深夜のコンビニバイトは割と暇です。   作:秋涼

20 / 24
夜半

先輩は町に来て直ぐに有名になった。

曰く、転校して早々にいじめっ子数名を一人でボコボコにした。

その時に先輩のお婆様は、先輩と一緒に集められていたいじめっ子の親と子に説教したらしい。

説教が効いたのか、お婆様が恐ろしかったのか、クラスかからいじめはなくなった。

 

私は学年が違ったので先輩のことは話でしか知らなかった。

友達がいないのか、休み時間や昼休みに校庭にある背の高い鉄棒でひたすら大車輪していたり、サッカーボールを壁に思いっきり蹴った後、オーバーヘッドで壁に蹴り返して遊んでる姿が見えたが、特に話し掛けようとも思わなかった。なんか怖いし。

 

学校から帰った後、お母さんと一緒に買い物に行く時に先輩を目撃をすることがあった。

商店街の周りを腰にタイヤを付けて、自転車に乗ったお爺さんに追いかけられている姿や、買い物帰りにいつも神社へお参りする際に境内の端で木刀を素振りしているのをよく見かけた。

お母さんが先輩の姿を見て元気ねぇって笑いながら見ていたのが印象的だった。

 

先輩の蹴り返すボールが二つになった頃、いつも通りに買い物の帰りにお母さんと一緒に神社に行くと境内を掃除しているお婆様と、ボールを三つ同時にリフティングしながら掃除をしている先輩に会った。

お母さんがお婆様と話し込んでしまったので手持ち無沙汰になった私がリフティングしながら掃除をしている先輩を眺めていると、視線に気付いた先輩がボールを一つ私に蹴り出した。

ボールは放物線を描き、取ろうとしていないのに私の手にすっぽりと嵌り、先輩は笑いながらこうやるんだよと教えるようにゆっくりとリフティングをした。真似しながらやっていると最初は全然出来なかったが、やっていくうちに一つのボールならなんとか数十回ぐらいなら落とさずリフティングできるようになり、ドヤ顔で先輩を見ると笑いながら拍手をしてくれた。

まだお母さんとお婆様が話し込んでいるので、先輩と話していると、本当はキャッチボールがやりたいが一人じゃ出来ないから困ってる、と言ったので境内では狭いので公園でキャッチボールをやろうという話になり、公園で先輩のお爺さんが迎えに来るまで一緒に遊んだ。

当時は分からなかったが、先輩とお爺さんと一緒に帰る際、黒い影みたいなものとかを目撃していたが、その時はまだ影が変な見え方をしているだけと思っていた。

 

そのあとは先輩と放課後に一緒に遊ぶようになり、あまり運動が得意ではなかったけど先輩と遊んでいたお陰か運動もある程度できるようになって楽しくなってきた。先輩の蹴り出すボールの数が三つになり、サッカーボールが野球ボールに変わって一人で打って、跳ね返ってきたボールをさらに打つセルフバッティングセンターになった頃。

先輩のお爺さんが亡くなり、その1週間後ぐらいにお母さんが買い物帰りに神社へ向かった帰りに突然いなくなった。

いなくなる前に頻繁に左目を気にしていたのが印象的だった。

 

 

 

 

 

夜廻りさんがコンテナ越しに誰かは分からないが、私よりは大人だろうが、そこまで年齢がはなれていない男の人と話をしていた。男性は殺された婚約者の無念を晴らす為にこの町で起こっている不思議な事が関係していると考えこの町に来たのだとそういう。

夜廻りさんにコンテナに入れられていた私がすぐに脱出してポロと先輩を探そうとすると、コンテナから出る時に歩いてくる足音が聞こえ、念のためにコンテナの扉を閉めて外から開かないように中で栓をした際に話しかけてきたのがこの男性だった。

 

 

男性は調べていくうちに婚約者が殺されて行方不明になっているのは夜廻りさんが原因ではないかと疑ってるいるらしいが、私が夜廻りさんは中学生ぐらいまでの子供しか攫わないと昔先輩に教えてもらったことを覚えているかぎりに男性に伝えたところ、この町に先輩やおばあさんみたいに詳しい人がいるのを知らなかったらしく、先輩やおばあさんを紹介してほしいと言ってきた。

しばらく話をしていたが、受け答えもしっかりしているし、先輩やポロも一緒に探してくれるらしいので、見つかったら先輩に色々話してもらえるように働きかけるつもりだ。

 

私は男性と一緒にポロと先輩を探すために、コンテナにしてある閂を外し、外に出た。

コンテナ内には色々とカンテラやら非常食、それとちょっと目のやり場に困る雑誌などが色々とあり、誰かが日常的に出入りしているコンテナっぽいが、誰が使っていたのかは分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

大きいムカデのお使いが終わり、ムカデさんにお姉ちゃんはどことダメもとで聞いてみるとムカデさんが鈴のような音を数秒間鳴らして、しばらく待つとポロを担いだおにいさんがものすごいスピードで走ってきた。わたしは電話をとって不思議な空間にきたのにおにいさんは普通に走ってきたように見えてびっくりした。

おにいさんはムカデさんの近くにきてポロを降ろすとやっとわたしがいることに気付いたのかびっくりしたあと、もう夜だから帰りなさいといいました。

お姉ちゃんが見つかるまで帰らないつもりなのでむっとしているとまたムカデさんが鈴のような音を鳴らしました。するとおにいさんがムカデさんの方向を向いてお辞儀したあと、結界の修復を手伝ってくれたんだなありがとうとわたしの頭を撫でてくれました。

お姉ちゃんは夜廻りさんが保護(誘拐)したらしく、お姉ちゃんは廃工場にいるよと、おにいさんはそうわたしに言いました。

コンテナの中にいてくれれば大丈夫だが、色々とみられるとまずいから早く助けにいくぞ!それとポロか俺から離れるなよ、とおにいさんはわたしに言い、一人から二人と一匹になったわたしたちはお姉ちゃんを廃工場へ迎えに出発するのでした。

 

私たちが出発する姿をムカデさんが見ていておにいさんを見た後、鈴のような音を出していましたが、心なしかすこし呆れているような感じがしました。

 

 

 




なんで行方不明なのに殺されたって分かるんですかね(すっとぼけ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。