元はパチスロの曲らしいのですが、たまたま「スケベが大好き!」な某アニメのプログで動画が貼られていたのを開いて、「おや、これは」と一発でファンになりました。
軽快な旋律で、英語の歌詞が流れる壮大な感じの曲ですね。
いや、パチンコとかパチスロとか全くやらぬ人種なので、あれがなかったら一生関わりのない曲だったかもですな。
エジプト風の元王女。現女神様であるクレアのテーマソングですね。別シリーズのエルダ世界のお話でもエジプト風の古代文明が登場しますので、シェンティ姿の少女と言うのも好みなで、クレアのツボにはまってしまった(笑)。
オストマルク。
マルク本星を中心に二つの惑星が回る連星の一つであり、一方をウエストマルク。もう一方をオストマルクと呼ぶ。
一応、ベガ星連合軍には所属している構成星系の一つだが、独立国と言いつつも保護国の様な物で、片割れのウエストマルクはまだ鎖国状態である。
明治維新を迎えた日本に酷似しており、開国はしたものの、国内での混乱が激しく、侍にも似た〝シシ〟と呼ばれる連中が、切った張ったのテロ活動を引き起こしており、まだまだ治安は乱れ気味である。
『最近は安定していると、Dr.ヴォルガから聞いていたんだけどな』
外務卿Dr.ヴォルガはオストマルク政府の重鎮だ。
毎年、ご機嫌伺いの様に報告が来るから目は通していたが、何とか統治は成功している様だし、遠い世界の出来事だから、数年前の〝ベガ王子誘拐事件〟から年月も経ち、余りオストマルクの事を思い出さなくなって関心も薄れていたのだが、まさかここに来て奴らが関わって来るとは意外だった。
「オストマルク人?」
「ああ、ルーペはまだ現役ではなかったな」
この場にハツメが居れば、直ぐに気が付いたかも知れないが、あれは前侍女長、ティルの時代だ。奴らを見て、思い当たらないも無理は無い。
あの頃はまだ先代デュークや、テロンナ姉上も健在だったし、彼らが異次元の果てに消えるなんて想像もしていなかった頃である。
バトルホーク三人組、アラーノとバンダー兄弟や、馬面のゴルヒ・フォックなんかも居たな。
「資料としては知っております」
「うん。じゃ、説明は省く」
ルーペが頷いたのを確認すると、俺はルビーナの方を向いた。
お付きのシャーマンも、事件の概要は知っている様子だが、当時の事件に直接関わった者は皆無の様である。
これが世代交代と言う奴か……。
当時の担当は出世して、殆どが侍女任務からヨナメ配下のエリート部隊に転属しているから、現侍女部隊ではあの事件を経験している者がほぼ皆無なのである。
『ま、ルビーナ付きの予備部隊だしな』
本国に所属して今回同行させたイチメ達やレモメ達の第1、第2小隊ならいざ知らず、実戦経験も少ないシャーマンでは荷が重かろう。
元々、切った張ったの殺伐とした事態に備えて配備した人選ではなく、あくまでもルビーナ遊学用に軽い護衛任務を与えて、経験を積む為の練成部隊だった筈だからだ。
訓練兵をろくに鍛えずに、いきなり〝さぁ、戦え〟と実際の最前線へ投入しちまった様なモンだからな。
「で、そいつらが襲って来て助けてくれたのが黒いベルバランか」
「エトワールも含めてね」
ルビーナの話をまとめるとこうだ。
怪植物によって地形が変えられ、孤立した時に襲撃し来た者がオストマルクのシシ達で、それを駆け付けた黒いベルバラン一党が蹴散らしてくれたそうだ。
「すぐ駆け付けてくるな」
タイミングが良すぎないか?
自作自演のマッチポンプではあるまいなと、疑いが出るタイミングの良さだぞ。
「さすがに最初の五分間は、我々で防ぎましたよ」
ヤマメが補足する。
襲撃者の人数は八名。こちらはルビーナとヤマメ。車のドライバーと護衛の四人。当然だが護衛もそうだけど、ドライバーだって銃を持っており、ただの運転手ではない。
囲まれた巨大な土壁の為、前後の車両は分断されている上、怪植物が立ちはだかっているのでルーペ達は土壁に近寄る事を阻まれ、ルビーナ達は絶体絶命の危機に陥った。
「あの連中。レーザーを刀で受け流すのよ。信じられない」
「ドン・ランダム級の奴が居たのか」
ふくれっ面のルビーナの説明に、今度は俺が驚く番だった。
オストマルクの武人で、俺が目にした最大の達人が異次元に消えたあいつだが、奴は本当に某三代目怪盗や早撃ち名人とコンビを組む剣士みたいに、銃弾をも剣技で切って捨てる様な奴だった。
別の例を挙げれば五つ星で電気騎士に乗ってるバイロット並み、もっともあっちはレーザー剣でレーザーを防いでるんだけど、みたいな達人である。
『さすがにランダムみたいな化け物は、もう、この世に存在しないと思ってたが』
余程優れた反射神経を持ったサイボーグかエスバーではないと、恐らく到達不可能な境地であり、仮に持っているとしても、それに追随出来る肉体能力を伴わなければ駄目だ、
レーザーの弾道を目で捉えたとしても、それをソリッドで防げなければ用を成さないからだ。
「まぁ、いい。それで」
「空からベルバランとエトワールがやって来たわ」
そこでルーペが「同時にワルガスダーの介入がありました」と付け加える。
例の化学弾頭。それが土壁となった植物に撃ち込まれたそうだ。
「襲撃者はオストマルク人だけか」
「いいえ。その……」
口籠もるヤマメだが、侍女長は遠慮無しに口を開く。
「オストマルク人は三人。残りはシャーマンです」
「シャーマンだと?」
となるとベガ星連合軍に味方しない一派。
未だ謎の不死女率いる勢力だろう。
「報告は送った筈なのですが、やはり初耳でしたか」
「今、本国に届いた文面とこちらが送ったとされる原文を比較して、解析中だが……」
電文が全く別の内容にすり替えられてしまうと、直接、物理的に伝聞だけをやり取りする以外に方法がない。
地球の大航海時代に逆戻りである。
船よりも速い通信手段が無く、本国では何ヶ月も前に戦争が終わったのに、それが伝わらぬ植民地同士が戦いを繰り広げていた。なんて事例が多くあった。
もし情報伝達に電子機器が全く使えないとなると、この情報時代に全く無力になる。
「シャーマンは倒したのですが、オストマルク人は倒せませんでした。
何しろ、剣技が恐ろしく強いのです」
「こっちも運転手と護衛が斬り捨てられて、とうとうあたし達だけになった時……」
「ベルバランか」
おやっ、「はいっ」と答えるルビーナが口調が怪しいのは何故だ?
〈続く〉
約2,300文字。また2,000文字に収まらなかった。
とうとう不死女率いる勢力が介入です。
彼らとウードウ魔術団の関係は?
そしてオストマルクとの関わり合いは?
通信速度が物理を越えられぬ問題は、TRPG『トラベラー』の世界観なんかにも出て来ます。超光速通信が存在しないので宇宙船よりも速い情報通達手段が無く、銀河帝国も各地に自治権を与えて封建制にせざる得ないって奴。
ベガの世界には超光速通信あるけど、あの世界が半ば封建制なのはその頃の名残なんだと解釈してます。
もし、通信手段が無かったら、ヤーバンはモンゴル帝国同様、拡大の末に分裂してたんじゃ無いかな?