ベガ大王ですが、何か?   作:ないしのかみ

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今回の作業用BGMは『朝宮ハルヒの憂鬱』から。「God Knws…」です。
文化祭の体育館でハルヒが歌ってた曲だったかな。当時『ハルヒ』ファンじゃなかったから、どのシーンで使われてたのか正確に記憶してないんだよね。テンポ良くてノリノリになる曲ですね。

一時期大人気だった作品だった『ハルヒ』だけど、最近は続編の話も途絶えてすっかり沈静化してしまった、人気低下の原因はCVの平野さんが原因だって噂を耳にしたけど、どーなんだろ?
ま、私にとっては彼女は演技の上手いリュミちゃんだし、ほのぼのしてるこなたのの中身なんだよねぇ。この曲みたいな歌も上手い。役者として好きと言えば好き。


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 戦場に置き去りの味方部隊を考えると心が痛んだが、その思いを断ち切って俺はワープを命じた。勿論、行き先はフリード星である。

 

「離宮に通信は可能なのか?」

 

 ワープ空間ではタキオン通信と言えども使用は不可能だ。

 だから、ワープ直前までに連絡が付ける物なら、交信しておきたかった。

 

「可能です」

「緊急ワープ準備完了まで、あと三分」

 

 通信席と航行セクションから、別の報告が同時に届いたが、檻は通信を優先して「直ちに回線を開け」と命令した。

 

「反応がありました」

「姉上!」

 

 スクリーンに映るフリード星の皇太子妃。

 が、腕には目に入れても痛くない筈の赤子、マリアの姿が見当たらなかった。

 

「ベガ、何用ですか?」

「姉上の身に危険が迫っています。一刻も早く、離宮から退去を!」

 

 しかし、姉は首を振る。

 俺は愕然としてその理由を尋ねようとした時、姉の居室のドアが開いて白いミニドレスを身を包んだ人物が入って来た。

 

「終わったぞ。ウードウ魔術団が来る前に間に合いそうだ」

「ご苦労様です。ツイン・テール」

 

 そう、そいつは金髪をツインテールにした男の娘だった。

 自称、考古学者、そしてキバラ文明の遺物を奪い、ウードウ魔術団が俺達を狙う原因を作った人物である。

 

「後は計算が完了するだけだ。それさえ済めば……」

「おいっ!」

 

 無視された俺は、スクリーンの向こうにいるツインに怒声を投げかけたが、当の本人は俺に気が付くと「ああ、殿下か。今、忙しい」と俺を無視する。

 交信可能時間は三分、いや、もう二分を切ってるだろう。

 一旦、ワープに入ってしまい、ハイパースペースで過ごす間は通信不可能になるから、俺は「ふざけるな」と声を荒げる。

 

「ベガ、襲撃はもうすぐ始まるでしょう」

 

 割って入るのは姉上だった。

 すっと意志の強い目でこちらを見詰め返している。

 

「もしかして姉上も……」

「ツインも言っていたのを知る通り、ウードウ魔術団の襲撃は私も予知していました。しかし、私にはどうしてもキバラ文明の遺産が必要だったのです」

「どうしても、光量子エンジンが必要だったからな」

 

 ツインが脇から補足する。

 ちょっ、光量子エンジンなんか、離宮に、しかも姉上が何で必要なんだよ。

 こいつ、確かテイルの兄だよな。もしかして、こいつが姉をそそのかしているのか?

 

「お前、何者だ?」

「ツイン・テール」

「名前じゃない。言え、お前の目的と正体だ」

 

 ツインテールがにやりと顔を歪める。

 そもそも、こいつに関しては謎が多い。テイルの兄という触れ込みだったけど、テイル自身はこいつを嫌っていた筈だ。

 俺はろくに調査せずに雇ってしまったけど、そもそも何で妹は兄を嫌っていた。

 そこで画像が激しく乱れた。

 いや、船体自体も振動しているのでワープへ入ったのだ。

 

「だ……から」

 

 ぶつんと切れる通信。時間切れだ。ハイパースペースへと突入したのだ。

 俺は脱力し、すとんと司令椅子へと着座してしまった。

 

「全力で飛ばせば、フリード星近傍まで三時間で到着します」

「少なくとも、あの様子じゃあ、まだ、離宮に敵の手は伸びて無さそうだよ」

 

 アラーノ大尉とゴルヒ少尉だ。

 

「三時間か。長い」

「亜空間では、今の内にお休みになられた方が宜しいかと」

「うん。有難う」

 

 心は急ぐけど、では何か出来る手段がと言えば、腹が立つけど皆無なのだ。

 苛々しても仕方が無いから、俺は大尉の進言を聞き入れて仮眠を取る事にした。

 

『戦力的に足りないのが問題か?』

 

 目を閉じながら向こうに到着した際、マザーバーンの現有戦力を計算してみる。

 ……駄目だ。半減してやがる。

 元々、動員出来たのが母艦一隻だ。

 これはキバラ文明討伐って目的に、ベガ星連合軍を動員しなかったツケだろう。

 

『色々と面倒だからな』

 

 大規模な軍勢を動かすには理由が必要で、それを説明する義務と手続きが必要になる。

 俺が「惑星ウードウが怪しいから、ここを攻めるんだ」と号令しても、当事者以外の他の星は「何で、どうして」という反応だろうし、それを根回ししている時間が惜しかった。

 だから、王子として自由に動かせる手駒がマザーバーン一隻に限られたのである。

 

 行ってみて、どの程度の戦力が必要か未知数だったけど、普通に考えれば母艦一隻分なら何とかなると思っていたのもあるし、威力偵察に近い感じだから、やばければ一旦転進して、再度戦力を整えてから再訪すりゃ良いと判断してしまった。

 

『随伴艦を連れて来れば良かった』

 

 最近のベガ星軍も軍備が充実して来ている。

 恒星間航行が可能な軍艦は、フリゲート級の護衛艦だけど量産が開始されているし、マザーバーンの交替用母艦の建造も開始されている。

 軍艦って言うのは全てが常に活動してる訳では無く、整備の為にドック入りしている間、代替任務用の館が必要だから、ようやく手配が付いた訳だ。

 護衛艦は母艦に比べて規模も小さく心許ないけど、それでも直接殴り合えるから砲戦用としては期待出来る。

 母艦って戦闘力は艦載機頼りだから、素のままで砲戦するには向いていないんだよね。

 

『でも、全て引き連れて、ベガ星を丸裸にするのは気が引けた』

 

 だから残さざる得なかったが、現有戦力を考えると連れて来ればよかったのかもと後悔する。

 主戦力たる円盤獣を全機投入してしまったからだ。

 円盤獣には恒星間航行能力は無い。

 いや、原作には付与されていたし、中型円盤改造型にもワープ性能はあったんだけど、局地戦能力を高める為とコストの問題でオミットしてしまったんだよね。

 だから、惑星ウードウに置いてきぼりだ。

 

『残ってるのはミニフォー隊だけか、出さないで良かったな』

 

 ミニフォーもワープは出来ないから、あっちも出して総攻撃をしていたら、今頃マザーバーンは弾丸なしの拳銃使いみたいになっていただろう。不幸中の幸いだ。

 俺はああでもない、こうでもないと次の一手を予想して悶えていたが、それでもやがて睡魔が襲って来た。

 やがて、束の間の休息に入ったのである。

 

 

〈続く〉




約2,400文字。
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