始まり
ポロとボールで遊んでいるとトンネルの方へと不自然にボールが跳ねて転がっていってしまった。ボールはトンネルの奥へ転がって行ってしまったらしく、私の位置からはボールの位置は特定出来なかった。
夕方近く、まさに逢魔が時で、トンネルはもうすでに暗くボールを取りに行くのを躊躇うほどトンネルは不気味な雰囲気を醸し出していた。
しばらく悩んだが、ボールを無くしたらお姉ちゃんに怒られるかもとやっぱりトンネルに取り行こうとした時、後ろから声を掛けられた。
今日はやめといた方がいいよ。ポロもそういっているとお兄さんはポロの方を見て言うとその言葉に反応してポロが返事をして、お兄さんにじゃれついていた。
お兄さんは私が物心ついた時から知っている。お姉ちゃんの友達で単身赴任のお父さんについていっているお母さんが私達の保護者をお願いしているのもお兄さんのお婆さんだ。その為、よく家にいたりする為、血は繋がっていないが本当のお兄さんのように思っている。笑う顔がうさんくさいが優しいお兄さんだ。
学校の帰りなのか高校の制服を着ているお兄さんにもうすぐ暗くなるから送っていくよと体の向きを帰り道に変更され、背中を押され帰りを促された。
体の向きを変える際にお兄さんがトンネルを目を開けて睨んでいたような気がした。
トンネルは暗いし危ないから、ボールは明日取って来てくれるとお兄さんが約束してくれた為、胸のつっかえが取れた。お兄さんは夜の街で半べそになりながら迷子になっていた大人を助けたら、その大人が最近ど田舎なこの街にできるコンビニの店長だったらしく、その縁でバイトとして雇ってもらえるようになったとのこと。本当はダメだが内緒で夜勤も可能で、金曜日と土曜日だけだけど夜勤ならお金も稼げるぜ!と胡散臭い笑みを浮かべて語っていた。給料が出たらお姉ちゃんと私にもなにか買ってあげようと言って、何が欲しいか考えておいてねと、色々欲しいものがあったのでお兄さんにお礼をいい、帰り道を歩いていく。
夕方にポロを連れて散歩をしているとお姉ちゃんかお兄さん、それか二人で来る時もあって、ポロを連れてお姉ちゃんとかとお話しながら帰るのはとても楽しい。
土でも崩れたのか道の端に石が転がって来るのが見えた。ちょっと不思議だなと思いお兄さんを見るとお兄さんは後ろをじっと見ているみたいで石に気付いた様子はなかった。
石を拾い上げるとポロが石投げて遊ぼうと尻尾を振って促して来たので、私は道路に石を放り投げた。