まず、凄い歌詞なんだよね。規制があってここで全て歌詞は書けないけど、「閉じ込めてしまえ」や「この世界は果てなく閉ざされた闇」とか、良かったら確かめてみて下さいね。
鬱アニメとか言われてたけど結構好きでした。これも前回取り上げた『銀河漂流バイファム』同様、『15少年漂流記』(自分的には『二年間の休暇』だけど)をモチーフとしたSFなんだけど、『バイファム』以上にSFテイストが高かった。
まぁ、ゲドゥルトの海とか胡散臭い設定もあるけどネ。人間関係が痛々しく、どんどん荒廃して行く中、ルクスンと並んで「あたしの着ぐるみがぁ~」のキブレが癒やしでしたね。いつでもイグアナの着ぐるみ、何処でも着ぐるみ、寝てても起きても着ぐるみ(笑)。
余りにも好きだったんで、怪獣の着ぐるみ著たキャラをPBMでエントリーしたなぁ。「巨大」って特徴取ったから見た目、ホントに怪獣だったけどwww。
「とにかく、一旦、フロマイデ基地へ向かって下さい」
「フロマイデ。首都近郊の基地だったな」
ブラッキーの言葉を反芻する。
確か、大型宇宙船も運用出来る基地だが、かなりの郊外にあって田舎というイメージがある。
「例のグリーンモンスターの出現範囲が分かりかねます。首都ルビーシティでは空港も危険なのかも知れません」
「マザーバーンは?」
「既にフロマイデへ移動命令を出しております」
流石は我がベガ星連合軍の総司令だ。
危険区域ギリギリの場所に司令部を移設する気なのだろう。無論、他大陸とかに移した方が脅威は遠くなるが、それでは状況が掴みにくくなり、指揮に齟齬が出るからな。
遠隔地でも情報が掴める通信とかの技術はあるにせよ、やはり的確な情報を掴める位置にあった方が指揮するのに丁度良いのだ。
「了解した、っと、何だ?」
ビビピと機器が異音を発生させるのに、俺は顔をしかめた。
調べるとIFF(敵味方識別装置)からの警報である。軍用機じゃないにせよ、識別信号が出ていない飛行物体なんて法律違反だぜ。
「敵機って、おい」
しかし、装置が狂っている訳ではないらしい。未確認飛行物体の反応に加え、ロックオンの反応まで出た。
明らかに射撃照準レーダーが、この機体に向けて照射されているのは確かであった。
咄嗟に機体を捻り、円盤形態に姿勢をチェンジすると後方にビームが流れていった。
「あぶねぇ。って、三機もいるのか」
機体の変形が功を成した様で、あのまま格闘形態で飛んでいたら速度の関係でビームが直撃していたろう。
敵の存在を示すレーダー上の光点を確認し、望遠レンズに機影を捉えると数こそ多いが、敵の正体は思いの外、小さかった。
胴体から左右に支柱を伸ばした球形の小型飛翔体だ。
「ターゲット・ドローン?」
射撃訓練の標的とかに使われる無人機で、素早い動きで中々撃墜出来ない厄介な相手だ。
ただ避けるだけの標的では無く、低出力だが模擬銃も内蔵していて撃ち返して来る為にリアルな射撃訓練が可能なんだけど、目の前に居るこいつは模擬銃ではなくて、エネルギー反応から本物のベガトロン砲を積んでいる。
模擬銃だったら当たっても機体にはどうって事は無いが、こいつが被弾したらタダでは済むまい。機体スペース関係とコストダウンから、小型円盤獣にはエネルギー転換装甲が装備されていないのだ。
「ウードウ魔術団にしては、使う手が近代っぽいな」
やたらビームを乱射して来る敵編隊を躱しながら、正面に一機を捉えて発砲する。
二門の砲口が光を発射して、ドローンを一撃で破壊するが、気を抜かずに俺は残りの二機を注視した。
散開せずに編隊を組んでる今こそが、反撃のチャンスだからだ。
「かと言って、これはワルガスダーのやり方でもない。相手は誰だ?」
何故なら、固まらずに散開してバラバラに攻めて来た方がよっぼど対処困難だからである。
別々の方向から同時に襲いかかって来たとすれば、幾ら戦闘訓練を受けているからと言うものの、所詮はパイロットしては付け焼き刃の俺なんか、パニックに陥ってしまったろう。
同じ王子と言っても、デュークフリードやブーチンみたいな戦士型じゃなく、どっかの銀河で英雄している提督達の多くと同じ、前線で直率していても旗艦で指揮しているタイプだからな。
戦闘の専門はプロに任せて、指揮官はそれが上手く戦える様にお膳立てするのが役目だって思ってるからだ。
戦士、戦士とどっかで連呼されてるけど、俺はそんな意味で戦士とは程遠いと思うぞ。
「二機目っ!」
ようやく二機目を撃墜する。訓練モードで言えば超級モード以上だな、こりゃ。
ドローン左右の支柱にある補助バーニアの機動性は馬鹿に出来ず、サイズも小さいので照準が捉え辛いが何とかやっつける。
ベガトロン砲がミニフォーの回転速射式と違い、発射頻度が低いのも苦戦した原因か。
「ズリルに改良を申請しておくか」
言いつつも、俺は全てのセンサーを素早くェックする。
二機目を追っている内に残る一機の位置が不明になったからだ。
「ほっほっほっ、苦戦している様だねぇ」
その時、嫌らしい女の声が響いたと同時に、前方の空に巨大な女の顔がゆらゆら現れた。
豹の仮面を付けた赤い衣の女だった。
「貴様は……シスター・ジィル」
「御名答。覚えていてくれたとは光栄だねぇ」
前世の記憶では、こいつに相当するキャラクターを知っている。
多分、『キューティハニー』に登場するパンサークローの首領、シスター・ジルだ。
まぁ、原作では彼女の上にパンサー・ゾラって奴が居て、そいつが姉上と共に異次元に消えたゾォラって奴だろうと推測してるのだが、それが何で『キングボンバ』のウードウ魔術団の一員なのかは分からない。
とにかく、今はこいつが敵なのだ。
「この騒動は貴様の仕業、いや、ウードウ魔術団だけの仕業では無いだろう」
「ほぅ」
上空一杯に浮かんだ巨大な顔が、口元に笑みを浮かべた。
俺は手段がウードウ魔術団らしくない事と、何処か別の組織と手を組んだのであろうと指摘する。無論、推測だけど、この機会を利用して逆にカマをかけたのだ。
「あの緑の怪物は、お前らの仕業臭いがな」
「頭が良いね。しかし、それを知ってどうするね」
「叩くさ」
前方の映像が破顔した。
大口を開けて下品な笑い声を上げている。
「その前に小さな姫の行方が、気にならないかぇ?」
「ルビーナか」
「姫が気になるか、その前に貴様は死ぬが良い!」
その言と共にジイルの顔が同時に消えた。
が、今までその幻影の下に隠されていたのだろう、ターゲット・ドローンが真正面に出現していた。
「しまった」
球形の機体中央に配置されたベガトロン砲が火を噴く。
咄嗟に格闘形態に機体を移行させると、腕を交差してコクピット直撃だけは回避する。
ズシンと鈍い振動が走り、何カ所もの部位から異常を示す警告が飛ぶが、気休め的に塗布されていた対ビームコーティングによって何とか耐えたらしく、飛行は基本的には支障はない。
機器の幾つかがお釈迦になって、機動性がガタ落ちになったけどな。
「砲は駄目か」
回路がやられたのか、腕に組み込まれた砲自体が破損したのだろう。
俺は最後の武器である実体剣、ズリルに要求した時には「円盤獣に携帯武器を持たせるのですか?」と呆れられた装備を用意する。
考えてみれば『宇宙円盤大戦争』も『UFOロボグレンダイザー』も、ロボット兵器に武器を携帯させるって発想が無かったんだよね。
俺は「大型の銃も携帯させて、ついでに機体色はオレンジ」と要求したが大型銃は却下されてしまった。まぁ、名前は希望通り〝アシアシ〟になったけど、火器が腕に内蔵された分、あのMAよりもその後継機である緑色のMSっぽくなったな。
「お前と遊んでる時間は無いんだ」
実体剣、いや剣身を高分子ワイヤーで繋いだ蛇腹剣は、勿論、高橋アニメに出て来た12歳の王子が操る、赤い主人公メカの武器もどきである。
ドローンにそいつを巻き付けると、ワイヤーソウの要領で一気に引いた。
切断された機体は数瞬後に爆発するが、俺は後ろを見ずにフロマイデ基地へと針路を取る。
「ルビーナ……」
エネルギー転換装甲が無くても、気休めだけど対ビームコーティングはしてあるが、一度は耐えても、二度目はコートが蒸発しているので機能しない。次に襲われたらアウトだ。
敵機があのドローン三機だけとは限らないからな。
機体がどの程度保つのか不安だが、騙し騙し飛んで、俺はフロマイデ基地の滑走路に滑り込んだ。
「殿下。ご無事で!」
「ご苦労」
俺を発見した味方が来たが、この基地の守備兵では無く薄汚れた装甲兵だ。
聞けば、こちらも紅玉宮から撤退して来たそうだが、装甲服にも例の礫が突き刺さっているのを見て、俺は『犠牲者が何人出たのか』と暗い気持ちになる。
突然、この植物が会場を襲ったのだから、かなりの者がやられているに相違ない。
俺みたいに何かあると備えていた者はともかく、そんな心構えも装備も無い者達が大半だろうし、俺だってこんな奴が相手だとは予想もしてなかった。
「我々は急遽、こちらへ回りましたが部隊は半壊です」
「ブラッキーは?」
「中将は、間もなく旗艦と共に到着する予定です」
するとマザーバーンが黒い影を落としながら、上空を通過して行くのが見えた。
良く見ると、船体のあちこちに被弾跡がある。
出発前に戴冠式用にドックで入念に化粧直ししたのだから、こんなに汚い訳が無いのだ。俺と同じ様に誰かと戦ったのだろう。
〈続く〉
約3,400文字。2,000文字縛りって当初の目標は何処へ…。
と、言う訳でベガの初パイロットでした。腕前は中堅よりも下、初心者ならば上級って所かな。決して強くないよ。本職じゃ無いから。
いきなりリヒトホーフェン並に強かったら変だしね。まぁ、世の中にはそう言うチートキャラが一杯居そうだけど、別に神様から技能貰ってないし(笑)。