連続で再生していると「ギガデスフレア」なんかの台詞と共に、ゲーム中の外道で激しいバトルが次々とシュールに甦りますな。おや、悲鳴が…「やめてくれぇぇぇぇぇ」(笑)。
内容に毒があるなぁと思いつつ、この毒を洒落だと流せない人は駄目な部類のゲームですね。まぁ、タイトル&サムネイル詐欺なので、これに怒り出す人もたまに居たりもするんですけども…(でも期待しちゃうだろ。題に「えろえろ」とか付いてるんだから)。
結論、アビゲイル可愛いよ。アビー(笑)。
俺はランダム親子の方を見て、何を言っているのかを理解しようとしていた。
女神が偽りで、マルクに伝わる秘儀がどうのと言う下りは初めて得た情報だった。
もっとも、俺が勉強したマルク両星の歴史なんかは一夜漬けに近い物であるから、本質的な所を理解しているとは到底言えないだろうし、テキストだってヤーバン側の偏見がかなり入っていると想像出来た。
基本的に俺という存在は、異邦人、余所者(ストレンジャー)に過ぎないからな。
『あれ……何かが引っかかる』
途端に頭痛が襲う。
只でさえ精神が参っているこの時に、こいつはたまらない。
以前、そうだ。ブラックミストと出会った時に起こったあれにそっくりだった。
「ラミアよ。貴様の企みはもうバレているのだ」
《何をです?》
ランダムとラミアのやり取りを横目に、俺はそれに思い当たる。
あの時の対処法は……そうだ、考えるな!
頭から湧いた疑問を横へ押しやる事だ。
「マグよ。私は憑依された事を後悔してはおらぬ」
「父上……」
「むしろ、ワルガスダーに憑依された事で真実を知ったのだ。
この女神、いや、ラミアを自称するこいつこそが、マルク数万年の歴史を我欲で動かしていた事実をな!」
ランダムは語りつつも、つかつかと歩いて行き腰を屈めた。
《キーラ!》
自称、女神が慌てて命を発するが遅い。その手には特殊弾頭が填まったロケットランチャー風の重火器がある。
落ちていたそれを拾ったのだが、俺を筆頭に現状、彼を誰も妨害出来る物は皆無だった。
ランダムを組み伏せようと、数体のキーラが躍りかかるものの、それを彼は躱し、更にソリッドで背中の瘤を一刀両断する。
「こいつの弱点だ。栄養源、動物で言うなら卵の黄身だな……を失うと、活動が出来なくなる」
《それもゲルマからの知識ですか》
「是」
《その知識が本物ではなく、偽りだとは思わないのですか。我が子よ!》
ランダムは低く、「くっくっくっ」と冷笑した。
ソリッドの刃をぎらりと光らせると、ラミアへ向けて突き付ける。
「オストマルクではハテサテ家が、ウエストマルクではイヤハヤ家が、何故に血塗られた儀式を行ってきたのか。その理由が伝えられたからだ」
「父上!」
「メゾが存在する理由。それは貴様の尸童(よりまし)を得る為だ。
マグよ。お前はあの偽りの女神に騙されているのだ」
《お止めなさい》
その時、太縄が弾けたみたいな切断音が響いて、ゆらりと立ち上がる人影があった。
古代アズテクの戦士は、事も無げにラミアの拘束を解いていた。
「確かにその男の言う事は本当だが、それは俺にはどうでも良い事だ。
さて、ベガ王子」
「何かな?」
突然、話題を向けられた俺は困惑しつつも応えた。
頭痛の影響はまだ響いているので、本当はしんどいんだけどね。
「去れ」
「は?」
「邪魔だから此処を去れと言っている。ラミアにお前の力が悪用されるのは明白だからな」
一瞬、アステカイザーの言う事が理解出来なかった。
だが、彼は続けた。
「お前はラミア復活の鍵となる人物だ。しかし、甦るのは本物のラミアではない」
《お止めなさい!》
悲鳴に近い自称、女神の念波と共に残ったキーラが襲いかかる。
凶暴でダビスタサイボーグ兵すら倒す植物生命体だが、古代アズテクの戦士の前には赤子同然だった。
腕のカイザースライサーが真っ二つに胴を斬り裂き、掌のアイアンクローが頭を握り潰すと、たちまち死体(植物だから、その表現は正しくはないだろうけど)の山が出来上がる。
「……本物ではない?」
「いや、そんな……そんな筈は、女神殿。お答え下され!」
呆けた様に呟くのはガン。
狂った様に訴えかけるのはバク。
うん、彼は自称、女神の事を信じて、ここまで行動してきたからな。
「敵対したな。同じアズテクの仲間だと思ってきたが、どうやらその配慮も必要なくなりそうだ」
《ア、アステカイザー》
「そいつ。ワルガスダーに憑依されたランダムとか言う男の言う通り、お前は古代の使命を忘れ、いや、使命を曲がって解釈して我欲を優先させ、だな。女神ラミアの望みとは別の方向へ持って行こうとしている」
額に填まったアステカの星の輝くが増す。
淡々と語っているが、怒気を秘めた物である事が明白だと俺は感じてしまっていた。
「父上、私が尸童とは?」
「あそこにいるラミアは贋者。いや、ラミアによって造られ、その姿を模された代行者と言った方が近いか」
ランダムはそう言いつつ、筒先をひょいと自称、女神の幹へと向ける。
「お前は偽りの女神の贄にされる。だからこそ、お前の姉は花屋にされたのだ」
「は、話が見えませんが……」
「奴の姿を見ろ。何に見える?」
マグは顔を上げて自称、女神の姿を見て「花……」と呟く
蔦の絡まった太い幹、そこかしこから花弁を実らせ、大量の花粉を撒く姿はそうとしか形容出来ない。
「あれが伝承の記述に出て来るラミアとは思えぬ。似ても似つかぬ化け物だ。
私はハテサテ家の記録を辿り、イヤハヤ家とも協力して現在のラミアを名乗る者の正体を探った。そして敵を知る為に、姉をルビー星へと里子へ出し、かの星の研究を学ばせた」
ふっと笑うと「もっとも、植物学者になる筈だったのが家が没落して、市井の花屋になってしまったのは計算外であったが……」との誤算も述べる。
ああ、そう言えば、養女となったフォルジュ家って没落したんだっけ?
「さて、お喋りが過ぎたな」
顔がラミアを名乗る化け物の方を向き、ランダムは引き金を引いた。
〈続く〉
今回は2,100字。うん、いいぞ。2,000文字以内には納められなかったけど、まぁまぁの成果かな。
ラミアは贋者。まぁ、胡散臭く感じてた方も大勢いらっしゃったかと思います。
『ばってん爆撃機』に出て来るあれとは似ても似つきませんからね。
そして、ようやく花屋の娘の伏線が回収出来たよ(笑)。