第二期のOPですね。美しいけど、何処か悲しい歌詞と旋律がお気に入り。
一番好きなキャラはファンネリア・アムと宣言したら、「あんなビッチの何処が良い」とガウ・ハ・レッシィ派に攻撃されたのも悲しい思い出。
でも実はメイン以外で一番好きなのは、ミアンちゃんなのだよ(笑)。
胸のラウンデルからビームを放つ宇宙忍者。
爬虫類を思わせる口から、炎の塊を吐き出す流星魔人。
いずれも、最近、嫌と言う程、見慣れたワルガスダーの異星人達である。
「な、何者だ?」
ガンが目を丸くしている。まぁ、知らない奴らにとっては非常識な生き物だろうからな。
彼らが戦っている相手は周囲に生えている蔦だ。
俺達を拘束している触手と同じく、植物にあらざる様な動きでうねり、時には先端が鞭や鋭い槍となって襲いかかっている。
ビームが触手を引きちぎり、火球が爆発して周囲を薙ぎ払うが、やられてもやられても、後から後から緑は増殖し、短時間で勢力を盛り返してしまう。
「ワルガスダーだよ」
俺は口を開いた。「もっとも……その正体は俺にだって判っていない」と続ける。
だって、本当に判らないんだから、これ以上の説明はしたくたって出来ないんだ。
「何だって?」
「強いて言うなら、悪い宇宙人」
そうこうする間に、俺達を運ぶ触手はその戦闘地域の脇を通り抜ける。
何処へ俺達を運ぶ気だかは知らないが、奴らとの交戦がこちらへ影響しない様にしてくれてはいる様子だ。
ワルガスダーから視界を隠す様に緑のカーテンの後ろに回り、天井近くに経路を移したからな。
『ワルガスダー不利って所か……』
内心呟く。流石に飛び道具があるから簡単にはやられないだろうけど、見た所、持久戦に持ち込まれたら、多分、負ける。
俺達に先んじて採掘基地へ侵入したのがワルガスダーだとしたら、奴らはこの基地内で何をしようとしていたのだろう?
いや、その前にこの蔦。触手の正体だ。
生物兵器的な物なのか、そんな技術がマルク文明にあるとは思えないから、これは他星の技術なのか。となると傭兵部隊の持ち込んだ生物兵器か?
「女神様。もうすぐでござるよ」
ぶつぶつと呟くのはバク。
もう、何を言っても無駄だと先刻から放置してあるが、突然、あのシシがおかしくなった原因は何だろう?
俺は頭を回して、かろうじて視界に捕らえられる位置に居るマグへと顔を向けた。
「何だよ?」
「バクの様子だけど、どう思う?」
その質問にマグは顔をしかめた様に見えた。
いや、ヘルメットのせいで直接表情は読み取れないのだけどさ。
ややあって「女神とはマルク創世の女神の事だな。この星におわすとの伝説はあるんだけど……」との返答がある。
「えーと、ハテーサだっけ?」
「それはウエストマルクの名だな。オストマルクではイヤーハと言う」
マグが訂正する。
神話からマルク人に伝わる女神は同一の物だと考えられているが、微妙に名前が違うらしい。
彼らが擁する宗教、メゾルマ、未分化の僧侶、或いは巫女が信奉するそれによると、創世の女神はオストマルクでは〝イヤーハ〟、ウエストマルクでは〝ハテーサ〟と呼称されている。
だから女神の住む楽園の事は双方の名を取って〝イーヤハーテ〟とか〝ハーテサーテ〟とか言うらしいが、このマルク本星には当然、そんな物は発見出来なかった。
見ての通り、真空で緑なんかは生える訳も無い不毛の星だからだ。
しかし、待てよ。ここにはちゃんと緑があるじゃないか?
「だが、女神の真の名は同じ物らしいぞ。俺も母に聞いただけだが……」
「マグの母親か。ウエストマルクの良い所なのだろう」
しかし、マグは押し黙ってしまった。
余程、自分の生家、ウエストマルクの実家の事を語りたくないのか。女に幻滅したと言っていたが、それは女系の家庭内事情なのだろうか。
「着いたでござるよ」
そのバクの声に、はっとなって顔を上げる。
いつの間にか蔓による拘束は解かれていた。辺りを確認すると、そこはドーム状になった広大な空間で何等かの倉庫か、格納庫と言った風情の殺風景な場所である。
異様なのは、その中央部に鎮座する巨大な植物だ。
あの蔦と同じ種類の物であるらしいが、それが幾つも絡み合い、巨大な緑色の幹となってぶよぶよと脈動している。白い、あのラッパ型の花が表面に咲き、霞とも言える量の花粉を散らしているのが目に映る。
うんざりしつつ、『どうやら、ここでもマスクやヘルメットは取れないな』と思う。
《ようこそ……選ばれし戦士。そして我が子達よ》
突如、声、いや、これはテレパシーだ。が飛び込んで来る。
ガンやマグは驚いた様に辺りをキョロキョロ見回すが、バクは頭を垂れてその言葉を聞いている。
『こいつは高次空間で聴いた声だな』
そう。真にあの女の声だった。「戦士よ」と呼びかけていたあれだ。
目の前にある巨大植物。これが発しているのだろうか?
「俺は……」
《言わなくても判ります。マグ、私の名はイヤーハ。またはハテーサ……》
その念話はマグの言葉を遮った。
その内容からすると、こいつは神の園におわす女神と言う事になる。
《さて、戦士よ。ようやくイーヤハーテに来てくれましたね》
「その言葉っぷりからすると、戦士と言うのはぼくの事だね?」
《そうです。貴方は戦士としてこの世界に来た者ですから……》
その女神の返事に俺は違和感を覚える。
俺は自分が戦士であるとの自覚も無いし、これから戦士となると言う自信も無いからだ。
百歩譲って、弟の奴ならばヤーバン人にふさわしい戦士だろうけど、俺は肉体面が虚弱であり、これが改善される可能性が低いのは承知している。
無論。少しは健康になろうと努力してるのだが、戦士と言う程の体育会系になるのはまず無理だろうと思う。
「ぼくが戦士。バカを言ってはいけないよ。女神さん」
《私の認識ではそうですが?》
「それよりも〝ようやく来た〟と言っていたよね。もしかして、ぼくをここへ来させる為に何か手を回したのか?」
シシ達による襲撃事件。
そしてベガ星元首の拉致。『もしかしたら、ここで女神を名乗るこいつが全ての黒幕なんだろうか?』と俺が疑うのも当然の話じゃないか。
〈続く〉
いやはや、なんとも(笑)。
でも、流石にオモライくんやアラーくんとかは登場しないと思うぞ。多分。