ベガ大王です。
さて、改めて状況を整理しよう。
自分はベガ王子。
ヤーバン大王の長子で今、16歳だ。
父親はヤーバン大王。55歳。母親はオリエ、既に数年前に死去している。
姉はテロンナ。17歳。フリード星にデュークと言う婚約者がいる。
弟のブーチン。15歳。異母兄弟であり、母親は大王にお手付きされた侍女さんで、妾 腹の庶子に当たるが、中央で活躍する分、ベガよりも人気や影響度も高い。
いや、俺から見たら単なる暴れん坊の粗忽者なんだけどね。
最初は過去の記憶とかが流れ込んで来て混乱したけど、オタク日本人としての知識と統合されて、俺はベガ王子である事を現在は認識している。
病弱で身体が弱く、療養の為に辺境惑星ベガに送られて、建前上は惑星領主となっている。ベガの名はこの星から取られている様だ。
光源氏を『中将殿』とか呼ぶ、役職名みたいな物だ。
真名と言うか、本名はあるんだけど、これは一族だけの秘密なので非公開だ。
父上、姉上の見舞いが済んで、部屋には俺一人切りだ。
姿見に自分の姿を写してみる。
絹で作られた古代ギリシャやローマの水色をしたキトンみたいな服を着ている。
背中が大きく開いて裾は短く、ミニスカ風ですーすーしているのが少し恥ずかしい。 素足にサンダルみたいなのを履いているのが科学の発展した世界なのかと疑問が起きる。
しかし、姉上やフリード星のデュークもそんな格好だったから、これが現在の宇宙に於けるフォーマルな格好なんだろう。
体付きは女の子の様に華奢だ。
もう少し運動すれば身体も強くなるかもと、腕立て伏せとかやってみたけど、数回行っただけで身体が悲鳴を上げた。
おまけに「ごほっごほっ」と咳が込み上げてきて、死にそうになる。
侍医が慌てて部屋に飛び込んで来て、緊急措置を受けて何とか収まる。おいおい、咳に血が混じってるぞ。どんだけ病弱なんだよ、俺。
「済まない」
侍医にお礼を言って俺は寝台の人になった。侍医は現地のベガ星人で、尖った耳が特徴の他は地球人と余り変わらない。
ちなみに俺や姉上はヤーバン人だから、耳は尖っていない。
「では、お大事に。王子」
医者は退出する。ううっ、情けねぇ。
暫く安静にした後、俺は寝台から身を起こすと、水色の髪の毛がさぁっと背中を優しく撫でる。うわっ、何か気持ちいいな。
一応、この部屋は俺の執務室も兼ねている。一応、名目上は領主だからね。
傍らの机に近付き、コンソールを操作して資料を呼び出した。
「ああ、やはりか……」
ベガ星の経済状態が示される。名目上は黒字であるが、それはベガトロン鉱山が産出するベガトロン鉱石の輸出額だ。
経済がこれ一本に頼り切っているのだ。典型的なモノカルチャー経済で、もしベガトロン鉱石が枯渇したらこの星はお仕舞いである。
「うん『グレンダイザー』でベガ星は、ベガトロン鉱山の事故で滅んだんだよね」
俺はごちた。
もしかすると採掘法にも問題が出ているのでは無いかと思う。無計画に乱開発をしていたら、その内、問題が起きる可能性が大きい。
これは現地に視察すべき事柄だな。
「でも、視察に行けるのか?」
最大の問題がこれだ。俺は……果たして外を出歩ける身体なのだろうか。
〈続く〉
一話に付き1,000文字以上、2,000字以内。
が、この連載にかけた縛りです。
これは最初の投稿作『12歳の悪役幼女に転生しましたが、菅原様を籠絡して助かります』のフォーマットを踏襲した物です。
『エロエロンナ物語』(大体、4,000字以上)みたいに長いと、頻繁に更新出来なさそうなので。