ベガ大王ですが、何か?   作:ないしのかみ

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児童労働法。
意外ですが、ヤーバン星連合にはこれがあります。
元々は評判の悪い大王が行った悪行(ペド気味の大王が幼女までハーレム入りを画策した)を、次期大王が防ぐべく制定された物だったりします。
侍女と称して若い娘を召し上げ、宮中でオルドを強要したと言われています。


31

 俺達は王宮へと帰還した。

 地下区画の冒険はまだまだ語りたい所もあるんたけど、今は省く。

 とにかく、外出は一日だけなので早期に帰還する必要があったのだ。

 フリード星側の監視もあるしね。

 

「そっちは、我々が何とかしていました」

 

 王宮からの出発の際、監視に当たる者を行動不能にしたらしい。

 裏でヨナメが既に手を打っていたらしいのを聞いて、『シャーマンとは敵に回すと恐ろしいし、厄介だな』との感想を持つ。

 俺が微妙な顔をすると「殺してはいませんよ。後が面倒臭いですからね」と慌てて付け加えた。

 俺は言葉少なく「助かる」とだけ返すと、出迎えたズリルと共に部屋へと入った。

 

「ブラッキー殿が慌てていましたが…」

「ちょっと、ね」

 

 ズリルの問いに俺は口を濁す。

 それを察したのか、妻に何事かを問い詰め、内容を聞いた後に頭を抱えていた。

 

「ヨナメ、お前が付いていながら……」

「彼女を責めるな。全ての責任はぼくにある」

 

 ズリルは「王子たる者が軽率ですぞ」と責めつつも、「それとは別に、妻の部族の者を救ってくれて感謝致します」とも言ってくれた。

 俺はハツメ達を紹介すると、彼女に何か適当な肩書きを付けてくれる様に要請する。

 ズリルは嘆息しながらもテイルを呼ぶ。

 

「侍女に編入ですか? 構いませんが、カナメはともかく、ハツメの歳では正規の侍女としては法に引っかかる気がします」

「身分さえ偽装出来れば構わん。この星を連れ出した後は、またその時に考えれば良い」

 

 フリード星の法は知らないが、ヤーバンの法では余りにも年齢が若いと正規の職には就けない。

 ズリルは加えてカナメに「その格好は〝私はシャーマンです〟と大声で宣伝してる様な物だ。着替えなさい」とも命じる。

 テイルは「はっ」と答えると、ハツメらを伴って退出した。

 

「とにかく、テロンナ姫様に早急にお会いになって弁解する必要がありますな」

「あ、やっぱりそうなるよな」

 

 避けて通れないなら、早めの方が良い。

 ヨナメが「では、説明責任者として私も同行しましょうか?」と発言する。

 

「助かるよ」

「待って下さい。殿下、着替えてから行くのですぞ!」

 

 直ぐにでも飛び出したかったのだが、侍女服では流石に拙いだろうと引き留められた。

 再びテイルが呼ばれ、ハツメ達と一緒に着替えが行われる。

 俺から言わせれば、侍女服とあんまり変わらない格好なんだけどなぁ。せいぜいティアラを頭に載せて、仕立てと服地が高級そうな代物になっただけで、やっぱり古代風のミニスカだし。

 

「では行ってくる」

 

 数分後、着替えた俺はテイル他の侍女達の見送りと共に廊下へ出た。

 随行者のヨナメもシャーマン服では無く、侍女姿になっている。

 姉上の部屋まではそんなに距離は無い。

 扉の前にはルビー星の衛兵が立っているが、俺の顔を見るとかつんとしゃちほこ張って敬礼し、「ベガ王子のおなーり」と芝居がかった声を出してくれる。

 

「やぁ、ブラッキー」

 

 扉が開き、そこに立っている武官に声を掛ける。

 黒髭の大男は俺の姿を認めると、「殿下。姫様に面会ですか?」との質問に俺は頷き返す。

 が、彼は困った顔をして「ご不在です」と返事をする。

 

「不在だって?」

「姫様は今、デューク・フリード王子の下へ参りました」

「ぼくに関する相談か。君の方から報告はしたのだろう?」

 

 だが、意外な事にブラッキーは首を横に振った。

 彼が帰還した時、既に姉様はデュークの所へと出向いていたらしい。

 

「待つのも嫌だな。よしっ、会いに行こう。

 行き先はデュークの私室かい?」

「およしになった方が……。いえ、侍女によると大神殿の方だと聞いております」  

 

 大神殿か。

 そう言えば、フリード星人ってどんな神様を信仰しているのだろう?

 噂では金ぴかの、タイの大仏みたいな神像が飾られているとか。

 

「まぁ、行ってみよう。失礼するよ、ブラッキー」

「プライベートなお話の最中かも知れませんぞ!」

 

 怒鳴るブラッキーの言葉を背中に浴びながら、俺は神殿へと歩みを進めた。

 一応、資料として貰った館内図は頭に叩き込んである。

 この迎賓館を出て、更に歩いて行った所が大神殿であるのは理解している。

 

「外から見る限り、立派な建物なんだよな」

 

 一瞥した限り、アテネのパルテノン神殿みたいな、白亜の柱が沢山並んだ建物だった。

 でかい。でかいが外には人の姿は全くなく、宗教的に見た所ではフリード星人はあんまり神様を信仰してないのかと疑わせる。

 まぁ、王宮内にあるのだからセキュリティ面から見て一般人が詣でられないから、多少さっ引く必要はあるんだろうけどね。

 でも、門番すら居ないのは問題だろ?

 

「既に廃れた神ですからね」

「廃れたって?」

「悪神なのです。我々シャーマンから見ても、そしてフリード星人の立場から見ても」

 

 おいおい、悪神って何だよ?

 

「愛しております」

 

 それをヨナメに問い質そうとした時に、姉上の声が響いた。

 俺は咄嗟に柱の陰に身を隠し、視線を声の方へ向ける。

 デュークとテロンナ姉上が、神殿内に立っていた。

 

 

〈続く〉




久々の二千文字以内達成。

地下の冒険話もあったんですが『ベガ大王』の全体構成から見れば、描写無しでも構わないと判断して割愛しました。
いや、意外にフリード星編に頁取り過ぎ気味なきらいがあったし、地下の話に数話費やすよりも、ストーリーの進行上、デューク・フリードやテロンナ姫の方が重要ですから、枝葉末節は省きました。単なるダンジョン走破ですしねぇ。

まぁ、あの地下の大深度階には将来、潜るってエピがあるかも知れません。
『遺失技術を求めて』って感じになると思います。あったとしてもかなり先になるのは確実でしょうけどね(笑)。
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