やはり俺の相棒が劣等生なのはまちがっている。   作:読多裏闇

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と言うわけで1話目です。

とうとう駄文を電子の海に放流してしまったと言う感じがしますが、お付き合い願えたら幸いです。


入学編
入学編1


「納得できません!!」

 

「まだ言っているのか・・・・・・?」

 

 魔法大学付属第一高校、通称“第一高校”の入学式が始まるまでの残り2時間を切ろうかという少々会場入りには早すぎる朝。

 当然のごとく参加者さえまだ疎らな入学式会場のである校門前でもう何度目かになる論争が展開されていた。

 

「何故お兄様が補欠なのですか?入試の成績はトップではありませんか!」

 

「・・・魔法科高校なのだからペーパーテストより実技が優先されるのは当然じゃないか。俺の実技の実力は深雪もよく知っているだろう?」

 

 一人の女生徒が食って掛かかりそれを男子生徒が何とかなだめている構図だ。だがそこにはもう一人、それを後ろで眺めつつ気配を消してその場からエスケープを図ろうとしてる人物が居た。

 

『この議論は今日に至るまで何度やったか覚えていないが、このパターンで行くと巻き込まれるのは確実だな。こういう時には撤退がいちb・・・』

 

「ですが・・・。いえ、この件については全く納得しかねますがお兄様の実力が評価されにくいものは分っていたことです。全く納得しかねますが。

 ですが、それでも私が新入生総代になるのはおかしいと思うのです“八幡さん”?」

 

誰もが認める美少女である深雪に氷のように冷たいにこやかな笑顔を向けられ、その兄である達也の手によって右肩を捕まえられつつ『逃がすと思ったのか?』と言わんばかりの目線で無言の圧力をかけられた比企谷八幡の撤退作戦は失敗に終わった。

 

 

 

 

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「さて、八幡さん。今まで事あるごとにはぐらかされてきましたが今日という今日は白状しててください。“手を抜きましたね?”」

 

 先ほどまで達也に向けていた矛先を八幡に向けた深雪は今日こそは逃がさないというオーラをまとい問いを投げる。

 

『笑顔が怖い。いやそんな氷のような微笑で見ないでくれませんかね?ちびっちゃうでしょ。』

 

「いや、魔法技能として見る分にはお前のが成績がいいのは事実だろ?」

 

「それを含めましてもペーパーテストでお兄様に匹敵する知識量を持ち、お兄様に次ぐ2位の成績を修めている八幡さんが私を下回るのは考えられないのですが?」

 

「ほう。入試結果の出所は八幡だったか。」

 

 兄妹両方から痛いところを突かれたのか「うぐっ」と唸りつつ目を背けた八幡に対し違う視点から追撃をしてきたのは達也だった。

自分でばらしたのだから自分で責任をとれと言う事だろう。

 

「いや、当日はアレがコレしててな・・・。それに、さっき達也が言ったが実技にウェイトが置かれるのは当たり前だ。試験内容も別に俺が得意な内容と言うわけでもないし至極真っ当だよ。

 それに俺が新入生総代の挨拶とかしてみろ。初っ端から噛んで黒歴史が増えちまうだろうが。」

 

「そんな覇気のないことでどうしますか!八幡さんはご自分の過小評価が過ぎます!お兄様だって本来の実力を以てすれば「「深雪」」」

 

名を強く呼ばれる警告でハッとした深雪は悲しげに目をそらす。

 

「それは言っても仕方のないことだ。分っているだろう?」

 

「・・・申し訳ありません」

 

 告げられた謝罪は悲痛さが込められていた。

 達也の力が通常の魔法科高校の評価基準では測れないというのは分っていたがやはり納得がいかないのだろう。

 

「気持ちは分からなくはないが頼むから元気出してくれないか?そんな顔で深雪を演説させたとか言ったら小町に殺されるんだが・・・」

 

「・・・・・・ふふ。」

 

「またごみぃちゃんとか言われちゃうでしょ」とぼやく八幡を見て毒気を抜かれた深雪がほほ笑む。

 

「そうだ。俺も楽しみにしているんだよ。

なんたって今日は深雪の晴れ舞台なんだから。」

 

「・・・分かりました。しっかり勤め上げて見せます。

見ていてください。お兄様、八幡さん。」

 

先ほどとはうって変わって明るい笑顔での問いかけに。

 

「そろそろ時間だね。行っておいで。」

 

 と、背中を押しつつ促す達也と。

 

「まぁ、がんばれ。」

 

猫背を保ちつつ気だるげに手を振る八幡に。

 

「行ってまいります。」

 

と頭を下げ、深雪は講堂の中へ消えた。

 

 

 

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「さーて暇になったぞ」

 

入学式開始まで後1時間半はある。そもそもこの早い時間の登校は深雪の新入生総代が行う答辞の準備のためであり達也と八幡はその付き添いでしかない。

 

「まぁ、俺たちは答辞があるわけではないし、そこのベンチ当たりでのんびり待ってれば十分だろう。

 ・・・と言うか待たされるのが分かっていたから別に一緒に登校しなくてもいいと伝えたはずだが?」

 

「小町に

 

「どうせ入学式なのにギリギリに行くんでしょ!深雪さんは答辞があるんだし応援してあげなきゃダメでしょ!」

 

って怒られてな。」

 

面倒さと気だるさMAXで体現しつつポケットに忍ばせていたマッカンを取り出す。

 

「あぁ・・・、それで深雪が迎えに行くと言い出したのか。流石のシスコンだな、まるで妹に頭が上がってない。」

 

「小町が深雪にメールかなんか送ったんだろ。・・・・・・ってシスコンはお前にだけは言われたかねえぇ!!」

 

 そう叫びつつプルを開けたマッカンをあおる。口の中に強烈な甘みが広がるのを感じながらまだ家にいるであろうあざとい笑顔の妹を思い出す。

 そう、妹の小町と深雪は仲のいい友達・・・・・・と言うだけでなく、実は比企谷家と司波家は両母親が姉妹であるため達也と八幡は従兄弟に当たる関係で司波家の一部を除き両家との関係も良好なのだ。

その兄妹の妹同士である小町と深雪は非常に仲が良くお互いの家族のこと(特に兄の事)は筒抜けであり、愚痴や告げ口(主に八幡についてのもの)も容赦なく行われる。

 

「まぁ、それが無くても迎えにはいきそうな雰囲気だったがな。お前が入試で手を抜いたりするからだ。」

 

「新入生総代とかになったら高確率で生徒会だ何だに勧誘受けるだろうし、何より目立つ。ボッチを殺す気か?」

 

「ならそう深雪に伝えたらいいだろう。」

 

「・・・・・・入学初日からの凍傷は勘弁願いたい。」

 

達也は毎度のボッチを盾にした主張に頭を抱えつつ、あの甘すぎるコーヒーを「よく飲めるな」と思いつつも特に突っ込みを入れるわけでなく二人はベンチに座り他愛のない雑談などで時間を潰しつつ、入学式が始まるのを待った。

 

 

 




書き出しの部分書いてたら話が前に進んでいないような・・・?

素人感満載ですが2話目は出来次第投稿致します。

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