勝手に転生させられた挙句、転生した世界はダンまちでした!? ~主人公ハーレム物語~   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第四話 初めてのダンジョン

朝、と言っても空は少しずつ明るくなるような時間帯、神であるリリィは眠い目をこすりながら俺の見送りに出ていた。 いいって言ったけど、送るといってきかなかったのだ

 

「眠いなら寝ててもいいのに.....」

 

「嫌です、送るんです......」

 

半分寝ぼけてるんじゃないのか、と思うほど体がふらふらしていた。 本当に大丈夫なのか?

 

「それじゃあ行くからな?」

 

「はいー......絶対、無事に帰ってきてくださいね?」

 

そういわれて背を向けていた俺は、思わず振り返る。 眠いながらも心配そうな顔をしているリリィ、俺は苦笑しながら頭をなでる

 

「当たり前だよ。 僕が帰る家はここなんだから、行ってくる!」

 

「いってらっしゃーい」

 

最後の最後は眠そうな声だった、なんだかんだ言って締まらない

 

『愛されていますねマスター』

 

『愛されているというか、ただの心配性なだけだと思うのだが......』

 

なんとステイタスを刻んだら念話、テレパシーみたいなものが使えるようになったのだ。 しかも念話を使うと経験値も入るので、積極的に使っていた。 しかも夕凪がチャンネルを合わせれば、遠くと言ってもそこまで遠くは出来ないが通話も可能と超便利なのだ。 て言っても、そこまで経験値が入るわけではないのだが

 

『それは愛されているからこそ、ではないのですか?』

 

『まぁ、そうなのかねぇ......』

 

走りながら念話で夕凪と会話をする。 家である小屋から、ダンジョンがあるバベルまで走って結構かかるので、走っているわけなのだが。 それにしても早朝ということもあり、人通りはほとんどない。 避ける必要がないからありがたいけど

 

『マスター、少し先に人の反応が』

 

『マジか。 こんな朝から何の用なのやら? とりあえずこのまま走って突破』

 

夕凪が人の反応がすると言ったポイントに来たのだが、確かに人の気配がする。 とりあえず中央を走って面倒事を回避しようとしたのだが、見事つんのめったふりをした少女と目が合ってしまった

 

『なぁ今思ったんだけどさ』

 

『なんでしょう?』

 

『あれってさつまずいた振りして俺に絡む作戦じゃん、俺がいなかったら本当につまずかない?』

 

『そうですね』

 

『やっぱりぃぃ!!』

 

「パワード、スピード!」

 

身体強化魔法である筋力強化と速度強化を発動する。 急ブレーキをかけ反転、一気に駆け出し元の場所に戻りコケをそうになっている女性を抱き上げる

 

「ふぃー......間に合った」

 

「え? え?」

 

身体強化魔法を切り一息つく、女性は何が起こったのかわからなかったのか不思議そうな顔をしてキョロキョロ周りを見ていた

 

「えっと色々と言いたいことはあるけどさ、ああいうのやめたら?」

 

「ええと、その、あれ?」

 

いまだに状況が呑み込めないのか混乱中だった。 とりあえず女性を地面におろし、ダンジョンに急ぐことにする

 

「それじゃあ気を付けてくださいね?」

 

手を上げてその場を去ろうとしてのだが、背中に声がかかるので止まる

 

「あの待ってください!」

 

「・・・・・・なんでしょう?」

 

無視してもいいんですけどね、声かけられて無視はさすがに人としてどうよ、と言うことなので早くいきたいのだが答える

 

「あの、ありがとうございました!」

 

ガバッと頭を下げる女性、そんなに勢い良く下げなくてもいいんだが......お礼を言われて悪い気はしないので、一応受け取っておく

 

「いやいいですって。 それじゃあ急いでいるんで、これで」

 

背をむいて走り出そうとしたのだが、なぜか進めない。 いや、進めないことはないのだが後ろにひかれるような感じがする。 早く行きたいのだがこれでは無理なので、朝早くは諦めようと思い仕方なく振り向く

 

「なにかな?」

 

「あの、お礼を」

 

「お礼って......」

 

なんだろうか、この世界の住人は危機管理能力が低いのだろうか? いや、俺が極端なのか、しかも薄汚れた方向に。 少し自分の思考に落ち込みながらとりあえず返事を返す

 

「助けてもらったのならお礼はきっちりしろって、ミア母さんから言われてますから」

 

「ミア母さんがだれかはわからないけど、結構キッチリしてるんだな。 お礼って言ってもな、別にこれと言って」

 

「それでは私の気がすみません!」

 

ついに本心をぶっちゃけたよ。 なんとなくそんな感じだろうなぁって思ってたけど、ぐいぐい来るな。 こういうタイプは何かしら言わないと引き下がらないしな、どうしたもんか? 少し考え込んだが一つだけあった。 俺は今日一日ダンジョンに潜るつもりだったが、弁当などを持ってきていないことに気が付いたのだ。 リリィは昼は賄が出るらしいのでいらないのだが、それを聞いて俺も自分の分を作らなかったのだ。 まぁそもそも、零細ファミリアだし貯えも少ないからどっちにしろ作るつもりすらなかったけどな!とりあえず弁当なら無難だし、そこら辺を頼むことにしよう。 どうせ今日だけだろうし

 

「なら弁当頼めません? 僕今日ダンジョンに潜るつもりなのに忘れちゃって」

 

「はい!少し待っていてくださいね?」

 

そう言って近くの建物に入っていく女性、どうも看板がかかっているので読んでみると豊穣の女主人と書いてあった。 飲食店か何かか? 

 

『面白いことになりましたね』

 

『どっちかと言うと面倒なことだろ......』

 

念話で話しかけてくる夕凪に返事をしながら待つこと数分、包みに包まれた弁当のようなものを持ってきた女性。 俺の目の前まで来ると笑顔で弁当を差し出してきた

 

「はい!」

 

「あぁ、どうも」

 

弁当を受け取ろうと手を伸ばしたのだが、なぜか弁当を放さない女性。 顔を見てみるが笑顔だ、どういうことだ?

 

「あの?」

 

「これ私の手作りなんです!」

 

「はぁ......」

 

「それでですね、これ本当は私がお昼に食べようと思っていた弁当なんですが、でも心配しないでください!私お昼は賄が出ますので」

 

「・・・・・・」

 

笑顔でそう言い放つ女性に俺は戦慄した。 お礼のはずなのに、食べに来いと言われているのだ。 この女性、できる。 ここで弁当を受け取らないという選択肢もあるのだが、多分そんなことをすれば無限ループになることは明白。 助けなきゃよかったかなぁ......

 

「夜食べに来ます」

 

「はい!」

 

ようやく弁当を放す女性、なんだか朝から疲れたんだが......

 

「それじゃあダンジョン行きますね......」

 

「はい!気をつけて言ってきてくださいね? えーっと......」

 

「どうしたの?」

 

「あの、名前教えてもらってもいいですか?」

 

「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたね。 僕はセフィロス」

 

「私はシル、シル・フローヴァです」

 

「それじゃあ行きますねシルさん」

 

「はい、行ってらっしゃいセフィロスさん」

 

シルさんに見送られ、俺はまたダンジョンに向かって走り出す

 

「はぁ、やっぱり面倒なことになった」

 

『お疲れ様でしたマスター』

 

------

 

薄暗いがちゃんと足元が見えるダンジョン。 なんかダンジョンと言うと、薄暗く松明をかざして進む、なんてイメージがあったがこの世界のダンジョンは違うようだ。 と言うのも、モンスターだったか、それがダンジョン内を照らしているようで真っ暗と言うことはない

 

『スキャン完了。 地形データの読み込みおよびモンスター、他の冒険者の位置を把握しました』

 

『こんな時間でも冒険者いるのか?』

 

『流石に少人数ですが』

 

どうやらこの時間からもいるようだが、まぁあまり関係ないな。 初めてのダンジョンと言うこともあり今日は軽く行くつもりだが、魔法も試したいのでさっそく

 

『それじゃあやるか』

 

『マスターの魔力総量ではそんなに長時間魔法は使えないでしょうが、それでも戦闘くらいなら問題はないはずです』

 

「とりあえず使ってみればわかるだろう、行くぞ!」

 

各種強化魔法、さっき使った筋力、速度、そして防御力、本当は魔法抵抗力もあるが、上層で魔法を使うモンスターはいないと聞いているので、それは使わない。 夕凪を鞘に入れたまま駆け出し、モンスターの場所まで夕凪にナビゲートしてもらう

 

「見えた!」

 

世界での初モンスターはゴブリンとコボルトで各一体ずついるが、夕凪によると俺的に強化魔法なしでも楽々倒せるらしい。 まぁ一応、今回は魔法の使用訓練も兼ねているのでそのまま倒すことにする。 と言うか走ってきたのはいいのだが、そんなに長い距離でもないのに少し気持ち悪い。 とりあえずまずは、ゴブリンとコボルトを倒したら魔法を解除しよう。 剣道も得意と言ったが、俺は得意なものは数個あるがその中でも得意なのが

 

「・・・・・・」

 

ゴブリンとコボルトの間を通り過ぎる。 居合、抜刀術などいろいろな呼び方をされるが、得意なのが抜刀術 

 

『お見事ですマスター』

 

「うぇ......気持ち悪い」

 

周りに敵がいないことはわかっているので膝に手をつく。 魔法を切ったため少しは楽になったが、気持ち悪い。 少しの間息を整え、気持ち悪さはなくなったが微妙に体がだるい

 

『夕凪』

 

『・・・・・・魔力総量は確かに少ないですが、消費が予想以上に大きいですね』

 

『原因は?』

 

『不明としか......今の消費では最大二十秒、気絶するのを覚悟で使うなら三十秒と言ったところでしょうか』

 

「マインドダウンだったか......」

 

体はだるいが、問題なく倒せるのはわかったので俺はダンジョンの探索を続けた。 今日の夕飯代も稼がないといけないしな

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