 

「ユウ、しゃがんで」

 

「ん?」

 

 エレナに腕を引かれ、腰を下ろして視線を合わせる。

 

 

「ん……」

 

「――――」

 

 エレナの唇と俺の唇が重なり、突然の出来事で思考が停止した。

 

「はむ……」

 

「っ⁉」

 

 思考停止で固まったいたらエレナの舌が口内に侵入して舌に絡み、エレナの手が俺の頭に回されて暫く水音を響かせてエレナの舌が俺の舌に絡み続けた。

 

「んん……」

 

 エレナが唇を離すと俺とエレナの口の間に唾液が糸を引いて床へ落ちる。

 ほう、唾液ブリッジというやつか……これが……。いやなんで感心する必要があるんだ。馬鹿じゃね?

 

 

「ユウ、またしようね?」

 

「あ、ああ」

 

 突然のディープキスに困惑不可避である。そういえば、ディープキスって中々興奮するって聞いたが俺の下半身は反応しなかったな。つまり俺はロリコンじゃない。OK?

 

 

「ユウ、もう1回……」

 

 え、インターバルと言うものはないんですかね?

 

「あ、ちょっとあれがあれしてアレだから後でな?」

 

「分かった……」

 

 やんわり断り、エレナがしょんぼりするするのを見て若干申し訳なく思う。

 

「…………うーむ」

 

 しかし何だかエレナを見てると、頭がボーっとするな。見惚れているかのような……。

 いかんいかん。子ども相手に何変な事考えているんだ俺は。さっきロリコンじゃないと自分自身を戒めただろう。これじゃペニーウォートのクソ共と変わらないクソ野郎じゃないか。そこまで腐っちゃいないぞ。

 

「あーエレナ? どうして急にキスなんて……」

 

「大好きだからしたいだけだよ」

 

 大好きか……。ここまで懐かれるとは……何時か来る別れの時が億劫になる。

 

「………………」

 

 なんだ……? 胸と首筋になんか違和感を感じるな……。痛いとか痒いじゃなくて、熱くなったんだよな。

 うーむ、一体……。

 

「そ、そうか。俺も好きだよ」

 

 大好きなんて、初めて言われたな。とりあえず無難な返答をしておくとしよう。

 

「……! うん!」

 

 エレナが頬に唇をつけてきた。

 結局頬にもキスするのか、失笑を禁じ得ないでござる。

 

「照れくさいから勘弁してくれ」

 

 頭を掻きながら、窘めるがエレナはそのまま頭に手を回して頬擦りをしてくる。

結局頬擦りもしてくるのか……。しかし寝起きって肌が油ギッシュだからエレナの顔が汚れてしまわないか気にかかる。

 

 兎に角、移動をはじめないといつまで経っても状況は変わらないし、今現在もアラガミが近くを徘徊している。おまけにバランやペニーウォートの連中がまだこちらを追跡している可能性もある。

 

 囲まれると言う最悪の状況になる可能性もあるので素早く行動しないとな。

 

 

 

 廃墟を出て移動を始める。

 

 

 

 エレナに腕を掴まれ、膨らみかけの胸の間に挟まれているが意識しないように歩く。

 何かと気苦労が堪えず神経が徐々に擦り減っていくのを知ってか知らずか、エレナは腕を放さないようにしっかり抱き寄せ、空いた手を俺の手と繋いでいる。

 

「…………」

 

「ユウ?」

 

 エレナが俺の視線に気付いて首を傾げ、ハッとする。

 ああ、まただ。何でだろうか、エレナを見ていたら頭がボーっとする。いつの間にか見蕩れている。俺、マジでどうしたんだろうな……。

 

「いや、ちょっとな。先を急ごう」

 

 

 

 気を取り直して前を見て歩く。

 神経を研ぎ澄ます。常に周囲に気を配り、物陰に身を隠したり足音を立てないように進む。

 

 

 

 

 出発から大分時間も経ち、辺りは暗くなっていく。

 

 だが、まだ時間的には夜じゃない。何故暗くなっているか。見上げればすぐに分かった。

 

 先日目撃した灰の嵐だ。

 

「また灰嵐か……」

 

 ホントにこの世界は崖っぷちだな。あんな脅威がその辺で起こっているとかまじやべえって。

 

 

「大丈夫、私がユウを守るから」

 

「そりゃ安心だ」

 

 幸い俺達の進む方角で発生していないのはありがたい。とりあえず、時々灰嵐の様子を確認しながら進もう。

 流石に連中もあんな脅威が近くにあるのに追跡をしようとは思わないはずだ。

 

 

「ユウ」

 

「どうした?」

 

「ユウは、他に好きな人……いる……?」

 

 この化け物にいつ襲われるかもわからない状況で恋バナ仕掛けるって中々肝が据わっているなエレナ。顔を真っ赤にして可愛い奴め。

 

 しかし、どう答えたもんかな……。

 

 俺とて叶わなかったが初恋はしている。想いを伝える前に戦場へ飛ばされたが。

 だが思ったんだが、人を好きになるってそれただそいつとパこりたいだけなのでは……?

 結局男ってそう言うもんだよね? 

 でもいけないと思うなー。パこりてえなら風俗に行けよと言う話だから好きな人とは何なのだろうか? 子孫繁栄の本能を越えた先にあるモノなのか。それこそが真の愛と言うやつなのではないだろうか?

 いやまあ何が言いたいと言うとだね? 恋愛って難しいよねって事さ。

 

 よし、そろそろエレナに返答をするか。

 

「さっきも言っただろ? エレナが好きだ」

 

 子どもにはこの返しが一番だ。流石にジーナとか知り合いの女性陣に同じ質問されて「お前が好きだ」なんてとても言い返せないが。

 

「……! 私も大好き!」

 

 顔が真っ赤だ。煙でも吹くのではないかと不安に思う位真っ赤だ。そしてその状態から大好き宣言は心に来た。

 微笑ましいものよ、思想相愛。いや、だからこれじゃ俺ただのロリコンじゃん。

アナグラの女性陣全員にドン引きされるの未来が見えてくるぜ……。

 

 

「ユウはどんな人が好み?」

 

「んー……しっかり者で一途で心の優しい人」

 

「しっかり者……」

 

 エレナが腕を放して、俺の手を握ったまま俺よりも少し前を歩く。

 

「急にどうしたんだ?」

 

「ユウの好みの女になるの。だからしっかり者になる。しっかり者は何時までもくっついたりしないでしょ?」

 

「一途だな」

 

 ただ声に呼ばれ、導かれたから助けただけなんだが……。彼女の眼には俺がヒーローにでも映ったのだろうか? 

 ここまで懐かれると別れの時が来たとき、何と言えば良いか頭を悩ませなくてはいけない。

 悩みの種が増えていく……。前途多難とは正にこの事。

 先人たちは実に為になる言葉を残してくれる。

 

 

 

「ねえ、ユウ」

 

「ん?」

 

「ありがとう」

 

 微笑んだ表情を見ると、再び胸と首が熱くなり、すぐに押し殺す。

 

「急にどうしたんだ?」

 

「私はユウに救われた。いつ死んじゃうかも分からない世界で、私を助けてくれた。そこから好きになって、大好きになった。大好きだからお礼を言うの。ただそれだけ」

 

「そうか、どういたしまして」

 

 この子は本当に良い子だ。こんな良い子が生まれる世の中はまだ捨てたもんじゃないが、ペニーウォートとか言う連中みたいに根っから腐ってる奴だっている。

 良い奴もいれば悪い奴もいる。世の中釣り合いが取れなければいけないのに、釣り合いは全く取れていないときたもんだ。悪い奴が多すぎる。本当にどうかしている。

 

 だからこそ、俺はエレナを助けたいと思っているんだろうな。

 この子にはいつまでも笑っていて欲しいものだ。この子の為ならなんだってできる。そんな気が根拠もないのに何処からともなく沸いてくる。

 

 それに納得している自分に呆れつつ、俺はエレナに手を引かれながら歩く。

 

 できる事なら一緒に居てやりたいが……。俺は既にバランに攻め入ってエレナを誘拐した犯罪者として他のミナトにもマークされているだろう。エレナも俺と同様だろう。

 形式上はバランの所有物と言うことになっている筈。下手なミナトに駆け込んだら引き渡される可能性も高い。

 

 目ぼしいミナトに着いたら、暫くAGEの境遇や他組織との関連性も見極めたのちにエレナだけを接触させて保護してもらわないといけない。

 着々と別れの時は近づいている。俺の体よ。頼むからこの子が安心して暮らせる場所が見つかるまでもってくれよ……。

 

 そう思った矢先、先程よりもエレナが強く手を握り締めてくる。

 

「…………ッ!」

 

 

 まるで絶対に離さない。何処にも行かせないと言わんばかりに。

 

 

「エレナ? どうしたんだ?」

 

「ユウ、1人で何処かに行っちゃいそうだもん。だから離れないようにしてるだけ」

 

「…………ッ……!」

 

 エレナと目を合わせた途端、首に何かが巻きつく感じと心臓を鷲掴みにされるような感覚が襲ってきた。

 

 眩暈がして膝を突く。

 

「ユウ……大丈夫?」

 

 身体に熱が迸り、エレナに握られている手がとても熱い。気づけば息も少し荒くなっている。

 意識が朧気になって咄嗟に空いた手が動き、エレナの腰に手を回して抱きしめる。

 

 

 いや、何をやっているんだ俺は。今日は朝からおかしいぞ本当に。

 

 

「んっ、ユウ……」

 

 顔を赤くし、もじもじするエレナを視界に入れると再び首と心臓に違和感が。

 歯を食いしばって堪え、これ以上変な真似をしないためにも、そのままエレナを抱き寄せて、腰に回した手で自分のシャツを思い切り掴む。

 あまりに強く握ったせいで掌に少し伸びてきた爪が食い込んで痛い。

 

 

 

「ユウ、やっぱり――」

 

 

 身体の熱と衝動を抑えるのに必死でエレナの声を聞いていなかった。聞き返すと「ありがとう、とっても嬉しい」と微笑む。

 

 

 

 エレナから離れ、先を急ごうとするとすぐに手を握られる。今度は意識しないように気を強く持つ。

 

 

 しかし、気を強く持とうにも胸や首から発生した熱さは全身に巡って熱さに呆けているとエレナを意識してしまう。

 

 くそ、なんなんだ……! 歯止めがきかなくなりそうで、恐ろしくなる。このままじゃエレナに……。ああくそ、なんなんだ本当に……!

 川に頭突っ込んで文字通り冷やしてやろうか。

 

 そう思い、エレナに手を離してほしいと伝えると、寂しそうな顔をしながらも承諾してくれた。

 そして川に頭を突っ込もうとしたとき、水面に異常な光景が映っていた。

 

 水面に映る俺の首には鎖が巻き付き、手首や足首に杭が刺さり、杭も鎖で繋がれている。

 

 なんだ、これじゃあ極悪人じゃねえか。そんな悪いことした覚えなんて――あ、戦争で敵国の兵士何人も殺ってるからアウトだ。

 

 てかそれだと出兵した連中は皆アウトやんけ!

 

 

 実際に自分の体を確認するが鎖も杭もない。

 

 安堵しつつ川に頭を突っ込んで数秒息を止めてから顔を上げるが、熱さは一向に収まらず、どうしたものかと頭を抱えたらエレナが頬を摺り寄せてきた。

 

「ユウ、大丈夫だよ。私が居るから」

 

 頭も撫でられ、抱きしめられると熱さは徐々に引いていき、熱さとは違う温もりを感じて暫くこのままで居たいと言う考えが過る。

 

 

 ああ、頭の中に靄がかかったような……このまま一緒に……。

 

 

 

『待てい馬鹿義息、それ以上染まるでないわ。愚か者め、首を出せ』

 

 

 頭に響いた唐突な死告と共に、軽く後頭部を小突かれた感じがしてすぐに正気に戻って気をしっかり持つ。

 

 

 いかんいかん、俺はとんでもない事を……。戒めなければ……。

 

 




関係ないけど虫歯ってクソだよね。
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