沖縄民謡を元にした曲ですね。本編では唄者と言う、ウタかノロ的で年齢不詳な謎のお姉さんが歌ってた曲で、切れ切れでしか聞こえないんですが、通しで聴いているとエキゾチックでなかなか好み。唄者のCV宮原永海さんが歌ってます。
『うみもの』自体はパチンコ原作だけあって詳しくないんですが、いやいや「空の巫女」になった夏音とか、主人公の妹ウリンちゃんみたいなオリジナルキャラが面白かったですね。基本的に巻き込まれ型でストーリーが進んで行く所とか(笑)。
実を言えば、フリード星では角の生えた人間は珍しくは無いらしい。
惑星テーラでのアトランティス人の血統を引く人間として、生まれて来る確率が高いからだが、それが表に出る事はまず、あり得ない。
純血を尊ぶフリード星人は、分娩直後に角付きの〝鬼〟を闇へと葬り去ってしまうからだ。
「王家の人間に、鬼が生まれたと知っては只では済まないでしょうね」
「そう言う事です。しかも、この鬼の血統はヤーバン側にはありません」
そうなのだ。
記録を紐解いても、ヤーバン王家に角が生え者が存在したという記録はない。
と言う事は、この鬼が生まれる遺伝子はフリード星の王家側にあると言う事だが、その事実をフリード王家が認める筈は無い。
純血属であるとの誇りを、自らが否定する訳には行かないからだ。
「では?」
俺はカプセル内で、すやすやと眠る女の子を眺めながら問うた。
政治的に考えれば抹殺するのが一番だろう。だが、ヤーバン大王たる父はそれを望むまい。
「父上もフリード王家の権威が、今後の統治に必要なのは分かっています」
「ジレンマですね。公式に発表も出来ないとなると、誰かの養女として託しますか?」
第一王女、後に姉の称号であるルビーナの名を継ぐのだが、これは後の話だ。を俺が養女とした様にだが、さすがに第二王女は公表出来ない分、かなりハードルが高くなる。
「第一王女なら、死産は表向きで裏から引き取ったとも告げられるのだけど、角の生えた娘が生まれた事はフリード王家に知られる訳には行きません」
「知られたら、刺客が必ず襲って来るでしょうね」
姉は「整形すると言う訳にも行きません」と真面目な顔で呟く。
うーん、フィリピンで大人気になったロボットアニメに出る親父の逆パターンだな。
あっちは王家の赤子に角が無くて、作り物の角を与えて周囲を誤魔化す話だった。
「赤子が小さいから、体力的に無理ですよ」
「……では、どうすれば」
と言われても困る。うろうろと部屋を歩きながら、俺は第二王女の存在を秘匿する為にああでもない、こうでもないと考えを巡らせる。
生まれたばかり、しかも体力的に脆弱な未熟児だから、基本的にここから動かすのは困難だ。
「隠し部屋でもあるなら、一時的にそこへ隔離して秘匿も出来るんですけどね」
と口に出すと、姉は「まぁ!」と顔を輝かせる。
俺は「まさか、あるんですか?」と突っ込むと、大仰に頷く姉。
「……問題は、その部屋に赤子の面倒を見る施設と人員を配せるか、ですね」
単にカプセルを放置するのでは自殺行為である。
最低限、赤子の世話を担当し、万が一の時に備えるスタッフとこの医務室並の医療施設を揃えて置かねばばならないのだが、そんな都合の良い話は……。
あった。
「地下のシェルターを転用しましょう」
「え?」
姉の話によると、緊急避難用の施設が地下にあるらしく、小規模ながら医療施設もあるらしい。
無論、王宮のフリード星人も知らないし、身内の俺だってたった今、知った事実である。
「基本的に私と父上、それに特殊工作部隊の者しか知りませんからね」
「特殊工作部隊……」
父の配下、ヤーバン軍親衛隊所属の虎の子である。
ランクAAAクラス以上の極秘施設、秘密の実験施設や特殊基地を建設に携わる工兵で、彼らの関わった物件はいずれも最高の軍事機密となっており、その実態を知るのはごく一部の人間だけだ。
ちょっ、父上はそんな連中を姉の為に動員してたのか!
「そ、それでも秘匿はあくまで一時的ですよ。成長したらどうにかする必要があります」
「無論です。何時までも、陽の射さない地下に閉じ込めては置けません」
いや、そう言う意味もあるけどさ、これからの扱いなんだよ。
戸籍なり何なり、社会的に身分与えないと将来、困るだろ?
王族であるから権力を悪用して、途中で偽造して何とかするって手もあるけどさ、出来れば今からその準備をしておいて、大手を振って外を出歩ける環境は整えてやりたいと思う訳なんだよ。
「任せます」
それを聞いた姉の答えがそれであった。
ま、ま、丸投げかーい!
姉は「少なくともベガならば、ブーチンよりもまともな知恵が回りますからね」と言ってのけ、フリード星の義父母へ王子誕生を報告する為に、その場を去ってしまった。
で、遺された俺が七転八倒する目に陥る。
◆ ◆ ◆
てな事があったのが、出産当日。
あれから数ヶ月が過ぎ、離宮での冒頭シーンに移る。
「姫は、マリアは順調に育ちました。これもベガ、貴方のお陰よ」
「いえ、ぼくはスタッフを派遣しただけです」
「長女……、ルビーナの方は?」
俺が「順調ですよ。歩き回ってます」嫁げると、「マリアはまだ、はいはいなのよ」と恨ましそうだ。宇宙を旅させるのにも慣れさせる為、そろそろ姉へ顔見せに連れて来ようかとも思う。
いや、一歳の子供にはまだ過酷だな。
「テイルには世話を掛けてしまったわね」
「お気になさらずに……。あたしが居なくとも、ベガ殿下には優秀なスタッフが居ますから」
うちの侍女長が頭を下げる。
いや、姉上付けとして出向させてたから、元侍女長と言うべきかな。
「肩書きは残ってるから、いつでも復帰してくれよ」
「マリア様が、もう少し大きくなってからですね」
最初、「赤ん坊の世話を押し付けるんですか!」とかヒステリー気味になって他のは何処へやら、暫く世話していたら情が湧いたのか、そんな答えが返って来た。
「取りあえず、仮の戸籍の件は何とかしましたよ」
「誰の子供と言う事になったのです?」
「オストマルクの知り合いです。これにはヨナメと.Drヴォルガに働いて貰いました」
差し出した書類にテロンナ王太子妃は目を通す。
「フリード星の貴族が関わっているのですね」
「名義を借りただけですよ。金次第でどうにもなる奴の宛てがあったので……」
これにはシャーマン族のネットワークを利用させて貰った。
金に困ったフリード貴族を適当に探し出し、こいつに鼻薬を嗅がせてどうにでも操れる傀儡としたのである。
一応、マリアはこの貴族の遠縁となっており、いずれはオストマルクへ第二王女を留学の形で移す予定であった。
「ご苦労様でした。貴方自身の仕事も忙しいのに、本当に良くやっくれました」
「大丈夫ですよ。さて……」
俺は侍女代理となっているヨナメに視線を走らせると、彼女はこくりと頷いた。
「そろそろ時間ですね」
「ん、じゃあ行くか。大尉達は護衛をしっかりと頼むぞ」
アラーノ大尉、バンダー中尉、そしてゴルヒ少尉が一斉に敬礼する中、俺は離宮の外へと歩き出した。
いよいよ、夢であった〝ベガ星連合軍〟が結成されるのだ!
〈続く〉
約2,600文字。
はい、鬼姫ちゃんはマリアでした。
って簡単だったよね、富山デュークの妹なんだから(笑)。
鬼姫マリア、あの『サイポリス』の続編に出て来そうな、剣豪になったら楽しいんだけどな。
全然関係ないけど、昔PBM用に考えた「クーネル・アソブ」って名の喰う・寝る・遊ぶ女性キャラを登場させようか悩み中。ルビーナかマリアの学友に(笑)。