チノの旅   作:ウボァ(ヽ´ω')
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第3話

 うちはシスイを助ける。それも私の目的の為に原作に触れないように。幸い、原作でもシスイの死体は見つからない。彼を匿うだけでいいのだ。とはいえただ匿うだけでは意味が無い。これからは彼の力が必要だ。その為に少々考えることがある。

 

 「写輪眼をどうやって手に入れるか……」

 

 シスイは両眼を失う。一つはダンゾウに奪われ、一つはイタチに託して。

 

 最強幻術『別天神』(ことあまつかみ)。相手の脳内に入り、己の意志であるかのように疑似体験させ、術にかかった者は操られていることにすら気付かないという、瞳術でも最高クラスの万華鏡写輪眼。

 

 平和を願い情に厚い忍だが、別次元の力を開眼したが故に、原作では自ら命を絶つ悲しき忍。自分の力と「『陰から平和を支える名もなき者』それが本当の忍である」その意思をイタチに託して、彼は非業の死を迎える。原作で最も私が忍らしいと思えたのがシスイという男だった。

 

 だからこそ彼の力を借りたいと思った。そして彼の十全な力を借りるには、彼自身の眼を取り返すか、代わりの写輪眼を探す必要がある。

 

 もちろん一番は本人の眼を取り戻せればいいのだが、持っている相手が相手だ。忍の闇の代名詞とまで言われるダンゾウ。そしてうちはイタチ。

 

 ダンゾウから取り返すのは論外だ。彼の持つ組織力と力は私では太刀打ちできない。イタチの方は私が敵じゃない事を説明できれば、シスイの眼を返してもらえるかもしれない。

 

 しかし、タイミングが悪い。イタチがようやく決意した覚悟に水を差してしまいそうだ。決意してシスイを殺し、一族を皆殺しにした後で、シスイは生きてるから写輪眼返して……うん、殺されそう。それに私はまだ第三者もいいところだからね。

 

 となると代わりの写輪眼がいる。誰からどうやって取るか……何か私今、結構物騒なこと考えてるな〜。だいぶNARUTOの世界に毒されてきたかも。

 

 ダメダメ。思考がズレてきた。……生きた写輪眼使いからはリスク高いから、やっぱりイタチが一族殺す時に誰かの取るしかないかな。……完全に火事場泥棒だけど。それにしても……嫌だなぁ。うちはイタチとうちはオビトが殺気撒き散らしている中に突っ込まないといけないのか。見つかったら……完全に死んじゃうね。

 

 「そうなると必要な物は……」

 

 ダンゾウ含む根に傷を負わされるシスイの手術場所にその道具。数日籠るための食料。眼を取る際に必要な容器と保存液などかな。

 

 場所は自分で作るとして、道具類はどうしようか。麻酔とかその辺に売ってるわけないし。最悪、ショック与えて気絶……やめとこ。

 

 医療機関から拝借するしかないかな。……借りるだけだよ。盗みはしないよ。いつか何らかの形で返すよ。言い訳にしかならないけどね。さて、そうなるともう行動しちゃおうか。ちょうど日も沈んで、盗m…じゃなかった、物を借りるには良い時間帯だからね。この近くにある病院は地図によると木ノ葉病院かな?

 

 

 そんなわけでやってきました木ノ葉病院。街灯が所々に点いており、通常の営業時間が終わったのか正面玄関は薄暗い。しかし、建物の所々には明かりが付いており入院患者や研究者、医者や看護師がまだ居ることはわかる。

 

 ん〜どうやって入ろうかな。普通に入ったらまぁ見つかるよね。ここ普通の医者から忍医もいるし。警備だってしっかりしてるだろうし。まぁ、困った時は……

 

 「ノリさんよろしく」

 

 それだけ伝えると私の肩から飛び降り、そそくさと木ノ葉病院に走っていく。ノリさんは院内に入り、人目につかない部屋や場所で合図をくれるはずだ。

 

 私も病院から少し離れる。近くにあった建物の隙間へ、見つからないように注意しつつ身を隠す。……誰も見てないよね?

 

 ちょうど身を隠したところで、私の右の手の平が暖かみを宿す。手を開くとチャクラが活性化されており、そこには''完''の文字が浮かび上がっている。これがノリさんからの合図だ。

 

 ノリさんは背中に小さな巻物を背負っている。私のチャクラを込めているそれは、開けてノリさんの持つチャクラを通すと、私の手に合図を送るようになっている。そしてそれはただの合図だけではなく、もう一つ重要な役割がある。

 

 「『逆口寄せの術』」

 

 右手を地面に当て、私の得意忍術を行使する。ノリさんの持つ巻物のもう一つの役割とは私の術のマーキングだ。……本当はノリさんに逆口寄せの術をやってほしいのだが、ノリさんはネズミだ。仙人でもないためチャクラは微々たる量しかない。とても人間サイズを口寄せできる力は無いのだ。鼠の仙人とかいないのかな?

 

 話を戻し、私は特定の条件で自ら逆口寄せの術をし、ノリさんの元へ飛べるようになった。……一応、これも時空間忍術だからね。飛雷神の術とかと比べると見劣りするかもしれないけど。……原作キャラと比べないで。

 

 

 私が飛んだ先はどうやら院内の使われていない一室。箱が山積みしているから、倉庫か物置に使っているのかもしれない。この部屋には運良く様々な器具が置いてあったので少し拝借した。後は薬や麻酔なんだけど、ここには無いかな。まぁ薬は毒だから厳重に保管してあるだろう。薬品庫探さないと。

 

 とまぁ、その後何事も無く薬品庫を見つけて、薬類は確保出来た。警備の人にすれ違ったけど、軽く挨拶しただけだよ。……血龍眼による挨拶(幻術)をね。

 

 後は潜入した時と同じ手順で帰還した。これで後はその日を待つのみ。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 数日が経過し、また鼠たちの情報があった。今日うちは一族の会合が行われるらしい。その為、私は今南賀ノ川に来ている。ここは原作でシスイが死ぬ場所だ。シスイが身を投げるのはこの川の崖の上から。私は崖下の川に点在する岩の一つで印を組んでいた。

 

 「『土遁・土流壁』」

 

 印を組み終え、岩に手をつける。すると小さな地鳴りとともに川下から土の壁が出来る。この術は地面や口から土の壁を作り主に防御が目的の土遁の術。今回はそれで川を塞き止めた。

 

 なぜなら普段の南賀ノ川の川底は浅い。こんな所に身を投げたら普通に死ねる。私の術の目的は川を深くする事。堰き止めて水位を上げ、死なない程度の深さにする事だ。……まぁこの高さから落ちるから気絶はしそうだね。

 

 「『水遁・霧隠れの術』」

 

 印を結び、川の水から薄い霧を発生させる。イタチにはシスイ救出を見つからないようにしなければならないし、こうしないと川の変化に気が付かれるかもしれない。

 

 

 後はこれでシスイが降ってくるのを待つだけだ。

 

 

 ちなみに待つのはこれで二回目。前の会合ではシスイが降ってこなかった。今度こそ降ってきて欲しい。

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 待ち続けて夕暮れになった。待っていると崖の上から微かに声が聞こえる。耳を澄ますとどうやらイタチとシスイのようだ。今回は当たりらしい。

 

 「───残念だが、もううちはのクーデターを止められそうにない」

 

 原作通りということか。そうでないと困るのだが、直面すると切なさがあるよね。

 

 「なんて顔してる。今の俺でもお前の顔は簡単にわかるぞ。……不安な表情はお前には似合わない」

 

 イタチに最期となる言葉をかけていくシスイ。

 

 「大丈夫だ。自信を持て」

 「……俺は…お前と共に、うちはを……」

 

 イタチの悲痛な思いが川の音に紛れて聞こえてくる。……ダメだな。感情移入しないようにしないといけないのに。この場面は……目が熱くなる。

 

 「……これからのお前は暗く辛い道を歩むことになるかもしれない。そんなお前の隣に居てやれないこと、申し訳なく思う。……それでも俺は、お前が木ノ葉の忍として道を外さず進んでくれると、強く信じている。だからこそ託せるんだ。俺の意思も……万華鏡もな」

 

 良い台詞だけど、これはイタチにとって呪いかもしれない。これでイタチの道は決まってしまった。イタチを信じているからこその言葉だろうが。

 

 「俺の道はここで終わる。だがそれがお前の糧となり、新たな力となる。」

 

 シスイ、アンタの道は終わらせない。私が繋いでみせる。この先私にも、世界にも、イタチやサスケにもアンタは必要だ。

 

 「さぁイタチ、今がその時だ。お前の手で己の道を開いてみせろ。……お前なら、できるはずだ」

 

 そして最後の最後に、まるで遊びの後に別れるように、シスイは声を出した。

 

 「じゃあな親友!……後は、任せたぞ」

 

 来る!シスイが着水すると同時に助けられるように、先に川へと入る。ダンゾウに襲われ傷を負ったシスイが、着水の衝撃に耐えられるか、そこは天に任せるしかない。シスイが落ちる際にキャッチしようかとも思ったが、それではイタチにばれてしまう恐れがある。イタチにはシスイの死を見届けさせる必要があるのだ。

 

 

 大きな水飛沫が上がる。そこを目掛けて泳ぐと、水中に漂うシスイを見つける。どうやら動く気配がない。死んでいるのか、気絶しているだけなのか。

 

 シスイの元にたどり着く。辺りには彼の目や傷口から染み出た血が漂っている。体を揺らし意識を確認する。反応は無い。急いで彼の胸に手をあてる。服の上、なおかつ水中という事で反応はわかりずらかったが、微かに鼓動は感じられた。

 

……鼓動が弱い!急がないと!

 

 急いで彼の肩に手を回し、印を結ぶ。

 

……逆口寄せの術!

 

 私たちは水中から飛んだ。飛ぶ先は今まで泊まっていた宿屋ではなく、シスイを匿うに適した場所。私は土遁の性質変化を持っているので、地中に隠れ家を作った。場所は火影の顔岩の後ろの崖。灯台下暗し感出るでしょ。

 

 「ご主人?!そんなずぶ濡れで一体何処に?!」

 

 逆口寄せのマーキングとして隠れ家にいたノリさんが、私の姿を見てあたふたしている。その姿を愛でていたいが今はそれどころではない。土で作られた硬いベッドに布を敷き、そこにシスイを寝かせる。

 

 不安になったのでシスイの胸に耳をあてた。やっぱり弱い。傷と着水時の衝撃でだいぶダメージを受けたようだ。

 

 シスイが身に付けている物を取り外し、症状を確認していく。体のあちこちが骨折や脱臼で腫れている。何よりも大問題がある。呼吸が止まっているのだ。

 

 人間の舌は意識を失うと咽頭に落ち込んで気道を塞いでしまう。気道を確保する為、片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指を顎の先にあて、頭を反らせるように持ち上げる。そしてシスイの口元に耳を近づける。しかし呼吸音は無い。こうなってしまったらあの処置しなければならない。

 

……人工呼吸だ〜。私のファーストキスが〜。

 

 私は羞恥心を押し殺し、人工呼吸を始める。これでも医療をかじっている身だ。今は羞恥心よりも目の前の生命を救う方が先決。胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返し、どうにか呼吸は元に戻った。

 

 後は全身に掌仙術をかけまくるだけ。このダメージだと私のチャクラ量じゃ完治まで持たない。後はシスイが持ち直せるかにかかっている。

 

 私の体力とチャクラが続く限り、シスイを治療を施し、私は意識を失った。




明日は……投稿できるかなぁ……







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