Nameless Story 1人孤独に立ち向かわざるをえない者   作:ロイヤルかに玉

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初っ端から下品な話で盛り上がってます。下ネタ注意です。


アモルに体当たりされた。痛かったです。

さあ今日も一日頑張るZOY☆

 

仕事を始める前にトイレでも行くか。偵察任務に出て漏れそうになって立ちションなんてしようものなら上か後ろから喰われてしまう。死因が用を足している時に不意を突かれて喰われたとか恥ずかしいからな。

 

そういや、汚ねえ話だけど男子の諸君は用を足すとき、2WAY射撃になった事は無いかな?

不意に2WAY射撃になって便座カバーなどがダメージを受けた日にはため息が出るよな。

そもそもな話、大便器に立小便したら目に見えないレベルで飛び散って床や壁にダメージを与えているから注意な。

 

なんでこんな下品な話で盛り上がってんだろ俺。とりあえず用を足すか――

 

「え、何これ?」

 

トイレに入ると、便座カバーと左の壁、右の壁が思いっきり濡れていた。

おい誰だよ!? 3WAY射撃した奴! せめて掃除してから出てけよ! 掃除のおばちゃんが可愛そうじゃねえか! 人間の所業ではない!

 

用具入れを開けて、ゴム手袋を装着する。このままにしておくのも汚いので掃除する事にした。トイレを綺麗に使うのは当たり前の事だ。というか張り紙あるじゃねえか。おばちゃんに掃除させないで自分らに掃除させないと分からないだろうな。掃除の大変さってのは。

 

 

掃除を終わらせ、俺自身も用を足してエントランスへ任務を受けに行く。

 

「おはようヒバリちゃん。偵察任務が来てるって聞いたんだけど」

 

「おはようございます。平原地域で多数の反応があるので調査をお願いしたいとのことです」

 

「了解した。至急現場に急行する」

 

そんな訳で今日のファーストミッションは平原で調査だ。さっさと終わらせてくるか。

 

 

 

先程、平原地域まで調査しに行ってきた、多数の反応の正体はコクーンメイデンが群生していただけだった。まあ、こんなもんだよな。楽な仕事で助かった。

ん? 2人男女が仲睦まじく話している……。2人とも右手首には俺と同じ赤い腕輪をつけている。あの2人を見ていると腕輪がペアルックに見えてきた。

ね、妬ましい……! こちとら仕事に精を出しているのにあいつら……楽しそうに……!

あの2人の足元に手榴弾転がしてぇな。余裕で吹き飛ばせる気がする。

 

「ユウさん、新しい任務が来てますよ?」

 

「え? 新しい任務?」

 

「はい、今度は発電施設跡での偵察をお願いしたいそうです」

 

「分かった。急行する」

 

 

 

偵察の結果、小型アラガミが多数徘徊している程度だった。しかしやけに上からの奇襲が得意なオウガテイルが居たな。6回ぐらい上から襲ってきたぞアイツ。まあ、たかがオウガテイル、大したことは無いだろう。上を警戒しつつ戦ってれば問題ないだろう。

 

「あ、ユウさん。新しい偵察任務が届いてますよ?」

 

「え?また?」

 

 

 

市街地エリアで偵察してきた。コンゴウ君とリアル鬼ごっこをしてきた。途中でコンゴウ堕天種君も参加してきた。俺より足は遅かったです。その後、アモルが現れました。あいつはいつも逃げるくせして、俺が神機を持ってないから調子こいたのか、体当たりで攻撃してきた。痛かったです。

 

なんで小学生の日記みたいになってんねん。いや、それよりもアモルだよアモル。あいついつも神機使いを見たらとんずらこくくせして、何故か俺に体当たりを仕掛けてきた。俺もアモルは攻撃してこない筈だと思って油断してたけど、何やねんアイツ。丸腰の奴が相手なら倒せるとでも思ったか。蹴飛ばしてお星さまにしてやったよ。

 

「ユウさん、榊博士から調査して欲しい事があると……」

 

「今日の俺フル稼働してると思わない? ヒバリちゃん」

 

「いつもと変わらないじゃないですか?」

 

笑顔で返され、間の抜けた返事を返す事にした。

しかし、榊博士か……。また厄介な仕事を持って来たわけじゃないだろうな。

 

 

 

「極東支部より、遥か南に位置する島を調査してもらいたいんだ」

 

「島? 島って太平洋側にはいくつもあるじゃないですか。何処の島ですか?」

 

「ここだよ」

 

榊博士が地図の上に指を置き、示す。

此処は――。

 

「……………………皮肉だな」

 

榊博士には聞こえないようにボソッと

 

「ん? 何か言ったかい?」

 

「いえ? 何も?」

 

榊博士曰く、世界にはアラガミの出現以降、人の身では立ち入る事の出来ない場所があるらしい。そこにはアラガミとは違う何かが居る等といった仮説が立てられており、つい先日この島にだけはアラガミが出現しない事が分かったらしい。極東支部はあまり積極的ではないが、数年前から太平洋に存在する島々の調査をしていたようで、他の島には普通ににアラガミが出現しているが、榊博士が示したこの島には不思議な事にアラガミが出現していないとの事。距離が距離なので中々調査が進まなかったが、不測の事態に対応且つ、調査に回せる神機使いが居るので丁度良いと判断したらしい。

 

そうだな、ある程度不測の事態に対応できて調査や偵察、雑務しかできない暇な人間が今榊博士の目の前に居るからな。

 

「調査自体は定期的にで構わないよ。距離が距離だからね」

 

「分かりました。ただ早い方がいいでしょう? ヘリに空きが出来次第、一回調査に向かおうと思います」

 

俺がそう言うと、榊博士は眼鏡の位置を直た。

 

「分かった。だが、気を付けるんだよ。アラガミが出現しないと言う事が事実だとしたら、アラガミを超える何かがいると言う可能性がある。そして、それが人類にとって害か無害かは分からないからね」

 

「承知の上です。ただ、ボーナス弾んでくださいよ?」

 

 

 

「ここで構わない。降りたらすぐに戻ってくれ」

 

「分かりました。お気をつけて!」

 

ヘリのパイロットに礼を言い、ヘリから飛び降りて地面に着地する。ヘリはすぐに極東支部へ帰投していった。アラガミが出現しないか……。

しかし、至る所に喰い荒らしたような跡がある。どうやらアラガミが出現しないという話はデマだったようだ。今まではただヘリの上から観測していただけらしいので、アラガミがレーダーに引っかからなかっただけだろう。

 

この島の南西端に火砕丘が位置している。まずはそこへ行こうか。道は……多分こっちだな。喰い荒らされて凸凹になった道……。変わらないな此処は……。

火砕丘の麓に着くと、地面に手を置いてそっと地面を撫でた。

 

「はは……来ちまったよ……」

 

自然と口に出し、土の中で眠る今は亡き命に、魂に語り掛けていた。

 

しかし、アラガミが居た形跡はあるのにアラガミが全く見当たらない。意識を集中して周囲の気配を探ってみたが、まったく気配がしない。

 

アラガミが出現しない――ではなく、アラガミが近づかない? それも変な話だ。仮にそうだとしたら、この島そのものがアラガミ装甲壁と似た原理を持っているという事になる。

 

とりあえず、島を一周してから榊博士と連絡を取ろう。何も今日中にこの島を調べる訳ではない。気長に調査するとしよう。この島について解析するのは博士の仕事だ。

こんなものがあっただとか、報告するだけでボーナスがもらえるんだ。最高の仕事じゃないか。

 

* 

 

 

「成程、アラガミ喰い荒らされた形跡はあったが、肝心のアラガミが1匹も居ないか……」

 

榊博士が顎に手を当てて呟いている。

 

「一回りしたけど、喰い荒らされた形跡自体がそこまで無かったな。齧ってみたらあまりにまずくてやっぱり喰うのを辞めたって感じだな」

 

「中々興味深いね。アラガミ装甲壁と似た性質を持つ島か……」

 

ソファーに腰を掛け、茶を飲みながら寛ぐ。この茶、中々美味である。これで甘いものがあれば完璧だった。

 

突然、ラボの戸が開き、俺と博士は入り口を見る。そこには新型ちゃんと新人君が立っていた。ああ、なるほど……。あの退屈な講義か……。俺も受けたから分かるぞ。いってることちょっと難しくてチンプンカンプンで話聞いていたら眠くなってきて……。

 

「ああ、待っていたよ。少し待っていてくれ。講義の資料を準備するから。ユウ君、手を貸してもらえないか? 2人は座って寛いでいてくれ」

 

「ああ了解」

 

ソファーから立ち上がって、機材の準備をする。

 

「あん? 博士、このケーブル何処にぶっ差すやつです?」

 

「それはモニターの裏の……そう、そこだ」

 

「ユウ君も講義を受けないかい?」

 

「勘弁してください、俺にあんなごちゃごちゃした話が理解できる訳ないでしょう?」

 

「まあまあ、君の座学の成績は少し如何なものかと思ったから、復習だと思って」

 

えぇ~。マジでチンプンカンプンなんだよなぁ……もう途中から寝落ちしようかな。

 

「そんな訳で2人とも、今日限り君たちと一緒に学ぶ同級生だ。彼もまだ入隊して半年しか経っていないから君たちと同様、まだまだ新人だ。年も近いし、互いに親しみ易いと思うよ」

 

いや、受けるなんて一言も言ってないんでけど……。ホントに話し勝手に進めるの好きだなこの人。しゃーないか、寝落ちしてサボったろ!

 

「ユウだ。とりあえずよろしく」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「よろしくな、ユウ!」

 

新人君――コウタって結構フレンドリーだな。つ-かコミュ力高くねえか? そして新型ちゃん――ユウナはガッチガチに緊張しているようだ。

 

「まあ、そんな硬くならずにさ? コウタみたいに砕けた感じが丁度良いぜ? 俺も入隊して1年も経ってないんだ。同期みたいなもんさ」

 

「は……う、うん。分かったよ」

 

若干、あれだがユウナも友達と話す感じでしゃべる。まあ、その内慣れるだろう。最初は苗字にさん付けで呼んでたけど、少し仲が良くなったら普通に名前を呼び捨てで呼ぶみたいな感じだろう。

 

3人で並んでソファーに座った。ここから地獄のような退屈な講義が始まる。いや、勉強とかもそうだけど、内容が理解できれば楽しいのだろうができなければつまらないことこの上ない。持たざる者は辛いよ……。

 

 

 

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