勝手に転生させられた挙句、転生した世界はダンまちでした!? ~主人公ハーレム物語~ 作:サクサクフェイはや幻想入り
ロキファミリアの鍛錬場、俺とフィンさんは武器を構えて向かい合っていた。 アイズさんと武器をとってきたフィンさん、どちらが最初相手になるかで揉めもしたが、結局フィンさんが最初の相手のようだ
「準備はいいかな?」
「はい」
フィンさんから声がかかり俺の無駄な思考をやめる。 模擬戦とはいえ俺は格下、油断なんかしている暇はない。 こうやって武器を構えて対峙しているが隙はなく、目の前のオーラに対峙しているだけで疲れる。 永遠にお見合い状態が続くかと思われたが、その均衡を先に崩したのはフィンさんだった
「来ないのかい? なら、こちらから行かせてもらうよ!」
「っ!?」
防御、と言うよりも槍の一撃をそらせたのは前世での経験によるものだろう。 フィンさんの動きも見えず、気がついたら目の前で槍で攻撃してきていた。 本当に危なかった、多分フィンさんも俺に動きがなかったらやめていたと思うが、刀で一撃をそらせたのにもかかわらず頬が薄く切れている感じがする
「へぇ、驚いたね。 今のは結構本気だったんだけど、まさかそらされるとは」
「容赦なさすぎますよ......」
バックステップで後退し、フィンさんとの距離を離す。 フィンさんは感心したように槍を立て、こちらを見ていた。 フィンさんの言葉が本当ならフィンさんの本気にも対応できたということだが、奇跡的な反射で反応できたに過ぎない。 そして奇跡は何度も続くはずがない、今度は俺から攻めることにした。 正直言って俺から攻めることはあまりない、しかも攻めたとしても一撃で終わらせるようなスタイルだ。 対人戦での経験は俺の方が長いにしても、モンスターたちと戦った経験も馬鹿には出来ない。 事実、こちらが連続で切りかかっているのにもかかわらず、フィンさんは危なげもなくかわしたり槍で弾いてる
「やれやれ、ステータスが僕の方が上とはいえ、ここまで鋭い攻撃ができるとはね。 素直に関心はするがっ、本気ではないよね?」
「・・・・・・」
うまく刀を弾かれバランスを崩されたため、腰に差していた鞘を抜き振りかぶるがバク転でかわされ距離を開けられる。 普通ここまで来ると一撃が与えられないことに心が折れるだろうが、俺は逆に燃えていた。 別に戦闘狂と言うわけではないのだが、ここまで強い人には久しくあっていなかったからだ
『・・・・・・夕凪』
『カウントスタート』
小さく魔法を唱え、魔力を多量に流し込む。 後先は考えていないがどうせここはロキファミリアの鍛錬場だ、ダンジョンでないから倒れても大丈夫だろう
「行きます!!」
刀を構え、今できる最高の突きを放つ。 牙突。 九頭龍閃と同じるろうに剣心に登場する技だが、これは前世から習得していた。 なんかねー、かっこいいからと思って家の道場で練習してたら、何故か父親にばれて研究に研究を重ね、習得した。 うん、今思い出したけどアレは地獄だった。 ともかく、いきなり俺の動きが変わったのもあるのだろうが、突のスピードが異常だったのかフィンさんは目の色を変えて槍で俺の一撃をそらした。 本気の牙突だったのだが、髪を数本切っただけだった
「・・・・・・驚いたな」
「勝負はこからですよ? 時間制限つきですが」
追撃を加えようと鞘を横なぎに振るったのだが、しゃがんでかわされ鋭い蹴りを放ってくる。 それを刀で持っている腕でガードするが、一撃が重く数歩後ろに下がってしまう。 その隙にフィンさんは距離を開けるが、すぐに俺は距離を詰め刀を上段から振り下ろす。 だがそんな見え見えな攻撃が通じるはずもなく、槍で弾かれボディががら空きになる。 最小限の動きで刀を弾いたフィンさんは突きをしてくるが、鞘で槍の軌道をそらす。 終始俺は押され気味で、フィンさんは俺を軽くあしらっていた。 そんなかなりためになる時間もついに終わりを告げる
「フィンさん、もう限界です...... 気持ち悪」
「そのようだね。 君の動きも目に見えて悪くなっているし、それに何より顔色も悪い」
フィンさんも俺の状況に気がついていたのか、俺が声をかけると槍を立てすぐにやめてくれる。 有難いが、動きが悪くなってきている時点でやめてほしかった。 おかげでこっちはかなりグロッキーな状態だ。 あまりにも気持ち悪いので俺はその場に座り込み、気持ち悪いのが抜けるまで待つ
「君のパワーアップには秘密があるみたいだね、カースかな?」
「いえ、普通の身体強化魔法なんですがなぜか燃費が悪くて、うっぷ...... しかも全力で魔力注ぎ込んだ影響です」
「そこまで詳細に語ってくれるとは思わなかったけど、マインドダウン寸前、と言うことだね」
俺は無言で頷く。 このグロッキー状態で聞いてきたものだから正直に答えてしまったが、ステータスに関することだから別に答えなくてもよかったのか。 だが、それの良し悪しを考えてる暇はなく、ただひたすらに気持ち悪い
「セフィロス、大丈夫ですか!?」
「うんリリィ、僕は大丈夫だからあんまり揺らさないで? はきそう」
終わったのがわかったのか、俺の周りを三週くらいして抱きつくリリィ。 抱きつくのはいいけど、相変わらず抱きしめるときに首を極めるのはやめてくれ。 とどめを刺すつもりか。 フィンさんはそんな俺たちの様子に苦笑していた
「坊主、お前本当にレベル1か? ギルドに提出しているレベル詐称してないやろうな?」
「ロキ、疑うのも無理はないけどそれはないよ。 途中から動きが変わったのは魔法の効果らしい」
「嘘はついてないみたいやけど、なぁ?」
「すごかった。 次、私も」
誰かリリィ止めろよ。 俺に話しかけたはずのロキ様なわけだが、フィンさんがロキ様の質問に答えるとそっちで話し込んでいた。 そして遅れてきたアイズさんだが、俺の状態を見ているはずなのだがそう言ってきた。 やばい、だんだん意識が白くなってきた
「神リリィ、そのくらいにした方がいいのではないでしょうか? 彼、顔が白くなってきていますよ?」
「セフィロスー!?」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ」
リリィに手を振り大丈夫なことをアピールする。 ちょっと片言とか、そんなことを気にしてはいけない。 気持ち悪いのはあるが、さっきよりもだいぶましになったので、立ち上がる。 すると、袖を引かれる感覚があったのでそちらを見ると、瞳を輝かせているアイズさんが。 すっごく嫌な予感がするのだが
「次、私と」
「・・・・・・ええっと、まだちょっと気持ち悪いんだけど。 それにさっきの力は出ないよ?」
「頑張ればなんとかなる」
「フィンさーん!」
なんだろう、普段落ち着いているのに今は全然を聞いてくれない。 だからフィンさんに助けを求めたわけなのだが、彼は苦笑していた
「ははは...... 助けてあげたいのは山々なんだけど、そうなったアイズはなかなか頑固だからね。 諦めてくれ」
「僕には死刑宣告に等しいんですけど!?」
「せめてもの餞別だよ」
フィンさんから投げて渡されたのはマインドポーション。 つまりはアイズさんと戦えってことで、しばし呆然としてしまう。 我に返った時にはフィンさんたちは退避済みで、思わず恨めしそうに見ても悪くないと思う。 しかも無乳神は爆笑してるし。 俺はため息を吐いてマインドポーションを飲み干す。 飲んでいるときに思ったのだが、これって俺が補填しなくてもいいんだよな? 少し怖かったが、仕方ないわけで。 俺は目の前を見据える。 剣ではなく、なぜかあった木刀を握り、こちらに切っ先を向けているアイズさん。 こうして、俺の第2ラウンドが始まった