はちまんエンペラー   作:Nokato

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男同士の休日

 

 

「やぁ比企谷、待ったかい?」

「超絶待った。飯奢れ」

「本当に遠慮がないね…まぁいいさ、どこ行く?」

「ラーメン」

「だと思った。レビューで良さげな所探しといたよ」

「お前は俺の彼女か何か?」

 

マジで何なのお前俺の事好きすぎない?薄ら寒いものを感じるが兎に角葉山の隣を歩き、案内されるがままに入店。割と近かったな…

 

「メンカタカタメヤサイダブルニンニ…」

「待てコラ葉山」

 

数席しか空いていなかったカウンターに座り、まず葉山が暴走した。なんでお前それ知ってるんだよ。

 

「ん、どうかしたかい?」

「何でお前がその呪文知ってるんだよ…」

「レビューに書いてあったのさ、こうして頼むんだって」

「…止めねぇからな」

 

止まるんじゃねぇぞ葉山…俺は普通に、今日は醤油の気分だったので醤油ラーメンを頼む。

先に俺のが届き、ほんの少し匂いを楽しんでいると葉山のブツが届いた。…うおっデッカ…

 

「へいお待ちィ!」

「ありがとうございま……へっ?」

 

ちゃんと調べていなかったからか、葉山はあの呪文全てを唱え、ブツを知った。…山盛りだぁ…

 

「葉山…死ぬなよ」

「…比企谷」

「何だ」

「…ブレスケア、持ってるか?」

 

俺はそっと胸ポケからブレスケアを見せ、葉山の心を落ち着かせる。

 

俺は普通に美味しく頂きまた今度ラーメン巡りをしようと決めた。中でもこの店は美味さ上位に来ると確信している。

葉山は何とか完食し、店の客、店員店主合わせて全員から惜しみない拍手を頂いていた。

 

お前は良くやったよ…!

 

 

 

 

△▽△

 

 

暫く店近くのベンチに座り葉山の回復を待った。俺はというと横に座って葉山の勇姿を収めた動画を一色と雪ノ下、海老名さんや雪ノ下さんに送り付けていた。全員が大爆笑の意を示してくれたので晒したワイも満足です。

復活した葉山にそれを告げると、真っ白に燃え尽きていた。哀れ葉山、お前がいつの間にか小町とメッセージのやり取りをしていて俺が日曜の朝からプリキュア見てる動画を手に入れそれを雪ノ下さんに送った罪は重い。

 

さてその真っ白に燃え尽きた葉山も既に復活し、共に店を回る。とは言っても今日は電化製品が届く日なのであまり遅くまでは外に居ないが、まぁ後四時間程度は暇だ。

 

「という訳で陽乃さんに顔出しに行こう」

「何がという訳なのバカなの死ぬの?勝手に死ねよ」

「流石に最後のは心が痛いよ?」

 

うるせぇ黙れ口を慎め貴様…何でこんな日に雪ノ下さんに会わなきゃならんのだ。というかお前昨日無視とか言ってたろ。

 

「まぁ冗談さ。いくら陽乃さんとは言え、俺と比企谷の時間を邪魔されるのは許せないからね」

「お前マジでこっちじゃないよね?」

 

俺は手の甲を顎のラインに添えて、男好きではないか?というサインを送るが否定される。

 

「優美子が一番さ。ただ二番が君ってだけで」

『キマシタワー!!!!』

「…なぁ、なんか聞こえなかったか?」

「いや、俺には何も…?」

 

そ、そうか。何処かで腐海の住人さんが叫んで鼻血噴出しながら介抱されてる気がしたんだけどな…

まぁいい。兎に角何処へ行くのか真面目に聞いたところ、ゲーセンにでも行こうという話になった。

 

「さて、何からしようか」

 

到着する前からウッキウキの葉山に少し引きながら、俺は店内を見回す。…お。

 

「パンチングマシン何かどうだ。日頃のストレス解消」

「君はなにかストレスがあるのかい?」

「主に学校生活への不安」

「レヴォルフだもんね…いいよ、やろう。負けた方は何する?」

 

俺と葉山に限らず、総武男子組で遊びに行く時は絶対に賭けをする。負けたらジュース奢り、はたまたダンスゲームをソロプレイ、酷い時は戸部が一週間ノーパン何てのもあった。戸部は学校で常に大人しくしていて爆笑したのを覚えている。

 

「そうだな…」

「ああ、彼処にダンスゲームがあるね?」

「上等」

「負けないよ」

 

比較的、俺と葉山はダンスが出来る。戸塚と戸部はまぁまぁと言ったところだが、意外や意外、一番上手いのは材木座だ。まぁアイツ経験者だしな。

 

「曲は……無難にシルヴィア・リューネハイムさんのでいいか」

「あーそれなら知ってるぞ」

「じゃあ早速やろうか」

 

100円を、まず葉山が投入した。今までの記録が素早く下にスクロールされ、上位から最下位までのランキングが目に入る。

一位は2013kgか…

 

ランキングが消えた所で、パンチを撃つ体勢に入る葉山。一際目立つ様にしているのか、入口に近い所でけたたましいBGMが流れ始め、そして葉山の容姿も相まってか、ギャラリーがかなり多い。

 

「いくよっ」

 

そう言った葉山は、画面がパンチ!!に変わった瞬間にミットを装着した右手でサンドバッグの様な吸収剤を巻き付けたモノを殴り、倒す。

 

記録は…『2118kg』か。

堂々の一位に、完成と拍手が上がる。葉山は振り返りギャラリーのそれに応えつつ、ミットを外し俺と交代する。

 

「どうだい?伊達に鍛錬を積んでいないよ」

「てめぇ…随分鍛えたみたいだな」

「当然!以前君に負けたのが悔しくてならなくてね」

 

今度は代わって俺だ。俺も100円を投入し、ミットを装着。一位の記録は、葉山に変わっている。

 

「なぁ葉山」

「ん?」

 

腕を組み、仁王立ちで俺を見る葉山に、真っ暗になった画面越しに笑顔を叩きつける。

 

「…俺も、鍛錬積んだんだぜ?」

 

パンチ!!の画面になり、一息付いたあと、俺は振りかぶった。

 

「オラァ!!」

 

鈍い音と共にモノは倒れ、画面の数字が動く。0からドンドン上昇する数字は、2000を超えても上がり続け…

 

『2914』

 

葉山を超える歓声と拍手を一身に受け、少々引いてしまうがギャラリーに手を挙げ応えた。戻り、悔しそうな顔をしている葉山に向かい、

 

「俺の勝ちだ」

「…君、ホントにその見た目からは想像出来ないくらいパワー派だよね……」

 

勝ち誇っておいた。

なお、電力を操り自分の筋肉を少しパワーアップさせていたのは、墓まで持っていくことにする。

 

 

 

 

△▽△

 

 

本気のシルヴィア・リューネハイムの歌をダンスした葉山の動画を更に雪ノ下さん達に送り付け、雪ノ下さんから「どうして私の所に来てくれないの?」と言われ、そう言えばさっきのメッセージの下にもそんな事書いてたな…と思いつつ「今日は男だけの予定で、また今度お茶しましょう」とだけ送った。にこやかな顔文字が返ってきたので機嫌はいいと思う…

 

因みにメッセージは、葉山と川崎以外は顔文字や絵文字多用だ。あの雪ノ下姉妹ですら、最近は顔文字も多い。

 

ーーーーー

比企谷君、今度の休日だけれど(′・ω・`)

由比ヶ浜さんと三人でららぽに行かないかしら?

予定が空いてたら嬉しいわ(´˘`*)

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ーーーーー

ヒッキー(」゚Д゚)」オ────イ!!

明日の授業って家庭科の調理実習あるよね(`・ω・´)?

クッキー作るの楽しみだね(`・∀・)ノイェ-イ!

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ーーーーー

比企谷君へ。

最近雪乃ちゃんが冷たいです(T^T)

家に泊まった時もお風呂に突撃したら怒られて…

姉妹の仲崩壊の危機(´;ω;`)ブワッ

あ、それはそうと私のバスタオル1枚の写真送っとくね

っ【送付ファイル】

ーーーーー

 

なお雪ノ下さんのギリギリショットは俺の秘蔵フォルダに保存してメールは証拠隠滅しましたが何か。

 

「比企谷?」

 

何て考えていると、葉山の声で現実に引き戻された。ああそうだ、今はゾンビシューティングしてたんだっけ。

 

「ああ、すまん聞いてなかった。何?」

「いや、無言でヘッドショットが怖すぎて声掛けただけだ。っと…ラストステージっぽいな」

「案外楽勝だな」

「分からないよ。このマスターモード、まだ誰もクリアしてない理由がここにあるのかも」

 

俺と葉山は、次は賭け無しにゾンビシューティングゲームをしていた。というのも、店内を見て回っていると…

 

ーーーー

挑戦者募集!!

ゾンビシューティング『マスターモード』をクリアした方には、先着10名様まで、賞金10万円を差し上げます。なお、実装から半年、未だクリアはゼロです

ーーーー

 

という張り紙を見つけたからだ。マスターモードプレイは一回500円。誰も近寄らずにいたゾンビシューティングゾーンに足を踏み入れ500円を投入した時から、ずっとギャラリーに動画を撮られている。実況のようなものも聞こえるため、何処ぞの学校の報道系クラブだろうと当たりをつけた。こんな感じで世に決闘動画とか出回るんだな…

 

「しかしまぁ、ここまでも難易度は高い方だったか」

「まさか弾薬は現場補充とはね。ボタンやアクション補充が出来ないんじゃ、無駄打ちは出来ない」

「確かに厳しいな」

「でもまぁ…慣れてるしな」

「だな」

 

俺達は千葉のゲーセンで、使用した弾数がいかに少なくより多くゾンビを倒せるかという勝負を何度も行なってきた。意外にもこれは戸部と戸塚が強い。前者は勘、後者は機械的に狙いを定め、狂いなくヘッドショットを決める恐ろしい精密性だ。あの二人に勝った事は無いが、それでもかなりやりこんでるんだ。

 

「さてラスボスか…うっわキモ」

「デカイな…サイクロプスのゾンビか?」

「世界観どこ?さっきまでビル群あったよな」

「ゲームだし」

 

葉山も俺達とつるみ始めてから変わったな…良い方、悪い方その両方へと。見識を深める意味ではこの交流は良かったのだろうが、葉山はハマりすぎだ。知ってんぞ、材木座にRPGからエロゲまで借りてプレイしてた事。…貴様だからあの呪文を知っていたのか!?

 

「比企谷、前来てるよ」

「わーってるよ」

 

なんて下らない思考を振り払い、サノバイイよね…と思考をチェンジしながらも俺はアクションを起こし、サイクロプスゾンビ……略してゾンビ(原型に帰還)の叩きつけてきた拳を避ける。すかさず部位破壊を狙い肘、指を撃つがHPが全く減らない。となると…

 

「「目か」」

 

二人同時に弱点に気付き、俺は武器を切り替え、前ステージで拾った一発切りのバズーカを持つ。

葉山は一発の威力が飛んでもない、対戦車ライフルを持っていた。

 

まぁあのゾンビ、腐ってる癖に目蓋とか超硬いもんな。そんくらいで行かないとダメ入んねぇよなぁ。

 

「俺がぶっ放す?」

「推測だけど、奴は銃の音を頼りに俺達を攻撃してたみたいだ。撃たなければ攻撃はしてこないし…」

「だからずっと目を瞑ってても攻撃出来るってか。こじ開けるしかねぇけど…」

「怒りで開眼とかないかな?」

「試すか」

 

狙いを定め、顔面にバズーカを放ち、着弾。HPは…うっわ一割しか減ってねぇの?もう無いよバズーカ。まぁ、今の攻撃で目蓋ボロボロになって無理矢理開眼させたんだけどね。

 

「Gyuruoooooo!!!」

「うるっせ」

「じゃあ次俺か」

 

淡白に呟いた葉山は、対戦車ライフルの標準を定め、ダメージに怒るゾンビが落ち着くのを待ち…放った。

 

「あ」

「えっ」

 

弾道は綺麗に決まり、弾は無事ゾンビの頭を吹っ飛ばした。HPは残り一割。しかし…

 

「ごめん死んだ」

「分かってるよ…」

 

対戦車ライフルを放った葉山キャラは衝撃で残っていたHPを全てふっとばして死んだ。

この後、めちゃくちゃ地味にアサルトライフルなんかを使って少し時間をかけて倒した。

 

締まらねぇなぁ…

 

 

 

 

△▽△

 

 

店長のクソ悔しそうな顔を拝み、無事10万円をgetした俺達はそれぞれ他のゲームでも賭け勝負を行った。

レーシングゲームでは俺が葉山のアタックをくらいクラッシュして敗北。アイスを奢った。格ゲーでは圧勝。葉山にアイスを奢らせた。

リズムゲームは案の定接戦で、ポイントはほぼ同数を稼ぐ。故に止めた。最終的にゲーセンの真横にあったボウリング場でワンゲーム勝負をし、スコア180-168で葉山の勝利。葉山がクレーンゲームで取ったどデカい熊のぬいぐるみを持ち帰る事に。絶許。

 

さて、そろそろ俺が帰る時間となったので、ゲーセン前でジュースの乾杯をし、別れる。

 

「楽しかったよ」

「…まぁ、そのアレだ。気晴らしにはなった」

「…くくく、そんなぬいぐるみを持っている君がそう言うなら、その不愉快さを越えるほど良かったらしい」

「今すぐお前ごと燃え散らすぞ」

「冗談さ。……また会おう」

「ん…ああ、またな」

 

レヴォルフ前で待機していた配達員は何の因果か昨日と同じお兄さんだった。そう言えばどデカい店で、同じ会社が運営してたっけ。

一度来ると慣れたのか、スムーズに運び入れをしてくれたが、俺の姿を見て吹き出したのは忘れない。

 

マジ葉山絶許ノートに名前書いとく。

小さな復讐心を解消し、レンジ等を設置した後は同じく遊んでいた由比ヶ浜達と連絡を取り寝床についた。

 

…あ、色々用品も運んだけど、冷蔵庫の中とか空だな…明日買いに行くか。

ほぼ整った部屋を脳内に思い浮かべ、新生活、しかも一人暮らしにほぼ近い状態に思わず興奮し、寝付くのは深夜2時を回っていた。

 

 

 




まぁ葉山との日常回ですわ
こんな葉山が好きなんですよね、八幡といがみ合うんじゃなく、仲良くしてる葉山が。

因みに魔術師は俺ガイル勢で
八幡、葉山
魔女は
雪ノ下姉妹、由比ヶ浜、川崎です。
次回、レヴォルフ入学式。オリ展開しかないけどもういいよね…
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