ベガ大王ですが、何か?   作:ないしのかみ

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今回の作業用BGMは『陸上防衛隊まおちゃん』から、「結成!総合防衛隊」です。
この作品のBGMはピアノ。とにかくビアノばっかりなんで印象に残ってます。劇伴でピアノと言うと故、羽田健太郎さんを思い出して涙。この曲は防衛隊出動シーンに良く使われてましたね。

同じ原作者の『ラ〇ひな』のパロがやたら多かった作品。CVも一部被ってました。キャラではエイリアンコンビの書記役、宇ちなみが好きでした。CVの井浦愛さん、最近見ないなぁ。


123(閑話)

フリード星の離宮。

 

「ウードウ魔術団が撃退されましたか」

 

 やや、情報が遅れるのは宇宙時代であっても仕方がない。

 おもつを換えるテロンナの声に頷くのは、ツイン・テールである。

 

「バトルホークが間に合ったみたいだ」

「それでも犠牲者は出てしまった……」

 

 沈痛に話す皇太子妃に対して、学者の顔をしたまま、ツインは肩をすくめながら「あんたはデューク、フリードの力になりたいと願ったろう?」と強めの口調で問い質した。

 

「そうですが……」

「なら、そいつは大事の前の小事と斬り捨てるしかねぇ。

 俺達はウードウに喧嘩を売ってしまったからな。反撃は予想は出来ていた筈だし、流血の事態になる事も想像出来た。それでも行う必要があった。違うか?」

 

 テロンナは沈黙した。

 ツイン・テールは「ま、お前さんが嘆くのも理解は出来るがね。世の中、綺麗事では解決しないってこった」と、肩にぽんと手を置いた。

 同時にもっと時間が欲しかったとも思う。

 デューク・フリードが宇宙の深淵に消えるのは、テロンナの予知で予想は出来ていて、それに対する対策は以前から極秘裏に進んでいた。

 が、怪物戦艦〝オリオンの虎〟の出現は全くの不意打ち。唐突な出来事であり、それが未対応のまま、当のデュークが消え失せてしまったのだ。

 

『精度の問題だがな』

 

 超能力、特の予知の類いは余程の強い能力者でない限り、何時、何処で何が起きるのかの正確な座標が特定出来ない。

 ヤーバンの〝先見の姫〟クラスではない、テロンナの能力では限界があったと言う事だ。

 

「……それで、準備は整いますか?」

「マリアの問題さえ解決すればな。奴も言ったたろう」

「大人は大丈夫だが、普通の宇宙飛行ではないから、幼子には負担が大きすぎる。ですか」

 

 ツインは頷き、赤子を見て「俺も同意見だ。最悪、マリアをこの世界に残して行く必要があるかも知れん」と断言する。

 

「デュークを取るか、マリアを取るか、ですね」

「ウードウの二次攻撃は、最悪、すぐに始まるかも知れん」

 

 時間はないのかも知れないのだ。

 考古学者はツインテールとスカートを翻して、「明日までには用意万端に整えておくよ。それまでにマリアの方針を決めておいてくれ」と言い残して、部屋を出た。

 テロンナは深くため息をつく。

 

「居るのでしょう?」

「流石は姫。いえ、皇太子妃閣下でいらっしゃる」

 

 カーテンの影からぬっと現れたのは、大柄の軍人だった。

 

「貴方に頼みたい事があります」

「何なりと……」

 

 その男はつかつかとテロンナに近づくと、腰を落としてその手に接吻をした。

 

              ◆       ◆       ◆

 

「間に合うのか?」

 

 整備室に帰った来た男の娘へ、護衛の人間が駆け寄る。

 ガタイはでかいものの、外見とは裏腹に兄と違って小心者であるらしい。

 

「今夜中に仕上げる。まぁ、見てろ」

 

 工具片手ににっと笑い、機関部に中枢を組み込んで行く。

 複雑怪奇な古代紋様を解き、回線を理解して最新の宇宙機関へと合体させる面倒な仕事だ。

 

「理論的にはこれで完璧な筈だ。ガッタイガーのそれが完璧に作動しているしな」

「ウードウの技術か」

 

 僅か、指先サイズの青く光る石。

 いや、石ではなく、古代文明か生み出したオーパーツ。

 現代語訳だと光量子エンジン。それを見詰めながらバンダー中尉は呻いた。

 

「そうだ。もっとも、もっと近所に宛てがあれば、キバラ文明なんて厄介な所からはこいつを調達しなかったよ」

「例えば?」

「バトルホークの斧とかな」

 

 中尉の顔が歪むのを面白そうに見て、ツイン・テールは破顔した。

 実際、宛ては幾つもなかった。

 バトルホークやアステカイザーは所持しているだろうが、何処に居るのかは不明で、「譲ってくれ」と頼んだってすんなり渡してくれそうもないし、下手すると命が幾つあっても足りない。

 フリード星はまだ幾つか隠しているかも知れないが、闇の中だし、ベガ星の遺跡にあった奴はマザーバーンに鎮座してて、取り外せない。

 で、目星を付けたのが、次の調査対象になっていた惑星ウードウのキバラ文明だった。

 

「まさか守護者が生きていて、甦ってくるとは思わなかった」

「ゾウラとか言う、黒豹ババァですか」

「黒豹ババァ。いいな、それ!」

 

 黒衣を着て豹の仮面を被った老婆、バンダーが名付けたその渾名にツインは爆笑する。

 

「やつらの事だ。この〝ボンパ〟の像を取り返す気でいるんだろうが……」

「取り戻しに来ますね」

「ああ、だがベガ殿下の水晶宮ではないよ」

 

 既に失敗しているし、その守りが尋常でなく高いのを痛感しただろうからだ。

 向こうから見れば、藪を突いて蛇を出した様な物である。

 ウードウ魔術団だって事前の情報収集はしていたのだろうが、まさか殿下がイレギュラーだったとは思わなかったろう。

 世間の一般評から、組み易い、軟弱王子だと侮っていた筈だ。

 

「次はこっちへ来るぞ」

 

 床に置いてあった、キバラ文明の遺物〝ボンバの像〟を手に取ると、ツインは確信めいた発言をする。

 

「殿下の所よりこっちの警備が薄いのと、現物がここにあるからな」

「それまでに準備は整いますか?」

 

 ツインは「メカ的な事なら大丈夫だ。多分、テストする暇はないが」と断言するも、首を振り「問題はマリアだな」と口を濁した。

 自分の手で育てた赤子を、愛する夫の為とは言え、みすみす別離するのを良しとするか。

 

「その決断次第って所だろうよ」

 

 男の娘はテロンナとマリアの居る執務室の方を見詰めて、そう呟いた。

 

〈続く〉 




約2,200文字。ちょっと目標に近付いた!

一方、その頃、フリード星ではって感じですね。
ツイン君が暗躍してます、で、現れた軍人とは?
遂に『キングボンバ』が登場です。像だけだけど(笑)。
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