深夜のコンビニバイトは割と暇です。   作:秋涼

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校庭にて

私は、校庭を逃げ回ることもと友達のユイちゃんとハルちゃん、その三人が全力疾走でぎりきりで逃げ切られる速度をキープしつつスキップしながら追いかける先輩を、校庭の隅で見ていた。

最初はユイちゃんの訓練だそうだが、ちょうどこともとハルちゃんもいた為、一緒にやることにしたそうだ。

私は、先輩が側から見ると女の子を追いかけてる変態にしか見えない為、保護者的な役割と何かあった時の説明の為に先輩にお願いされてついてきていた。

追いかけられている3人は必死で逃げて悲鳴を上げているが、楽しそうなのでいいとして、先輩は笑い声をあげながらスキップで追いかけてるのでとても気持ちが悪かった。普通に追いかけたらただの鬼ごっこになってしまう為、こんな奴に捕まりたくないと思わせることが重要だと先輩が言っていた。

確かにあんな風に追いかけられたら誰でも逃げる、私でも逃げる。夜に遭遇したらと思うと夢にでも出てきそうだった。

先輩は一人を暫く追いかけ回したら、反転し、また一人を追いかけ回している。三人に休憩と全力疾走を繰り返させ、体力と瞬発力を鍛えているのだろう、三人は先輩が他の人を追いかけてる時に休憩しているが、先輩は休むことなく、三人をスキップで出すには異様な速さで追いかけているので、見かけはともかく、相変わらずすごい体力だなと思いました。

逃げる三人の中で一番足が速いのはこともで、夜に出回ってることで鍛えられたのかその速さはもう私では追いつけないほどになっているが、先輩にとってはまだまだ遅いようで余裕でスキップして追いかけていました。

その次がユイちゃんで、先輩が重点的に追い掛け回しているせいか、息も絶え絶えで必死で逃げている。

最後にハルちゃんは必死に逃げていたが、力尽きたのか先輩に捕まって、捕まったまま、私にも見えないぐらいの回転でぐるぐる回られて目を回して私の横で寝かされていた。

こともも友達が増えて楽しそうだし、もうすぐハルちゃんが転校してしまうけど、この事も良い思い出になってくれるといいなと思う。

横を見ると、寝ているハルちゃんを心配そうに見る、ユイちゃんと一緒に先輩の家で預かることになった犬のクロとチャコ、そして一緒になってハルちゃんを見ているポロの姿があって、初めて会ったクロとチャコと仲良くできてよかったと思いました。

こともが空のリードを引きずりながら帰ってきて、先輩とポロが居なくなっちゃったと言った時はどうしようかと思ったけど。色々あったけどみんな無事で本当によかった。

ユイちゃんとハルちゃんが家で寝ていた時も、先輩から話を聞いて、本人がそう思っていなくても先輩がまた無理をしたのだと分かってしまった。町や皆の為になっているため、やめてくれともいえないので、先輩の負担をすこしでも減らしたいと思っているがなかなか難しい。

気が付くと二人とも力尽きたのか、目を回したこともとユイちゃんを抱えてきた先輩に、お疲れ様ですと声をかけ、三人と追いかけっこしていたのに汗ひとつかいてない先輩に飲み物と一応タオルを渡したのだった。

 


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