勝手に転生させられた挙句、転生した世界はダンまちでした!? ~主人公ハーレム物語~ 作:サクサクフェイはや幻想入り
昨日のマインドダウンのせいで、今日はダンジョンに潜るのをリリィとミィシャさんに禁止された俺は、昨日の技、九頭龍閃やほかの技を練習したのち、街に出ていた。 昼間の街も人でにぎわっており、それを見ながらゆっくりと歩いていた。 うーん、平和だ。 ダンジョンの中ではもう慣れてきたとはいえ命のやり取り、たまにはこんなゆっくりとした日もいいのではないだろうか、なんて考えながらとある店の前を通ると、店の中から出てきた人物に腕を掴まれ引っ張られる
「セフィロスさん! ちょうどいい所に!」
「ちょっ、シルさん!?」
白いワンピースを着て、どこに向かっているのかはわからないが俺の腕を引っ張るシルさん。 なんか後ろから怒鳴り声が聞こえるし、これ完璧に厄介ごとに巻き込まれてるよね? とりあえずシルさんに引っ張られたまま走るのは危ないので、シルさんと並ぶように走りなぜこうなったか聞くことにする
「それで? なんかミアさんの怒鳴り声聞こえたんだけど、どうしたの?」
「えへ」
あざといぃぃぃぃぃ!だが可愛いから許すかは別問題だ。 なぜかって? ミアさんの拳骨やばいくらい痛そうだからだ。 シルさんと同じ店員である、アーニャさんとクロエさんが殴られているところを見たころがあるのだが、いい音していたのだ。 流石に俺あんなのは食らいたくはない
「可愛いですが、正直に答えてください」
「えーっとですね、今日朝早くから仕込みのお手伝いで、休憩して午後の遅い時間からシフトだと思ってたんですけど......」
「勘違いしたと......」
「はい、それで無理やり出てきてしまって」
いい笑顔で言うことではない。 それに俺は巻き込まれたわけで、多分これ俺も怒られるよなぁ......しかも他の店員にも俺が怒られるパターンか? 平和とか言ってたけど、全然平和じゃなかった。 とりあえずもう巻き込まれたものは諦め、俺はシルさんに付き合うことにした
「はぁ......それでどこか行くんですか?」
「えっと、いいんですか?」
なぜか心配そうに聞いてくるシルさんなのだが、そんな表情をするなら巻き込まないでほしいのだが。 もう諦めたのだから、どうせなら楽しんだもの勝ちだ
「もう諦めました」
「ふふっ、セフィロスさんならそう言ってくれると思ってました」
「何さそれ」
苦笑しながらスピードを落とす。 シルさんもそれに合わせてスピードを落とし、いつの間にか腕を組んでいたシルさんとゆったりと街を歩く
「それでどこ行くの?」
「えーっと、まずはお店の仕入れから行こうかなって」
「仕入?」
「はい。 今日予約の方が入ってまして、食材は多い方がいいかなって」
「なるほど、差し入れをして許してもらおうと」
「はい!」
またもいい笑顔なのだが、笑顔で言うことじゃないから
「それじゃあ行きましょう! いつもリューと一緒に仕入れに行ってる店があるんです」
俺の前に飛び出たと思うと、笑顔で両手で引っ張ると早く行こうとせかしてくる。 なんか機嫌がいいなと思いながら、シルさんの案内に従い、色々なものを仕入れていく。 野菜に果物、酒、香辛料、色々なものを買った結果、俺の両手は一杯になった。 紙袋とか持ってるせいで前が辛うじて見えるぐらいだ
「大丈夫ですか?」
「大丈夫は大丈夫なんだけど、前が見づらいから誘導よろしく」
「大丈夫です、任せてください!」
両手で紙袋を持っているのになぜか手をつなごうとするシルさん、無理だと悟ったのか服の裾を掴み先導してくれる。 でも結構離れたところまで買いに来たせいか、なかなか店につかない。 別に疲れていないのだが、シルさんは心配なのかちらちらとこちらを心配そうに見てくれる
「別に大丈夫ですよシルさん。 このくらい何時もの冒険に比べれば、全然問題ないですし」
「でも......あ、ここのお店に入りましょう!」
「まぁいいですけど」
シルさん先導の元、店に入る。 紙袋で見辛いが、内装はシックな感じと言うかなんというかともかく俺は好きな感じだ。 なんか雰囲気もいいし
「いらっしゃいませ、二名様ですか?」
「はい」
「それではこちらの席にどうぞ」
なんか店員の声が聞き覚えがあったが、背が小さくて見えなかったのでそのままシルさんに引っ張られながら席に座る。 思っていたよりも腕が疲れていたらしく、荷物を下ろした瞬間すごくだるかった。 シルさんには感謝しないとな、そう思い前を見るとシルさんと店員が喋っていたのだが
「リリィ?」
「ふぇ? セフィロス!?」
何時もと雰囲気が違うので少しわかりにくかったが、リリィがいた。 雰囲気もそうだが、最初に会った格好でなければわからなかったと思う。 実際シルさんも気が付いていなかったみたいだし
「えぇ!? リリィ様だったんですか?」
「そういうあなたはシルさん!?」
なんか互いに驚きあっているが、視線を感じそちらを見てみるとマスタ-だろうか? カウンターの方で目を光らせていた。 とりあえず俺は席を立ち、今まで来れなかったのでこれまでのお礼をしておく
「あのすみません」
「・・・・・・なにかな?」
とても声が渋いダンディなオジサマだった。 俺も将来こういうふうになりたいものだと思いながら。挨拶をする
「初めまして、僕は神リリィの眷族でセフィロスです」
「君がセフィロス君か」
それまで警戒していたマスターはふっと目を緩め俺を見てくる。 品定めというかなんというかそんな視線が俺を射抜く。 まぁ、慣れてはいるのだがやはりいい気分はしないが仕方ない
「賄とかありがとうございました、とてもおいしかったです。 本当はもっと早くにお礼に来ようと思っていたのですが、リリィから恥ずかしいから来ないでくれと言われてまして......」
「そういうことだったんだね。 いや気にしていないさ、私の方も君の話はリリィ様から聞いてるよ」
「恐縮です」
どうも気さくなマスターのようで、最初の視線はどこへやら、あっという間に仲良くなっていた。 ふとシルさんたちのほうを見ると何やら揉めていた
「いいんですか、あれ?」
「他にお客さんもいないしね。 それにリリィ様がああやって言い争ってるのなんて珍しいからね、気が済むまでやらせてあげよう。 話は変わるけど君、料理がうまいんだってね」
「うまいかどうかはわかりませんけど、人並みにはこなせます」
「なら簡単なものでもいいから作ってくれないか?」
「はい?」
何故かマスターから料理を作ってくれと言われ、俺は目が点になる。 マスターはいたずらに成功したような顔をして、俺をせかしてくる。 あぁ、この人こっちが素か。 俺は少し諦めながら厨房に向かう。 流石店屋と言うべきか、一通りのものがそろっている。 マスターは壊さない限り好きに使っていいということなので、遠慮なく使わせてもらうことにする。 食材も好きに使っていいと言われたが、あまり使うと迷惑になるかもしれないので本当に簡単なものにする。 と言うか、なんで休憩しようとは言った店で料理を作っているのかさっぱりだった。 そんなこんなで完成した料理を持っていくと、なぜか三人仲良く座って待っていた
「なんか増えてる」
「いやー、言い争いしてると思ったらいい匂いがするって、リリィ様がね」
「セフィロスの料理のにおいがしたので!」
「私は気になりまして」
全員悪びれもせずにしれっと言いやがるから、思わず頭をはたきそうになった俺は悪くないはずだ。 とりあえずこれ以上会話をすると疲れると判断した俺は、マスターの前に作りたての料理を出す。 するとマスターは真面目な顔になり、料理を見始める。 その雰囲気に充てられてか、リリィとシルさんは黙って成り行きを見守っていた。 見ることに満足したのか、マスターは料理を口に運ぶ。 ゆっくりと咀嚼し、そして
「リリィ様が言っていたことは本当だったようだね。 おいしいよ」
さっきのような優しい表情に戻るマスター。 俺はそれに静かに頭を下げる
「ありがとうございます」
「いや、本音さ。 よかったら冒険者をやめて料理人として働かないかい?」
「あはは、冒険者を廃業にしたら考えます」
「それは残念だ」
二人で笑い合っていたのだが、リリィを見ると何故かドヤ顔していた。 褒められてうれしいのはわかるが、リリィのことじゃないからな? その隣でシルさんは、なぜか俺のことを涙目で睨んでいた
「えっとシルさん?」
「おいしいです」
「ならなんで睨んでるんですか?」
「私よりもおいしいからです!」
そう言って店を出て行ってしまうシルさん、俺はマスターに代金を払おうとしたのだが、よくよく考えたら料理しただけだからいらないと言われ、シルさんを急いで追いかけた。 その後豊穣の女主人までシルさんの機嫌を直すために、ひたすら謝り倒した