1970年代のテレビドラマで軽快な感じのOP。
探偵物で『キィハンター』の後番組なんだけど、社会派ドラマっぽかった前作と違い、ノリが非常に軽い。この軽さが心地よかった思い出があります。何となく『プレイガール』的な所もありましたが、お色気路線じゃ無かった(笑)
主演が小川真由美で、この番組でこの役者を記憶しました。後の大河ドラマなんかで鷲尾真知子(『うる星』のサクラさん)と共演していた重々しいイメージと違い、この頃はターザンよろしくロープで新宿ビル街を渡ってたり、派手なアクションもこなして飛び回ってましたね。
「チェックしますので、姫は外を監視してて下さい」
イツツメは私をコクピットの副操縦士席に座らせると、コンソールを起動してスイッチを入れ始めたわ。
普通、クルー以外の旅客はコクピットじゃ無くて、隔壁で隔てられた客室に座らされる物だから、あたしがここへ入るのも初めてよ。
色々機器が並んでいて珍しかったから、イツツメの手元ばかり見てたのだけど、言われてキャノピー越しに外の光景に視線を走らせたわ。
『視界が悪いわね』
第一印象はこれだ。
この艇のコクピットは突出した涙滴型キャノピーでは無くて、ファストバック、もしくはレザーバック型と言われる後半分が胴体と一体化している構造だから、後方を見る事が出来ないのよ。
何故か、バックミラーが付いてるけど、これで後ろを確認しろって事なのかしら?
「どう?」
正面に見える破壊後も生々しいハッチを眺めながら、あたしはシャーマンに問う。
スイッチ類を入れる音と共に、彼女は「推進剤が多少不安ですが、行けるみたいです。ただ……」と言ったきり、黙ってしまった。
「ただ。何なのよ?」
「ハッチが開くかどうかは判りません」
意を決して説明する侍女。
ウードウ魔術団によって生み出された破孔は緊急処置によって埋められているが、開閉機構が無事なのかはここからでは確認出来ないのだそうよ。
これが戦闘艇だったら、搭載火器でハッチを強制的に爆破なりして破れるんだけど、これは単なる雑用目的の内火艇だから、それは叶わないわ。
「もう一つ。この艇は宇宙空間専用型です」
「え……」
と言う事は、つまり。
「はい。外へ出ても目の前のルビー星には降下不能です」
要するに大気圏内突入/離脱機能を省いた簡易型なんだけど、この〝ラグバルナ〟のみならず、文字通りの宇宙艦艇に搭載される内火艇って、殆どがこれらしい。
普段遣いには困らないし、余計な機能が付いてない分だけ、値段が安いからね。
「どうするのよ」
あたしはパニックに陥ったわ。
外へ出ても、あのスダコラーとか言うゴーレムは宇宙空間を飛べるんだから、たちまち追いついてしまいそうな気がしたのだ。
身一つで宇宙に放り出されるよりはマシだけど、その時は思わず涙がぶわっと溢れて来て、どうにも止められなかった。
「えっ、えっ、えぐっ……」
「姫様、涙を拭いて下さい。ハッチは私がこじ開けて見せますから」
慰めつつ、後部へ行って新型のレーザーガンを手に帰って来るシャーマン。
銃身に楯が付いたそれは、先程、兵達が手にしていた物と同じ物で、心なしか錆の匂いがしたから、外で倒された兵の持っていた遺品だったのかも知れない。
「だ……だ、大丈夫なの?」
「この銃の最大出力なら、隔壁も破れるかと、それより姫様は着替えて下さい」
胸を張って答えるイツツメ。
あたしは旧式宇宙服を脱いで、この艇に積んでいる新型の服へと着替えさせられる。
うわっ、軽い。
この艇はマザーバーン搭載艇なので、子供向けの専用宇宙服がロッカーに収納されていたらしく、身体に全く合っていない拘束衣みたいなそれと、やっとお別れ出来たわ。
「ぐすっ、ぐすっ、自由に動けるって素晴らしいわね」
「はい、姫様」
イツツメは答えつつも、あたしに構わずに艇外へと出る。
あたし同様メイド服を脱ぎ捨てて、シャーマンの黒いスリングショット風をしたパイロットスーツ(何故か、透明素材を使って肌の露出が多いのよね)に着替えていて、頭にティアラも載せているわ。
シャーマンとしての戦闘装束なのは、それだけ本気になるざる得ない状況なのだろう。
「ではこれから作業致します。姫様はそこから動かないで……」
「イツツメ、後ろっ!」
バックミラーにチラリと映った異様な風体を目にした途端、あたしは叫んでいたわ。
あたしの警告と同時にシャーマンは跳んで位置を変えたけど、その直後に緑色の液体が飛んで来て、超合金の床を汚す。
たちまち着弾点に泡が立ち、ぐずぐずと崩れて穴が開く。
「スダコラーの溶解液か。
ほう。
言ってくれる。姫様は渡さん!」
無線で明瞭に聞こえるシャーマンの声だけど、当然、相手のゴーレムの声はコクピットからは聞こえない。
自由に動ける様になったのを幸い、あたしは身をよじって艇外に駆け出したわ。
「げっげっげっ、そこかぁ」
「スダコラー、殺すでないぞ」
あたしを発見したタコ頭のゴーレムが、嬉しそうにあたしを指さす。
その隣に立体映像で浮かんでるのは、顔色の悪い厚化粧のおばさん顔。
何か「その娘は、我が新たなる依り代じゃ」とか、勝手な事を言っている。
「姫様、何故」
対峙しているシャーマンは銃を構えながら、呟いた。
「うん、お転婆はいかんぞ」
「侍女の言いつけも守れないなんて、馬鹿なのよ」
唐突に会話に乱入する第三者。
「ゲ、黒いベルバラン」
驚愕してるウードウ魔術団とは違い、馬を含むこっちは正規のエアロックを使い、物を壊さずに艦内へと入って来ていた。
けど、ロボットホースとは言うものの、馬が二頭、宇宙船内に鎮座しているのが異様な光景なのは間違いないわよ。
「そうだ。黒いベルパラン参上」
「ダミーが多くて手間取っちゃったわ。同じくエトワール・プティット」
黄色い騎士と小さな女の子は、同時に自己紹介の名乗りを上げたのだった。
〈続く〉
約2,100文字。
当初の2,000字縛りの目標が、最近遠くなってきたよなあ。
閑話が続きます。よーやく、ベルバラン参上。
銃身に楯を備えた新型銃。あれは『グレンダイザー』本編でベガ兵が構えていたあれです。何の為に四角いあれが付いているのか首を捻り、「照準器も無いんだから、あれがセンサーサイトなのかもねぇ」と思って設定。
本当にあのレーザーガン、どうやって狙いを付けてるのだろう(笑)。
実はペガ兵の神経系に直接リンクしている、サイコミュ兵器だったり、怖っ。