ハークエを虐待する、胸くそ悪い描写が続きます。
残酷描写に耐性の無い方は、ブラウザバックをお勧めします。
エータに関しては柴田昌弘の『グリーン・ブラッド』が類似の存在になります。
豚に射殺された老人の身体が赤く光る。
うぉん、うぉん、うぉん、うぉぉぉぉーん!
耳障りな高音を発して、その身体が大気中に融けて消えて行く。
「ほっほっほっ、エータの身体は殺すと消え失せてしまうから、後腐れが無くて良い」
「全く全く、ヒーニンですからなぁ」
笑い合う豚共、何だ、どうなっている?
いや、俺はこれに近い死に方をする存在を知ってるぞ。
確か『キューティハニー』に登場するパンサークローの構成員達だ。倒されるとさっきみたいな音を出して、気化して消えてしまうんだ。
彼らはアンドロイド、つまり人工生命体だった。
待てよ? ヒーニン…って、非人の意味か!
「ヨナメ」
「エータは作られし民、亜人です」
俺の問いに彼女が回答する。
見ると、カナメやヨツメも悔しい顔をしている。ブラッキーやテイルも平静さを保っている様に見えて、かなり動揺はしている様子だ。
俺は視線を庭へと戻す。
丁度、俺達の隠れている場所は出窓に当たる場所で、顔だけ覗かせて辺りを窺う姿勢だ。窓際には鉢植えや様々な小物が置かれていて、その影から視線を通す形になっているので、庭側から一寸見ただけでは存在は気付かれにくい。
「うーむ、頭に当たってしまったからのぅ。やはり滑腔銃では精度に問題はあるか」
「しかし、そのずれが醍醐味ですぞ。男爵」
取り巻きの男共は口にしつつ、先程撃ったラッパ銃の再装填を始めていた。
ブラシで銃身を掃除して、黒色火薬と馬鹿でかい鉛玉を詰め、撃鉄をハーフコックにして雷管を装着する。
「取りあえずスコアは100点ですな。次の的を連れて来い」
「い、嫌だ。嫌だぁーっ」
引き出された次の男も老人だ。足を踏ん張って抵抗する。
男を引っ張る豚の取り巻きはちっと舌打ちし、いきなりナイフを抜くと哀れな犠牲者の手足にそいつを突き刺した。
悲鳴。そして足の力が抜け、引っ立てられる。
「手間を掛けさせるんじゃねぇ。廃エータめ」
「止めて、止めてぇ!」
外の方から、先程の女の子の絶叫が響く。
豚がその声に興味を抱いたらしく、側近らしき男に「おい」と声を掛けて耳元でぼそぼそと囁いた。
幾つかの指示をした様で、「はっ、男爵」と返事をすると数人の部下を伴って移動して行く。
その間に次の的の準備は完了していた。
「のっほほほ、今度の的は元気じゃのう。では、撃て」
「はっ、男爵。撃たせて頂きます」
射手は豚男爵では無く、その取り巻きの一人だ。
大袈裟な発砲煙と轟音が鳴り響くと、銃弾は目標の胸板を貫き、見る間に例の音と共に気化して消えて行く。
「胸に当てたのぉ……。200点じゃ」
「あ……」
射手の男はしまったとの表情を作るが、もう遅い。
次の瞬間、男爵は憤怒の顔で男を殴り飛ばした。
「お主はわしに恥をかかせるのか」
「あ……あ……」
「シティナーの分際でノーブルのわしを。こうじゃ、こうじゃ!」
地面に転がった男にストンピングで蹴りを入れる。
蹴られた相手は「お許しを」とか慈悲を求めているが、全く容赦が無い。
その虐待は、先程の取り巻きが戻ってくるまで続いた。
「おいおい」
「フリード星では上の立場にある者は、下の者に対して何をしても良いと考えられております」
「嘘だろ」
「現実です。ああ、あの男はハークエで無いだけまだマシです」
とヨナメ。そんなん有りか、常識が全く通用しない。
成る程、下の者としての扱いを受けた〝獅子帝ガイザー〟が怒って暴れまくる訳だよ。
豚は肩で息をしながら、「こいつを再生槽へ放り込んでやれ」と命令しているが、一応は市民権を持った自由民だからの措置だろう。ハークエ相手だったら死ぬまで放置するのだろうな。
「連れて参りました」
「うむ。にょほほほっ、若いのぉ」
舌舐めずりする男爵の前に引き出されたのは、先程、叫んでいた一人の少女だった。
年齢は小学生高学年か、中学生程度のローティーン。
服装はハークエの民であろう白い貫頭衣だ。
「気分転換に、お前を犯して気晴らしにする事にしたぞよ。ほほほっ」
な、何を言っている?
しかし、周りは「おおっ、名誉な」とか「これはめでたい」とかの声が上がっている。
当然、これらの声を上げるのは豚の取り巻き共なシティナー連中で、ハークエ側からはどよめきやすすり泣きの声しか聞こえてこない。
俺はヨナメの方を振り向いた。
だが、彼女は唇を噛んで「御耐え下さい、殿下」と口走るだけだ。
見ると、豚男爵はでっぷりした身体を見せつける様に、下帯一枚の下着姿になっている。
この豚め。本当に民衆の目前で公開SEXをする気なのかよ!
「お主はエータでは無くハークじゃな。ワシの伽に協力せよ」
「く……」
少女は嫌悪感に満ちた表情で男爵を睨んでいたが、やがて、腰紐を解いて貫頭衣を脱ぎ捨てる。
嫌々だが、命令には従う様だ。
「あれは……」
「我が同胞(はらから)なのか」
驚きの表情を見せるのはヨツメとカナメ。
貫頭衣の下に現れたのは裸身では無く、シャーマン達の着る水着状なスリングショット様のコスチュームだったのだ。
〈続く〉
『キューティハニー』も一応ダイナミック系ですね。
エータの死に様はパンサー団員とかが倒される際、消滅してしまうのと同じ原理です。
『ゴッドマジンガー』のシャーマンも効果音こそ違いますが、死に方は同じく、死体も残さずに消えてしまいます。多分、同系統の技術で作られた亜人だと判断して、設定上のクロスオーバーとして組み合わせてみました。