Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者   作:ロイヤルかに玉

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未だにルビの振り方が覚えられない。


おー怖い怖い。

「やっと着いたか。長い空の旅だった……」

 

 出発の際にはコウタやタツミが見送りに来てくれた。コウタからお土産宜しくと言われたので忘れないうちに買った方がいいだろう。

 あー疲れた。ヘリに揺られるのも中々堪える。

 ヘリのパイロットとかよく何時間も操縦できるな。俺だったら途中で飽きて居眠り扱くぞ。

 

 ゲートを通ってエントランスに出ると、アナグラとは比にならないぐらい広い。

 

 資料によると、案内してくれる奴が居るとの事だ。とりあえずゲートの傍で待機していれば出迎えに来るとの事らしいので邪魔にならないところに突っ立っていることにする。

 

 

「よ、ユウ。約4か月ぶりか?」

 

 俺と同じようにフェンリル制服に身を包んだ男が声を掛けてきた。

 

「ああ、ジャックじゃねえか。まだセクハラ発言してんのか?」

 

「ははっ、会って早々辛辣だな?」

 

 俺の言葉を笑って受け流したこいつは同期のウィル・ジャクソン。

 名前がちょっと長ったらしいから俺はジャックって呼んでいる。下ネタ大好きなセクハラ野郎だ。

 

「悲しいことにセクハラ野郎こと、俺がお前の案内役だ」

 

「ナチュラルにこっちの心を読むな。しかし、神機使いのお前が案内役? なんだ本部って暇なのか?」

 

「まあ、忙しくねえのは確かだな」

 

 ジャックの後を追いつつ、互いの近況を話す。

 

「極東じゃ色々いざこざがあったみたいだな」

 

「ああ。そっちもそっちでなんだかんだ忙しかったんじゃないのか?」

 

「忙しい奴は忙しかったんじゃないのか。俺こそアメリカ支部でちょいとやる事があったが……」

 

「ほーん……」

 

 ジャックが隣で端末を弄り、俺に画面を見せてきた。

 ただ一文のみが表示されていた。

 

人狼部隊(ルー・ガルー)って知ってるか?』

 

 なんか名前からしてロクでもない雰囲気を感じ、こいつが態々こんな回りくどい方法で聞いてきたあたり、あまり口にして良い事でないのがなんとなく察せたのでこちらも端末を取り出してメールを開き、本文に返事を書いてジャックに見せる。

 

『知らん。どうせ碌なもんじゃないだろ?』

 

『その通りだ。だが、お前の耳に入れておきたい』

 

 一々画面に表示してやり取りするのも回りくどいので誰にも盗み聞きされなさそうな場所で話せと伝える。

 

 *

 

「んで、ここがお前の宿泊する部屋だ。幸いな事に医療棟のすぐ近くだ」

 

「そりゃ助かる。正直、迷宮にしか見えなくてな。あまり動きたくない」

 

「そりゃそうだ。俺だって偶に迷うもん」

 

「お前もかい」

 

 

「なあ、ユウ」

 

「何だよ」

 

「女の子とパコりてえな」

 

 唐突過ぎるだろコイツ。さっきシリアスな話したばかりなのにいきなり下世話な話を切り出すってマジでこの男の思考回路はどうなっているのだろうか。

 

「アンタ正気か? そんなにヤリてえなら風俗にでも行けばいいだろうが」

 

 ホントに下世話な話しかしねえなこの猿野郎。いきなり「女とパコりてえ」とかそれを男の俺に言われても困惑するだけなんだよなぁ……。

 

「いやーサクヤさんとか良いよなぁ……」

 

「お前人妻に手ェ出すとかイカレてやがるぞ。質悪ぃな」

 

「え!? サクヤさん結婚したの!?」

 

「ああ、リンドウさんと結婚したぞ。昔からの馴染みなんだから当たり前だろう?」

 

「マジかー。なあ、極東には良い感じの女の子とか居ないのか?」

 

「あん? 良い感じの……?」

 

 こいつが知ってる女性ならジーナと誤射姫辺りか……。あとユウナとアリサはこいつが異動した後に配属されているから知らねえか。

 そういや、アリサって年頃の男子には中々刺激の強い格好していたな。多分こいつがアリサに会ったら速攻で口説きに行ってドン引きされて終わるんじゃなかろうか。

 

「まあ、股間にぶら下がっているムスコによろしくない恰好した女は居るぜ」

 

「マジで!?」

 

「まあ、お前みたいな奴が口説いたところで『ドン引きです』って言われて撃沈するだろうが……」

 

「何それ、ちょっと言われてみたい……!」

 

 

 (^o^)<うわー無理ですこの人―。

 

「お前ちょっと今のはマジねーわ」

 

「ユウなら分かってくれると思うんだが……」

 

「いや、分かりたくもねーしテメエと同類とか冗談じゃねえよ」

 

 

 ほら、こんな会話してるもんだからなんか女性職員にヒソヒソ話されてるじゃねえか。おいおい俺も査問会にお呼ばれとか冗談じゃねえぞ。

 ジャックに行くぞとハンドサインを送ってその場を離れる。

 

 人気のないバルコニーへ向かい、眼下に広がる居住区や商業区を見下ろしながら先程の話の続きを聞き出した。

 ジャックが端末から音楽を流し、話の続きをする。

 

「まあ、良くある特殊部隊だ。と言ってもフェンリル自体、特殊な部隊ってのは数えきれないほどいるし、お偉いさんしか知らない部隊もある。人狼部隊もその例に漏れずだ」

 

「俺らみたいな入隊1年も経ってない連中が知って良い話じゃ無くね?」

 

「その辺りの調査が、入隊直後の俺への仕事だったってわけさ。そういう任務を請け負うのが入隊の条件だった。前任者が親戚でな。何の因果か、俺が適合した神機の元の主がその人のなんだ。極東の言葉で、白羽の矢が立ったとでも言えばいいか」

 

 元からそのつもりで入隊したのか。まあ、経験積むなら極東が最適だろう。実際にこいつは優秀だった。同期の中じゃ断トツで、あまりに優秀だったから本部に引き抜かれたと思っていたが、元より経験を積んだらすぐに本部へ引っ張られていく予定だったか。

 

「で、人狼部隊ってのは対人・アラガミ討伐なんでもござれの連中だ。アラガミ化した神機使いの処理もするとの噂だが……」

 

「明らかにかかわりたくない連中だなそれは。厄介な仕事を押し付けられたな。同情するぜ」

 

「同情するなら風俗で遊ぶ金をくれ。ま、おふざけはさておき……連中、フェンリル高官と癒着してるらしくてな」

 

「へー、やっぱり裏って怖いわ」

 

「特に、極東所属は気を付けた方が良い。本部のお偉いさんは榊支部長を敵視しているからな。それについてはシックザール前支部長もそうだったが……」

 

「まさか、俺をどうこうする気か?」

 

「さてな。だが、お前の事情は把握している。事前に榊博士から連絡が入っていてな。蹴落とし合いで地位を手に入れた連中だ。いつ爆発するかもしれない危険物を抱えようとするほど間抜けじゃないことを祈るよ」

 

 博士にもいつ爆発するか分からない爆弾的な表現をされたか。頭の良いい奴ってのは皆、思考が似ているのか。

 

「兎に角、本部じゃあまり動かないようにした方が良いい。ターミナルを弄るのにだって細工されていても可笑しくない。こういうところは何でもかんでもやれ認証が云々ばかりだ。時間指定できる爆弾ってのは便利なもんだろ?」

 

 おー怖い怖い。ホントに生きる辛くなる環境だなこういう場所は。ジャックに同情するし、そんな連中に牽制を掛けている榊博士も苦労しているんだな。シックザール支部長もアーク計画進めながらお偉いさん相手に奮闘していたか。惜しい人を亡くしたな。

 

 

 

 ジャックと話しこんでいる内に晩飯の時間になり、俺とジャックは食堂へ向かう。

 とりあえず最安値のメニューを頼み、ジャックは普通に山盛りで食べる。

 

「何だユウ、もうそろそろ1年経つのにまだ食が細いのか?」

 

「お前が食いすぎなんだよ。それに万年節約だ。お前こそ随分羽振りがいいな」

 

「ああ、先月所属している部隊の副隊長に就任してな。まあ、役職手当ってやつさ。報酬の高い任務も回ってくるようになったしな」

 

「お前それに加えてさっきの仕事してんの? 体壊すぞ」

 

「誰かがやらないといけない仕事だ。しかし、何かお前の食事の量見てるとなんかアレだな。ほら、食えよ」

 

 そう言って俺の皿にから揚げを乗せてきた。

 

「ああ、すまん」

 

「いいって事よ」

 

「そういや、お前入隊する前は学校通ってたって言ってたよな?」

 

「ああ、それがどうした?」

 

「どこの学校だ?」

 

「狼鳳軍事」

 

 ああ、そりゃ成績優秀なエリートだわな。俺の成績2倍にしてもこいつの成績に届かなかった。あ、そういやユウナも狼鳳軍事の出身だったか、もしかしたら知り合いかも知れないな。

 

「お前学校に居た時に神薙って奴居なかったか?」

 

「神薙? ああ、別の学科だな。会話した事はねえが知ってるぞ。学年主席のスーパーエリートだ」

 

「マジか。そいつ今極東で第1部隊の隊長やってんだ」

 

「ほーん、神薙もフェンリルに入隊したのか。しかも第1部隊って極東が誇る最高戦力じゃねえか。流石はスーパーエリートだな」

 

 エリートの中のエリートって訳か。確かジャック自身は成績に関しては中の下って言ってたか。そしてユウナはエリート集団のトップか。そりゃ優秀だわな。

 というかジャックでさえ中の下なのに、俺はジャックの半分以下の成績って単純に考えればヤベェな。いや、まあ学校の成績を訓練や筆記の成績と比べてどうするんだって話だが。

 

 

「あ、副隊長」

 

 女の子の声がして2人して振り返るとそこには俺達と同じように右手首に腕輪を着けた少女が立っていた。

 

「おう、リサ。どうした?」

 

「実は午前の戦術指南で聞きたいことがあったんですけど……」

 

「ああ、都合の良い時でいいから連絡寄越せ」

 

「はい、ありがとうございます。あ、そちらの方は?」

 

 リサと呼ばれた少女が俺に気づいてジャックに聞く。

 

「ああ、俺の同期だ。ユウ、こっちは同じ部隊所属で俺が教育担当しているリサだ」

 

「極東支部のユウだ。よろしくな」

 

「は、はい! よろしくお願いします!」

 

 そう言って頭を下げてリサは食堂を後にして行った。

 

「教育担当って事は直属の部下か?」

 

「ああ。俺こそまだ入隊して1年も経過してねえから経験積んでおくって事で1人だけ新人の教育を任されたんだ。教育方針に関しては先輩方に相談しながらやってる。まだ手の及ばないところもあってな、先輩にも力添えをして貰って何とかやっている。俺は不甲斐ない先輩だが、よくついて来てくれるよ」

 

「お前マジで体壊れてんじゃねえのか。さっきの仕事に通常任務に、更に新人の教育ってオーバーワークだぞ」

 

「良く食って良く寝れば何とかなるぞ。多分」

 

 すげえな、皆。

 俺の周りの人間揃って優秀すぎて俺だけ取り残されているような気がしなくもない。

 一応後輩にあたる筈のユウナとコウタも今じゃ俺より上だしな。その内アネットやフェデリコにも追い越されるんだろうな……。

 




ゴッドイーター3プレイ前

ワイ「〇犬居るってことは切断特化ショートがあるに違いない。速攻で作るからなァ?」

プレイ後

ルーガルー「お待たせ」(貫通複合)

ワイ「ふざけんな!」(破砕武器へ浮気)

ルーガルー「あァァァんまりだァァアァ‼」
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