深夜のコンビニバイトは割と暇です。   作:秋涼

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深夜廻の小説読みました。
小説より前に書きはじめたので色々と設定に差異がありますが
とりあえずこのまま書き続けようと思います。
直し始めると失踪しそうなので
仕事などが落ち着いたらリメイクでも作ろうと思います。


深夜

ムカデマンこと、先輩と一緒に気味の悪いトンネルを抜けると辺り一面の草原と奥に神社の入口だろうか、赤い鳥居のようなものが見えた。

結構幻想的な光景で綺麗なところなのに、感じるのは寒気だけだった。

そんな私に気が付いたのか、先輩はバットを握り直すと私に手を差し伸べて

 

「さっさとお母さん見つけて、こんなところから出よう」

 

明るい声で励ましてくれ、少し元気が出た私は先輩の手を握った。

先輩の手は妙に冷たく、汗ばんでいた。

 

境内の石段を上っていくと道の途中で黒い手のお化けが私たちを追いかけるように襲ってきた。先輩は襲ってくる黒い手を片手のバットで倒しながら私の手を引いて進んでいく。流石の先輩も疲れるのか、道の途中にある小さな祠に持ってるお守りを近づけると社が淡く光り、襲ってくる黒い手が近寄らなくなるらしく、休憩しながら登っていく。

 

石段を登り終え、先輩と私は孤独な神社にたどり着いた。

あたりを見回すと社を囲むように道中休憩に使っていた小さな祠が立っており、よく見ると祠と祠の間に地面に線が彫られており、社とこちら側を切り離しているようにも感じられた。

 

先輩と一緒に社のほうへ近づいていく、彫られていた境界を超えると辺りから聞こえていた、草を揺らす風の音も、穏やかな虫の声も一切聞こえなくなっていた。耳鳴りを誘うほど静かになったとき、先輩の足が止まった。

どうかしたのかと先輩の方を見ると、先輩は首から下げていたお守りを外し私に掛けた。

どうして急にお守りを私に渡したのか疑問に思っていると。

 

「お母さんを見つけたら、すぐここから出るんだ。お守りさえあれば大丈夫だと思うから」

 

「お守りを渡しちゃったらムカデマンはどうするの?」

 

「大丈夫、俺にはこれがあるから」

 

バットを軽く振ると静かな空間にバットが空気を斬る音が聞こえた。

 

「さぁ、早くお母さんを見つけよう」

 

先輩の手を握り直し、先を進むと社の入り口にお母さんが倒れているのが見えた。

 

「お母さん!」

 

先輩の手を離して、私はお母さんに駆け寄る。

揺さぶっても声をかけると少し身をよじった後

「……ことね?」

お母さんが無事だったと安心した時、低い吐息が社の中から吐き出された。

それと同時に辺りに漂う鉄の臭い、噎せ返るような大量の鉄の臭いが近づいてくる。

 

「……ひぃ……」

 

先輩か私どちらかの悲鳴かは分からないが声が漏れる。

大きな顔がそこにいた。

具体的には顔のようななにか、ヒトが複雑に絡み合って顔の形になっている。

人で出来た肉団子のようだった。

全身が青白く、一本も毛が生えていない、顔にあるのは三つの空洞のみで男性か女性とも分からない人間の体が顔を形成していた。

口の部分の人から骨が出ており。側から見てるとまるで歯が生えているようだった。

さらに上から大きな手が二本落ちてきて、まるで巨人の腕と手がそのまま出てきたようだった。

 

「-----」

 

顔が雄叫びをあげる。

今まで聞いたことのない叫びだった。

目の部分にある大きな右目と左の大小様々な目から向けられる想い、

それはとてつもなく、深い悪意と敵意だった。

足が震え、胃液が込み上げてくる。

見た目以上に、敵意に耐えられなくなる。

体が動かなくなる。

 

「----」

 

先輩が雄叫びをあげた。

それは悲鳴というより、恐怖などを振り切る叫びだった。

先輩の雄叫びを聞いて少し、体が動くようになった。

 

「早く、お母さんを連れて逃げろ!」

 

といい、叫びながら大きな顔の化け物に向かっていく。

先輩と顔の化け物の間に大きな腕が割って入るが、先輩がバットで弾き飛ばす。弾き飛ばしている間でもう片方の手が先輩を弾き飛ばそうとするのを先輩

は地面に体がつくぐらい体を傾けてかわす。

 

「はやくしろ!出られなくなるぞ」

 

ぼっーと先輩の戦いを見ていた私に先輩がどなる。

慌てて意識が朦朧としているお母さんを歩かせて、祠の境界からでる。

 

するとさっきまで感じていた、恐ろしい敵意と鉄の臭いがなくなった。

振り向くと静かな社がたっており、先ほどの化け物と先輩の姿はなかった。

 

先輩はどこにいったのか、と疑問に思っていると草むらの方から黒い手が出てきたので私は慌ててお母さんと神社から逃げ出した。

 

お守りを祠に翳しながら神社を下っていく。

お母さんは意識が朦朧としており、動きが遅かった。

祠のおかげでまだ凌げているが、黒い手は減るどころがどんどん増えてきており、トンネルに着く頃には後ろをむけば手で視界が埋まるほどだった。

 

その光景のあまりの恐ろしさに今、お母さんを置いていったら逃げられるのだろうと想像する。

しかし今逃げたら先輩と一緒に助けた意味がなくなると自分を奮い立たせ必死で次の祠を目指す。

 

なんとか次の祠まで逃げたのはいいが、周囲を完全に黒い手に囲まれしまった。祠の方も長時間効果を持続させるには力が弱いみたいでだんだんと光が狭くなってきており、もうだめだとお母さんに抱きついた。

 

突然、光が黒い手の間から生えてきて周りの黒い手を吹き飛ばした。

よく見ると、先輩のおばあちゃんが懐中電灯から光の剣みたいなものを振り回して黒い手を倒していた。

 

黒い手が全部いなくなり、カメラを取り出してあたりを撮影し終わった後

呆然と見上げている私に

 

「よく頑張ったね。あとは私に任せて先にお帰り」

 

と優しい笑顔でそういった。

 

 

 

 

 

夜廻さんの突進をすれ違いざまに避け、バットをフルスイングする。

肉袋を叩いたような汚い音と共に夜廻さんが吹き飛び、そのまま電柱に突き刺さった。まるで団子のように突き刺さった夜廻さんを見て

 

「あっ、やべ」

 

とお兄さんはぼそりと呟き、咳払いをして

ピクピクしている夜廻さんにお札を貼り付け

 

「まぁ大丈夫だろう、先を急ごう」

 

と私とポロを促した。

 

 

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