はちまんエンペラー   作:Nokato

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第11話

 

 

 

【嵐神、螺旋の魔術師(セプテントリオ)爆炎の支配者(フレイムマスター)を撃破。序列十二位と五位を降し序列五位へ】

【比企谷八幡、レヴォルフ内で大暴れ?治療院には30を超えるレヴォルフの生徒が。中には重傷者も】

【レヴォルフ校舎、一部崩壊。嵐神と爆炎の激突で】

【比企谷八幡、レヴォルフの冒頭の十二人(ページ・ワン)狩りか。二日で三人を無傷で倒す!】

孤毒の魔女(エレンシュキーガル)、嵐神と知り合いか。会長室まで同行する二人を激写…悪辣の王(タイラント)は比企谷八幡をどう見ている?】

 

【比企谷八幡、宣戦布告!撮影された動画内で強敵求むの声】

 

「何か申し開きはあるかしら、宣戦布告谷君?」

「…サーセン」

 

夜、ディルク(そう呼べって言われた)にまた呼び出され、ランドルーフェン(女子名前呼びはキツいっす)に行き帰りの護送をされた後、端末を開けばまたしても凄い量のメッセージが。とりあえず雪ノ下に電話をすると、ワンコールで出た後にニュースを丸読みされた。

 

「あら、謝罪が欲しいのではないわ嵐神(らんじん)谷君。私は何か、申し開きはあるのかと聞いているのよ?」

「…あー、強くなるための近道として」

「言い訳は聞かないわ序列五位谷君」

「理不尽だし、その語呂悪すぎる渾名と二つ名やめろ!一番メンタルにくるわ…」

 

怒涛の言葉の嵐を喰らい、俺の精神はボロボロに。あ、ちなみに今由比ヶ浜はリースフェルトの相談に乗っているのだそうだ。友達が出来ない…なんて二日目で悩むことじゃないと思うんだがな。なんせ何年も友達が居なかった俺が言うんだからヘーキヘーキ(大嘘)

 

しかしどうもまた心配をかけてしまった。仕方ないとはいえ、申し訳ないとは思っている。

 

「まー、その、アレだ。心配かけたな」

「…………はーっ、本当よ。貴方に分かる?お昼に端末を開く前にクラスメイトが『また比企谷が暴れたらしいぞっ』…なんて言った時の私達の思いが」

「悪かったよ…」

「挙句何十人も治療院送りにして、極めつけにまた序列を上げて。二日でどこまで有名人になるつもりかしら。…そういえば、宣戦布告もしてたわね」

 

どうやらニュースだけでなく動画も見たようだ。

爆炎の支配者…タツヤ・カササギはいつも体育館裏にグループで集まっているらしく、俺はそこに単独で向かった。その時からの映像なので、報道系クラブにつけられてたのだろう。

 

まぁ、早い話がアイツは舎弟で俺を囲み高みの見物だったので、全員吹っ飛ばしたら噛み付いてきた。決闘申請をするとすぐに受諾して能力を使ってきたので空壁で防御。爆炎というだけあって燃え盛る炎を操っていたがただの火力バカだった。後は肉弾戦を挑んで来たので空壁で応戦。リンダまでとはいかないまでもそれなりに闘った後でまたクレーターを作ってる校章を破壊して俺の勝利。

 

その戦闘の途中、

 

「お前は何の為に俺のグループに喧嘩売った!?ただ闘う為じゃねぇだろ!」

「…俺は強さが欲しいだけだ。お前以外の冒頭の十二人も、すぐに倒すさ」

「何勝った気でいやがるっ!!」

「いいや俺の勝ちだ。今日はお前で終わりだな」

 

という会話が何故か鮮明に撮られてしまい、先の宣戦布告に繋がるのだ。

 

「…明日はどうするの?」

「無理に闘わない。来たら倒す程度だ…」

 

そういえば、レヴォルフでは冒頭の十二人は学食無料だけでなく、授業免除もついている。故に俺はまぁ出なくていいと思っている。テストも無いに等しいらしく、超簡単な問題が出るだけらしい。

なのでまぁ校舎に入って喧嘩を待つ程度だ。たまに顔出せばいだろうと思っている。

 

「……そう」

「悪いな。由比ヶ浜にも言っといてくれ」

「ええ、承ったわ。どうせ言っても聞かないなら、やるだけやった後にひたすら小言を言うまでよ」

「うへぇ」

「それじゃあ、そろそろ私もユリスさんの所へ行ってくるわ。充分に体を休めなさい」

「ああ、おやすみ」

「おやすみなさい」

 

時刻は十一時を過ぎたところだ。割と長い時間ディルクん所にいたしな。校舎をまた壊した事を怒られ、反省文書いてました。流石に犯罪行為ではないので懲罰房に入れられなかったが、星猟警備隊のお世話になったら分からんぞと脅された。

 

とりあえずまたニュースを流し読みしつつ、メッセージを返していく。葉山からは動画の感想、戸塚や川崎、後小町からは心配の旨が。小町まで知ってるんだね…

雪ノ下さんは忠告を。なんでも、万有天羅という界龍第七学院の序列一位が俺に興味を持ったらしい。自由奔放な子どもの姿をしたバケモノと聞いたので、こっちも警戒しておく。

 

…ニュースでは、俺の動画付きで色々な記事があがっていた。

 

 

 

 

△▽△

 

 

今日は歓楽街(ロートリヒト)に来ている。学校には昼までいたのだが、序列持ちには会わなかった。正確には、ランドルーフェンと居た所を襲撃されたのだが、二教室分くらい校舎を破壊して全員潰した。ちょうどディルクの所にころなさんの紅茶を飲みに行こうとしてた所出会っただけなのに無粋な勘繰りをするから余計力入っちまった。

そのまま向かうとこれまたお怒りのディルクがいた。反省文は無しだったが瓦礫の撤去とか書類整理を手伝わされてすっかり夕方だ。

 

そして、先も言った通り俺は歓楽街に来ている。ここは所謂お遊び場で、賭け事や怪しい取引、エロい事何かを目的とした人々が集うところだ。怪しいネオンが目立ち、制服を着た生徒も多い。レヴォルフばっかだけど。

 

ここに来るまでも数回襲撃を受けたが全て返り討ちだ。放ってきて置いたがまぁ無事だろ。

 

さて、何が目的でこんな所に来たのかというと、単純に興味があったからだ。無論それだけでなく、ワンチャン強い奴いないかなーという希望を持ってはいるが、大半の行動理由は好奇心である。

 

「はぁ!?兄ちゃんこれで何連チャンだよ…!」

「JACKPOT。…あー7だな」

「うひょーメダル何枚あんだよ!なぁあんちゃんちょっと分けてくれよっ、なっ?」

「10枚」

「これで俺も当てるぜーーッ!!……ノオォォォォーーーー?!!」

 

スルの早すぎだろ。

まぁ見るだけでは満足出来ず、試しに入った店でメダルゲームをしてみた。順調に数を増やした所でビギナーズラックというのだろうか、JACKPOTが止まらない。

 

この店は退出する時にメダルを金に換えることが出来るらしいので、今多分俺の儲けは数万に上る。

 

「兄ちゃんまた来いよ!」

「クッソー今度こそ……ノオォォォォーーーー!!?」

「おう、じゃあなオッサン」

 

換金後、俺の電子マネーには21万円が追加された。パチンコの三店方式での取り引きだった。

 

 

 

 

△▽△

 

 

その後歓楽街を転々としていると、とある店の前で何人かが取っ組み合いの喧嘩をしていた。

 

「…何があったんだ?」

 

遠巻きに見ていたレヴォルフの生徒に声をかける。

 

「あ?あーあんまり詳しくは知らねぇが、不正がどうこうって言い合いからああなったらしいぜ」

「へぇ…サンキュー」

「おう……って、おまっっはぁ!?比企谷八幡!?」

「えへぇ!?……お、おう…」

 

経緯を聞けば、どうやらくだらない事だったらしい。しかしその後だ、今聞いた奴が驚いて飛びずさるもんだから俺も驚いちまって変な声出た。

 

「な、なんでここに…」

「あー、遊びに来たんだよ。初めてだし割と長居しちまってな」

「あ、なんだ決闘目的じゃねぇのか。ビビったわ」

「流石にずっとは闘わないぞ?」

「よく言うぜ。お前また校舎壊したろ。トップニュースここんとこお前しかいねぇじゃねぇか」

 

話せば割と気さくな奴だった。

名前は東城直樹というらしい。二人して喧嘩の行く末を見ていると…

 

「ーーーでよ、…って、ヤベぇ逃げるぞっ」

「あん?なんでだよ」

「星猟警備隊だ!…なんで今日はあの女がいやがる…!?」

 

驚いてばかりだな東城。…俺は喧嘩をしている連中に近付く星猟警備隊を確かに目にし、ゾクリと背筋を凍らせる。

…確かに、逃げた方がいいかもしれないな。

 

「警備隊長、ヘルガ・リンドヴァル…」

「あのアマ、先週もここに来たんだ!乱闘が大きくなってビルが倒壊した所があってな…目を付けられたか!」

「なんだそりゃ…」

 

ヘルガ・リンドヴァル。この名前を知らない者はアスタリスクには居ないだろう。現に、というか以前千葉にいた頃から俺も知っている。その能力の特異さ、その容姿ゆえに。

 

ある時は学生のような十代の少女から妖艶な美女、年端のいかぬ幼女姿まで、その姿はコロコロと変わっている。俺がリンドヴァル警備隊長だと分かったのは、尋常じゃないオーラと、昔見た映像から面影を汲み取ったからだ。

 

「逃げるぞ比企谷!事情聴取なんて面倒だし、しょっぴかれるかも…」

「ワリ、ちょっと絡んでくる」

「比企谷ァ!?」

 

俺は『空』を使い、連中の動きを捉える。星猟警備隊は、近付いた途端連中が動きを止めた事に一瞬動揺した様にも見えたがすぐに捕獲に回る。

が、空に邪魔されて捕獲出来ずにいた。

俺の後ろで東城がガタガタ震えている中、連中から目を離し、ただ一人、俺を見つめる少女がいた。

 

「…もう離していいぞ、協力感謝する、少年」

 

口を開いた少女の言葉。美しい音色の様な耳心地の良いもので、しかし俺は不敵に…いや、若干ビビりながら嗤う。

 

「協力?…勘違いしないでくれ。アンタを倒すステージに邪魔な置物をどけようと思っただけだ」

「…ほう?」

 

ヘルガ・リンドヴァル。王竜星武祭を二度制し、半世紀以上生きてなおアスタリスク最強の魔女と名高い至高に、俺は喧嘩を売る。

 

 

 

 

△▽△

 

 

「君は私に何か恨みでもあるのか?…生憎初対面の筈だが」

「あぁ初対面だ」

「何が目的だ?」

「…闘い。強敵との戦闘だ」

 

他の星猟警備隊が俺達を囲みだした。そんな中警備隊長は一歩も動かず、ただ俺と目を合わせる。…呑まれそうだ。体がピリついてくる。本能が逃げろって言ってる気がしないでもないしする気がしなくもない。警報が危険を報せる事もなく、俺は危険を感じ取っていた。もう東城は膝をついてひたすら天に謝罪してる。面白いなお前…

 

「……しかし、何処かで見た気がしないでもない。名は?」

「…比企谷八幡」

「そうか!…君があの」

「知ってくれてて何よりだ」

「知っているさ。攻撃を寄せ付けない鉄壁の守りに、暴力的な破壊。攻守を兼ね備えた、いい学生だと思ったからね。動画は拝見したよ」

「光栄だ」

 

じゃあ能力もバレてるか…

 

〝おい八!ヤバそうな空気を感じたんだが…〟

ああ、ヤバいな。俺生きて帰れるか分からん。

〝…あの女。確かにヤバいな。いくのか?〟

実力試しといこう。

〝出し惜しむと死ぬぞ〟

…精々足掻こう。

 

「…そんな君が、何故こんな事を?逮捕の邪魔をするなら、君も逮捕せねばならんようになる。聡明になれ、少年」

「じゃあ持ってけよ。…なぁに、ただ年長者に手ほどきを受けたいだけだ」

「……仕方あるまい。反省文くらいは覚悟したまえ」

「もう昨日書いたよ」

「準備がいいな」

「別件さ」

 

ここで初めて、目を合わせてから警備隊長が動いた。煌式武装は出さず、素手で少し構える。

俺は万応素を限界まで暴走ギリギリまで集め、星辰力を爆発的に高める。

 

「…凄いな。ただの学生とは思えない。是非卒業後はうちに来てほしいな」

「負けたら考えとく」

「言質をとったぞ。君には反省文ではなく、暫く私の秘書にでもなってもらおうかな」

「断じて拒否する」

「ならば私に勝ちたまえ」

 

そう言われ、『空』を使おうとし…一瞬、脳が揺さぶられた。何だ…?

 

「…ああ本気でいいぞ。今私の部下が()()()()()()()。私達がどれ程暴れようとあっちに影響はない」

「…部下さん凄いな」

「制限時間付きだがな。10分だけ、付き合おう」

「長いんだか短いんだかてw」

 

どうやら警備隊の誰かが能力を使ったようだ。…これで俺も本気を出せる。

 

「さぁ来るがいい。格の違いを教えてやろう」

「優しくしてね」

「…それは私の台詞だろう」

「うーわ似合わなっ」

「…本気で行くぞ」

 

チッ、来るかッ…!!俺は全力で空壁を張る。その瞬間、俺の体が遥か後方に吹き飛んでいった。衝撃が体を駆け巡り、肺から空気が吐き出される。

ギリギリ地面の近くでバランスを持ち直し、『空』でゆっくりと着地する。

 

「…マジかよ」

〝やべーな…〟

 

ほんの少し、掠れた程度だが見えていた。彼女が、ただ俺の空壁を蹴っただけだと。

遠くで、不敵に笑う警備隊長。おもむろに右腕を胸元まで上げたと思えば、伸ばし、指で2、3度クイクイッと挑発してきた。

 

……上等だよ!!

 

「ーーー来い」

「言われなくても…!」

 

俺はもう、警備隊長を殺す気で行くしかないと考える。というか、多分それでも適わないけど…少しは驚かせてやるぜ。

 

風を嵐のように吹き荒れさせ、俺は『神風』を超える技を発動させる。せめて、これで少しでもダメージが通ればいいな…と思いながら。

 

「『神嵐』」

 

 

暴虐の嵐は、巨大な旋風となって警備隊長へと向かっていった。

その時チラッ見えた警備隊長の表情は、若干、不気味な笑顔であった気がした。

 

 

 




換金は適当にちょい高め。レートやらは知らん。三店方式もちょっと調べたレベル。

1回ヘルガと戦わせます。あと少しでキングクリムゾン発動よ〜
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