【スタート オブ ザ デュエル】
「オラ行くぞ!!」
そう言ってリンダは地面を蹴り、僅か数mの距離を一足で詰めた。しかし俺は焦らず『空』を発動し風の障壁を張る。
弾かれた細剣は、変わらずリンダの手の内だ。…流石冒頭の十二人。簡単に武器は手放さないか。
「…お前、ダンテか」
「ああ」
早くもバレたが、まぁこれは元々そのつもりだった。が、いかに『空』だけで乗り切るかが鬼門であると俺は考える。複数持ちだと今バレるのは余りに痛手だ。せめて次に使うのは『光』であってほしいが…出来る限り俺は『空』以外を使わずに勝ちたい。
「なら、接近戦は苦手だろう」
「煌式武装は持ち合わせてないが、一応槍と直剣には心得があるぞ」
「それに障壁もあるってか…チッ、中々面倒だなぁお前」
「そっちこそ。随分すばしっこいな」
「言ってろクソガキ!!」
余り星辰力は使いたくないので、俺は少し障壁の強度と範囲を落とす。その隙を逃さずリンダは縦横無尽に駆け、四方八方から細剣を振るうが…俺の両手に纏わせた風の篭手で全て弾く。これで近接戦闘も可能アピールを忘れない。後、校章だが、これがやられただけで決闘に敗けるので徹底して守護する。具体的には、先程の星辰力をの大体を使って校章だけを障壁で守護している状態だ。
「よく流すじゃねぇか…!」
「アンタもよく動くな?」
「体力と足にゃ自信あんだよ」
「オイオイ…俺様キャラはそこそこ弱くて後ろのが強いってのが定石だろうが。若しくはマジで強い奴か」
「訳わかんねぇ事言ってんじゃねぇ!あとその二択なら、残念ながら俺様は後者だがなァ!」
否定は出来ない。コイツの動き…的確に俺の視界を突いてくる。左前方から剣が来れば、次は右後ろ、続いて下、更にはアクロバティックな動きで俺の頭上を取ることもある。無尽蔵なスタミナ、そして偶に入れてくる小型銃の煌式武装の遠距離攻撃。多少の休憩を入れつつ、ずっと攻撃の手を止めない。
対する俺はずっと防戦だ。コイツが魔術師ならどうしようとか思っていたが、どうやらそうではないらしい。であれば、強行で倒してしまおう。
「オラどうした!そろそろ星辰力がやばいんじゃねぇのかァ!?」
「…生憎星辰力には、自信があるんだよッ!!」
まだ剣戟を繰り出してくるリンダに、俺は空砲を放つ。空砲と言っても、拳を纏う風をパンチと共に放出してボールの様にぶつけるだけなのだが。
ギリギリで、多分直感だろうが俺の手前で攻撃を中止して後に飛び退いたリンダの左足に空砲が直撃し、その体を後方に吹っ飛ばした。これで意識が無くなれば簡単なんだがな…
ギャラリーに突っ込んだリンダは、すぐさま復帰してくる。が、左足を引き摺っている所を見ると、痛手は負わせた様だ。
「くっそ、守ってるだけかと思えば…最初っからそれ使えよ」
「魔術師かどうか見極めてたんだよ、手の内を知らない相手なんだ、慎重になるのが当然だろうが」
「その初見の楽しみを味わうのが突撃だって知らねぇのか?」
「相互理解は難しいみたいだな」
「違いねぇ」
そう言うとまたリンダは構えた。足が痛むだろうに…チッこりゃ戦意を削いで降伏してもらう事は難しいな。
であれば覚悟してもらおう。骨の一本や二本折れても文句言わないでくれよ?
「ふう…」
「…なんだぁ大技でも出すのか?」
「ま、そんな感じだ。死なないでくれよ」
…電力を少し使い、全身の筋肉を補強。更にそれをバラす事の無いように、俺は『空』の出力を上げた。
「…オイオイマジかよ」
「『空圧』。…結構重たいから、気ィつけな」
周囲の人々は俺達からかなり離れ始める。…何故なら、俺の周囲にまるで嵐を彷彿とさせるかのような風が吹き荒れ始めたからだ。それらを収束し、やがて俺の全身を風の鎧、風の武器とでも言えるモノが纏われた。今の俺に攻撃は早々通用しない。ましてやただの物理攻撃など、自殺行為だ。
「『神風』。そして『空圧』。…これ以上怪我したくないなら降参しろ」
俺はここまで本気を見せ、脅す。
「抜かせ!俺は双剣の校章に誓を捧げた戦士だぞ!戦いを、死闘を恐れる戦士が何処にいる!?戦いで死ねるなら本望、舎弟に無様な姿を晒すくらいなら一矢報いて死んでやるさ!ヒャーハハハハッ!!」
そうして、自身の覚悟を示した。
これには同じ男として尊敬の念を抱かずにはいられない。俺は未だに人を傷つける覚悟と、自身が精神的にではなく肉体的に傷つくことに覚悟を決め切れていない事を再認識し。
戦士リンダに向けて、今の本気をぶつけたいと思った。
「なら行くぞ!死にたくないなら抜けて見せろ!」
「バカが、そんなやわっちい風くらい、俺様が断ち切ってやるぜ!こいやクソガキィ!!」
「そうかよ……ならせめて一撃で沈め!」
俺は『空』で地面から数十cm浮き上がり、そして風を利用して一瞬で数十mの距離を詰めた。眼前で吹き荒れる風にリンダはそれでも細剣を突き立てようとするが、動けない。立っていられるだけでもやっとだろう。
だから、俺は敬意を表して全力で放つ。『空』の全開を。
「
「チッ……バケモノめ」
「どっちが」
『神風』を『空圧』で収束し、放つ一撃はいとも簡単にリンダを地面に叩き付けた。上からの攻撃にしたのは、せめて周囲への被害を減らそうと考えた結果だ。別にリンダに情けをかけたつもりは無い。むしろ、ここまで出す予定のなかった『神風』まで出したんだ、あって数分だがこの男は敬意を払う対象として全力でいった。
地面がめくり上がり、リンダは衝撃で地面に沈む。半径数十m程を沈め、その中央には意識を失い、ついでに校章が壊れたリンダが眠っていた。
クレーターの中心で、そんなリンダを見下ろしながら、俺は。
【エンド オブ デュエル 勝者 比企谷八幡】
機械音が俺の勝利を告げるのを、ただ聞いていた。
△▽△
【レヴォルフ黒学院、入学式当日に大決闘!?冒頭の十二人の一人が新入生に敗れる!】
【序列七位のリンダ・アッフェルデン。『
【新入生の名は『比企谷八幡』!】
このニュースは一瞬でアスタリスク全校の元に届き、たちまち都市を沸かせた。レヴォルフ故の、好戦的なイメージそのものである。
下剋上。それも入学初日に。いくらレヴォルフが粗暴で悪党が多く、住民らや学生から遠巻きに見られる事が多いと言っても、流石はアスタリスクの住人。闘いの話題は大好物なのである。
そしてこの決闘の様子は既に報道系クラブの映像により、すぐさまネットで拡散。忽ち、比企谷八幡は有名人になった。
その立ち回り、そして大技、魔術師としての能力から、仮定的ではあるが【嵐神】と呼ばれるようになった。
△▽△
「…で、何か申し開きはあるか?」
「はぁ…本日はお日柄も良く」
「殺すぞ」
「サーセン」
あの決闘の後、すぐに俺はリンダを医務室に運んだ。彼は一応無事な様だが、やはり骨がイカれてた様で、すぐに治療院行きとなった。そんな彼を見送ると、生徒会長の使いの、オドオドした女の子に呼ばれ、こうして生徒会長室に来た訳だが。
もう初手から怖いし何故かエレンシュキーガルはいるし暗いしで訳が分かりません。
「チッ…まさか初日から冒頭の十二人を降す野郎が現れるとはな」
「はぁ…」
「いいか。テメェは今日からレヴォルフの冒頭の十二人、序列七位になる。つまりまぁ月々に金は支払われるわ一人部屋としていい部屋に住めるわで色々権利が得られる」
「はぁ」
「部屋の移動は有無は言わさん。既にお前の寮部屋前に部下を置いてるが、家具やら移動させて構わんな?」
「まぁ、はい。忘れ物がないようにだけ…」
「…レヴォルフに入学したにしてはイヤに下手に出るなお前…」
「まぁ、その」
いやー結構な大きさのクレーター作っちゃって(笑)備品は壊してないけど敷地壊しちった(笑)メンゴwな状態だしね?下手に物言うと沈められるの俺だから、マジで。
「…まぁいい。とりあえず部屋のモンは全部移動、部屋も移動だ。安心しろ、寮内だが最上階の見晴らしのいい部屋で、ワンフロアすべてお前のものだ」
「おぉ!」
「更に冒頭の十二人だからな。さっきも言ったが金はかなり支給される!」
「おおお!!」
「その分狙われるし成績もしっかり残してもらうが、まぁそれは覚悟済みだろうな。初日から冒頭の十二人を墜す位だしよ」
「おぉ…」
「予想してなかったのかよ!?」
いや知ってたけどさ。今になってあのテンションが恥ずかしくなってきたんだよ。それに狙われるのは本懐…なのかもしれんが、暫く忙しそうだなぁ。
「まぁ、初日から暴れて反省してんのはいい事だ。一応言っとくがマジで校舎壊したりしたら冒頭の十二人でも懲罰房入れるからな」
「えぇ…なんでそんなもん学校にあるんすか…」
「レヴォルフだからだ」
「納得」
レヴォルフだからで大体納得出来るわ。レヴォルフマジ便利。
「…とまぁ茶番はここまでだ」
え、茶番だったの?
何やら既に怖い顔を更に怖く…具体的には眉に皺が出来まくった表情で、ゲンドウポーズを取りながら、俺にある話持ちかけてくる。
「俺の手駒になれ」
「え、嫌だけど」
いや何の話よ。
△▽△
「話は最後まで聞け」
「えぇ…」
何故かソファに座らされた俺は、対面に移動してきた生徒会長と、その後ろに控える女の子とエレンシュキーガルとも目が合い、前者には目を逸らされ後者は俺が目を逸らした。やめて、そんな冷たい目で見られると俺…ダメっ感じちゃう!(恐怖)
「ころな」
「は、はいっ」
会長がころな、と言うと後ろの女の子が動き出した。ああもしかして名前か?
少しして、その女の子…ころなさんは紅茶を淹れて来てくれた。一口頂くが…ふっ、雪ノ下には適わないな。などと何故か俺が勝ち誇る。
が、会長は無視して話を進める。
「まず、手駒の件だが。これは主に俺が大金をテメェに支払う事でテメェが何も聞かずに汚れ仕事でも何でも受ける。…これが大雑把な内容だ」
なんと。まさかの暗部部隊の様な話でござる。…え、これ聞いたからにはみたいに脅されないよね?聞いたら負けとかじゃないよね?
「勘違いしてる様だが、この話は受けなくてもなんらテメェの影響はねぇよ。夜襲もしねぇし、暗殺もねぇ」
「あぁなんだぁ…」
「ただし刺客を送りまくるがな」
「二択に見せかけた一択じゃん」
やっぱり聞いたら負けでした。
「冗談だ。汚れ仕事っても、殺しじゃあねぇ」
「じゃあなんすか…」
「暗殺だ」
「結局殺しじゃねぇか」
何言ってんだこのチビデブ…頭に蛆でも湧いてんのか?やめろよ俺そういう系苦手だかんな。
「…お前、揶揄いやすいな」
「会長は意地汚いっすね…」
「敬語はやめろ気持ち悪い。つーか、微妙に違うしな」
「りょーかい」
さて、どうやらココからが本当に真面目な話の様だ。会長はころなさんに紅茶を下げさせ、
「オーフェリアの力を知っているか?」
そう、聞いてきた。えっと確か…
「…瘴気を操るんだっけか」
「そうだ」
「…それがどうかしたのか?」
すると会長は、チラリとエレンシュキーガルを一瞥し、俺に視線を戻してーーー
「オーフェリアの力は常に溢れている。手袋や制服なんかに細工をして抑えているが、外に出りゃ土は死に、花は腐る。草は枯れ果て、小動物は一発であの世行きだ」
「俺は、オーフェリアの力を抑える方法を探している。協力してくれ」
ーーーと、まさかの『依頼』をされたのだった。
オリ展開最高や。
ワイ、ディルクがええやつ側って妄想めちゃくちゃ好きやからそういう方向で行くやで
まぁ、どれもこれもオリ展開やけどすまんな許してくれ。
ワイの妄想垂れ流し小説やしおおめに見て♡