百足様によって山の神の消滅を確認したのち、山の神が最後に残したのか手や洞窟の入り口へ赤いクモの糸がびっしりと付いていた。蜘蛛の糸を無理矢理引き剥がしながら神域を出た為、少し時間がかかってしまった。
神域を出た後、神域を塞いでいた地蔵様を元に戻す際に神域に面した部分に防水加工したお札を貼る。復活することはないと思うが、内からお札に何かが干渉した場合、百足様と自分に分かるように念の為貼っておく。
時計を見ると時間がだいぶ経っており、数時間後ぐらいには日が昇ってきそうだった。
刀の鞘の気配はこの山にはなさそうなので、ユイちゃんとハルちゃんは無事に逃げられたと判断し、未だ残ってる大型のお化けを駆逐しながら下っていくと犬の鳴き声が聞こえた。この鳴き声はクロの声だ。
鳴き声のした方へ駆けていくと、クロは断り様の神社付近で大型や小型のお化けに追い詰められていた。急いで霊刃を飛ばすが数が多く間に合いそうもなかった。しかしクロが一鳴きした瞬間何かを断ち切る音が聞こえ、クロを追い詰めていたお化けすべてが腕などを切り裂かれ消滅した。
一瞬しか見えなかったが大きなハサミを持った大きな手が見えた。
恐らく理様がクロを助けてくれたのだろう。境内の掃除をした後、帰り際にこの周辺に住んでる全ての人や動物から災厄の縁が切れますようにとお願いしていたのを叶えてくれたのだろうか。断り様にどの様な意図があったかは知らないがクロを助けてくれたのは確かなので、頑張って神社の境内や本殿の掃除をしようと決意し、山を後にする。
山から出た後、クロが先導してくれたので2人を見つけるのは早かった。
2人がこともちゃんの家で寝ているのか分からないので、ことねちゃんに聞いたところ、こともちゃんが我慢できなくなり外に出たすぐ後にこともちゃんと一緒に2人が寝ていたそうな。
多分
百足様「子供達が出てきたぞ!夜廻りはよ回収しろ!」
夜廻り「おk!安全な神社に連れてったろ!」
ことも 「!!!」
夜廻り 「ついでにいつも逃げ回る子供捕まえた!こいつは家のベッドに寝かせとこ!あっ、ここも安全だし、2人も一緒でいいか!」
実際の2人は喋らないが、そんな感じで保護されたのだろう。鞘には百足様の目になる力もあるので、百足様が夜廻りさんを呼んでくれたのは間違いない。
こともちゃんの家で2人の無事を確認した後、バイトが終わったらまたくるとことねちゃんにいい。鞘を回収して神社にいき、本殿で刀の整備をして百足様へ刀を返納した。百足様へお礼をし、俺は急いでコンビニへ戻る。
いざという時用の装備は全部使い切った為、また補充をしなきゃいけないなと思った。
コンビニへ戻ると、店長が眠そうに店番をしていたのでお礼をいい、朝番がくるまで業務に勤しんだ。自分がコンビニに入った音で凄く店長がびっくりしてたのが少し笑えた。
目が覚めた私はお兄さんとハル、新しく出来た友達のこともちゃんと一緒に山を少し入ったところにある神社に来ました。神社はとても綺麗で人がいないのが不思議なくらいでした。この神社は断り様という縁切りの神様が祀られているらしく。
今回、山の神という一応縁結びの力を持つ神と関わりというか縁を結んでしまった為、大丈夫だと思うが念の為、お参りしておいたほうがいいとお兄さんが私とハルを連れてきてくれました。
(こともちゃんは暇なのか着いてきた。)
ハルは何も覚えて居なく、突然知らない神社に連れてこられて困惑しているが後で信じるかどうか分からないけど説明してあげようと思いました。
お兄さんが言うにはクロを助けてくれたのは断り様だというので、クロの分の感謝を込めてお参りをするとハサミで何かを切る音が3回聞こえたような気がしました。
もう大丈夫、帰ろうとお兄さんが少し眠そうに胡散臭い笑みを浮かべて言いました。神社の外へ向かう3人を見ながら、ハルを助けて駆け回った私の夜の旅がやっと終わったのだと実感しました。
3人を追おうと走ろうとした瞬間、目の前に何か落ちてきました、
カチャンと音が鳴って地面を見ると大きな赤い断ち切りバサミが落ちていました。
数年後、儀式を通じて人を閉じ込める呪いの小学校の霊や様々な事件の縁等を、時には概念、時には物理で断ち切り解決する赤いリボンが似合うポニーテールの少女がいたりいなかったりしたそうな。縁を結びそうな名前なのに断ち切ることが得意になってしまった少女の未来はどうなるかは別の話。
お終い。
一応本編はこれで終わりです。
初投稿のこともあり、色々文章が迷走していますがここまで読んでいただきありがとうございました。
深夜廻をやってご都合主義だろうがこんなハッピーエンドもあってもいいかと書き始めましたが一応完結までかけて良かったです。
この後は本編で回収できなかったお化け等を書いていけたらと思っています。
改めて読んで頂きありがとうございました。