Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者 作:ロイヤルかに玉
神機を構え、攻撃に備えていつでも動けるように苦しそうに唸るリンドウさんを視界に捉える。
『グゥ……ウゥ……ガァァ‼』
悲痛な叫びを上げながら得物を振り上げ、接近してくるリンドウさんの攻撃を神機で受け止める。
「……ッ」
流石の馬鹿力だ……安易な防御は体力を消耗するだけでこちらの状況を不利にするだけか。捌ききれない攻撃は装甲で受け止めた方がマシだな。
3人で掛かればすぐに片が付くだろうが、レンの反応からしてあまり時間は残されていないだろう。極東のエースが助力してくれると助かるが、状況が状況。
先へ進んでもらおう。
「2人とも行けェ! こっちも片付いたらすぐに向かう! 心配するな!」
徐々にリンドウさんに押され始め、腰を落として必死に堪えて2人が進む時間を稼ぐ。
「ユウナさん、行きましょう!あのリンドウはリンドウ自身を侵食しているアラガミです。ここまで妨害してくると言う事は、奴も相当焦っていると言う事です。リンドウ自身も限界が近い筈、急がないと手遅れになります」
「っ……分かった。ユウ!」
ユウナの言葉に頷き、そのままリンドウさんの皮を被ったアラガミを弾き飛ばし、2人はゲートを開いてその先へ消え、アラガミも得物を片手に吠えながら2人の後を追おうとする。
「悪いが通行止めだ。此処は通さん」
ゲートの正面に立ちふさがって神機を構えて斬りかかる。
『ウがァ!』
雄たけびと共に攻撃を防いでそのまま諸共吹き飛ばそうとしてくるが、される前に腹に蹴りを入れて無理やり引き剥がして再び構える。
……っ、刀身の大きさからバスターブレード相当……純粋な力、地力は奴に軍配が上がるか。真正面から切り結ぶのは得策じゃない……。
迫る刀身を弾きつつ横へ受け流し、戦い方を考えるがその隙を突くようにアラガミは更に力を込め始め、受け流そうと神機の刃を合わせた直後にそのまま力づくで吹き飛ばされる。
「クッ!」
片手を床へ着いて態勢整えるが既にアラガミはこちらへ斬りかかってくる。神機を捕食形態へ切り替えて、エントランスの天井に伸ばして喰らい付かせ、そのまま縮ませて天井へ体を引き寄せてその場から離脱する。
アラガミも攻撃を中断してこちらへ向かって垂直に跳び上がり、神機を剣形態へ戻して落下しながら神機を構える。
『ガアァッ!』
「せあッ!」
掛け声と共に神機を振り、互いの刃がぶつかり合って火花を散らしつつ空中で何度か切り結ぶ。相手が鈍重な武器なら空中で仕掛けりゃ幾分かこちらが有利だが、攻撃はすべて巧みに防御された。
攻めを諦め、奴の得物を踏み台に跳び、奴から距離を取って宙を舞う。
『グゥ……!』
苦しそうなうめき声を上げた瞬間、奴の背中に翼のようなものが生え、そのまま猛スピードでこちらへ斬りかかってきた。
「マジかよッ……!」
迫る巨大な刀身を防ぐために装甲を展開するが、空中で受けたことも相まってそのまま壁へ吹き飛ばされて背中から壁へ激突し、痛みを堪えて次に備える。
今度は得物の切っ先をこちらへ向けて突き攻撃をしてこようとするのに対してすぐに壁を蹴って跳び、床へ着地する。
壁に刀身が突き刺さり、奴は乱暴に抜いて翼を羽ばたかせてこちらへ急襲する。
奴の動きをよく見て神機を構え、振られた刃が当たる直前で躱し、反撃を叩き込むが翼を盾にして凌がれた。
「っ⁉」
すぐに後ろへ飛んで距離を取って神機を構えつつ、次の攻撃に備えるとすぐに斬撃が迫る。思い切って奴の刀身の腹に斬撃を叩き込んで力尽くで弾き、無理やり隙を作らせてそのまま突き攻撃で翼による防御が間に合わない足を狙うが奴は跳躍して切っ先は空気を貫く。
跳んだアラガミが巨大な得物を叩きつけるように振り下ろし、後方へ軽く跳びつつ神機の刀身で防ぐ。刃同士の接触で喧しい音が響く。凄まじい衝撃に耐えつつ踏ん張りつつ神機を床へ突き刺して耐える。
アラガミが突き攻撃の態勢に入ったのを確認し、すぐにアラガミへ向かって距離を詰める。
まだ翼の動かし方に慣れてねえようだな。機動力さえ上回れば……!
迫る切っ先を受け流しつつ足を振り上げて刀身に踵落としを決めて床へ叩きつけ、 すぐに態勢を整えて肘打ちをアラガミの腹に打ち、即座に裏拳を叩き込む。
最後に肩先向けてそのまま体当たりを仕掛けてアラガミを吹き飛ばし、踏み込んで突き攻撃を仕掛けるが異形と化した腕で切っ先を受け止められ、そのまま弾かれて鋭い爪がこちらへ迫り、咄嗟に身を退いてやり過ごす。
『グゥアッ!』
近くのテーブルを持ち上げてそのまま投げつけられ、跳んで躱すが奴はその隙を突いて得物を取りに行こうとした。
「待ちやがれ!」
させまいと神機を投擲するが、右腕で弾き飛ばされて床に転がる。
アラガミが得物を手にし、空いた手で再び壁を掴んで引き剥がし、残骸をこちらへ投げつけてきた。
「あぶねえなおい!」
迫る壁の残骸を避けるとそのまま得物を振りかざして襲い掛かってきた。
振られた刀身を避けて腕を掴み引っ張りつつ足払いをし、投げ飛ばそうとするが空いた手で腕を掴まれ無理やり放り投げられた。
壁に叩きつけられて起き上がろうとすると頭上から刃を振り下ろされ、その場で後転して起き上がり、壁を破壊しつつ得物を振り回される。
後ろへ下がりつつ何とか躱して凌ぎ続けるが、奴は鉄の棒のようなものを左手に持って振りかぶり、咄嗟に躱す。
唯の鉄の棒とはいえ、あの剛腕で振り回されたら下手な武器より高い殺傷力を誇るだろう。
鉄の棒での突きを受け流して左腕を掴み、打撃を関節へ叩き込んで腕が曲がらない方向へ圧し折る。
『ガァアアアッ⁉』
苦し紛れに奴が巨大な刀身で大振りの振り下ろしを仕掛けようとした隙を突き、懐へ潜り込んで腕を交差させてアラガミの腕を挟み込んで攻撃を防ぐ。
ぶっつけ本番……やるしかねえな!
「無刀流!」
交差させて両腕でアラガミの腕を巻き込みつつ捻り、無理やり得物を手放させて刀身を蹴り飛ばす。
アラガミが俺を押しのけて得物を取ろうと跳び、俺も奴よりも早く落下する得物へ向かうために思い切り地面を蹴って跳ぶ。
奴の手が得物の柄に届くところで刀身を床へ蹴り飛ばして妨害する。
着地した直後、奴は爪で引き裂こうと異形の腕を振るが爪が俺の体を捉えるよりも早く腰を落として正拳を腹部へ叩き込むが強烈なカウンターを堪えて反撃を繰り出してきた。
咄嗟に躱し、今度は左手で殴りかかってくるが紙一重で躱してこちらも早さ重視の反撃を繰り出して次の攻撃に備える。
向かってくる打撃を受け流しつつ背後へ回り脇腹に回し蹴りを入れるが、これも耐えられて振り向きつつ反撃の裏拳が迫り、焦って身を屈めてやり過ごして顎をアッパーカットで打ち上げる。
『グゥ……ウがァ!』
怯みつつも屈んで爪を振り抜き下段攻撃を仕掛けてくるが、こちらは高く跳び上がって跳び込み蹴りを空中から浴びせ、着地から続けて片足で回し蹴りを叩き込み即座にもう片足で蹴りを脇腹に直撃させてアラガミを蹴り倒す。
しかし相手も受け身を取って態勢を整えてこちらを睨みつけてくる。
そして異形の右手を翳すと、床に落ちている奴の得物が霧散し消えたか思うとすぐに奴の手から生えてきた。
「マジかよ」
驚きつつも、こちらも床へ転がる神機を拾い上げて構えるとすぐに奴は得物を振り上げて襲い掛かってきた。
跳躍して得物で叩き潰すように振り下ろし、横へ跳んで躱し後隙を突いて近づくと奴はチャージクラッシュの態勢を取った。
それを確認して焦って距離を取って離れるが掲げられた刀身にオラクルが収束して禍々しい気配を放ち、奴は雄たけびと共に踏み込んで振り下ろした。
身体を逸らして何とか両断を回避するが、床にオラクルが収束し始めたのを見て第六感が警笛を鳴らし、即座に装甲を展開して床へ向けると同時に無数の棘が床から飛び出し、咄嗟に跳ぶ。
「っ⁉」
爆発が起こると思ったが、棘は予想外だ……!
神機の装甲はバックラーなので完全に身を守る事はできない。防御し損ねた棘の切っ先が体の至る所に突き刺さった。
咄嗟に跳ばなければ串刺しの刑に処されるところだった。
しかし次の瞬間、刀身が叩きつけられた床から光の柱が伸び、光が収束を始めてオラクルが膨張を始めた。
咄嗟に身構えてつつ装甲を向けるが、直後に凄まじい爆発が起こり防御は空しく崩されて強い衝撃を全身で感じ、吹き飛ばされた。
「がッ……!」
壁に叩きつけられて激痛が体を襲い、床へ落ちて転がる。
『ガアァッ‼』
立ち上がる頃には奴に追撃を仕掛けられ、歯を食いしばって激痛を訴える体に鞭打って無理やり構える。
「舐めるなァ!」
片足で立ち、体を捻り剣を両手で持って振りかぶる。
そして浮かせた足で思い切り踏み込み、渾身の力で勢いのままに剣を振る。
「吹っ飛べぇ!」
アラガミの胸部から脇腹を斬り裂いて吹き飛ばす。
起き上がったアラガミへ一気に距離を詰めつつ突きを放つ。
奴が刀身で防御しようと身構えるのを見越し、突き攻撃をすると見せかけて前進しつつ神機を下方から斬り上げてその勢いで跳ぶ。
予想外の攻撃に反応が遅れた相手がこちらを振り向く頃には、既に頭上を取り落下するとともに奴の首に手を回してそのまま背後を取って背中へ神機を突き立てて腹まで貫通させる。
『ガッ⁉」
神機を一気に抜いて傷口へ突き蹴りをかまして吹き飛ばす。
吹き飛んで瓦礫に叩きつけられた奴は傷口を押さえながら膝を突き、勝機とみてジャンプ斬りを仕掛けるが巨大な刀身を盾に防がれる。
刃が衝突した直後、互いに弾き返してそのまま切っ先を相手に向け、同時に突き攻撃を繰り出した。
迫る巨大な刀身の切っ先を何とか体を捻って躱しつつアラガミの胸に神機を突き立てる。
『GAAAAッ⁉』
アラガミが悲鳴と共に目を見開き、口から血を噴き出して異形の右手が得物を手放し、床へ落ちた。
『GAA……』
そのままリンドウさんの姿をしたアラガミは崩れ落ちて体が徐々霧散を始めて跡形もなく消え、神機に付着した血も塵へ変わって消え去った。
「たくっ、手間取らせやがって……!」
ユウナとレンの後を追おうとゲートへ走り出した瞬間、突然床全体が眩い光を放ち始めて周囲の景色も光に包まれる。
これは……手遅れか……? それとも……2人とも、やったのか……?
ライジングエッジのブラッド・バーストアーツで皆さんが好きなのはどれですか?
私はスワローライズが好みです。