深夜のコンビニバイトは割と暇です。   作:秋涼

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リハビリ兼ねて短編でも
夜廻編はあと1話か2話ぐらいで完結できると思います。


ちょっと先の未来の話

 

俺はコンビニで夜勤のバイトをしている。

家庭の事情から一人暮らしをして高校に通っているため、あまり仕送り等に頼りたくないのでこのコンビニの時給が異様にいいのは助かっている。

 

個人的には高校も辞めてもいいかと思っていたが、学校の友人やサボるとうるさい奴や笑顔が胡散臭い店長にも高校は出といた方がいいと言われたので通い続けている。

 

高校生が夜勤をするのは違法だが、一人暮らしで金が必要なので事情を汲んでくれ

特に用がない金曜と土曜日の夜勤に入らせてもらっている。

週に2日出るだけで普通に生活でき、遊べるぐらいには稼げるので、高校に通っている身としては大分助かっている。

 

電車に乗って通うのが嫌だという理由で隣に越してきた、学校では親友の真似をしてお淑やかな女の子に振舞っている猫被り女のユイからこのバイトを紹介されて働き出した時はとんでもないところに来てしまったと思ったが、慣れてしまえば多少の命の危険はあるものの、毎日ではないし、俺が夜勤の時は二人で入る為安心して業務が出来る。

 

今日は部屋に置いてある、西洋人形(気づいたら部屋にいた)も大人しくしていたみたいなので電話で奇襲してくることもないだろう。

 

「そいえば、良樹のクラスって出し物なにやんの?」

 

隣で検品の作業をしている、須田先輩が声をかけてきた。

須田先輩は高校の一つ上の先輩で、卒業後はここのコンビニに就職することにしたらしい。卒業と同時に彼女と結婚するそうだ。もげろ

去年の夏にオカルトツアーしようぜと、とある村に連れていかれた時は酷い目にあった。こともからもらっていた改造スマホがなかったらガチでやばかった。

本人も懲りたようで最近は大人しくなった。彼女ができたからかもしれないな。もげろ

 

「喫茶店っていってましたね。あまり手伝ってないんでよく知りませんけど」

 

「嘘つけ、材料とかの買い付けとか見えないとこを全部お前がやってるって、ユイちゃんがいってたぞ」

 

「知ってたなら聞かないでくださいよ」

 

あの猫被り女め

 

「まぁ、良樹にも大分世話になったからな、喫茶店にも行かせてもらうよ。

美耶子と一緒に」

 

「来てもいいですけど、俺裏方なんで接客しませんけど」

 

「来た時だけこっちに出てくればいいじゃ……おっと電話だ」

 

目配せしたあと、須田先輩が店用の携帯電話に出る。今日は自分の部屋にいたので可能性は低いがメリーさんだった時に備えて身代わり人形を用意していたが、内容は商店街のおばあさんの体調が悪く、救急車を呼んだとのことだった。急病人などで薬などが必要になった時など、この街で夜に歩くのは危険なので始めたサービスらしい。今回は救急車が無事にたどり着けるように道の掃除と誘導が仕事だ。

 

「先に行って掃除してくるから、良樹は救急車の誘導を頼む」

 

須田先輩が刀袋を持って外に出る

 

「了解です。焔薙は見られないように気をつけてくださいよ」

 

須田先輩は背を向けたまま、腕をヒラヒラとさせて、夜の町へ出て行った。

須田先輩を見送ったあと、緊急時の連絡先を書いてあるプラカードをレジに立てかけ、誘導灯とお札を貼ったバットを持って夜の町へ駆け出した。

 




ハルちゃんの転校先→童守町

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