深夜のコンビニバイトは割と暇です。   作:秋涼

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夜のバイトの電話対応

「私、メリーさん、今あなたの後ろにいるの」

 

ガチャン

 

返事をせずに電話を切り、後ろを見ないようにバットを回収して駐車場に向かう

先ほど電話を掛けてきたのは怪談とか都市伝説で有名なメリーさん、なぜかコンビニに頻繁に電話を掛けてきては襲い掛かってくる迷惑な客だ。

ちょっと前までは今隣町の学校にいるのとか徐々に近づいてくる演出をしていたが最近は飽きたのか電話にでたらすぐ後ろにいるのって掛けてくるようになった。

 

初めての時はまだ隣町でバイトしてたころ夜勤中に電話が掛かってきて反射的に後ろを見てしまい、何とか撃退できたが、店内は滅茶苦茶となり朝出勤してきた店長に怒られた苦い思い出がある。

 

駐車場の明かりをつけて振り向くと5mほど離れたところに満面の笑みを浮かべた40㎝ほどの人形が浮かんでいた。

 

姿だけ見ると愛らしい人形だがケタケタイヒヒという笑い声と見た目に似つかない血の付いた包丁を持っているのが不気味さを醸し出しているように見える。

 

彼女が包丁を持ってでたらめに切り付けてくる。彼女の動きは早いが俺に致命傷を与えられるのは包丁だけなので包丁に注意しつつ躱す。

 

なかなか相手が殺せないからか焦って大振りになったところでバットで包丁を弾き飛ばし、彼女の襟をつかみ拘束する。ジタバタ暴れているが人形なのでかわいいものだ。

躱してるだけでも時間が経つと消えるが面倒なので包丁を奪って消えるまで捕まえることにしているのだ。

 

「はい、捕まえた。残念ながら君の負けだから今日のところは帰りな」

 

そう彼女に目線を合わせていうとイヒヒと笑いながら手を振りながら消えていった。

 

コンビニ電話して襲ってくる迷惑なメリーさんだが最近では慣れてしまったのか段々と遊んでって言ってくる子供みたいな感じでなかなか可愛く見えてくるから不思議だ。彼女と戦うのは慣れて脅威ではなく、いい運動と訓練になるので今度なにかプレゼントを贈ってみるのもいいかもしれない、尤も彼女がそれを持ち帰れるのかわからないのが問題だが……今度こともちゃんかことねちゃんに相談してみよう。

 

少し運動をして汗をかいたので外で星を見ながら夜の冷たくなった風を浴びつつ星を眺める

こうして見上げた星空が綺麗に映るのは田舎の特権だと実感する。この町の山から見た町の景色もとても素晴らしいが妙な気配というかすごい嫌な気配がするのでなにか良くない奴がいると思われる。最近地方新聞でも妙な事件とかが起こっているらしいし、もしかしたら山にいる何かが原因なのかもしれない。

 

店長代理みたいな事も大分慣れてきたし、バイトが休みの日にこの町のことを色々調べてみるのも悪くないかもしれないと、時計を見てまだまだ夜は長いなとため息をついた。

 

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